「…何をしにきたんだ?」
奈良シカTVで雷門の到着を待っていたところ、エイリア皇帝直属、キラエージェントの奴らからそう話される。
「…雷門の監視、かな。
出来る限りのことを伝えさせてもらうつもりだし。
見物人が一人増えたぐらいの感覚で、全く気にしないでもらっていいから」
俺はそうそっけなく返していく。
「…いつまでもチームを決めないあなたには皇帝陛下も悩んでいる。
さっさと決めたらどうだ」
「さあね。誰にどんなことを言われても俺はチームに入るつもりはない。
父さんにも何回も伝えてるし、アンタらが気にすることじゃねえよ」
…正直、俺はこいつらが嫌いだ。
理由としてはお日さま園出身の俺たちをまるで配下のように扱ってくるからである。
俺たちが付き従っているのはあくまで父さんだ、それ以外の何物でもない。
「…それより、豪炎寺の妹を拉致したとか聞いたけど本当なのか?
そんな指示、あの父さんが言うは思えないけど」
「…皇帝陛下の指示だ。お前には関係ない」
「…お前ら兵士はただ皇帝陛下の指示に従って破壊を続ければいい。
それ以外のことには口を出さないでもらおうか」
「…そうかよ」
バチバチという火花がでそうな目線を合わせた後、俺はレーゼたちが待つフィールドへと歩いて行った。
◇ ◇ ◇
「トライ様!
お越しいただき、恐悦至極です!」
レーゼたちジェミニストームの面々は俺の姿を見て姿勢を正し、そう話してくる。
「…ああ、そんなに引き締めなくていいよ。
軽い感じでいいからさ」
俺はそう返していく。
「…まあ、多分この後雷門は絶対に来る。
あんな放送をしたのなら尚更全力で来るぞ」
そう話す俺にレーゼの横にいたディアムが俺に話してくる。
「…にしても、前回の試合で雷門はなぜ勝てないと分かってて向かってくるのでしょうか…?
理解に苦しみます」
ジェミニの他の面子もそんなディアムの言葉に同意するが、俺は「そうだな…」と続けていく。
「彼奴らが雷門だから…じゃダメか?
そもそもあいつらは後半終了のホイッスルが鳴るまでは『勝てる』って思ってる。
たとえどんな状況でもそう思っているからフットボールフロンティアで勝つことが出来たんだ。
お前らもテレビで見てただろ?」
俺はそう答えて、下が騒がしくなってきたことに気付く。
「雷門も来たみたいだな。
それじゃ、俺はここのどっかでこの試合を見届けるよ。
『獅子は兎を狩るにも全力を尽くす』という言葉がある。
お前らの全力を雷門に見せてやれ」
「「「はい!」」」
ジェミニストームは俺にそう大きな声で返してくる。
「じゃあな、お前らの試合楽しみにしてるよ」
俺は最後にそう言い放ち、フィールドから出ていった。