異世界転移した男性Vtuberが、現実の有名女性V達からモテる話。   作:梯子田カハシ

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第8話 ネコミミ姉妹との帰り道

 

【やりやがった、、、】

 

【すげえ。マジで普通に画面に見入ってたわ】

 

【かっけえええええええ‼】

 

【神 回 確 定】

 

【モンスターの消滅エフェクト綺麗だな】

 

 

 

「はあ、はあ、、、やったのか…?」

 

「やったわ!!」

 

「ハル、えらい」

 

実感が湧かず呆然と立ち尽くす俺の下にサラ・リア姉妹が駆け寄ってくると、2人はそのまま俺に抱きついてくる。やめろ、マジで今は全身痛くて動けないんだ。

 

【おい、夢空ぁ‼ そこ変われよ‼】

 

【ケモミミ姉妹のハグ、うらやます】

 

【ハルくん、鼻の下伸びてるよ】@Asari

 

【…エッチ】@東雲マリア

 

【Asariママとマリアちゃんwww】

 

【ネームドモンスターの次は炎上&ユニコーンとの戦いだな】

 

【それはケモミミ姉妹にハグされたことへの炎上?それともマリアちゃんにコメントで応援してもらったことへの炎上?】

 

【両方です】

 

 

疲れと極限状態からの解放で動けない俺をよそに、コメント欄は盛り上がっているようだった。ってか東雲マリアちゃんは分かるとしても異世界の獣人姉妹に角を生やすな、ユニコーン(処女厨)よ。

 

 

「よかった。これでダンジョンから出られる。視聴者のみんな、本当にありがとう。Asariママも、東雲さんも、ありがとうございました。マジで力になった。」

 

 

なんとかネコミミ姉妹を引き剥がして、俺はカメラに頭を下げる。あれだけの同接数がなければ、今頃倒れていたかもしれない。

 

 

【別にちょっと格好良かったなんて思ってないからな‼】

 

【CGかと思ってたけど、最後は普通に応援してたわ】

 

【カッコよかったぞ‼】

 

【これからも応援する‼】

 

 

コメント欄の反応を確認して俺の頬が緩む。

今は感謝の思いしかない。それに、応援してくれた視聴者のみんなの前で勝てて良かった。

 

 

「ハル!! いつまでカメラ?に話しかけてるのよ‼ ダンジョンを出る前にお楽しみタイムよ。ほら、早くこっち来なさい!! ドロップ品を確認するわよ!!」

 

 

俺が感慨深くコメント欄を眺めているとサラが興奮したように俺に手招きをして声を掛けてくる。どうやら、ドロップ品があるようだ。何か役に立つものがあると良いが…っと、その前に配信を終わらせよう。

 

 

「ということで、こんどこそ今日の配信は終了です。ってことで、また見に来てくれよな‼ 今日は本当にありがと。それじゃ、みなさまおやすみってことで、ばいばーい。」

 

 

俺はカメラに向かって手を振り、右目を閉じて配信を終了させる。

 

視界の端に流れていたコメント欄も消える。…最後にチャンネル登録と高評価お願いするの忘れてた。

 

 

「まあ、次の時は忘れずお願いしよう。」

 

 

俺はドロップ品が入っているであろう宝箱を眺めるサラ・リア姉妹の下に向かう。

2人は待ちきれないとばかりに目を輝かせて宝箱に見入っている。

 

 

「…なんで開けないんだ?」

 

「なに言ってんの‼ 3人で倒したんだから、3人で開けなきゃ‼」

 

「そう言うもんか。」

 

「そうよ‼ それに冒険者の中には勝手に開けてドロップ品ちょろまかす奴もいるんだから。ハルも気を付けなきゃダメよ。」

 

「そんなことより、お姉ちゃん。早く開けよう。」

 

リアが待てないとばかりに宝箱に手を掛ける。

そして、宝箱を開く。…中から出てきたのは、巨大な魔石と指輪、数多の宝石、そして巻物だった。

 

 

「魔石はギルドで換金して山分けにするとして、残りから好きな物を選ぶ感じね。ハル、どれにする? 好きな物を持って行っていいわよ。」

 

「いいのか?」

 

「もちろん。一番ダメージを稼いだのは貴方じゃない。」

 

「そうか。それじゃあ、お言葉に甘えて…」

 

 

俺はそれぞれのドロップ品を手に取って眺める。

手に触れるとドロップ品のステータスが見え、詳細を確認することができる。

 

 

「なるほど。宝石は換金用アイテムで、巻物はスキルポイント5,000Ptってところだな。だけど、5000以下のスキルの獲得にしか使えないと。それで、指輪は、、、おお、スキルが内蔵されているのか。スキル名は、、“念力《サイコキネシス》”?」

 

 

自分のスキル一覧画面を確認するとスキル:念力は習得に6,000Ptが必要だった。

…つまり、好きに選べる5,000Ptか確定された6,000Pt相当スキルってことだ。

 

 

「…それじゃあ、俺はこれで。」

 

 

少し悩み、俺は指輪を選んだ。

これも何かの縁だし、ちょっと面白そうな使い道も思いついた。

 

 

「そう? てっきり宝石を選ぶかと思った。」

 

「どうしてだ?」

 

「だってハル、あなた今お金持ってないでしょ?」

 

「ダンジョンから出ても、待つのは野宿」

 

「、、、あっ」

 

 

俺の表情がおかしかったのかサラが笑いだす。

リアもジト目で俺を見つめて不敵な笑みを浮かべている。

 

…全くこの後のことを考えていなかった。

 

 

「大丈夫よ。明日になって魔石を換金すれば、お金は入ってくるわ。まあ、今夜は野宿になるかもしれないけど。それと、多分だけど宝石も明日じゃないと換金できないわよ。」

 

そう言ってサラは意地悪な笑みを浮かべるのだった。

この瞬間、俺は今夜の野宿を覚悟した。…お願いだから、雨だけはやめて欲しい。

 

 

 

 

 

「おお、星空が見える‼ 雨じゃない‼」

 

ダンジョンから出た俺はすぐさま空を見上げる。

そこには都会の光とは無縁な、絶景の夜空が広がる。

 

 

「…配信でみんなにも見せてあげたいな。」

 

 

俺が感傷に浸ってる横でサラ・リア姉妹は呑気に言い争いをしている。どちらが巻物をゲットするかで揉めているようだ。ギャーギャー騒いでいる姿は、まさにじゃれ合っている猫のようだった。

 

 

…仲がいい姉妹がいるのはいいことだ。

 

 

「待っててくれよ。」

 

 

俺は恐らく同じ空では繋がっていないであろう6歳下の妹を思い浮かべる。

志真はさっきの配信を見ていてくれただろうか?まあ、寝てたかもな。

 

 

 

 

そんなこんなで俺はケモミミ姉妹とともにダンジョン近くの町まで歩いて向かう。

 

「にしても、いい景色だな。」

 

暖かい風が肌を撫でる。

満天の星空と草原、木の柵と砂利道。

 

月明かりに照らされた草木を風が揺らす。

 

「写真に撮りたいくらいだ。」

 

俺がそう呟くと、ステータスメッセージが起動される。どうやら写真も撮れるようだ。

 

 

〘左目を閉じて写真撮影〙

 

 

…なるほどな

 

俺は試しに左目を閉じてみる。

ピコンという音がして、メッセージ画面に俺の視点からの画像が表示される。

 

「おーい、サラ、リア。ちょっとそこに並んでくれないか?そうそう、はーい笑って!!」

 

俺は町の夜景を背景にしてケモミミ姉妹を並ばせると、左手を閉じる。

 

「いきなりウィンクって、何のアピール?」

 

「自意識過剰?」

 

…ここに来て初めて気づく。

 

配信終了の右目を閉じる仕草も、視聴者にはウィンクに見えてたのか…

 

「いや、そういう訳じゃなくて」

 

「はいはい、わかったわー」

 

俺をいなしてサラは歩き始めてしまう。

リアも相変わらずジト目で俺を見つめてくる。

…なんだか急に恥ずかしくなってきた。

 

「マジで…気をつけよう…」

 

俺はトボトボと2人の姉妹に付いていく。

心なしかサラ・リア姉妹2人の足取りは軽いようだった。

 

 

 

 

町明かりが近付いてきた辺りでサラが俺の隣に来る。何かを言おうとしているのか、時折俺の顔を見てはモジモジしている。

 

 

「その…あんた、今日の戦闘…なかなかやるわね。」

 

「ありがとう。まあ、俺だけの力じゃないんだけどな。」

 

 

「それで、えっと、その、、助けてくれて、ありがとう。 」

 

「ん? ああ、壁に背中を打った時か」

 

 

「そう。まさか助けに来てくれると思わなかったから。嬉しかった。」

 

「まあ、一緒に戦ってる仲間が怪我を負ったら嫌だからな。それに、せっかく綺麗なんだから、下手に傷が残ったらサラも嫌だろ?」

 

 

「、、、そうね。ありがとう。」

 

「ってことだからさ、サラさん。今夜の宿代、貸してくれたら嬉しいなーなんて思ってるんだけど。」

 

 

俺がそう言うと顔を真っ赤にしてサラが睨んでくる。

…ついでにサラの奥にいるリアもジト目で睨んでくる。

 

「ハル、流石にそれはない。雰囲気台無し」

 

リアの辛辣な言葉が刺さる。

それでもサラは宿代を貸してくれた。

 

 

明日ギルドに魔石の換金に行く約束をして宿屋の前で別れる。聞くところによるとギルドでは冒険者登録もできる、所謂ラノベに出てくる冒険者ギルドのようだった。

 

…次の配信は冒険者登録かな?

 

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