「少人数を多人数でいたぶって楽しい?
だったら勝負しようよ」
フェイはそうアルファにそう話していく。
「勝負?どういう勝負だ」
アルファがそう返すと、フェイは指をパチンと鳴らす。
そうすると、フェイの後ろからさっきの天馬が出した化身のオーラ?のようなものが見えて、そのオーラが晴れるとそこには男女合わせて7人の姿があった。
「…え?どういうことこれ…。
頼徒、どういうことかわかる…?」
「いや、俺も分からねえよ…」
俺と杏がそう呟く中、フェイは「これでどう?」とアルファに尋ねる。
「…良いだろう」
アルファは静かにそう返してきた。
◇ ◇ ◇
赤地に大きく天の字が描かれた背番号2のユニフォームに身を包んだ俺。
杏は背番号9を背負っている。
そしてセンターサークル付近に飛ばされてきたのは近くの海の家のおっちゃん。
持っていたマイクが黄色に光り、それに合わせて彼の目も黄色に光った。
「…ではお願いする」
「おう、任せとけーい!」
…いや、そこの海の家のおっさんにやらせんの!?
「選手データはこの男の頭の中にインプットした。
実況はサッカーに不可欠なものであると聞いている」
…うん、多分それ間違ってる。
俺がそう思いながらもアルファは淡々と告げていく。
「…我々はプロトコル・オメガというチーム名で登録した。
お前たちのチーム名は?」
「そっか、即席のチームだからまだ名前がないんだよね…。
んー、僕たちは…、じゃあ『テンマーズ』だ!」
いや、ダサくねそれ!?
天馬も「ええ!?」って顔してるし、杏に関しては「嘘でしょ…」って顔してるし…。まあチーム名なんてなんでも良いが…。
「天馬のチームだからテンマーズ、ピッタリじゃん。
それと、はいこれ」
そう言ってフェイが天馬に渡したのはキャプテンマークだった。
「君はキャプテンなんだろ?」
フェイはそう天馬に微笑むが天馬は受け取りを躊躇う。
「いや、今回は俺より外裂さんの方が向いてると思うけど…。
外裂さん、キャプテンお願いしてもいいですか?」
天馬が俺にそう話すと、フェイは「あれ、この時代の君は雷門のキャプテンだったはずだけど…」と不思議がる。
「俺は代理だよ。それより後ろで見渡すことができる外裂さんの方がいいと思うんです、お願いします!」
…うーん、確かにGOの1試合やってからそこまで経ってないからまだ自分のことをキャプテンと思えない感じか…。
正直、ここで受け取ってもいいが…。
「…いや、これはお前がつけろ天馬。
この試合はお前のための試合だ、フェイもお前のために人数を揃えてくれたんだろうしな。
俺も後ろからしっかり見ておくことはもちろんやるけど、お前のためにもお前がつけろ、天馬」
「わ、分かりました!」
そう言って天馬は黄色いキャプテンマークを左腕に装着した。
以上が俺たちテンマーズの布陣だ。俺は今回はCB、杏はFWである。
「さあ、プロトコル・オメガ対テンマーズの一戦試合開始でーす!」
今まで聞いてきた角馬の実況とはまた雰囲気が違う、ハイテンションな実況の下試合は始まった。