エイリアの守護者   作:W297

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雷門対ジェミニストーム②

 

 それから数日後。

 

 北海道の中学校を破壊し続けていたジェミニストームが白恋にやってきた。

 

「…あれからどこまで成長したか、見せてもらおうじゃねえか」

 

 俺は近くの高台でその試合を眺めていた。

 

 …まあここなら誰も来ないはずである。

 

 で、試合について…だが。

 

「…ジェミニに追いつける、同等ぐらいにはなっている、か」

 

 ジェミニの特徴は圧倒的なスピードだ。

 

 アイツらに足りないのはテクニック面やパワー。それは既に雷門の方が上かもしれない。

 

 一進一退の攻防を繰り広げるこの試合を見つつ、俺はスマホを手に取ってある人物へ連絡する。

 

「…もしもし、トライだけど」

 

『…あ、はい!どうされたんですか、トライ様?』

 

「ああ。デザームをはじめとしたイプシロンの面々は近くにいるのか?」

 

 俺が電話した相手はイプシロンのストライカーのゼル。確か今日はオフだったはずだったが仕方ない…。

 

『…えーと、今日はオフで全員各自の部屋で休んでいるんですが…』

 

「…動けるのなら全員出動する準備をしておいてくれ。

 

 今日の雷門とジェミニの試合、最悪の場合だとジェミニが負ける可能性が出てくる。

 

 オフのところ悪いが、イプシロンの全員に伝達頼む」

 

『分かりました!伝えておきます。

 

 …そういえばなんで俺なんですか?

 

 イプシロンのキャプテンはデザーム様ですし、そちらの方が良い気が…』

 

 俺はゼルにそう言われて少し黙った後に口を開く。

 

「…スマホとかの連絡手段、持ってないじゃんアイツ」

 

『ああ、そういうことですか…』

 

 俺はそう話した後、目線を試合に戻す。ちょうどレーゼがアストロブレイクで得点を奪った後であった。

 

「…得点を取った、とはいえ1点だけなら正直分からねえな」

 

 雷門側は吹雪がDFの位置にいる。アイツが攻撃側に転じれば正直1点は堅い。

 

 おそらくあのフォーメーションは守備重視だ。エイリア相手なら姉さんも1点ぐらいは想定の範囲内だろう。

 

 俺がそう思っている中、前半終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …そして後半。

 

 アツヤモードになった吹雪はボールを受け取ると、一人で一気に敵陣内へ斬り込んでいく。

 

 …ただ、そこまでジェミニの守備陣も弱いわけではない。

 

 吹雪1人の攻撃ならしっかりと対応している。

 

 …そして、吹雪からボールを奪ってのカウンター。

 

 パンドラからパスが出た瞬間、一之瀬がフレイムダンスでボールを奪った。

 

「…パンドラの奴、あの癖まだ治ってなかったか…」

 

 俺はそれを見て呟く。

 

 …それとなく伝えたはずだったんだが、はっきり言った方が良かったか…?

 

 そして、一之瀬から吹雪へとボールが渡り、レーゼはここまでスタンドプレーを続けてきた吹雪に対してDFを向かわせる…が。

 

「…染岡!」

 

 待ってましたと言わんばかりに吹雪はフリーになっていた染岡へとボールを預ける。

 

 そして染岡の新技、ワイバーンクラッシュが繰り出され、GKのゴルレオは反応できずにゴールを割らせてしまう。

 

「…へえ、そういうこともできるんだな吹雪」

 

 スタンドプレーだけでなく、いざというときには仲間も使うことが出来る。

 

 …そうなれば、ホント止めるのは厄介な選手である。

 

「…さあ、こっからどうするレーゼ?」

 

 俺はレーゼに向けてそう呟く。

 

 …試合が終了に近づいてきている中、レーゼは今までよりスピードを上げて雷門ゴールへと向かっていく。

 

 

 

「「…ユニバース、ブラスト!」」

 

 

 

  

 おそらくジェミニ最大威力の必殺技であるユニバースブラスト。

 

 だが塔子、壁山の2人が立ちふさがり、突破はされてしまうものの、最後には円堂のマジン・ザ・ハンドでしっかりと止めていく。

 

「行くぞ、反撃だっ!」

 

 円堂からボールが放たれ、染岡へとボールが渡る。

 

 ジェミニも2回続けて同じ技でやられるような奴らではない。

 

 しっかりと2人がマークにつき、これ以上はシュートを打たせないという態勢に入っている。

 

 …だが。

 

「…染岡に集中し過ぎて、本来のマークすべきするやつが空いているぞ」

 

 俺の言葉を肯定するように染岡からはパスが出されて、完全フリーとなった吹雪へとボールが渡る。

 

「…吹き荒れろ、エターナル、ブリザード!」

 

 吹雪が放ったシュートはゴルレオを完全に吹き飛ばしてゴールへと突き刺さる。

 

「…さてと、先に京都へと向かうとしますかね」

 

 …もうこっから試合が動くことは無い。もうここにいる必要はないだろう。

 

「リュウジ、しばらくの間の別れだな。

 

 次は砂木沼さんに任してゆっくり休んでくれ」

 

 俺はそう呟いて片手に持っているエイリアボールを起動してその場から消え去った。

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