雷門対ジェミニストームの試合が始まった。
最初はレーゼも10人しかいない雷門を見て勝負を躊躇っていたが、SPフィクサーズの塔子が入ることになったので11人揃った。
…というわけで、雷門とジェミニストームの試合が始まった…のだが。
「…まあ塔子1人入ったくらいで変わらんわな」
前半からハイペースで飛ばしているジェミニによってフルボッコにされている。
「…にしても、豪炎寺の奴。
あれだけ入らないのは相当愛してるんだな、妹のこと」
単独技のファイアトルネード、風丸との合体技の炎の風見鶏、両方ともに枠をとらえていない。
…明らかにゴール裏に構えているあいつらが目に入ったからだろう。
今の豪炎寺は正直見ることが出来ねえ。
身内を人質に取られてまともにプレーできる奴なんて相当心が決まった奴だ。さすがの豪炎寺もまだそこまでではないだろうし。
…だが、雷門も黙ってやられているわけではない。
この豪炎寺へとつながる前、鬼道がジェミニの攻撃パターンを読み切り、ボールを奪った。
まあある程度サッカーに通じている奴ならある程度見ていれば分かりやすい。
正直、ジェミニはエイリアの中での評価はスピードこそ秀でているがそれ以外はまだまだ発展途上のチーム。
細かいところは正直雷門の方が勝っているところもあるだろう。
点差こそついているものの雷門がジェミニのスピードに付いてこられるようになればいい勝負ができるだろう。
その後も雷門がたまにボールを奪い、そしてジェミニが得点を奪いという感じで13-0で前半を終えた。
◇ ◇ ◇
後半開始、それと同時に雷門には大きくポジションを変えてきた。
「…改めてみると壮観だな、全員FW態勢」
雷門のフィールドプレーヤー全員がハーフウェーラインに近い位置にポジションをとる全員FW態勢を見て俺はそう呟く。
雷門の選手の反応を見る限り、若干不服ではあるのだろう。
…だが、これは雷門の選手たちを守るための措置だ。
ハーフタイムでの各選手たちの息の上がり方を見るに、ほぼ限界だ。
あれ以上続けていたら雷門全員が倒れ、打倒エイリア学園の夢は儚く散るだろう。
…まあそんなわけで、後半が開始された。
だが、フィールドプレーヤーが全員上がった影響で、一人抜かれれば円堂の前まで一気に一直線である。
…まあ、フィールドプレーヤーの10人の安全は比較的まもられるが、その分円堂への負担は大きくなる。
後半開始と共に、円堂をジェミニのシュートの雨が襲っていく。
シュートが打たれるたびに、雷門の失点が増えていく。
「…円堂じゃなかったら、確実に心折れてるだろあれ…」
俺はシュートを撃たれても毎回立ち上がる円堂を見て、そう呟く。
…そして試合の終了時間が近付き、ジェミニの取った点数が30点を越えたころ、レーゼは必殺技の体制に入る。
「…アストロ、ブレイク!」
フィールドの土を巻き上げながら、雷門ゴールへと向かっていく。
「止めて見せる、マジン・ザ・ハンド!」
…だが、後ろの魔人のオーラは消し去られて、ゴールネットをつつき破りながら雷門のゴールへと突き刺さる。
円堂はシュートを受けて、立ち上がることが出来ていない。
「…まあ、奈良での試合はこんなもんだよな」
俺はそう呟きながらエイリアボールを手に取る。
「…円堂、さすがにこんなとこで倒れるわけがねえよな?」
俺はそう言いながら奈良シカTVを後にした。