BLUE ARCHIVE -1.0   作:あたー

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皆さんあけましておめでとうございます。
もっと早く投稿するつもりがめっちゃ間が空いてしまいました!こんな筈では…
主はまだ失踪する気はありませんので今後もBLUE ARCHIVE-1.0をよろしくお願いします。
それでは18話になります。






発見

-夜間-

~キヴォトス外洋~

 

 ここ数日間、アビドス高等学校の雨雲号を載せて海の捜索活動を行っていたトリニティ総合学園所属の軍艦ランカスター。

 もう日はすっかり落ち、対潜ソナーでの探索のみを行い始めてからしばらくたった頃、CIC(戦闘指揮所)のソナー要員生徒が艦内無線に向けて声を上げた。

 

「ソーナー探知!海中に移動物体を確認、方位左20度、距離1700、深さ150、速度6ノット!本艦へ向け接近中!」

 

 未確認物体の発見、それ自体はこれまで何度もあったことだった。

 だが今回の場合は明確な異常事態であり、報告を聞いた艦橋の航海長はソナー要員へ抗議の声を発する。

 

『どうしてこの距離に接近されるまで分からなかったんだ!?』

「ソーナーが突然この物体を探知したんです!先程までは何も映っていませんでした!!」

 

 本来対潜ソナーは最低でも10000メートル以上離れた距離の物体を探知する能力を持っており、事実これまでも様々な物体を遠距離から発見できていた。しかし今回の物体は1700メートルという至近距離になってから唐突にレーダー上に出現したのである。

 そんな異常な存在への対処を突然行うことになったのだが、艦橋側の面々は冷静に各部署へ対応指示を出す。

 

『ソーナー、移動物体が発する音を確認できるか?』

「目標物に心臓の鼓動音と鳴き声を確認。目標を生物と断定。ですが…これは聞いたことの無い鳴き声です。」

 

 ソナー要員からの報告を受けて艦橋で無線に応答していた副艦長は新たに別の所へ指示を出す。

 

『艦橋よりCIC、『オルカ』起動、及び『まる見えくん』で目標の正確な形状を確認せよ。』

 

 指示を受けてCICに増設されていたオルカが起動される。独特な作動音が艦全体へ、そして船を通じて海へと響き渡った。

 同時にミレニアムサイエンススクールから提供された新型ソナー、まる見えくんを起動する。

 この『まる見えくん』は特殊な音波を使用することで水中にいる物体の形状を取得し、正確な立体映像として投影するという代物だ。

 元々海洋調査用に開発した物だそうだが、依頼を受けて作ったオルカと異なり製作者が半分趣味で作成したものだったようで、結局何処からも採用されずに製作途中のまま長らく放置されていたらしい。現在は捜索活動用に増産されて船舶への搭載が進んでいるという。開発者も報われたというものだろう。

 各装置の起動から数十秒後、CICから艦橋へ向けて通信が入る。

 

「CICより艦橋、目標のスキャン完了。映像を確認。目標全長約30メートル、ですが…これは魚類や鯨類ではありません。」

『どのような特徴を持っている?報告せよ。』

「目標に背鰭の存在を確認しましたが、背部全体が複数の背鰭で覆われているようです。通常の水中生物にこのような特徴はありません。そして…この生物、尾鰭がありません。長い尻尾だけがあるようです。」

 

 CICからの報告を受けて艦長と副艦長の生徒は顔を見合わせる。

 これまでも巨大生物を捜索活動で発見することはあったが、それらは全て既知の生物だった。

 だが今目の前にいる生物はそれらとはまるで違う特徴を持っている。

 

「オルカの効果は確認できるか?」

『オルカ、作動継続中、しかし目標の進路は依然として変わらず、反応ありません!』

 

 これまで何度もこういった未確認物体の調査を行っていた観測要員が今になって見間違いをしているとは思えない。

 加えてオルカの発する音にも反応を示さない。これも今まで遭遇した生物達の反応と全く違うものだった。

 故にこの生物に対する対応はこのようなものとなった。

 

「総員、対潜戦闘用意。海中の巨大不明生物に対して威力偵察を兼ねた攻撃を実行する。」

「発令、総員、対潜戦闘用意。巨大不明生物に対し、威力偵察を兼ねた攻撃を行う。直ちに配置に着け。」

 

 副艦長が艦内無線を通じて各部署へ命令を復唱する。

 警告を知らせるサイレンが艦全体へ響き渡った。

 すると、艦橋へ新たな人影が現れる。

 

「失礼します。今の警報は…」

「イチカさん。今ソナーが海中を移動する巨大不明生物を捉えました。現在攻撃体勢に入っています。」

 

 副艦長からの報告を聞いたイチカは大きく目を見開く。

 彼女ら艦の乗員達はこれまで何度もこういった索敵活動を経験してきた。そんな彼女達が攻撃対象として判断する相手となればおそらく…。

 

『対潜戦闘用意、目標、トラックナンバー2(フタ)0(マル)2(フタ)3(サン)、巨大不明生物。短魚雷発射準備。』

『左舷、短魚雷発射準備。』

『こちら左発射管、短魚雷装填完了。』

 

 各部所が迅速に攻撃準備を整える。

 そして装填完了の報告を受けて艦長は最後の指令を発した。

 

「CIC指示の目標、魚雷攻撃始め。」

『撃ち方始め!!』

『魚雷発射!!』

 

 艦長に続いて砲雷長、射手が次々と命令を復唱し、次の瞬間発射管から魚雷が発射される。

 魚雷は音波誘導に従って真っ直ぐ巨大不明生物へ向けて進んでいった。

 

『魚雷命中まで5、4、3、2、1…』

 

 観測要員が着弾までの時間を読み上げる。その直後艦からおよそ1000メートル離れた場所で水柱が上がった。

 

『短魚雷、目標に命中!』

「目標への効果を確認。」

 

 副艦長がCICへ向けて新たに指示を飛ばす。

 しかし、無線からは怒号が帰ってきた。

 

『トラックナンバー2023、未だ健在!速力増大、本艦へ向け接近中!』

 

 その報告を受けて艦長らは表情を歪ませる。いくら短魚雷とはいえ一発でも船舶を沈没させるに十分な威力がある筈だが、この生物は平然と耐えた。しかも加速したということは殆どダメージになっていない可能性が高い。

 さらにソナー要員の生徒からも新たな報告が入る。

 

『攻撃によって目標の体勢が崩れました!手足の存在を確認。間違いありません、怪物1号です!!』

 

 まる見えくんで投影された姿は正に背鰭を大量に生やした巨大獣脚類といったものだった。

 そんな姿を持った生物に該当するものは一つしかいない。

 ついに見つけたのだ。

 

「対潜攻撃を続行!面舵一杯!最大戦速!対策委員会本部と周辺海域の艦艇へ直ちに報告!!」

 

 艦長の指示によって攻撃と回避行動が立て続けに行われる。

 新たに数発の魚雷が発射管から放たれ、同時に船体が右へ向けて大きく旋回する。

 さらに広域通信機を使用して怪物1号発見の報告を全ての友軍へ向けて行った。

 

『トラックナンバー2023、進路を変更、本艦へ向かって来ます!速力、28ノット!』

「こちらの位置を把握しているのか?そもそもどうやって私達が攻撃してきた相手だとわかったんだ?」

 

 ソナー要員が再び無線に向けて叫び、副艦長は敵の状況判断能力の高さに困惑する。

 野生動物が突然爆発を受けただけでそれを外敵からの攻撃と認識し、更にはその犯人を識別できるというのは考えられないことだ。

 だが怪物1号は真っ直ぐこちらへ向かってきている。この理由がわからない。

 一方船外では発射された魚雷が炸裂し再び大きな水柱を海面に作り出した。

 その距離は船体から300メートル程度しか離れておらず目標がそれだけ近づいてきていることを表していた。

 

(やっぱり相手はこっちを正確に補足している…?一体どうやって?)

 

 副艦長の隣で無線を聞いていたイチカも報告を聞いて思考する。

 その時、彼女は人の話し声や船体が発する音に混じって船に響き渡っている独特な音声に気付いた。

 わざと海全体へと響き渡るように鳴らしていた、あの装置の大きな作動音を。

 

「!!艦長さん!今すぐオルカを止めてください!」

「何だって!?」

「相手はオルカの音を外敵と認識してこっちを狙ってるんすよ!オルカを止めればこちらを見失う筈っす!だから今すぐ…」

 

 イチカがそう訴えるが、彼女がその事実に気付くのはあまりにも遅すぎた。

 

『目標との接触まであと10秒!9…8…7…!』

「総員!衝撃に備えよ!!」

 

 艦長の叫びが響き渡った直後、船体が大きな衝撃に襲われると同時にこれまで聞いたこともないような巨大な咆哮が聞こえた。

 

『目標、本艦と接触…!いえ、前甲板に取り付いています!』

「探照灯照らせ!」

「了解!!」

 

 副艦長の指令で艦橋上にある探照灯が照射され、暗闇の中で甲板へよじ登って来た怪物1号の姿が明らかになる。

 

「これが…!!」

 

 その姿は話に聞いた通り肉食恐竜によく似た形で、肌は岩のように黒く、無数の背鰭が背中を覆うように生えている。

 そして全高はイチカ達がいる艦橋部を超える程であり、15メートルはあるように見える。全長30メートルというのも納得の巨体だ。

 だが次の瞬間、怪物は光を浴びせてきた探照灯に向けて大きく吠えると一目散に突撃する。

 それはつまり艦橋目掛けて攻撃を仕掛けてくることに他ならず…

 

「危ない!!」

 

 イチカは慌てて近場にいた副艦長の腕を掴むと部屋の後部へ向かって飛び退く。

 その直後怪物の体当たりが艦橋に直撃し、轟音と共に壁に大きな穴を作った。艦橋の崩落に巻き込まれて艦長以下数名の船員が瓦礫と共に下へ落下し姿を消す。

 光が消えたことを確認した怪物1号は勝ち誇ったように大きな咆哮を上げると周囲の金属の塊達を興味深そうに眺め始めた。

 

「艦長!!航海長!!」

 

 イチカと共に攻撃を免れた副艦長は慌てて崩落した方向へ向かって叫ぶ。

 最悪の事態を想像してしまうが、瓦礫の下からは「大丈夫、無事だぁ」という艦長や他の船員達の小さな声が聞こえてきた。

 それを聞いてほっと胸を撫で下ろした副艦長はまだ稼働している無線機を手に取ると指示を発する。

 

「総員、白兵戦準備!!トラックナンバー2023は現在本艦前甲板上に取りついている!直ちに迎撃せよ!繰り返す…!!」

 

 艦内が慌ただしくなる中、イチカも自分の銃(レッドドラゴン)に弾丸を装填しながら甲板へ向かって艦内を駆け降りる。

 扉を蹴破って外へと出てみれば、打ち上げられた照明弾によって周囲は明るくなっており既に戦闘が始まっていた。

 

「この…くらえ!」

「主砲で奴を攻撃できない!?」

「近すぎて無理だ!この位置で撃ったら艦に直撃して余計に被害が出るだけだよ!」

 

 絶え間ない銃声と、それに呼応するように怪物1号の咆哮が聞こえる。

 どうやら前甲板のスペースは怪物1号が騒ぐには狭すぎたようで、足元が覚束ないのか生徒達への反撃もあまり効果的に行われていなかった。

 狭い場所で動くスペースを確保しようとしたのか、既に対艦ミサイルの発射管などは蹴り飛ばされて破壊されていた。

 

「小銃じゃ駄目っす!迫撃砲を持ってきてください!」

 

 苦戦する海兵の生徒に向けてイチカが叫ぶ。

 同時に注意を引こうと怪物1号へ向けて発泡した。

 それが功を奏したのか、怪物の視線がイチカの方へと向く。

 

「おっと…」

 

 イチカの表情が引きつる。

 

(次は私の番っすね…。)

 

 迫撃砲が来るまで耐え凌げば勝ち目はあるだろう。ならば今は全力で逃げるだけだ。

 だがその時、イチカとは別の大きな声が響いた。

 

「イチカさん!!横へ避けてください!!」

 

 その声を聞いたイチカは咄嗟に飛び退いた。

 直後彼女が先程まで立っていた場所を大量の弾丸の雨が通過していく。

 発射地点へ視線を向けると仁王立ちでミニガン(リトルマシンガンV)を掃射するノノミがいた。

 イチカの銃とは比べ物にならない火力の銃撃が怪物1号に次々と直撃する。

 流石に鬱陶しいどころでは済まなかったのか、再び大きな咆哮を上げた怪物1号はノノミへ向けて怒りの突進を繰り出した。

 銃が重い故に鈍い動きしかできないノノミは回避が遅れてしまう。

 

「ノノミさん!!」

 

 イチカは銃を放り出すとノノミへ向けて走り出す。

 勢いをそのままにノノミへと突っ込み二人揃って後ろへ倒れ込んだ。

 直後、怪物1号の巨大な脚が二人のすぐ側に振り下ろされる。

 着地の衝撃によって甲板が大きく凹み、艦が大きく揺さぶられた。

 倒れた二人が振り替えると、自分達のすぐ頭上にあった怪物1号の顔と目が合った。

 

「まずい…!」

 

 このままでは追撃を受ける。だがここからの回避は間に合わない。

 もう駄目かと思ったその時、怪物1号の体表で複数の爆発が起こる。

 

「っ!!間に合った…!」

 

 イチカが視線をずらすと、PIAT(迫撃砲)を構えた数人の生徒が視界に入った。

 そして砲撃を受けた怪物1号は衝撃でバランスを崩したのか、呻き声を上げながら海へと転落する。

 発生した巨大な水飛沫が甲板にいた生徒達をずぶ濡れにした。

 

『トラックナンバー2023、本艦から落下!…移動を開始しました!』

 

 ソナー要員が無線で報告を行う。

 だが艦橋を破壊されたランカスターでは追跡を行うことは不可能だった。

 そんな中、ある人物が艦内無線に割り込んでくる。

 

『こちら雨雲号!直ちに怪物1号の追跡を開始します!』

 

 ヘリコプターのスロットルを上げながらアヤネが無線で伝える。

 後甲板では既に誘導員達の支援を受けて雨雲号が発艦準備を進めていた。

 

「雨雲号、発艦を許可します。アヤネさん…よろしくお願い致します。」

『…わかりました。絶対に逃がしません…!』

 

 副艦長から発艦許可と懇願を受けたアヤネは力強く返答する。

 直後、雨雲号は夜の空へと飛び立っていった。

 

「CICより雨雲号、目標は現在南南西へ向け移動中。速力26ノットに増速。追跡の続行を願います。」

『こちら雨雲号了解。現在距離200を保ち追跡中…っ!怪物1号の進路上に島を確認!このままでは上陸されてしまいます!』

「島…?おい!海図を確認しろ!」

 

 雨雲号からの報告を聞いた砲雷長らCICの生徒達がディスプレイで海図の確認を行う。

 レーダーに表示された2023(怪物1号)の進行方向には確かに島影が映されていた。

 

「この島の情報は?」

「はい。島名はラゴス島。現在は無人島です。島の周囲は10キロ程度ですが、10メートル以上にもなる樹木が島全体を覆うジャングルになっています。」

「…それなら島の内部に入られる前に叩くのが一番良さそうだが…」

 

 砲雷長はそう呟くと武器システムのディスプレイに目を向ける。

 ディスプレイには艦の被害状況が細かく表示されていた。

 無人島であれば周囲の被害を気にせずに飽和攻撃を仕掛けることもできたが、残念ながら対地攻撃に使用できるハープーンミサイルは先程の白兵戦で発射機ごと破壊されており使用不能だった。

 接近しての主砲攻撃も今の状況では行えそうもない。

 

「CICより雨雲号、現在の武装はどうなっていますか?」

『武装は…すみません。時間が足りず索敵用装備から換装を行うことができなかったので…』

「CIC了解。それでは目標の追跡と動向の報告を引き続きお願いします。」

『りょ、了解しました。』

 

「CICより艦橋、対策委員会本部と、周辺へ展開中の艦艇への無線連絡を引き続きお願いします。残念ですが、我々にできることはここまでです。」

『…了解。』

 

 ランカスターでそのようなやりとりがされる一方で、雨雲号は怪物1号の追跡を続け、ついに島のすぐ手前まで到達した。

 

「怪物1号、間もなくラゴス島へ上陸します。ライト点灯!」

 

 雨雲号のサーチライトを点灯し、怪物1号が上陸すると思われる地点を照らす。

 全長30メートル近い巨体はすぐに見つかった。

 

「これが怪物1号…」

 

 光に照らされた恐竜のような姿の怪物がヘリコプターへ向けて威嚇の咆哮を上げているのが見える。

 

「怪物は水際で進行を停止しました。どうしますか?」

『CICより雨雲号、現在周辺海域から増援部隊が接近中。可能な限り目標を海岸線に留めておくようにできませんか?』

「こちら雨雲号了解。陽動を試みます。」

 

 アヤネはヘリコプターをそのままホバリングさせる。

 今の高度を保ったまま光で挑発し続ければ現在の位置を維持できそうだ。

 

 だが、怪物1号は突然吠えるのをやめて地面を確認し始める。

 注意が逸れてしまったかと思うアヤネだったが、直後怪物は近くに落ちていた倒木を咥え上げた。

 すると今度は体を大きく捻ると、倒木を雨雲号へ向けてブーメランのように投げ飛ばしてきたのである。

 

「うわっ!?」

 

 予想だにしない対空攻撃に驚くも、必死の操縦でそれをギリギリで回避する。

 どうやら相手の投擲能力はかなり高いらしい。

 

「怪物1号にこんな技能が…!?」

 

 相手の知能の高さに驚かされる。

 物を投擲して遠距離攻撃ができるということは下手をすれば霊長類並の知能を持っている可能性があるということだ。

 となれば、ただホバリングを続けるだけでは撃ち落とされる可能性が出てくる。

 相手の脅威度が一気に上昇した。

 しかし、攻撃が外れた怪物1号は暫くサーチライトを睨みつけると、光に照らされ続ける状態を嫌ったのかヘリコプターに背を向けてジャングル内部へと走り去っていった。

 

「怪物1号が島の内部へ移動!!すみません、足止めは失敗です…。」

『こちらCIC了解。雨雲号、サーマルビジョン(熱源探知)で目標を捜索できませんか?』

「サーマルビジョン…起動しました。これは…駄目です。熱探知に反応がありません。」

『熱探知に反応しない?どういうことだ?まさか変温動物だったのか?』

 

 アヤネの報告を聞いた砲雷長は困惑を隠しきれず、無線が繋がったままであることも気にせずに声を荒げた。

 ソナーの音波探知を近距離まで無効化し、熱探知にも映らない体質。哺乳類に近い生物という情報だったが、どうやら本当に通常の生物の基準を当てはめてはいけない相手のようだ。

 

「こちら雨雲号、引き続き島の観測を行います。ですが海に再び向かわれた場合足止めする手段がありません。どうか早急に応援部隊を…」

『了解。こちらも現在交信を続けているところです。もう少しだけ待ってください。』

「…了解しました。」

 

 

 

『対策委員会本部、及び周辺海域へ展開中の艦艇へ緊急報告。こちらトリニティ総合学園所属フリゲート艦ランカスター。現在、怪物1号を発見し追跡を行うも、目標はラゴス島へ上陸、現在島内に潜伏中と推定。直ちに応援を要請する。繰り返す…』

 

 

 




-登場兵器-

◎ランカスター
 イギリス海軍が1990年代に就役させたデューク級23型フリゲートの一隻。
 単装速射砲、ハープーン対艦ミサイル、ヘリコプター運用能力等20世紀終盤の駆逐艦としては一般的な装備を一通り揃えている。
 ちなみにゴジラ-1.0で登場した駆逐艦ランカスターとは別物。というより1947年当時のアメリカ海軍太平洋艦隊にランカスターという駆逐艦は実在していない。

PIAT(ピアット)
 イギリス軍が第二次世界大戦中に開発した対戦車擲弾発射機。一応分類は迫撃砲である。
 バネの力を利用して砲弾を発射する独特な機構を持つ。
 無反動砲と違って発射した際のガス噴射が無いため狭い空間でも使用できる利点がある。
 現実ではバネを採用したことに起因する射程の短さ、装填の面倒さといった理由からバズーカ等が採用されると次第に装備から姿を消していった。





次話も引き続き作っていますので暫しお待ちください。
 
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