プロトコル・オメガのボールで試合が始まった。
「おー…、なかなか早いなボール回すの」
プロトコル・オメガは速く、正確なパスワークで俺たちを翻弄していく。
…だが、フェイはまるでうさぎのように跳ねながらボールを奪い、相手のゴール前に進んでいく。
「バウンサー、ラビット!」
フェイのシュートはゴールへ跳ねながら進んでいくが、プロトコル・オメガのキーパー、ザノウは動じない。
「キーパーコマンド、03!」
『ドーンシャウト』
ボールは勢いを殺され、ザノウの前に転がっていく。
そして、試合は再開され、ボールは激しい攻防の末にアルファへと渡る。
アルファがドリブルで上がってくる中、俺以外のディフェンス陣が必殺技の態勢に入る。
「フラクタルハウス!」
だが、アルファは必殺技を突破して、高く飛び上がる。
…だが。
「…やるな」
「…必殺技を突破した後の隙、治した方がいいぞっと!」
それに反応した俺は、必殺技を撃とうとしたアルファからボールを奪う。
「カウンター行くぞ!
…天馬!」
「はい!」
俺から放たれたボールは天馬がしっかりトラップする。
「そよかぜステップV2!」
天馬の代名詞である爽やかなドリブルで一気に敵陣へと駆け上がっていく。
「蓮池さん!」
「りょーかい!」
そしてボールは杏のもとにわたり、高く飛び上がる。
「はあっ!
アトミック、フレア!」
杏が放ったシュートはザノウが必殺技を出す余裕もなくゴールへと突き刺さる。
「ゴール!外裂のボール奪取からのカウンターを仕上げたのは蓮池!
テンマーズが1点先制だーっ!」
「…まずは1点、…ね!」
杏はしっかり手元でしっかりとこぶしを握り締めた。
…晴也の代名詞とも言えるあの技だが、杏も晴也の威力には届きはしないもののそれに追随するぐらいの威力は出せる。
プロミネンスのキーパー、
…うん、エイリアNo1を目指してるだけはある。
とりあえずこれでリードをすることができた。
相手は表情こそ崩れてはいないが、聞こえてくる言葉の節々から焦りが聞こえてきた。
さて、このままいくとは俺も思えない、相手がどう出てくるか楽しみである。
◇ ◇ ◇
「さあ、1点を先行されたプロトコル・オメガのボールでキックオフ!
前半の間に追いつくことができるのだろうか!?」
キックオフからアルファへとボールが渡り、勢いよくテンマーズ陣内へ切り込んでくる。
「…行くぞ」
「…!ディフェンス来るぞ、準備しとけ!」
「「「了解!」」」
俺はディフェンス陣にそう言って気合を入れさせる。
そしてアルファはさっき天馬が出した、化身のオーラを発現させる。
「天空の支配者、鳳凰!」
アルファが出したのは無口な彼には似つかない派手な化身。
…だが、彼はここで終わらなかった。
「アームド!」
その言葉と同時に、彼の化身は再びオーラ状となり、鎧のように彼の体に装着されていった。
…確か、化身を身に纏うことにより、通常状態よりはるかに強くなる。
「…さて、今の俺が化身アームドに対応できるか…。
試させてもらうとしますかね」
アルファはそのまま、ものすごいスピードでゴール前へと駆け抜けていく。
「アルファ、俺と勝負と行こうか!」
「…No、勝負にはならない」
そう返してくるアルファに対して、俺は必殺技を繰り出す。
「行くぞ!デーモン、カット!」
だが、アルファは気にせずに俺の放った紫のオーラに突っ込んでくる。
「言ったはずだ、勝負にはならないと」
「マジか、よっ!?」
アルファはその紫のオーラを突っ切りながら俺を吹っ飛ばす。
そしてアルファはそのままシュートを放ちテンマーズのゴールへと突き刺した。