ヒロトにエイリア学園を任せ、俺は星の使徒研究所の入り口に来ていた。
「…楽しかったな、宇宙人ごっこ」
短い間だったが、いい経験だった。
そう思いながら、俺は歩いていく。
…そんな俺を止める人物が2人。
「おい、俺たちに黙ってどこに行くつもりだよ頼徒、プロミネンスの練習付き合ってくれるって言ってたじゃねえか」
「父さんのところから戻ってきた時からなにか準備してるとは思ったけど…、また何か頼まれたの?」
晴也と杏である。
…ヒロト以外誰にも言わないつもりだったのに、やっぱりバレたか…。
「頼まれたって言われたら確かにそうかもしれねえが…」
俺がそう答えると、晴也は「ぼかすんじゃねえよ」と聞いてくる。
「お前がそんな言い方するときは何か隠してんだよ。
5年ぐらい一緒に過ごせば誰でも分かんだろうが」
「そうよ、頼徒。
私たちだけでもいいから伝えてよ、今回の任務内容」
…隠すのは無理っぽいな、これは。
「ヒロトにはもう言ってるけど、ほかの奴には伝えないでくれよ。
…父さんから、『エイリア学園から外れてほしい』って言われたんだ。
今の俺はトライじゃねえ、ただの外裂頼徒って人間になっちまった。エイリアボールも置いてきたしな。
もうここに来るつもりはねえよ」
俺がそう話すと杏は「うそでしょ…?」とつぶやく。
「嘘じゃねえよ、杏。
こんなときに嘘つく奴じゃねえってのはお前もわかってんだろ?」
俺がそう淡々と話すと、晴也は俺に向けて叫んできた。
「ざ、ざけんじゃねえ!
なんでお前がここから離れなきゃいけねえんだよ!」
「俺のやさしさが邪魔になるんだってよ。
まあ仕方ねえさ」
「仕方ねえで済まして良い訳がねえだろ!
…ちっ、父さんのところ行ってくる!」
父さんのところへ向かおうとした晴也を俺は「無理だよ」と制止させる。
「もう決定事項だ。
俺も若干その気は感じてたし、俺の考えはお前らとは若干違う。
お前らは父さん最優先だろうけど、俺はお前らが最優先だ。その違いは大きいからな。
父さんのためを思うなら、俺が外れるのが一番なんだよ」
俺はそう外れた理由を説明していく。
「…もう、帰ってくるつもりはないの?」
杏はそう聞いてくるが「そうだな…」と続ける。
「ひとまず、この戦いが終わるまではな。
お前らお日さま園のみんなと過ごすのはそのあとになるってよ。
まあ少しの間の辛抱だ」
「少しって…、この戦いいつ終わるかわかんねえんだぞ!?
それまでって、俺たちと会えなくなってもいいのか?」
「…俺だって嫌だよ、そんなこと。
だから俺はエイリアが勝つにしろ、雷門が勝つにしろ早く終わってほしい。
…俺はお日さま園のみんなと、今のチームの垣根を越えて楽しい日々をまた過ごしたいんだよ。
だからヒロトにはガイアのみんなに無理させないように見ておいてくれって頼んでる。
お前らにも頼んどくよ。プロミネンスのやつらはそこまでだろうけどさ」
俺はそのまま「あと風介にもダイヤモンドダストの面々を見ておいてくれって伝えてほしい」と話すと、杏が「大事な人を忘れてるわ」と告げる。
俺が「誰だよ?」と聞くと、杏は俺を指さす。
「頼徒、アンタ自身よ。
エイリア学園の中で一番無理するのはアンタなんだから」
「確かにそれはそうだな、どーせお前のことだ。
また裏でいろいろとするつもりなんだろ?」
晴也も杏の言葉に同意する。
「…ちっ、バレてたか…」
「バレてたか…、じゃねえよ!」
晴也が俺にそうツッコんでくる。
「…仕方ないわね、頼徒。
私も一緒についてくわ、その放浪旅。
いいでしょ、晴也?」
杏の言葉に俺たちの間に一瞬の沈黙が流れて、晴也が改めて叫んでくる。
「ちょ、ちょっと待て杏!
ついてくって、プロミネンスはどうするつもりなんだよ!?
人数一人減っちまうじゃねえか!」
「なんとかなるでしょ、あのチームなら」
「ならねえよ!ってかジェネシスの称号争ってんだぞ!?
うちだけ1人少なくなるって明らかに後れを取るじゃねえか!?」
…お日さま園に来た時にも思ったけど、ホントに仲いいな、こいつら。
晴也と杏はそうギャーギャーと話していくが、最終的には晴也が折れたみたいである。
「…ったく、仕方ねえ。
プロミネンスの奴らには俺から話しておく。
杏、頼徒をたのんだぞ」
「分かってる。
私がしっかり見張っておくわよ」
「晴也、何か怪しいことやってるって思ったら伝えてくれ。
俺もできる限りの協力してやるからよ」
「ああ、わかってるよ。
お前も無理しすぎんじゃねえぞ?」
俺は晴也にそう告げて、杏と共に旅を始めることになった。