「…ついたな、沖縄」
「そうね、さすがに暑いわ…」
飛行機に乗って空を飛び、俺と杏は沖縄に到着した。
「…で、こっからどうするか、だな…」
「とりあえずホテルに行かない?
荷物とかもあるし…」
杏の言葉に対して「そうだな」と返す。
「さっさと、ホテル行こうか。
予約はもうとってるし」
さんさんと照り付ける沖縄の日差しの中、俺たちはホテルへと歩いて行った。
◇ ◇ ◇
…というわけで大海原に近い吉良財閥系列のホテルに行った俺と杏。
電話で話した時からスムーズにつながっており、「星二郎様の関係者なら」ということで案内されたのがこの部屋。
「…いや、さすがに豪華すぎない!?」
杏が驚く通り、俺たちが案内されたのは俗にプレミアムスイートと呼ばれる最上級の部屋だった。
「…あのー、普通の部屋でいいんですよ俺たち。
こんな部屋は…」
俺がそう話すがスタッフの人は「いえいえ」と返してくる。
「星二郎様から、『外裂頼徒と名乗る少年が来たら丁重にもてなしてください』と承っておりますので。
なにかありましたらいつでもお声がけください、…では」
そう言ってスタッフの人は部屋をあとにする。
「…父さん、なにもここまでしなくてもいいのに…」
「父さんなりの私たちへの温情なんじゃないの?
私は違うけど、頼徒は父さんから『エイリアを離れてほしい』って言われたんだし」
「それはそうなんだけどさ…」
杏の言葉に俺はそう返す。
「でもこれで、拠点に関しては問題ないわね。
のんびり過ごしましょうよ」
「…ああ。
だけど、ここでもやるべきことはあるよ」
俺はそう言ってリュックサックからサッカーボールを取り出す。
「…スタッフの人に聞けば、自由にサッカーできる広場は多いみたいだし。
ランニングするにちょうどいい砂浜もあるみたいだし。
練習は欠かさずしておかないとな。
…杏、付き合ってくれるか?」
俺のその言葉に杏は首を縦に振ってくれる
「もちろんよ。
久々にアンタとのタイマン勝ちたいし。
戻った時に晴也から『弱くなったなー』なんて言わせないんだから」
「俺もだよ。ヒロトに『あれ、こんな簡単に抜けたっけ?』って言われたくねえしな」
そう言葉を交わした俺たちは荷物を置いて、ホテルの外へと歩いて行った。
◇ ◇ ◇
広々としたグラウンドで、俺と杏は対峙する。
「それじゃ、手加減はいらないわよ」
「もちろんだよ、っていうかお前相手なら手は抜けねえよ」
そう言葉を交わした後、杏のボールでタイマン勝負は幕を開ける。
「…早速行くわよ!
ヒート、タックル!」
そう言って杏は俺に向かって炎を纏いながら突撃してくる。
「…いかせるかよ!
デーモン、カット!」
俺の代名詞ともいえるデーモンカットが放たれると、杏のタックルとのぶつかり合いになる。
「…うっ!?」
バチバチというぶつかりあうが、最終的には俺の方が勝ち、紫の不気味なオーラが杏をふさいだ。
「よし、まずは俺の一勝、だな」
「さすがね、頼徒。
じゃあ次はそっちが攻撃してきて」
そう言って杏はディフェンスの態勢に入る。
「遠慮なく行かせてもらうよ、杏!」
サザンクロス、カット!」
「やらせない!
イグナイトスティール!」
ボールを挟んで俺と杏の足が競り合う。
「「ぐっ!!」」
お互いの力が合わさったボールは真上に上がり、転々と横へと跳ねていく。
「…今のは引き分け、ね」
「そうだなー…。
やっぱり突破力が課題だな」
俺は改めて自分の課題を見つめなおす。
「そうね、私はアンタほど守備力ないし。
私を突破できないと、マスターランクの守備陣は楽に突破できないわよ」
杏は「まあ私もアンタを突破しなきゃだけど」と話していく。
「頼徒、ディフェンダーとしてならあなたはエイリア学園トップよ。
だけど、突破力は晴也とかに比べたら落ちちゃうのは間違いないわ」
「ああ。この休暇はそれに対して重点的に取り組ませてもらうよ」
俺は杏にそう話していった。