富士山麓、星の使途研究所。
…その一角にある、エイリア学園戦士寮の一部屋。
「…ついに始まったか」
テレビでニュースを見ながら俺はそう呟く。
画面に映っているのは数々の破壊された学校。
おそらくジェミニストームが襲撃したのだろう。
「…あんまりお前らが目立ってほしくは無いんだけどな…」
俺はそう話しながら窓の外を眺める。
…そう思っていると、部屋のドアをノックする音が聞こえてくる。
「…入るよ」
そう言って入ってきたのは赤い髪を下ろした少年。
俺が良く知っている一人である。
「…ヒロトか」
「…うん、トライ。
入るチームは決めたかい?」
ヒロトは俺にそう問いかけてきた。
「…トライじゃねえ。俺の名前は
俺の部屋の中じゃ本名で呼び合うって決めただろヒロト」
俺の部屋の前には「エイリアネーム禁止!」という看板が掛けている。
エイリアネームで呼んでしまうと、どうしてもチームのことを気にしてしまう。
俺の部屋にいる間だけは、チームの垣根を気にせずに話したいという理由だ。
「それとだ、俺はチームには入らねえ。
すべてのチームがほぼほぼ完成しているのに俺っていう存在のせいで壊したくはねえよ」
そう話すと「…相変わらずだね、君は」とヒロトは返してくる。
「…君が1人入るだけでチームが壊れるなんてことはないよ。
僕たち今襲撃に出ているジェミニストームや調整中のイプシロンはともかく、僕のガイアならまず無いと思うよ」
俺はヒロトに「…そうかよ」とそっけなく返して続けていく。
「…ヒロト、やっぱりジェミニが動いたんだな」
「うん、この前日本一の雷門中も壊してきたって言ってたよ。
1年もしないうちに制圧できるんじゃないかな」
ヒロトの言葉に俺は「そうか」とそっけなく返す。
「あれ、何か面白くないの?
父さんの理想のために着々と進んでいるんだから喜ばないと」
ヒロトの言葉に俺は「それはそれだよ」と続ける。
「お前らよりお日様園にいた期間は短いけど、お前らと同じようにあの人の役に立ちたいって気持ちは変わらねえよ。
…ただ、俺にとってはあの人と同じくらいお前らが大切なんだよ。
お前らがもしその体を壊そうとしてでもあの人に着いて行こうというなら、俺は全力でお前らを止める。
…それだけだよ」
俺はそうヒロトに話していく。
「…まあ頼徒が心配しなくても大丈夫だよ。
少なくともガイアのみんなにはそうはさせないからさ。
…とりあえずは、さ」
ヒロトはそう言って手を差し出してくる。
「ちょっと一緒にやろうよ。
一昨日はプロミネンス、昨日はダイヤモンドダストとやったから、今日は俺たちの番だよ」
「ああ、そうだな。
ガイアのみんなにも『準備したらすぐ行く』って伝えておいてくれ」
俺がそう話すと、ヒロトは「りょーかい、グラウンドで待ってるよ」と返して部屋を出ていった。
◇ ◇ ◇
「…それじゃあ、行くか」
ヒロトが立ち去った後、俺はそう言いながら立ち上がる。
「…ついに始まったな、エイリア編」
俺、
イナズマイレブンの流れはGOのギャラクシー編が終わるまで大体は覚えている。
…俺としてはできる限り原作の流れは変えたくない。
のんびりと原作キャラ達の活躍を見届けていこう…というのが俺の目標である。
…それでだが、父親が小さいころにいなくなり、母さんは俺をお日さま園に預けその姿を見かけなくなった。
それが大体小学4年生のころ、ヒロトや玲名といった面々と比較すると在籍年数は短いが、俺を実の息子のように扱ってくれた吉良さんには感謝しきれない。
…というわけで俺はテレビの前でフットボールフロンティア編を見届けついにエイリア編が始まった。
ちなみにだが、さっきヒロトの奴が話したとおり、俺は後にジェネシスとなるガイア、そしてプロミネンス、ダイヤモンドダストといったチームに所属はしていない。
俺が入ることで流れを変えたくはない。
それもあって俺には力を増幅させるエイリア石は与えられておらず、他のエイリア学園の面々とはちょっと違う立ち位置を取らせてもらっている。
どこのチームにも入らず、自室内ではエイリアネームを使用しないということにし、チームの垣根を越えて色々と話していきたい…というのが俺の思いだ。
ちなみにだが、吉良さんも本当ならチームに入ってほしいみたいだが、俺の意思を尊重してくれておりこの立場を保っている。
…そう思いながら、俺はスパイクに履き替えてサッカーをする服装になった後グラウンドへとはいっていく。
「…あ、来てくれたね」
ヒロトは俺に姿を見つけてそう話してくる。
「…遅いぞ、トライ。
私たちが呼んだらすぐに来いと話したはずだ」
「悪い悪い、ちょっと準備に時間がかかってな」
玲名…ウルビダは俺にそう話してくるので俺はそう返していく。
「それじゃガイアのみんなとトライ、練習を始めようか」
ヒロト…、もといグランはそう話してきた。