日本召喚2021   作:秋津とんぼ

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 あらかた完成して投稿前の確認にプレビュー見てミス発見したので修正しようと戻ったらデータが巻き戻ってて発狂しかけたので初投稿です


13 デリアの苦悩

 7月10日、午前10時。

 デリア連合王国第2外務局長コルネリウス・オーガニアは脳の血管が切れるのでは無いかと思われる程激怒していた。

 心中で何回もふざけるなと絶叫している。こんなに怒ったのは恐らく彼の45年の人生の中で一度も無いだろう。

 一体何に激怒していたかと言えば、先程第8水上艦隊の提督から軍務省を通して届けられ、現在は机上に鎮座する報告書の内容である。

 事の始まりは、ネイヴィスト王国が東方連盟から貸与された支援金を、17年間ため込んでいる上に、未だに返済しない事だった。

 内戦からの復興を目的とする拠出だったが、復興が粗方終わり、向こうが定めた15年の期限すら過ぎているのに372000000レアルは払われず、さらに情報局の調査でネイヴィスト側は山間部への復興費使用をケチって浮いた金で国力の増強という用途外使用をしている事が判明して拠出金の大半を出資したレミジャンティアとレプリアが送った詰問及び督促の使節は海賊に偽装したネイヴィスト海軍の襲撃に遭い、3隻の船団のうち2隻が沈められた。これに二国は怒って竜母部隊を送り、デリアもお目付で第8水上艦隊を付け、督促として送り出したのだが…

 このなめた報告書によるとだな、

・レプリアとレミジャンティアが勝手に空襲をした。

・止めたが、無視された

 ここ迄は良い。いや、我が国に対する態度としては全く良くないが。

 問題はこの後だ。

・空襲に行った大飛竜(エルドワイバーン)が全騎墜とされた

・レミジャンティア・レプリア両艦隊が攻撃に行った。

・所属不明の170n級金属製巨大船を遭遇、戦闘となり殲滅された模様

・金属製巨大船が高速で此方にも来たので撤退した

 相手は開明圏外国だぞ!そんな奴らが大飛竜(エルドワイバーン)を墜とせるわけが無い!更になんだ?謎の金属製巨大船?高速で接近?

 だいいち連合王国の戦列艦は只帆に起風環で人工風を吹かせるのでは無く、その風を風車に吹きつけ、その回転をスクリューに伝え、スクリューが水を押しのける事によって進んでいくという他に類を見ない方式をとっており、その速度は上位列強艦に匹敵する。更に我が国の起風環の品質は世界でも並ぶものはいない。まだ往年のスピリダテス(邪教徒ども)に負けてはいるが、このまま開発が進めば数年後にはブラックボックスは完全に解明され、性能は大いに上がるだろう。

 そのような尺度で高速を出せる船を持てる国が圏外に居る筈が無い!巨大なら水の抵抗が大きく、絶対的に速度が落ちる筈であり、高速を出したいと思えば上位列強のように力ずくで上回るしか無いのだ。

 世界の果てにある国が、そのような強力な推進手段をもてるだろうか?

 それにだ!

・全く魔探に反応しなかったので、全金属機械動力船の可能性が大

 全金属船などというものがあり得るか!?

そもそも魔探に反応しないなどということがおかしい。(ひな)びた辺境の小さな木造船ならいざ知らず、170nもの巨体を持ちながら微塵も魔力が感じられないなどありえない!

 その大きさの船を丸々作れるほど金属がないのはもちろん、木材では自壊してしまうため魔術による補強がなされるのは最早常識だ。170n級の造船能力を持ちながら船体に強化木材を使用していない国など世界のどこを探したっているはずがない。魔法をほとんど使わないアトランティスですら船体に強化木材が使われているため魔探に映るのだ。我が国だってバンデルンがなければ全艦に装甲を施すなど不可能だっただろう。

 そんな芸当を遥か北東の何者かがやってのけたというのか!?

 

 友邦の軍を見捨てて逃げた言い訳に荒唐無稽な話を載せられてはじめて、オーガニアは第8艦隊の提督は想像力が豊からしいと知った。正誤の確認と提督の処分のためにも、詳細な調査が待たれる所である。

 だが然し、連合王国並びに連盟に泥を塗った敵が居るのは事実で有る。オーガニアが妻と出会った頃に結成された東方連盟は未だ若く、このような()()()は無謀な蛮族や貪欲な他列強に変な気を起こさせるかも知れず、今すぐにでもこのふざけた敵を暴き、叩いて、必要があれば滅ぼしてでも面子を取り戻さなければならない。

 レミジャンティアとレプリアのなめた態度も問題である。確かに片方は聖二十八家の一つの傍流であり、血統で言えばデリア王家と同格かやや上ではあるが、あくまで連盟の盟主であり列強なのはこちら側である。またもう片方はたったの3百年少々しか続いてないのだから、なおさらであった。

 また、この二国の艦隊を軽々と屠ったことから、どこか列強若しくは第一開明圏(ケントラリス)の国がバックに付いている可能性も高いと思われた。手を伸ばしてくるとなるとキリア、ヂッテリア、ダンヴェの三国辺りだろうか。ド=フラミンゴも再興以後は暴れ回っていたが、数ヶ月前に滅びた。

 今回は負けている。陛下の耳にも入るだろう。今度は陛下もなるべく対等等という甘ったれた列強とは思えない外交方針を撤回してくれるかな……。

 そんな淡い期待も抱きつつ、オーガニアは東から来る疫病に対する協議会に出席すべく、執務室を離れた。

 

 第2外務局は「敵」を知るため、情報収集を開始した。

 

 

 

 さて、同じ頃、窓口。

 

 「申し訳ありませんが、今日課長はお会いになれません。」

 

 日本外務省職員は、約束した課長との会議でやってきたが、又しても足止めを食らう。

 

 「何故です!約束はどうなったのですか!」

 

 「ちょっと込み入った事情が発生致しまして、課長は圏外の新興国と話している状況ではないのです。又後程連絡を下さい。」

 

 当の日本によって第2外務局は忙しくなっていた為、この日も重要人物とは面会できず、騒動の原因は、今日もとぼとぼ宿へ帰っていった。

 




 データ巻き戻った時は地獄に突き落とされた気分でした。幸い編集履歴に残っていたのでそこからコピペして整形してなんとかなりました。執筆データの消失なんて三年前5話書いてる時に5、6KB消えた時以来ですかねぇ……その時はワープロで打ってたので編集履歴なんてなく記憶を頼りに書くしかなかったのですが……

小ネタ解説
・第2外務局
 この世界でのG7サミット的なものである中央十二国会議出席国以外の全ての国との外交を担当する。東方第一、第二課、西方第一課、第二課、第三課、北方課の6つの課に分かれる。

・起風環
 中央暦1130年から1314年まで存在した先代の第7列強スピリダテス神王国が魔帝以前の遺物を解析し再開発した魔道具。魔力を流すと風が起き、止めると止まる。風が起きる方向は決まっており、魔力を流す向きを反転させると風の向きも変わる。
 起風環と呼ばれてはいるものの、単に使用環境が大気中だから風を起こすのであって、水中に入れると水流を発生させる。上位列強ではこれを艦首艦底付近に付けてバウスラスターにしている。
 神王国は史上唯一ジェッス教を国教にした大十二ヶ国(マグナ・デュオデキム)であり、強引な布教姿勢から反感を買っていたため、デリアに降伏する直前からその半年ほど後にかけて周辺のアマテル教諸国や他列強に攻め込まれたのだが、その際各国はジェッス教の弾圧に力を入れ、そうでない国も邪教徒の国として派手に荒らして技術や文化の保護を後回しにしたため、起風環の根幹をなす部分の構造及び製法が失伝してしまい、現在では新たな製造ができない。
 オーガニアの誇っている”品質”はメンテナンスの質である

・魔探
 魔力波探針儀の略称

・金属事情
 魔帝以前にかなり掘り尽くされたせいで殆どが発展した技術がなければ採掘できない場所にしか残っていない。都市遺跡という形で金属資源を回収できるケントラリスやアトランティスならいざ知らず、東方は木石を魔術で強化して使うのが主流となった

・若い東方連盟
 1314年、デリアがスピリダテスとの戦争に勝ったのちに設立された

・聖二十八家
 勇者一行の勇者以外の生き残りを家祖とする、現在この世界で最も高貴とされる家柄。
 現在十家が断絶し、十八家となっている。
 レミジャンティア以外にもこの血を引く王家公家大公家は多い

 ー各国の反応ー
 デリア連合王国「なななな。」
 日本「まだ?」
 ー次回予告ー
————「日本を説明するのに一番良い方法が出来ました。」
 世界最強は何処かと聞かれたら、誰もが聖サッカラール帝国と答えるだろう。では、科学で世界最強と聞かれたら、答えるのは何処だろう?
 次回、「列強 第2アトランティス帝国!」
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