スローインで試合が再開され、ボールはデザームへと渡る。
デザームと豪炎寺の最初の対決…、デザームは豪炎寺に向かってドリブルしていく。
「見せてみろ、お前の実力を!」
…だが、豪炎寺は動じずしっかりとボールを奪い取った。
そして、豪炎寺はそのままイプシロンのゴールへと向かっていき、シュート態勢に入る。
「ファイアトルネード!」
明らかに奈良の時に見せた時より威力が上がったファイアトルネード。
ゼルもワームホールで対応するが耐え切れずに破られ、ボールはイプシロン改のゴールへと突き刺さった。
「ポジションチェンジだ!」
それを受けてデザームはポジションチェンジを要求し、GKに戻ることを古株さんに告げた。
そして、イプシロン改のキックオフで試合が再開される。
ゼルからスオームにボールが渡ったところに一之瀬が反応した。
「フレイムダンス!」
明らかに豪炎寺が入ることで勢いが増した。
俺が入った時も多少は改善されたが、あれはあくまで雷門の守備を安定させただけ。
チームに対してここまでの明確な違いを生み出すことは俺にはできない、流石は豪炎寺だ。
そして一之瀬から鬼道へとボールが渡る。
鬼道が豪炎寺を見やるが、そこにはケイソンとタイタンの2人が豪炎寺にマークが続ける。
だが、鬼道はその2人に向けてキラーパスを送る。
…パスミスかと思ったが、そうではない。
ボールは2人の前で曲がり、マークから抜け出した豪炎寺が反応して完全フリーとなった豪炎寺がイプシロンのゴールに目を向ける。
「来い!」
豪炎寺に向けて、デザームはそう告げる。
そして、豪炎寺はその声にこたえるように、背中に化身のような炎の魔人が現れた。
「爆熱、ストーム!」
さっきのファイアトルネードとは威力が桁違いのシュート、あれを防ぐのは俺には不可能だ。
「ドリルスマッシャー!」
デザームもそれに答えて、ドリルスマッシャーで迎え撃つが、豪炎寺はもうイプシロンのゴールから目を外していた。
…その後、デザームの技は完全に粉砕され、イプシロンのゴールへと突き刺さった。
得点を奪った後に、試合終了のホイッスルがグラウンドに響き渡った。
◇ ◇ ◇
試合終了後、豪炎寺を中心に輪が出来た。俺はその後ろでそれを眺める。
「…ホント、変に歴史が変わってなくって良かった」
そう安堵した俺は、その輪へと近づいていく。
その後、円堂はデザームの元へと歩いていき、デザームへと手を出す。
「地球では、試合が終われば敵も味方もない。
お前たちのやってることは許せないけど、外裂みたいなやつもいることが分かったし。
何より俺は、お前らにもサッカーの楽しさを分かってほしいんだ」
「…次は、必ず勝つ!」
そう話して、円堂と握手を交わそうとしたデザームだったが、その後に青色の光が発生した。
そしてその冷気を放つ先にいたのは白髪のダイヤモンドダストのキャプテン、ガゼルだった。
「…私はマスターランクチーム、ダイヤモンドダストを率いるガゼル。
君が円堂か。トライに代わる新しい練習相手が見つかった」
…おい、練習相手って言ってもお前俺に勝つまで返してくれなかったし、いつでもガチで来すぎるからしんどいんだぞお前の相手…。
「…トライ、それが君の出した答えなんだね?」
ガゼルは俺の雷門ユニフォーム姿を見てそう告げる。
「…ああ、そうだよ。
この戦いを早く終わらせるために、俺は雷門に入った。
このエイリアと雷門の戦いが終わればそっちに戻るって他のエイリアの面子にも伝えておいてくれ」
俺の言葉を受けてガゼルは「…承知した」と告げる。
「…この敗戦で、イプシロンは完全に用済みだ」
そしてガゼルが右手を上げると、エイリアボールがイプシロンへと向かい、白い光の後そこにはもデザームたちの姿はなかった。ガゼルも同様である。
「…円堂守、君と戦える日を楽しみにしている」
…姿を消したガゼルの静かな声が、大海原のグラウンドに響いていた。