異世界転移した男性Vtuberが、現実の有名女性V達からモテる話。   作:梯子田カハシ

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第3話 レイ・アインエガー

 

「ハル…なんだか久し振りですね…」

 

 

そう言ってシーナがはにかむ。

うん、今日も我らが皇女様はかわいいな。

 

【きたあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼】

 

【シーナちゃん‼】

 

【かわいい】

 

【かわいすぎる】

 

【シーナちゃん最強‼ シーナちゃん最強‼】

 

 

コメント欄が一気に沸き立つ。

視界の端を流れるコメントの流れが速すぎて若干引くレベルである。

 

 

「あはは、シーナのおかげで視聴者が喜んでるよ」

 

「あ、もう配信をしているのですね。皆さま、ごきげんよう」

 

 

そう言ってシーナが笑顔でカメラに手を振る。

流石は王族、ファンサが凄い。あとは志真とのコラボで配信に慣れたとか。

 

 

【ごきげんよー‼】

 

【きゃわいい】@Asari

 

【シーナちゃああああんん‼】@東雲マリア

 

【かわいすぎる…】@夢空ハル

 

【シーナちゃん最強‼ シーナちゃん最強‼】

 

【こんばんはー‼】

 

 

視界を流れるコメントが速すぎて読めない。

なんか身内のコメントが続いた気がしたが、気のせいだろう。

 

超大手のVtuberさんとかってこんな感じなんかな…この速度でコメント拾えるのはもはや超能力かなんかだろ。動体視力えげつなくないか?

 

 

「あーダメだ。酔うわ、これ。“コメントオフ”」

 

 

指示を出すとすぐに流れていたコメントが消える。

 

その時、俺から見てシーナの左隣、ちょうどコメントが流れていた位置に立っていた女性と目が合った。凛としたたたずまいでこちらを見る赤髪の女性は、少し怪訝そうな表情を浮かべている。

 

 

「レイ様‼ こんばんは‼」

 

「なんで団長がいるの~?」

 

「サラ、それにリアも。国王陛下からシーナ様の護衛の任を賜ったんだ。それにしても、2人こそ、なんでこんな場所にいるんだい?」

 

 

俺と赤髪の冒険者が無言で目を合わせていると間にサラとリアが入ってくる。

 

どうやらネコミミ姉妹と赤髪の女性は知り合いのようだ。俺はこっそりジャスパーに近づく。

 

 

「おっさん。あの女性の冒険者は…」

 

「ああ、坊主は知らないか。彼女はレイ。あの嬢ちゃんたちが所属しているクラン”赤鷹の嘴”の団長にして、王都フィリーアでも指折りのトップ冒険者だ。強いぞ。」

 

「そうなんか。道理でネコミミ姉妹が懐いてる訳だ。でもなんでシーナと一緒に来たんだ?」

 

「いや、わかんねーな。国王陛下がどうとか聞こえたが…」

 

 

ジャスパーと2人で話していると今度はシーナが近づいてくる。

シーナは俺の隣に来ると、覗き込むような上目遣いで俺を見てくる。

 

 

「レイには私が幼い頃から魔法の先生をして頂いているのです。」

 

「あー、いわゆる家庭教師的なことか。」

 

「そうです。なので今回、父上が私の護衛役に適任だろうと」

 

「なるほどね」

 

「はい…」

 

 

俺はネコミミ姉妹と楽し気に会話する冒険者レイを眺める。赤い短髪とキリっとした目元、柔らかくも凛とした雰囲気。まさに女子高でモテる王子様系女子だ。

 

 

「あの…」

 

 

その時、服の裾を引っ張られる感覚がしてシーナの方を見る。シーナはジャスパーの方をちらちらと見ては俺に視線を投げかけてくる。

 

 

「ああ、ごめん。シーナに紹介するの忘れてたね。こちら、俺が連れてきた護衛役をしてくれる冒険者のジャスパーだ。」

 

「皇女様、お初にお目にかかります。クラン“黒龍の鱗”の幹部をしているジャスパーと申します。」

 

「ご丁寧にありがとうございます。オルディネ公国第3皇女のシーナと申します。ジャスパー様、どうぞよろしくお願いいたします。」

 

「はっ、護衛の任、身に余る光栄にございます‼」

 

 

…おっさん、こんなキャラだっけ?まあ、これが通常の反応なんだろうけど。きっとジャスパーもそのうちサラとリアのように慣れるだろう。

 

そんなことを考えていると、再び赤髪冒険者レイと目が合う。どうやら向こうの3人も俺達と同じような事を話していたようだ。

 

 

「夢空くんだね。私はクラン”赤鷹の嘴“の団長をしているレイ・アインエガーだ。よろしく」

 

 

レイがそう言って手を出して握手を求めてくる。

差し出された手を握り返し、俺も笑顔でそれに答える。

 

 

「よろしくお願いします、レイさん。クラン“赤鷹の嘴”ということはサラとリアの所の?」

 

「そうだ。ウチの子達が世話になったみたいだな」

 

「いえいえ、むしろお二人には自分がお世話になってばっかりですよ。ありがとうございます」

 

 

久々に社会人モードに入ると自分でも違和感が凄いな。何なら後ろでサラがドン引きしてる。

 

 

「…アンタ、いきなり気持ち悪いわよ…」

 

「どうしたんですか? サラさん?」

 

「やめて、ハル!! いつもみたいに雑に接しなさい!! ほら、レイ様も!! ダンジョンにいきましょう!!」

 

 

サラが逃げるようにダンジョンへ向かっていく。

そんなサラの後ろ姿を見て俺とレイさんは目を合わせて笑い合う。どうやら普段の雰囲気が伝わったようだ。

 

 

「それじゃ、みんなも行こうか。シーナ、久し振りだけと大丈夫?」

 

「はい!! 頑張ります!!」

 

そう言ってシーナはニッコリと笑顔を浮かべる。

ほかも面々の顔を見ると、皆やる気十分といった表情だ。

 

…さあ、頑張ろう。

 

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