異世界転移した男性Vtuberが、現実の有名女性V達からモテる話。   作:梯子田カハシ

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第24話 張り巡らされた罠は星座のように(東雲マリア視点)

 

「す、凄い……本当に追いかけてきた」

 

 

視聴者さん達と一緒に北の拠点に移動する私、東雲マリアは背後を確認して思わず声が漏れてしまう。

 

後ろに見えるのは私を追いかけて出撃してきたミディアックス側の船団。カーソルを合わせると「真琴リン」というプレイヤーネームと「1,400」という数字。つまり、真琴さんが率いる1,400人の兵士が私達600人を追いかけてきたということで…………それは、カグヤさんが想定した通りの動きを相手がしたということだ。

 

 

《お~ほっほっほ!! この星織カグヤの作戦通りねっ!!》

 

「さすが……というより怖いです。カグヤさんの前世ってどこかの参謀とかだったりしました?」

 

《自分の才能が恐ろしい……もしかしたら前世で風の向きを変えたり、泣いて部下を処刑したりしてたかもしれないわ。あとは上司が3回挨拶に来るまで引き籠ったり》

 

《……先輩。リリア、そのエピソード分からない》

 

《え、ホントに? ……もしかして、マリアちゃんも?》

 

「ごめんなさい」

 

《……うん。これは先輩である私の責任ね。2人とも安心して、この星織カグヤが後で三国志のなんとやらを教えてあげる。視聴者さんは……Yourtubelで「袁紹、お茶しない?」で調べてみてね》

 

「さっきから何を言ってるか分からないです……あ、リリアちゃん、もうちょっとで拠点に着きそう」

 

《了解。リリアももう少しで合流できると思う》

 

「オッケー。それじゃ、またあとで」

 

《バイバイ》

 

《あの~、私を置き去りにして通話切らないで欲しいんだけ……もうミュートになってるっ!?》

 

 

カグヤさんのリアクションに思わず笑ってしまいつつ、私は画面の視界に捉えた北の拠点に向かって直進する。……このペースなら追いつかれることはなさそう。あとは、リリアちゃんが間に合うか。

 

 

「みんな、リリアちゃんの拠点に入ったら防衛戦です!! 私達の初陣、絶対勝ちましょう!!」

 

 

視聴者さん達に声を掛けると、画面内の視聴者さん達のアバターが腕を上げて応えてくれる。そんな視聴者さん達の姿に頼もしさを覚えつつ、私は深呼吸をする。

 

いよいよ戦闘。作戦では上回ってる。後は、私の指揮と、視聴者さん達のプレイング次第。

 

 

「よし……頑張ろう」

 

 

ミュートを解除して、私以外のアリアリ側の視聴者さん達にも。

 

 

「みなさん、作戦をお伝えします。……まずはリリアちゃんの視聴者の皆さん、初戦勝利おめでとうございます。お疲れさまでした。現在、私、東雲マリアと一宮リリアちゃんの部隊がそれぞれ北の拠点に向かって移動中です。私達はこのまま合流して、私を追っている真琴リンさんとの拠点防衛戦に入ります。」

 

《アンタ達、またやったるわよ~》

 

「そして……自拠点に待機中のカグヤ先輩ですが、同じく拠点待機している私の部隊と合流して織音ベルさんが控えているアテナイ拠点Ⅰを攻撃します。カグヤ先輩の視聴者さんも全軍動員です。なので……ここからは全視聴者での戦闘参加です。皆さん……頑張りましょう!!」

 

《やっと私達の出番よ~!! 星織軍団の力、見せつけるわよ!!》

 

「それでは皆さん、ご武運を!!」

 

《ヒャッハー!!!》

 

《………ねえ、マリア? 私達の先輩ってこんな世紀末な感じだったっけ?》

 

「あはは……まあ、カグヤ先輩ここまで待機だったから」

 

《それもそうね。それじゃ、またあとで》

 

「はーい」

 

 

カグヤ先輩とリリアちゃんがミュートにしたのを確認して私もミュートにする。……自分で説明してて、改めてカグヤ先輩の作戦の緻密さに驚かされる。

 

「防衛戦に強いけど少数の軍隊で拠点を奪えなければ負け」というルールの中では「どの拠点を奪って、どの拠点を攻めさせるか」の主導権を握るのが大事になる。だからこそ、カグヤ先輩はハッタリの作戦会議をして「奪いたい拠点の防衛力を削る」ことと、そして私が海を移動する囮になることで「拠点陥落の報復戦の矛先を北の拠点に限定させる」ことに成功した。

 

さらに、カグヤ先輩本人が動かないことで私を追いかける戦力とミディアックス側の拠点防衛に割く戦力を分散させて、結果的に私とリリアちゃんが合流すれば北の拠点の防衛は勝てるであろう戦力しか追ってきていない。

 

さらに、さらに。カグヤ先輩の本隊と私の別動隊が合流すればミディアックスの拠点をもう1つ落とせるかもしれない。

 

 

「……今後カグヤ先輩には逆らわないようにしよ」

 

 

とにかく、味方になったら星織カグヤさんほど心強い先輩はいない。

 

 

そんな先輩のお役に立つためにも、しっかり作戦を遂行しなければ。まずは、私の拠点に残ってくれている視聴者さん達にカグヤさんと合流して貰わないといけない。そのためには、私以外に視聴者さん達、もとい東雲マリア別動隊の統率をしてもらわないといけない訳で……

 

 

「と、いうことでAsariママ、別動隊の先導をお願いしまーす」

 

 

私は今回のゲームに参加している明里さんに声を掛ける。

 

別動隊を動かすことが決まった段階で明里さん、ことAsariママには別動隊の指揮をお願いしていた。Asariママであればモデレーターだし、コメント投稿もできるしで色々と動きやすいし、私の視聴者さん、特にメンバーシップに入っている人達でAsariママを知らない人はいない。コメント欄が見れないからAsariママや別動隊の視聴者さん達の反応は分からないけど、きっと大丈夫。だって、明里さん、めっちゃこのゲームの練習してたし。

 

 

「それでは、皆さん。スパルタの威光を知らしめてやりましょう!!」

 

 

 

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