死を告げるらしい鳥がいる 作:エリュシオン
「
生徒会長だから全校生徒の名前を記憶しているのか、入学式で悪気はなくともトラブルを起こした生徒だからなのか。たぶん後者だと思うが、とにかく孔雀院様に名前を呼ばれたヒロインちゃんは戸惑っていた。
「あの、授業の忘れ物を取りに……」
そういうことらしい。構わず演奏を続ける大瑠璃様に合わせて私も歌い続ける。
「わー、すごい歌──」
「初音ちゃんも歌上手だったよ。ほら、入学式の時の」
「あ、あれは忘れてください。それより、小夜啼様にあの時のことを謝りたいんですが……」
「「謝罪?」」
「必要ない、とあのお人好しなら言うだろう」
うん、必要ないよ。というかヒーローの前で謝らせたらこっちが怖いし。
「それでも、です。お一人の今でないと私も言えないと思いますし」
あー、取り巻きちゃん達が怖くて今まで言えなかったパターンか。ごめんね、ずっと取り巻かれてる状態で。
歌が終わると、会長が声をかけてきた。
「小夜啼、こっちの一年が話があるそうだ」
「はじめまして小夜啼様。一年の
深々と頭を下げられる。慌てて大丈夫だからと顔を上げてもらった。
「ただし次からはお気をつけくださいね。次にソロを歌ってしまえば非難殺到では済まないかもしれませんから」
「はい、それはもう。
やはりもう絡まれていたか。
「ねえ、君」
大瑠璃様の声かけにパッと顔をそちらへ向ける鶯巣さん。
「どこかで会ったことない?」
「いえ……お会いするのは初めてのはずですが……」
「そうだよね。ごめん、忘れて」
何故こんなやり取りが繰り広げられているか。それは、実は
「鶯巣さんが忘れているだけということはありませんか? どこでの話なのです、大瑠璃様」
「小さい頃、社会勉強に公園の砂場で遊んだんだ。あの時遊んだ子の歌と鶯巣さんの歌が似ている気がしてね。とても綺麗な歌だったよ」
「綺麗な歌……というと、小夜啼様じゃありませんか?」
「私は違いますわよ」
同じく社会勉強の一環で公園で遊んだ経験はあるが、その時は大勢で鬼ごっことかをして遊んだ。砂場ではない。
「うん、小夜啼さんは違うよ」
私より歌のランクは落ちると言いたいのだろう。ただ恋に落ちるのにそのへんは関係なかったらしい。
「あ、それでは、これで失礼いたします」
時計を気にして鶯巣さんは言う。おそらく図書館で勉強でもしていたんだろう。この学校の図書館では参考書なんかもかなり充実してるからね。
「あんなナンパのような台詞を吐くなんて珍しいな、大瑠璃」
鶯巣さんが立ち去ってから、そう会長は言葉をこぼした。
「ナンパじゃなくて、本当に探してるんですよあの時の子を」
「なんだなんだ、太陽の貴公子様が恋愛かい? すごく盛り上がりそうな話題だけど」
「このことは他言無用でお願いします
真剣な表情に私達はうんうんと頷いた。大丈夫だよ、秘密にするとも!