エイリアの守護者   作:W297

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白恋中②

 

「…あー、あったまる…」

 

 俺は白恋の校舎の中に入らせてもらい、ストーブに当たっていた。

 

「…にしても歩きでここまできたんだ?

 

 良く死なずに辿り着いたべ…。

 

 この辺りは熊とかもでるから危ねえのに…」

 

 …うん、やっぱ出るのか熊。

 

 白恋の近くに降りたったものの、危険な場所には変わりないだろう。

 

 白恋サッカー部の面々といろんな話をしながら、俺はそう思っていた。

 

 …にしてもだ。

 

「…お前らサッカー部なんだろ?

 

 1、2、3…、一人足りなくねえか?」

 

 俺がそう聞くと、真都路は「うん、吹雪君なら出かけてるべ」と返してきた。

 

 …吹雪士郎、FWとDFを両方そつなくこなすスーパープレイヤー…の今は恐らく覚醒前。

 

 まあ今の時点でもジェミニに匹敵するぐらいの強さではあるんだが…。

 

「吹雪…か、って雪降りしきってるこの状況で外出てて大丈夫なのか?」

 

「うん、特訓って言って良く外で練習してるべ。

 

 そろそろ戻ってくる頃だと思うけど…」

 

 そう話していると、外から車の音が聞こえてきた。

 

 …程なくして多くの足音が聞こえる。

 

「…ただいまー。

 

 みんな、雷門中だよ」

 

 そう話したマフラーを巻いた銀髪の少年。

 

 …間違いない、吹雪だ。

 

 吹雪がそう話すと、白恋の面々は雷門の元へと駆け寄っていく。

 

 …そして一通り話し終えると、先にストーブに当たっていた俺に視線が移る。

 

「…それで、君は?」

 

「さっきあそこの丘に座ってたからいれてあげたんだべ。

 

 …そう言えば名前聞いてなかったべ」

 

 真都路は改めて俺にそう話してくる。

 

「…外裂頼徒。

 

 日本中を放浪しているサッカー好きだよ。

 

 …吹雪、北海道にとんでもないプレーヤーがいるって噂は聞いてたよ、お前だな?」

 

「多分そうだね。

 

 知ってもらえてて光栄だよ」

 

 吹雪は俺に微笑みながらそう返してくる。

 

「…それで、お前らは雷門中だな。

 

 フットボールフロンティア優勝して、エイリア学園と戦ってるらしいな。

 

 …正直あんな奴ら相手に戦っているのは尊敬するよ」

 

 俺がそう話すと、円堂は俺に向けて「ああ」と続けてくる。

 

「外裂、お前もサッカーやってるのか?」

 

「まあな、人並みにはやれる自信はあるよ」

 

 そんな中、ゴーグルとマントがトレードマークである鬼道が俺に話しかけてくる。

 

「お前はなぜここに来たんだ?

 

 俺たちみたいに吹雪を探しにきたってわけではないみたいだが」

 

「まあ、放浪旅の途中だよ。

 

 …俺の学校、エイリア学園に潰されちまってな。

 

 そのせいで今は無期限休校ってことになっちまってるから、折角ならってことで旅をしてるんだ」

 

「そうか…ってことはお前もエイリア学園と戦ったのか?」

 

 風丸がそう聞いてくるが「残念ながら戦えてねえんだよ」と続ける。

 

「足を怪我しててな、…今はもうなんともねえんだけどよ。

 

 俺が病院から学校に戻った時にはもう破壊された後だったんだ。

 

 …学校を壊された悔しさじゃなくて、力になれなかった虚しさだけが残ってるんだよ」

 

 俺がそう雷門の面々と話していくと、俺と吹雪に声がかかる。

 

「…吹雪君、外裂君、少し時間いいかしら?」

 

 瞳子姉さんは俺たちにそう話しかけてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…私たちはエイリア学園を倒すために仲間を集めているの」

 

 外のかまくらの中へと移動し、姉さんはそう切り出してくる。

 

 そして、音無が見せてくれたのは最近北海道の学校にターゲットを据えたジェミニストームの破壊活動の数々だった。

 

 吹雪は「ウチは発足したての弱小チームだから大丈夫だよ」と話すが姉さんは「白恋中だけの問題じゃないわ」と話してくる。

 

「俺たちは地上最強のサッカーチームを目指してるんだ。

 

 そのために吹雪、お前にに会いにきたんだぜ?」

 

「吹雪君、あなたの噂は聞いてるわ。

 

 噂の実力を持っているなら、私たちのチームに加わってほしい。

 

 あなたの実力見せてもらえないかしら?」

 

 姉さんがそう話すと、吹雪は「いいですよ」と返してくる。

 

「…そして外裂君、今の雷門には単純に戦力が足りていないの。

 

 今の雷門には一人でも多くの選手が必要だわ。

 

 あなたは破壊された学校の中での数少ない生き残り、力を貸してもらえないかしら?」

 

「…分かりました、俺で良いなら…」

 

 そう言ってその場はお開きとなるが、俺は周りに「少し監督と二人で話がしたい」と告げてかまくらの中に俺と姉さんの2人が残る。

 

「…どういうつもりですか?

 

 俺がエイリア学園に所属してるってことは分かっているはずですよ、姉さん」

 

 俺がそう話すと姉さんは「もちろんよ」と続ける。

 

「今すぐチームに入れなんて思ってないわ。

 

 …ただ、あなたの実力はマスターランクのチームと比較しても引けをとらない。

 

 その力を雷門に見せてほしいの。

 

 あなたも雷門が強くなることに異論はないでしょ?」

 

「確かにそれはそうですが…」

 

 俺がそう話すと姉さんは「それに」と続ける。

 

「…あなた、一度円堂君たちとプレーしてみたいんでしょ?

 

 奈良での試合中であなたの視線は感じてたけど、そういう気持ちが伝わってきてたわ。

 

 …あとね」

 

 姉さんはその後一瞬貯めた後に改めて話してくる。

 

「あなたはエイリア学園の中でもまだこっち側に引き込めると思ってるの。

 

 父さんの野望より、エイリア学園の子たちを優先できる気持ちがあるあなたならね。

 

 あなたの優しさはエイリア学園として邪魔になるときがある。

 

 そうなったら父さんはあなたを切り捨てざるを得なくなると思うわ。 

 

 …その時が来たら、あなたは雷門を頼りなさい。

 

 雷門の子たちなら例えエイリア学園だったとしてもあなたを受け入れてくれるはずよ。

 

 …いつになるかは分からないけど、あなたがこっち側に来てくれる時を待っているわ」

 

「…分かりましたよ。

 

 俺も今までの行動からして父さんから切り捨てられる覚悟はしてます。

 

 そん時はお願いしますね、姉さん」

 

 俺はそのまま「その代わり」と続ける。

 

「…父さんには誘われたってことは言わないですけど、イプシロンの調整を早めること、それとマスターランクの3チームの準備をすることぐらいは進言しときます。

 

 それぐらいはまだあの人の力になりたいって気持ちはあるんでね」

 

「構わないわ。いずれマスターランクの実力をあの子たちも痛感することになる。

 

 父さんの野望を止めるためには、通らないわけにはいかないもの」

 

「…そうですよね。

 

 健闘を祈ります」

 

 俺と姉さんはそう話してかまくらの中から出ていった。

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