という訳で始まった雷門と白恋の練習試合。
どこからかやってきた角馬圭太により実況される中、俺は雷門ベンチに座って試合を眺めていた。
「…吹雪、想像以上に凄いな」
まだDFの位置にいる吹雪、だがしっかり染岡の突破・ドラゴンクラッシュを止め切っている。
白恋の吹雪以外の実力はそこまでではない。
…ただ、その吹雪の実力が段違いだ。
おそらくエイリア石が無ければイプシロンの面々には勝てるだろうし、マスターの面々ともタメを張れるはず。
多分今のままでもジェミニには普通に勝てると思う。
「…覚醒前でも、やっぱ凄いんだな」
「…あら、外裂君何か言ったかしら?」
俺がそう呟くと、俺の隣にいた夏美がそう言ってくるが、俺は「独り言だから気にしないでくれ」と告げる。
…そして。
「止めれるもんなら、止めてみやがれ!」
アツヤモードになった吹雪はそのスピード・パワーで雷門を圧倒していた。
あの体にどんだけパワー秘めてるんだよアイツ…。
そう思いながら、フィールドを眺めていると、吹雪は代名詞ともいえる『エターナルブリザード』を放っていく。
…うん、やっぱかっけえよこの技。
円堂はそれに対応するようにゴッドハンドを繰り出したが、吹雪のエターナルブリザードはそのままゴッドハンドごと凍てつかせて砕き、そのままゴールネットへと突き刺さる。
「…すげえ」
俺から素直に感嘆の声が漏れた。
正直、エイリア石持ってるんじゃないかって思うほどの威力だ。
こんなのが北海道にいたのか…、と俺は思ってしまう。
そして、この試合は吹雪の実力を確認する…というのが目的であり、瞳子姉さんが試合終了を宣言した。
…だが、それに納得できない染岡が吹雪と競り合うが、吹雪はそれに負けずにボールを確保しもう一度吹雪がエターナルブリザードを放つ。
だがこのシュートは壁山・塔子の2人のブロックもあり、ゴールポストの上を通過していく。
吹雪はそれに悔しがっていたが、その後に通常モードに戻って「ふうっ」と息を吐いていた。
「…外裂君、次はあなたの番よ。
準備はいいかしら?」
「りょーかいです。
そういえばどういった形でやればいいんですか?」
俺がそう答えると、姉さんは「あなたが好きな形で良いわ」と続けてくる。
…それじゃ、エイリア学園でいつもやってるのと似た形にするか。
「じゃあ俺は守備側固定で、あとはキーパーだけもらえますか?
ボールを奪って最終ラインまで突破できればこっちの勝ち。
そっちは俺を抜いて得点できれば勝ちで。
俺が奪った後、そっちが奪い返したら仕切り直しで最初からってことでお願いします」
俺がそう話すと、姉さんは「分かったわ」と話して雷門の面々を集めていく。
…さてと、エイリア学園の面子以外とは初めての実戦だ。
気合入れていくとしますかね。
そう思いながらスパイクへと履き替えた俺はフィールドへと向かっていった。
◇ ◇ ◇
「…円堂、しっかり俺のプレー見といてくれよ」
「ああ、頼んだぜ外裂!」
俺の後ろでゴールを守る円堂からはそう声が返ってくる。
「それじゃ、試合開始ってことで!」
そう言って鬼道のキックオフで試合が始まっていく。
「…鬼道、染岡!
撃ってきやがれ!」
「…ご要望とあらば撃ってやろう!
一之瀬、染岡!」
「「おう!!」
そう言って鬼道が指笛を吹くと一之瀬と染岡の2人は勢いよく前へと飛び出していく。
…そして、鬼道の周りには5匹のペンギンが地面から顔を出す。
この態勢は…!
「皇帝ペンギン!」
「「2号!」」
…初めて見れたぜ、皇帝ペンギン2号。
放たれたシュートはペンギンたちが複雑な軌道を描きながら俺の元へと襲い掛かってくる。
「外裂!」
「…大丈夫だ、円堂」
円堂の叫びに俺はそう返して、フィールドを蹴っていく。
「…これが俺の必殺技だ!」
そう言って俺は地面に向けて左足を振り下ろす。
「デーモン、カット!」
そうすると紫の悪魔が笑っているようなオーラが展開され、ペンギンたちを弾き飛ばしていった。
「…よっと!
これで終わりか?」
俺はそう言いながら雷門にボールを蹴り返していく。
「ならば、こっちはどうだ!」
そう言って鬼道は俺に向かってドリブルしてくる。
「ああ、かかってきやがれ!」
俺もそう答えるように守備態勢を取っていく。
…俺と鬼道は一対一の対面となる。
さっきはデーモンカットでシュートを止めたが、俺の本領はこっちだ!
俺と鬼道は牽制しながらお互いボールを奪おうとする。
…さすがは鬼道だ。テクニックだけならジェネシスにも匹敵するかもしれねえ。
…ただ。
「…そこだっ!」
そう言って俺は鬼道からボールを奪い取る。
「さあ、ここからは俺のターンと行かせてもらうぜ!」
俺はそう言って雷門陣内へと斬り込んでいく。
「土門、止めるぞ!」
「ああ!」
そう言って一之瀬と土門は俺に向けて2人でタックルしてくる。
「…その程度なら余裕だ!」
俺は飛び上がって2人を交わし、最後のディフェンスラインが目前に迫る。
「行かせないよ!」
「通さないっす!」
そして最後に立ちはだかるのは壁山と塔子の2人。
「無理矢理にでも通してもらうぞ!」
俺は青白い電撃のオーラをを纏いながら、ジグザグに動いていく。
「ジグザグスパーク!」
俺のつま先から放たれた電撃は地面をジグザグに動きながら壁山と塔子を痺れさせてその場に蹲らせる。
「…これで俺の勝利、だな!」
俺は雷門陣内のゴールを背にして、そう宣言した。