異世界転移した男性Vtuberが、現実の有名女性V達からモテる話。   作:梯子田カハシ

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第2章 一宮リリアは赤髪冒険者の夢を見る
第1話 リアリアの新衣装お披露目配信


 

夢空ハル(お兄ちゃん)の新衣装お披露目配信から数日後。

私は所属事務所Alia:ReLiveの同期である一宮リリアちゃんと新衣装お披露目配信をしている。

 

 

「ということで、私達の新衣装どうでしょうか‼」

 

「正直なところ“最高”以外の感想なんてないよね。 振袖かわいいし、マリアとお揃いだし」

 

 

リリアちゃんは上機嫌にそう言うと隣に座る私を見てニコリと笑う。そう、東雲マリアと一宮リリアによる今日のリアリアコンビの配信は私の部屋でオフコラボだ。

 

 

【最高です‼】

 

【かわいい‼】

 

【リアリア最高‼】

 

【やはりかわいいは最強…】

 

【成人式みたいで華やかだねえ】@Asari

 

 

煽るようなリリアちゃんの発言にコメント欄も盛り上がりを見せる。そして今日も今日とてAsariママがコメント欄に出没している。

 

 

「Asariママ、今日もありがとう‼ 今回は成人式を意識してそれぞれのママに相談して衣装を作ってもらいました‼ リリアちゃんとお揃いでバーチャル成人式です‼」

 

「そうそう。これぞリアリアの絆‼ みんな"てえてえ"の過剰摂取で倒れないように‼ 」

 

「あはは、既にコメント欄に倒れてそうな人が結構いるけどね…」

 

「ホントだ‼ リレー配信じゃなくてコラボにしたのは正解だったね、マリア」

 

「そうだね、リリアちゃん」

 

「オッケー‼ そしたら時間も時間だし、今回のお披露目配信は大好評ということで、そろそろ終わりますか。みんな配信来てくれて、ありがと~‼」

 

「みなさん、新衣装お披露目配信、ありがとうございました‼ 」

 

「それじゃ、私はこの後マリアちゃんと存分にイチャイチャしてから寝ます‼ みんなが血の涙を流して羨ましがっても今夜は私がマリアを独占するからっ‼ それじゃ、おやすみ~」

 

「私に拒否権はないんだね。それじゃ、皆さん、おやすみなさい」

 

 

【楽しかった!!】

 

【やはりリアリアは至高なり】

 

【部屋の壁になりたい人生だった…】

 

【マリアちゃん独占宣言かわよ】

 

【おやすみ〜】

 

【おつー!!】

 

 

流れるコメントを横目に私は配信を終了させる。時刻は夜の11時をちょっと過ぎたくらい。完全に配信が切れたのを確認してリリアちゃんが小さく伸びをする。

 

 

「侑里ちゃん、おつかれさま!! オフコラボ付き合ってくれてありがとう。」

 

「志真ちゃんも、おつかれ。楽しかったね。」

 

 

そう言うと小柄な少女がはにかむように笑う。

一宮リリアこと佐藤侑里ちゃん。同じ19歳で同期の同僚である彼女はバーチャル上のキャラとは裏腹に大人しい外見をしている。…そして普段の言動もかなり配信上とは異なる、と思う。

 

 

「うん。それで…侑里ちゃんはこのあと私を独占してくれるの?」

 

「うっ…志真ちゃん、いじわる。あっ、でも少し志真ちゃんとお話したい、かな?」

 

 

そう言って侑里ちゃんは上目遣いに私を見つめてくる。かわいい。そう、配信上では”ヤベーやつ“ともあだ名される一宮リリアちゃんではあるが、普段の彼女はとってもカワイイのだ。

 

 

「もちろんだよ!! 今回の振袖の件も協力してもらったし…何時間でも付き合うよっ!!」

 

「あっ、そう言えば、志真ちゃんはなんで振袖にしたかったの?」

 

「えーっと、理由聞きたい?」

 

「うん」

 

 

侑里ちゃんの真っ直ぐな瞳に見つめられた私はしぶしぶ振袖にこだわった理由を話す。

 

まあ、明里さんが先走ってお兄ちゃんとシンメになる衣装をデザインしたから、私がなにかをした訳ではないんだけど、改めて友達に話すと少し恥ずかしい。

 

 

「…それで、侑里ちゃんに振袖の新衣装を相談したの。なんか、お兄ちゃんのカモフラージュみたいになってて申し訳ないんだけど…」

 

「全然、大丈夫。むしろ…志真ちゃんが頼ってくれて嬉しいよ?」

 

「侑里ちゃん…ありがとう‼ それに前から2人で話してたけど、侑里ちゃんとお揃いの新衣装を作りたかったから。来年はお互いに成人式だし‼」

 

 

新衣装に関して利用してしまったことを謝ると、侑里ちゃんは優しく笑ってくれる。

目の前の彼女はとても穏やかで、配信での挑発的で大雑把な印象は感じられない。

 

 

「あははっ。志真ちゃんってお兄ちゃん思いなんだね。私は一人っ子だったから、あんなお兄さんがいる志真ちゃんが羨ましいな。」

 

「そっ、そんなことないよ‼ いっつも怒られてばっかだし、うるさいだけ‼」

 

「ほんとに?」

 

 

そう言って侑里ちゃんが首を横に振る私をニマニマと覗き込んでくる。…違う。私は断じて、断じてブラコンなんかじゃない。

 

 

「…でも、本当に羨ましいな。もし、あの時に…」

 

 

焦っていた私は、侑里ちゃんの小さな呟きを聞いていなかった。それでも、楽しそうな彼女の瞳が、ほんの少しだけ憂いの色を帯びたのは感じ取れた。

 

だからこそ、他の話題に話を逸らせる。

 

 

「そ、そう言えば、最近侑里ちゃん先輩とのコラボ増えたよね」

 

「うん、そうだね。同期だけだと幅があるし…がんばりたいなって。ホントはアリアリ以外のVtuberの人ともコラボしてみたいけど、ちょっと怖いから」

 

「そう? 配信見てたけど先輩にグイグイ行ってて面白かったよ‼」

 

「ありがと。私、人見知りだから大人数コラボとか苦手なんだ。それより、志真ちゃんとシーナちゃんのコラボ方が凄かったよ。切り抜きもたくさん流れてた」

 

「やっぱりあのレベルの美少女が登場すると、そりゃバズるよね。」

 

「私もシーナちゃんとコラボしてみたいな。もしかしたらビックリされちゃうかもだけど」

 

「リリアちゃん、あんまりシーナをからかわないでね‼」

 

「あはは、それはその時の私《リリア》次第かな?」

 

「えー、それじゃあコラボさせられないよっ‼」

 

 

私達のガールズトークはそれから3時間ほど続き、2人の寝落ちによって終息を迎える。

かくして賑やかに、でも穏やかに、私達の夜は更けていく。

 

 

…翌日、一宮リリアがそれを自慢げに話し「リアリアはガチ」だの「リアリアの熱い夜」だの言われるのは、また別の話。

 

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