フィールドに返ってきたボール。
そして同時にフィールドに入って来た白いユニフォームと長い髪をたなびかせた少年。
円堂たちには見覚えがあったようだ。
…っていうか、俺でも知っている人物。
「戦うために来たんだ、君たちと…。
…君たちと、奴らを倒すために」
世宇子中キャプテン、アフロディ。
その目にははっきりとした決意があった。
◇ ◇ ◇
アフロディの言葉を聞き、背番号11のユニフォームを任せた雷門。
原作を知っている俺でも違和感が凄い。
円堂、豪炎寺、鬼道の3人はアフロディをチームに受け入れる姿勢を示した。
…ただ、他の面子はそう納得はできないだろう。
現に奪ってカウンターを仕掛けようとはしているが、全てがマークの厳しい豪炎寺へのパスだ。
…こればっかりは俺も通った道だし、プレーで見せるしか無い。
とはいえ、守備でアピールすることができる俺とは違い、アイツはFWだ。
ボールを持たないことには始まらないのだが…。
俺はそう思いながらダイヤモンドダストの守備に対応していた。
「…トライ、君の新しい仲間も、ボールをもらうことができなければ意味がない」
「俺もそう思うよ。
仲間になった以上、割り切って戦ってほしいんだがな。
…甘い!」
ガゼルと俺はそう言葉を交わしながらマッチアップを繰り返し、俺はボールを奪っていく。
「綱海!」
俺はボールを比較的フリーな状態になっていた綱海にボールをだした。
「…見えているさ、そのくらい。
バレン、ブロウ!チェックだ!」
ガゼルがそう言った直後、バレンとブロウの2人がボールを持った綱海へと襲い掛かる。
「…ちょうどいいぜ、アフロディ!」
バレンとブロウの2人の間を裂くように、鋭いパスがアフロディの胸元へと届く。
「…いくよ」
ボールを持ったアフロディは、素早いドリブルでダイヤモンドダスト陣内へ斬り込んでいく。
「…お手並み、拝見だな」
ガゼルがそう呟き、ドロルとアイキューの2人がアフロディに向かっていく。
…だが、アフロディは既に右手を上げていた。
「…ヘブンズ、タイム」
そう指を鳴らした瞬間、アフロディは2人の背後に行っており小さな竜巻が起こって吹き飛ばした。
「…マジで気づいたら後ろにいたな。
生で見るとこんな感じなのか…」
初めて生で見るヘブンズタイムに感動していると、さっきまで俺の近くにいたはずのガゼルがすでにアフロディの前に立っていた。
「…堕落したものだ。
君を神から引きずり下ろした雷門に味方するとは」
「引き摺りおろした…?
違う。彼が…、円堂君が僕を悪夢から目覚めさせてくれた。
新たな力をくれたんだ」
そうガゼルとアフロディは静かに言葉を交わしていく。
「…君は神のアクアが無ければ、なにもできない!」
そう言いながらガゼルがボールを奪いに行こうとしたが、アフロディは落ち着いていた。
「そんなもの必要ない」
そう言って走り込んできていた豪炎寺にボールを預け、ガゼルを抜き去っていく。
「見せよう、生まれ変わった僕の力を!」
そう言ったアフロディの背中に大きな白い1対の翼が生えた。
「ゴッドノウズ!」
テレビ越しに見たゴッドノウズ、それ以上の威力なのは直ぐに分かった。
…ダイヤモンドダストのゴールキーパー、ベルガは反応しきれなかった。
雷門、先制である。