…爽やかなサッカー少年、松風天馬と出会った俺と杏。
3人で言葉を交わしていく中、紫髪の少年が口を開く。
「…データを受け取った。
赤髪の方がレアンこと蓮池杏。
そしてもう一人がトライこと外裂頼徒。
両方ともに破壊組織、エイリア学園の戦士である。
…外裂頼徒、君に聞きたいことがある」
「ああ、なんだよ?
っていうか、お前の名前を聞いてねえな」
俺がそう返すと、「それは失礼した」と告げてから改めて話していく。
「私はアルファ。
我が使命はサッカーを消去すること。
…外裂頼徒、改めて君に問う。
なぜ、君のデータには欠落がいくつもあるのか?
いくつものパラレルワールドにおいて、君という存在を確認できたのはこの世界だけだ。
なぜ君は、この世界に存在している?」
…俺という存在はイレギュラーってことか。
俺という存在が、物語を変えてしまってるのか。
できる限り原作の流れを変えたくはなかったが…。
俺がそう考えていく中、杏が叫ぶ。
「…ふざけんじゃないわよ!
頼徒がここにいる理由なんていらないわ。
私は他の世界がどうとか興味ない。
今ここに外裂頼徒という人間が存在している、ただそれだけのことよ」
「…そういう訳だ。
俺がいない世界とかあるのかもしれねえが、あいにくほかの世界のことは俺も興味がなくてな」
「No、理解ができない」
「理解できなくて結構だよ。
俺は俺のためにこの人生を楽しむだけだ」
俺がアルファにそう告げると、アルファは静かに口を開く。
「…この事態を解決する為の新しい方法が提案された」
そう言いながら白いエイリアボールのような物体をアルファが操作すると、『ムーブモード』という機械音声が聞こえてきた。
それと同時に俺たち3人は白い光に包まれ、光が収まると、目の前にはサッカーコートがあった、どうやらワープしたようだ。
そして俺たちの周囲に複数の人間が出現していく。
「喜べ、これからお前達が好きなサッカーをやる」
…どうやら、俺たちエイリア学園とやり方は似ているようだ。
「…そういうことね。
杏、こいつらのやり方はエイリアと同じだ、わかってるな?」
「もちろんよ、大体察しているわ。
まさか、私たちがこっち側になるなんてね」
俺と杏がそう話していくと、アルファは「何を話している?」と淡々と告げてオレンジ色に光ったボールを蹴り飛ばす。
「…サッカーは、我々が消去する…!」
そんな中、俺の隣にいた天馬が飛び出す。
「サッカーは消させない!」
そう叫んだ天馬の背中から紫色のオーラが人の形を形成していく。
「魔神ペガサスアーク!」
…って化身かよ!?
「な、何よアレ…!?」
杏はそう驚きの声を上げる。…まあ知らなかったらそうなるのも無理ないだろう、実際俺も軽く呆気に取られてしまった。
「化身だと?次元が低い…!」
「くっ!?うわあぁー!?」
だがペガサスアークはボールの威力に耐え切れずにかき消されていく。
そして体勢を崩した天馬に対して、アルファの仲間たちはボールをぶつけていく体制に入っていく。
「…まあ、黙ってやられるのを見てるわけにはいかねえな」
そう言って俺は天馬の前に飛び出す。
「…デーモン、カット!」
いつも通りの紫のオーラを放った俺は、ボールを地面にたたき伏せる。
「…え、外裂さん…!?」
天馬は呆気にとられるが、俺は天馬に話していく。
「天馬、俺はまだお前のことを知らねえ。
…だがよ、お前の話し方からして俺はお前の先輩になるんだろ?
なら、先輩として後輩を守ってやるのは当然のことだろ。
…お前ら、天馬を絶望させたいなら俺の後にしろ。
俺が力尽きるか、お前たちがあきらめるか…、我慢比べといこうじゃねえか。
…杏、天馬を見ておいてくれ」
「りょーかい。くれぐれも無理しないでよ?」
「いわれなくてもな。
五体満足で帰ってくるよ」
「外裂さん…!でも、あいつらには俺の化身が…!」
天馬は俺にそう話してくるが、「大丈夫だ」と返していく。
「化身とかそういうのはよく知らねえけど、知らねえからできることも多いんだよ。
先輩に任せて、そこで見てな」
そう天馬に告げた俺は、アルファたちの前に対峙した。
「…エイリア学園、トライの名にかけて。
俺が地に倒れることはねえ、どいつでもかかってきな?」
そう俺はアルファたちを挑発した。