雷門に1点を先制され、ダイヤモンドダストのギアが明らかに上がった。
「フローズンスティール!」
「ウォーターベール!」
必殺技も使うようになってきた…、ってか。
「…実力差見せつけるなら、最初から必殺技使った方が良かったんじゃねえのか?
俺がいる以上、お前らが点を取れる可能性は低いぞ」
「…フン、黙っているがいいさ。
私と君の1対1の成績はお互いに5分。突破できる可能性は十分にあるはずだ」
「なるほどな!」
俺はガゼルとそう言葉を交わしながらマッチアップする。
…正直、ガゼルとの勝負はさっきこいつがいったように勝てるか負けるか五分五分。
負ける可能性だって十分にある。
…俺はマスターランクのキャプテンたちに対して「そもそもボールを触らせない」という対応をしてきた。
アイツらにボールを持たれたらさすがに俺でも対応に難儀する。
…と、まあ現在ボールを持っているのはガゼル。
「…そこだ」
「マジか、よ!?」
そう言ってガゼルは俺のマークをくぐり抜け、ペナルティエリアの中へと入っていく。
「凍てつくがいい!」
「来い!」
円堂も迎え撃つ準備は出来ているようだ。
「ノーザン、インパクト!」
凍てつかせたボールに回し蹴りを喰らわせた、ガゼルの代名詞ともいえる技が雷門ゴールを襲う。
「正義の、鉄拳!」
円堂も正義の鉄拳で応戦するが、威力を殺すことはできず徐々に押されていた。
そのまま正義の鉄拳は打ち砕かれ、雷門ゴールへと突き刺さった。
「…この程度とは、がっかりだよ」
円堂にそう一瞥したガゼルはそのままセンターサークルへと帰っていく。
「…トライ、次も突破して見せる」
「…ああ。絶対止めてやるよ」
すれ違いながら俺とガゼルがそう言葉を交わした後、前半終了のホイッスルが鳴り響いた。
◇ ◇ ◇
後半が開始され、雷門とダイヤモンドダストの激しい攻防が始まった。
ハーフタイムの円堂の様子を見ていても、デザームのグングニルの時のようにダメージは喰らっていないようである。
「…トライ、再び突破させてもらおうか!」
「そう何度も突破させてたまるかっての!」
そう言って、俺とガゼルで再びマッチアップが行われる。
「…ガゼル、なぜそこまで焦ってんだ?
冷静なお前が珍しいな」
「何だと?」
「ボールの扱い方から分かるんだよ。
顔には見せてないけど、プレーには隠し切れないところがあるからな!」
俺はガゼルにそう言って、タイミングを計る。
「…行ける!」
そんな中、俺はガゼルの数少ないボールタッチの隙が見えた。
「フェイタルリフト!」
俺はフェイタルリフトを発動させ、ガゼルからボールを奪う。
「行くぞ、杏!」
そう言って俺は左サイドにいる杏にパスを送る。
「フレイムベール、V2!」
杏も必殺技を繰り出し、バイタルエリアの中へと斬り込んでいく。
「アフロディ!」
ボールは杏からアフロディへと渡り、シュート態勢に入っていた…、だが。
「甘いわ!」
そう言ってボールを奪ったのはクララ。再びダイヤモンドダストの攻撃が始まった。