というわけで新作です。
ああ、これは私の罰なのだろう。
「死ね!害獣!」
《AP残り20%》
「まだ・・・まだ死ねない・・・!」
「ここで貴様は死ぬべきだ!企業である私の手で死ぬべきなんだ!」
ルビコンを焼いて稼いだ金で人としての機能を取り戻し人生を買い直した。
普通の恋をして、結婚して、娘も産まれた。
・・・だからこそこれは罰なのだろう。
星系を丸ごと焼き払い、人を大量に殺した罪人は普通の人間として生きる事は許されないのだ。
「(ライフルは銃身が歪んでもう撃てないしミサイルも残弾がもう・・・)ブレードがあるならまだ・・・!」
「見ない間によく喋る様になったものだな駄犬。偽りの幸せはさぞ楽しかった事だろう。だが!貴様はここで死ぬ!駆除しかあり得ない!」
「・・・貴方も随分と口が悪くなったじゃないV.Ⅱ。冷静な貴方らしくも無い」
「貴様ぁ・・・!」
アーキバスバルテウスのパルスキャノンとプラズマキャノンを必死に避けるレイ。
今使っているAC「LODER4 Ⅱ」はレイヴンの火の際に大破してしまったLODER4を中古の同機体のパーツやBAWSの中古パーツを使い拙い技術でどうにか動かせる様にした機体の為普通のACと比べるとMTよりマシ程度な性能となっている。
動かすだけでもフレームがガタガタと揺れて今にも機体がバラバラになりそうだ。
ただでさえACに乗らなくなって何年も経っているのだ、操縦の腕も落ちている。
・・・それでもこんなスクラップ寸前の機体で戦えているのは身体が覚えているからだろう。
つくづくこの身体は戦いを忘れる事が出来ないらしい。
「(最後のミサイル、コレで・・・!)行け!」
「なっ!?パルスアーマーが!?」
「コレで最後・・・!」
「ただで死ぬものか・・・!貴様も道連れだ駄犬!」
「っ!?アサルトアーマー!?」
パルスブレードでコクピットを狙った次の瞬間、スネイルが最後の抵抗で道連れにしようとアサルトアーマーを起動させ避けきれなかったレイはACの左腕を強引にバルテウスのコアがあるであろう場所に捩じ込ませる。
カメラが回復し機体も負荷限界から再起動する。
生きていることを確認したレイは機体を立ち上がらせてバルテウスがいるであろう方向を向く。
そこには千切れた左腕が深々とコアに突き刺さり動かなくなっているバルテウスがいた。
あの喧しい怒鳴り声はもう聞こえない。
やっと一息付ける、そう思ったがロックオンの警告音が聞こえすぐにクイックブーストでその場から逃げる。
直後、降り注ぐミサイルの雨。
どうやらアーキバスの増援のようだ。
しかし既に機体は満身創痍、武装も銃身が歪んで撃てないライフルと後2回しか撃てないミサイルのみ。
拳とブーストキックのみではこの数を相手取るのは不可能だ。
・・・いや、ある。
後一つだけ、たった1回しか使えない武器が。
「・・・ごめんなさいイブキ。約束、守れないかも。COM、フェーズ3起動、パターンE」
《フェーズ3、パターンE起動認証》
コア背部の拡張機能が展開、通常のアサルトアーマーでは考えられない量のエネルギーが流し込まれていく。
一瞬、メインカメラが赤く発光したと同時に敵集団に特攻するLODER4 Ⅱ。
そのまま目を閉じ、死ぬ覚悟を決めた・・・。
「おかーさーん!」
「ぐふっ!?」
愛娘のダイブで目が覚めるレイ。
そう、今までのは夢であり現実。
ここ、キヴォトスに来る前に起きた実際の出来事。
かつては猟犬、大罪人、無名の傭兵、そして今では先生。
自分に人を導く事が出来るとは思わないがせめて嘗ての自分みたいな強化人間を増やさない様には出来ると思いたい。
それに今は娘のイブキがいる。
だから、大丈夫だ。
「おはよ、イブキ。・・・起こしてくれるのはありがたいけど飛び込むのはダメよ?」
「はーい」
「さて、朝ご飯にしましょうか」
「うん!」
イブキは天使、異論は認めない。