日本召喚2021   作:秋津とんぼ

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26 トゥリフィッロは散る②

 「っ!!なんじゃ、今の轟音は!?」

 

 王城外郭、王都竜騎士隊本部。その別館。

 滑走路からも竜舎からも離れたこの建物の休憩室で、レミジャンティア公国三軍統括官国家大元帥にしてシャイユ城伯ワレラン・ルイ・オーギュスト・ドゥ・シャイユ・エスト・レミ=ジャントはその爆音を聞いた。

 これまで聞いたことがないほどの轟音だった。しかも一回ではない。連続している。

 誰かいないかと見回すが、夜遅いこの時間では、司令部機能の集中する本館ならともかく、別館ともなると無人に近しい。誰もいなかった。ただ、廊下の突き当たりの窓から、左側が明るくなっているのが見えた。左側——本館のある方だ。

 彼はすぐ近くの左手の部屋に入った。壁一枚とはいえ随分音が減衰していたようで、戸を開けた途端古い透かし彫りの窓をすり抜けた爆音が彼の耳を襲った。それにたじろいで足を止めた隙に、爆音は止んでいた。

 爆音はなんだったのであろうか。火薬庫の誘爆だとしたら警報が鳴り響いているはずだしこのように長くは続かない。もしかすると大飛竜(エルドワイバーン)が暴走したのかも知れない。ワレランの若い頃は飛竜(ワイバーン)を去勢する習慣がなかったからよく暴れていたし、その飛竜(ワイバーン)を銃殺した際火袋を誤って撃って爆発を起こしてしまうことがそこそこあった。もしくは何か新しい魔術具の試験でもして事故が起きたかとも思ったが、特に日中そんな報告はなかった。まあ、それもこの帳を開ければわかるだろう。

 彼は灯りもつけぬまま窓へ近寄り、カーテンを開け放った。

 

 本館がなかった。

 

 ……本館がなかった?

 

 目を擦るが、光景は何も変わらない。

 

 炎が瓦礫の山から這い出て芝生を伝い、四方に広がりはじめているのが見える。よく見ると、その向こうの竜舎も燃えていた。時折噴き上がる炎は大飛竜(エルドワイバーン)たちの末期の息吹だろうか。滑走路も穴だらけで、使えそうにない。

 どう見ても何者かの意図によるものだった。

 

 はて、なぜ自分は震えているのだろうか。既に爆発は止んだというのに。

 

 震えを抑えながら、ワレランは竜騎士隊本部が壊滅した今、ほぼ唯一指揮管制能力を有する王城へ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おい、何がどうなっている?」

 

 神よ、禍福の縄を転がされる《二つの顔を持つ者(フラシュ・リズモス)》よ。

 

 「貴様の話は不明瞭だ、何を言っているかわからんぞ」

 

 なぜ、なぜ今だったのですか。

 

 「ワレランの口から聞きたい。叔父上を呼べ!」

 

 襲撃がなかったら、いや、あと十分でも遅かったなら自分は帰途につけていたというのに。

 

 「はあ?そんなことなど聞いておらぬ。貴様は出ていけ」

 

 この面倒な乳兄弟のお守りをすることもなかったのに!

 

 「何度余に同じことを言わせれば気が済むのだ?叔父上を呼んでこいと言っておるのだ」

 

 明日に末妹の結婚式を控えていた宰相にしてヌーヴェルオービュソン女伯*1フィリップ・マリー・リュ・オービュソンは、襲撃の間の悪さを恨んでいた。この場から消えたい。宰相なんて妹にあげればよかった。

 

 「フィリップ!フィーリィーップ!何をしておるのだ、叔父上を呼んでくれ」

 

 早速要求が飛んで来た。いや、既に散々他の家臣に言ったあとらしく、早速というには少々当てはまらないか。

 とりあえず適当にあしらおうと彼女は決意した。何せ、彼女が今いる王城は、陸地のほとんどが珊瑚礁に由来する平坦な小島*2で、岩石資源の乏しい大東洋では類まれな、分厚い石の城壁を誇る堅城の最奥にいるのである。さらに、彼女自身発動しているところを見たことはないが、敵の攻撃をそのまま敵へ向けて跳ね返す魔術が城壁に施されているというので、城に籠ってやり過ごせば——王都にある屋敷の調度品を勘定に入れないならだが——何事もなく妹の晴れ姿を眺めることができるだろう、と彼女には思えた。

 

 「いえ、殿下。それには及びません」

 

 「なんだと」

 

 「城伯殿下は、おそらく既に《悪食(キアスプロ)》の民となられました」

 

 真っ赤な嘘である。ユードは黙った。

 

 「私は先ほど見て参りましたが、あの燃えようでは到底生き残りはおりません」

 

 「そうか、いないなと思っていたが、そなたは見に行っていたのか」

 

 事実無根である。そっとユードに見つからないよう気配を消していただけであり、彼女は広間から一歩も出てはいない。それに別にワレランが生き延びていても奇跡と称揚すれば嘘とは思われないから何の問題もない。

 

 「……しかしそうか、叔父上は————」

 

 「遺体の回収のためにも消火が必要です。ですが殿下、それよりもまず、軍へご指示を」

 

 ユードは深いため息をついた。

 

 「……疲れた。余は寝るぞ。あとはそなたが全て采配せよ」

 

 「えっ……えっ、ちょっ、まっ」

 

 フィリップが呆けている間に、ユードは立ち上がってさっさと行ってしまう。

 

 「……えぇー」

 

 残された彼女に、官僚達がわらわらと集まってきた。

 

 「閣下、どういたしましょう」

 

 「閣下、どういたしましょう」

 

 「閣下、ナニいたしましょう」

 

 フィリップは、数秒の沈黙ののち、

 

 「とりあえず、まずは外郭の消火をすすめましょうか」

 

 と言った。

 そのまま矢継ぎ早に指示を出していく。

 

 「空襲警報と戦闘配備命令は出した? ……まだ出していない?すぐに出しなさい。特に対空多筒霰発砲(ミトラィユーズ)への配置は急がせて」

 

 「艦隊にも非常戒厳を。あと金鳳騎士団にも招集命令を。猫の手でも借りたい」

 

 「ところで誰か城壁の魔法陣の起動の仕方がわかるものはいませんか?え、常時発動型?ではなぜ外郭への攻撃を許したのよ、再確認させなさい」

 

 「沿岸砲台がやられた?先ほど飛行場を攻撃した虫に? ……対空多筒霰発砲(ミトラィユーズ)への配備を急がせなさい」

 

 「で、その虫は一体どこの手なの。……全く不明なのね、そう」

 

 一見なんとかなっているように見えるが、その実全てが後手に回っているように思え、フィリップには焦りが溜まり始めた。

 その時、海の方から大音響が聞こえた。

 

 「何事!?」

 

 「砲撃です、閣下!はるか遠方の海から、敵の船が砲撃をしてきました!」

 

 フィリップはベランダへ飛び出した。

 このツィヴィタス・レミジャントには、高さが40mにもなる大灯台がある。先先代、東方連盟に加盟した時の国王が、聖典に語られる海没した大陸スールーにかつて存在したという高さ150mにもなる大灯台を模して建てさせたものだ。灯台は海に向かって突き出した突堤の先に築かれており、その灯台を境に東が商港、西が軍港に分かれている。その西側、葉の落ちた林に見えるほど帆柱が並んでいるそこに次々と水柱が立っていくのが見えた。あまりに密集しているせいか、船に当たらない砲撃がないらしく、砲撃の腹に響く轟音が鳴るたびに木が割れる音も彼女の耳を叩く。

 一体どこからと目を遠くに向ければ、水平線よりやや手前、おおよそ20km程度離れた辺りから、数個の眩い光が断続的に発せられていた。発砲炎による光に違いなかった。

 なんだ、あれは。

 ポカンと口を開けて突っ立ったまま動けなかった。

 彼女は長距離砲戦を志向する東方連盟加盟国の国政を担う大貴族の跡継ぎ予備たる娘として、何回か海軍の砲撃演習を見たことがあった。だがこれは、その彼女がこれまで見たことのない程の超長距離からの砲撃であり、同時に見たことが無い程威力があるように思えた。

 あんなものが出てくるなんて聞いてない。

 それに、尽きた。

 

 その時、侍従の一人が要人の来訪を叫んだ。

 

 「連絡官殿の到ゥ〜着ゥ!」

 

 「……ソデゾグ殿?」

 

 「こんばんは、閣下」

 

 来たのは各軍の円滑なる連携のためと称してデリアから来た黒膚の美丈夫、デリア=レミジャンティア連絡官ズビン・ソデゾグ。若く、美しい彼は来てから今までのたった数ヶ月でその優秀さを王城中に知らしめし、フィリップにとっては一番新しいトゥリフィッロカ*3でもある。

 フィリップは駆け寄った。

 

 「ソデゾグ殿!なぜこちらに来られた」

 

 「援軍を呼びました。()()()()()()()()()、後20分ほどでこちらにくるでしょう」

 

 「え?」

 

 彼女は(しとね)を共にした後のように顔を緩ませていたが、返事を聞くなり表情を鳩が豆鉄砲を食ったように変化させた。

 

 「そ、それはどういう————」

 

 「そのままの意味です」

 

 理解が追いつかなかった。

 

 「見たら、きっと驚きますよ」

 

 今ここを攻めている敵のことも、この黒き美男のことも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バラフラは寝巻きの上にタレと呼ばれる薄いコートを羽織って、屋敷の隅にある小塔の前に立っていた。二階建ての屋敷は庭木に囲われ、市街がどうなっているかよくわからなかったからである。

 

 「こちらです、旦那様。少々鼻につくでしょうが、ご辛抱を」

 

 初老の召使が扉を開くと、少々なんてものではない程の黴臭い空気が鼻を刺した。彼が思わず袖を口元に持っていき鼻を覆っている間に蝋燭が灯され、中の汚さが浮かび上がった。細かな塵や埃が積もり、カビの類が壁石の隙間に生えている。ちびた蝋燭が収まった壁(がん)には蜘蛛の巣が張られ、巣の主らしい蜘蛛が干からびているすぐ横に、真新しい虫の死骸がかかっていた。

 この小塔はおよそ200年前、叔父甥が王位をかけて王都を舞台に内乱を起こした時に屋敷の防衛力を上げる為に造られた一連の構造物の最後の生き残りで、同時に屋敷で最も手入れがされていない建物でもある。この汚れ様は当然であろう。

 カンテラを片手に進む召使の後を追う。

 入り口の先にあった部屋は酷い有様である。ほとんど朽ちて骸骨のようになった椅子にテーブル。壁に立てかけてある槍も穂先から石突までボロボロ、窓際では壁と窓枠の隙間から伝った水滴がわずかに生える苔の上へピチョン、ピチョンと落ちていた。

 階段に差し掛かった時、召使が(よろ)けた。ととと、と言いつなんとか体勢を立て直す。

 

 「階段にお気をつけを、旦那様。滑っておりますので、ともすると先ほどの僕めのようになりますぞ」

 

 「いいからさっさと行け」

 

 召使は主人が臭さに顔を顰めていることに今気がついたようで、はは、と返事もそこそこに慎重かつ素早い動きで階段を登り始めた。

 

 同じような惨状を呈している二階と三階を抜け、ようやっと屋上に辿り着く。

 バラフラは目に入った巨大な水たまりに顔を顰めるが、市街の風景を前に立ち尽くした。

 

 「なんなのだ……これは」

 

 赤かった。

 街が燃えていたのだ。街といってもバラフラの屋敷からはかなり離れた港付近であったが、火は延焼しているようで、刻一刻と赤が広がっていく。恐らく庭木が高い上に煙が屋敷と反対方向に流れていくせいで気づかなかったのだろう。バラフラは知る由もなかったが、この火事は砲撃に混乱した繁華街での失火が原因である。

 空は赤と黒に染まり、その中を何かが飛んでいた。時折その何かへ地上から火箭が浴びせられるが、何かはひらりと避けては撃ってきた場所へ向け火箭を撃ち返している。

 極め付けに、はるか沖合から港へ向け何者かが砲撃をしていた。

 紛れもなく、ツィヴィタス・レミジャントは攻撃されていた。

 

 「え、は、え……?」

 

 言葉が出てこない。

 召使共々呆然と立っていると、後ろから大きな音が聞こえてきた。振り向くと、これまで見たことのない何かが超飛竜(エルドワイバーン・キティウス)もかくやというほどの速さですぐそばを通り抜けていった。例えるならば虫だろうか。

 速くてバラフラにはほとんど何もわからなかったが、暗い緑色らしいその体の後部に、中が赤く塗られた白丸が描かれているのだけは辛うじて見えた。即座に思い当たるものはなかったが、しばらくしてどこで見たか思い出した。ニホンだ。もう少し黄色ければ不敬だとして聖戦の目標になりかねないあの日輪など、そうそうお目にかかるものではない。

 

 …………では、あれはニホンだというのか?

 

 カラキアの更に東にあるという蛮地の民が、これを為したのか?

 そんな馬鹿な事があるか、あって良いのか?

 

 「ふざけるな!……そんな、そんな筈が!そうだ、これは夢だ!そして私は夢から覚めて蜂蜜酒を飲む!」

 

 そういうとバラフラはあの手この手で起きようとし出した。頬をつねり、叩き、腕に爪を立て、噛みつき、最近出てきた腹を思い切りつまみもした。

 ただ、痛いだけだった。

 後ろで召使が憐れむような視線で彼を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「しかし、随分燃え広がったな」

 

 「……あまり下は見るなよ」

 

 「なんで……ああ、そうか」

 

 つい先ほどバラフラの横を通り過ぎたAH-64Dの機内で、二人は駄弁っていた。

 下には燃えつつある市街が広がっている。

 

 「……くそっ」

 

 「あまり気にするな。俺たちにはどうしようもないことだ」

 

 悪態は自分へ向けられたのだが、後席は気づかなかったようだ。

 最初に飛行場を叩いたおかげで飛竜(ワイバーン)は上がって来ず、彼らの仕事たる対地制圧も地上の有様から概ね終わったと判断していい。少々不謹慎だが、暇だった。

 

 「他のとこからあのワイバーンとかいうドラゴンみたいなやつ来ないかな。流石に退屈するって」

 

 「任務中だぞ、前席」

 

 その時、急に通信が入った。

 

 『ヴァイパー05!下だ!』

 

 「なんだ?下から何が——」

 

 問い終わる前に、龍の顎門(あぎと)がコックピットを噛み潰した。

 

 龍は前脚でヘリを掴むとバキリとへし折り、後退し始めていた一番近くのアパッチへ投げつけた。投げられた尾部は過たず当たり、バランスを崩したヘリは忽ち墜ちる。その様を見て、龍は咆哮した。

 突如として現れ仲間を墜とした龍にアパッチ達は動揺したが、すぐに龍へと向き直り、戦う構えを取る。

 謎の龍一匹に対し、残った戦闘ヘリは11。

 空の戦いが、幕を開けようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「トラックナンバー004、撃墜」

 

 「やっとか。しぶとかったな」

 

 いずものCICで、司令官田滝は安堵の声を漏らした。

 突如市街から現れヘリを2機落とした龍は、あの後11機のヘリに追いかけられながらも驚異的な機動力と耐久力で諸々の攻撃を凌ぎ、二十分近くも空に留まっていたのだ。驚く他ない。

 これから部隊を上陸させようと言うところで俄かに現れた脅威だっただけに田滝は少々やきもきしていた。これ幸いと命令を下そうとした時、報告があった。

 

 「アンノウン出現!巨大です!」

 

 『こちらヴァイパー01!突然巨大な兵器と推測される物体が出現した!目測で高さ120m、直径が80m程だ!複数の砲塔で武装している!』

 

 「何だって?」

 

 

 

 

 それが見えた時、フィリップは思わず息を呑んだ。

 南の方に残像を引きながら現れたのは、一番底の円盤から順に段々に細くなっていく筒が積み重なったような物体である。筒の断面の平坦な段には砲塔がずらりと並んでいる。その面は銀色の輝きに満たされていた。

 その何ともつかない異様な異容に、見覚えがあったからだ。

 

 「……ああ、なんてものを」

 

 「お気付きですか」

 

 ソデゾグが平坦な声で言ってきた。

 

 「ええ、でもなぜあれを?天罰(プニッソー)、いえ()()()()なんて、100年どころか500年遡っても現れていないはずだけれど」

 

 「その名をご存知とは……!私は閣下のことをまだ知らなかったようです」

 

 「我がオービュソン家はかの八艘斬りのフィリップの直系、100年どころか3000年を超える古文書が屋敷にはあるのよ*4。当然だわ」

 

 「確かに、伺った時も豪奢な本棚を見かけましたが、ああいう良いところに保管されると、長持ちするのですね。んっ、では、改めてご紹介を。」

 

 そう言うと、ソデゾグは真っ直ぐ物体を指した。

 

 「あれこそ此度我が国から駆けつけました援軍、ギルキアでございます。かつてアマテリアを焼き払い、またデュネポリスでかの女王を身罷らしめた力を以て、必ずや敵を抹殺しましょう」

 

 言い切って、ソデゾグは笑んでみせる。フィリップが胸の中に飛び込んできた。

 後ろでは、早速ギルキアがヘリに向かって火箭を浴びせ始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『全機散開ッ!』

 

 飛ぶヘリがさっきまでいた場所を、青い火箭が通り過ぎていった。

 

 「なんだよ、アレ!あんなのが出てくるなんて聞いてないぞ!」

 

 『所詮固定砲台と同じだ、戦闘機を相手にするよりはマシだろ!』

 

 「こっちには機銃しかないんだぞ!?」

 

 飛行場爆撃と沿岸砲台の攻撃、そして先程の龍にミサイルを使ってしまったため、現在彼らが使える兵装は機銃のみである。一方、対する巨大構造物の方はどう見ても機銃で致命傷を与えられないほどの巨体ながら宙に浮いていた。

 

 『それでもいい、撃て!奴に負荷をかけ続けるんだ!』

 

 『だとしても————ぐwあh』

 

 『ああっ!02が!』

 

 一機がエンジンを貫かれ撃墜される。続けて他のヘリにも光弾が浴びせかけられる。彼らは後ろに下がりすんでのところで交わすことができたが、流れ弾が市街へ飛び、30mmの弾丸を受けたバラフラの小塔がガラガラと崩れ落ちた。

 

 『駄目だ!こちら03、撤退!撤退を進言します!』

 

 『くそっ、もう少しやれると思っうわあ!?』

 

 『隊長!』

 

 さらに一機が落とされるに至り、アパッチ達はギルキアから離れ始めた。

 それと入れ替わるように、遷音速の矢がギルキアへと飛来し————その全てが見えない壁にぶつかったかのように手前で爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「パファル障壁の正常な稼働を確認、誘導弾(ミッシレ)全弾の迎撃に成功しました。演算回路損耗率の0.002%の増加を確認」

 

 「敵航空戦力、後退していきます」

 

 報告を聞いて、艦長ゲダル・ラ・フィルマイセスはホッとため息をついた。

 何せ13年ぶりの稼働である。秘匿性の観点から魔獣暴走(スタンピード)以来一度も動かされていなかった機構ばかりで、ここまでヒヤヒヤの連続であった。だがまあ、ほとんどの装備の動作確認もできたことであるし、まずは敵艦隊を叩こうかと彼は考えた。出撃前に確認した時のレヒャド漿液の残量から考えて、あの隻数なら飛び詰め撃ちも可能だろう。

 念の為、確認しておく。

 

 「おい、レヒャド漿液はあとどれくらい残っている?」

 

 「1482テールです」

 

 「ん?1482テールだと?1713テールではないのか?」

 

 「はい、間違いありません。恐らく転移機構(ワープドライヴ)の経年劣化による燃費の悪化と推測されます」

 

 「また悪化したのか。これでは無駄にできんな」

 

 231テールということは、おおよそ4割ましだ。基地への帰還も考えると、もう余計な転移はできない。

 

 「仕方ない。遠距離砲撃に徹する。砲撃用意!」

 

 ゲダルが命令すると、オペレーター達が淡々と作業を開始した。

 

 「砲撃ソフト起動、各砲塔に順に目標の割り振りを開始、……終了しました」

 

 「各砲区画への魔力供給弁解放、魔力供給を開始します」

 

 「各砲塔の魔力充填完了を確認、砲撃準備、完了しました。いつでも撃てます」

 

 「ふふ……」

 

 ゲダルは笑みを漏らした。今この瞬間、自分が一言発しさえすれば、このギルキアという強大な兵器は、その破壊の力を如何無く発揮してくれるだろうという予想、そして事実。かつて数多の年を滅ぼした力が我が手の中にあるちょっとした全能感に浸ってみたのだ。

 気持ちいい。なんと気持ちのいいことだろう。今も必死にこちらへ搜追矢を射かけてくるわずか9隻の艦隊が、ひとこと号令を発しただけで海の藻屑となるのだ。彼らに勝利の道はない。生存の道もない。あるのは絶望し、泣いて神に縋りながら死にゆく道だけ……!今になって初めて、先代や先先代の艦長がギルキアから降りたがらなかったのがわかる。このような全能感、弱者を踏み潰す快感、未だ頭の中の想像を出ていないとはいえ、たまらなく甘美なのだ。

 この情動がもっと欲しい。現実のものにしたい。ああ、撃つぞ撃つぞ、撃つんだゲダル。

 最高潮に達した時、ゲダルは口を開いた。

 

 「撃て(ラグト)‼︎」

 

 ほとんど間をおかずして、軽い衝撃が伝わってきた。

 24発の弾丸が第1護衛隊群へと放たれたのも、同時である。

 

 

 

 

 

 「敵発砲!弾数24!うち22発が至近弾の可能性あり!」

 

 いずものCICに衝撃が走った。

 

 「何だと!?回避は!?」

 

 「間に合いません!早すぎます!」

 

 「くそっ、SAMで迎撃しろ!」

 

 指示を受け、艦隊より22発のSM-2が発射され上空で爆発、砲撃を防いだ。

 

 (離れた方がいいな)

 

 艦隊はそのまま左へ旋回をはじめギルキアから遠ざかり始めるが、お返しとばかりにSSMをギルキアへ向け放った。放たれた8発のハープーンはしかし3発が先程ゲダルにゾーリボウスと呼ばれた機銃により迎撃され、残りの5発も障壁に阻まれ爆散する。

 すぐにまた、砲撃が飛んできた。SAMが迎撃し、上空に20の黒い花が咲いた。

 一見千日手のように見えるが、そうではないことを田滝も、その他の人員もわかっていた。

 艦隊全体でSAMはこんごうとまやらDDG2隻、むらさめらDD5隻合わせて112発、いずもの近SAMであるSeaRAMを合わせても134発にすぎない。上陸部隊を乗せたしもきたに至ってはCIWSのファランクスしか武装がないのだ。既に42発を消費してしまったため、残弾は92発。あと4、5回相手の砲撃を迎撃するだけで無くなってしまうのだ。

 

 (どうする、どうする……!)

 

 滴る汗は冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 「第二波、下層2番砲塔から中層1番砲塔までの砲弾の迎撃を確認、命中弾なし」

 

 「敵艦隊、進路を変更。本艦より遠ざかります」

 

 報告は、戦闘が当初の推定よりは芳しくないことを示している。しかし、ゲダルの昂揚は変わらなかった。

 むしろ、このような敵と戦えるなど、自分はこれまでの艦長の中で最も恵まれているなとさえ思っていた。魔獣暴走(スタンピード)で増殖するような魔獣ではそもそもまともな反撃すらできないし、聖十字騎士団でも遠距離で撃ち合う技を持たなかった彼らでは虐殺にしかならなかっただろう。それに引き換え、ニホンの素晴らしいこと!必死に迎撃をしながらこちらへの反撃を怠らないその健気な有様が実に歯応えを感じさせられた。気の強い女性を無理やり組み敷くのはとても愉しいが、それにも似た喜びを自分を満たしてくれる、と。

 彼にとって、今のニホン艦隊は正しく(しょう)の上で致されまいと必死に抵抗している乙女に等しいのだ。いや、既に致されていると言っても彼の感覚的には正しいのだろう。

 欠片も魔力反応がないため、搜追矢やその他の武装は全然金属なりの物質で構成されているのだろう。その限り、彼らのリソースは有限であり、必ず終わりが来る。底が見えているのだ。しかし、ギルキアは違う。魔帝の叡智の結晶たる魔素反応炉によって半永久的にエネルギーを取り出すことが可能なのだ。そのエネルギーはギルキア全体に行き渡り、動力となり、弾丸ともなる。残念ながら搜追矢は賄えないが、その力が尽きることは——炉が壊れない限り——ない。

 要はゲダルにとっては初めから結果が見えている戦いなのである。組み敷いて致し、いくところまでいくのは確定事項。

 さあ、もっと足掻きたまえ。

 

 「あ」

 

 ふとゲダルは呟くと、いいことを思いついたとばかりに口角をあげた。

 

 「上昇しろ。敵艦隊の上空に占位するんだ」

 

 真上というのは狙いづらい。全く打撃を与えられぬまま一方的に上から撃ち下ろされるのはさぞや堪えるだろうとゲダルは想像した。

 ギルキアの管制は機密保持のために職掌ごとに与えられる知識が異なり、艦の全ての機能を把握しているのは艦長とその予備の副艦長の二人だけだ。機密漏洩を防ぐため、指示もそれぞれの担当と艦長の直通回線を通してしか出されず、他部署の人員にそれが聞こえることはない。

 もしそのような極端な分担制が敷かれて無ければ、いや、副艦長がゲダルの隣にいただけで、この指示は止められ、この夜第1護衛隊群は全滅していただろう。

 だが、副艦長は仮眠室で何も知らずにスースー眠っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「敵艦、こちらへ向けて移動を開始しました。速度……およそ210ノット。同時に上昇もしています」

 

 「あの大きさでそんなに速いのか!?」

 

 ギルキアが動き出したのは、ちょうど3度目の砲撃を迎撃したところだった。

 

 「上から撃ち下ろすつもりか?絶対に近づけるな!」

 

 真上に占位されて仕舞えば、迎撃のSAMが発射される前に敵の砲撃が着弾してしまうだろう。取れる反撃手段も限られるからには、絶対に近寄らせなければいけない。

 艦隊から次々にSSMが放たれ、それだけでなく いずも と しもきた を除く各艦は主砲も射撃をはじめ、ギルキアを落とそうとする。

 しかし、それら全てが障壁に阻まれ、無駄な攻撃を嘲笑うかのようにギルキアは滑るように移動を続けている。

 

 「上がりすぎた!SSMのプログラムでは対応できない、SAMに切り替えろ!」

 

 「SAMにですか!?威力が十分ではないと思いますが」

 

 「しかし当てられないよりはマシだ!」

 

 そして、終わりは唐突に訪れた。

 

 

 

 「命中弾1発、敵空母です」

 

 「くひ

  くひひひひ」

 

 とうとう誘導弾(ミッシレ)が付きたらしく被弾した艦が現れたのを聞いて、ゲダルは怪しく笑った。さあ、やっと矢弾を枯らすところまで来たぞ。やはり、やはりギルキアは強い。もっと戦いたい、この力を振るいたい。ニホンの次はサッカラールなどはどうだろうか。あそこは見た目がいいが弱っちい戦艦を大量に抱えているから華やかだし、戦闘を続けていればいずれ他の古代兵器が援軍として来ることもあるだろう。組み敷くのも好きだが、それだけでは飽きる。拳を突き合わせた互角の戦いというのもしてみたいのだ。特にあそこはその手の噂が絶えない。御座船ナグルファルなどが来たら、喜んでも喜んでも喜び足りないだろう。

 いや、的として見たらグレアテスト・ダナンもいいかもしれない。何せあの巨体にあの火力投射力だ、ねじ伏せるのはとても楽しいだろう。

 次は、次は、次は————。

 

 突如襲った揺れが、彼を現実に引き戻した。

 

 「どうした。何の揺れだ!」

 

 「船体下部に被弾しました。装甲が一部剥離したようです」

 

 「あ、しまった!下部には障壁が————」

 

 また揺れが襲った。

 

 「再び船体下部に被弾、船内の損傷を確認!」

 

 「なっ、なんだと!仕方ない、高度を下げろ」

 

 流石に穴が空いてはたまらない。ゲダルはそこは誤らなかった。

 

 「続けて砲撃だ、攻撃の手を緩めるな!」

 

 「艦長!魔力供給路に————」

 

 「何も言うな!貴様は魔力の供給だけしていればいいんだ!」

 

 「砲撃準備完了です」

 

 「よし、()————」

 

 より一層大きな揺れが彼らを襲った。

 

 「うわっ、一体何があった、報告しろ!」

 

 「下層11番砲塔が、爆散しました……!」

 

 「何……!?」

 

 「レ、レヒャド漿液の残量が減り始めています!恐らく破孔から流出しているものと思われます!このペースでは……十分後には転移が不可能になります!」

 

 「な、なんだと!?ええい仕方がない、直ちに基地へ向け転移しろ!」

 

 そういうと、ゲダルは悔しそうに手元のパネルを叩いた。

 

 「転移機構(ワープドライヴ)起動」

 

 「天測航法システムカヴァラムを起動、現在座標を取得」

 

 「転移座標の入力を完了、レヒャド漿液の注入を開始……終了」

 

 「転移準備、完了しました」

 

 「転移!」

 

 言うや否や、ゲダルは手元のパネルにある赤いボタンを押し込んだ。

 瞬間、ギルキアは第1護衛隊群の前から消え去った。

 

 

 

 「……助かったぁ」

 

 「気を抜くな鷹木、まだ本来の作戦が残っているぞ」

 

 「……そうでしたね」

 

 

 

 

 

 

 この後、自衛隊はツィヴィタス・レミジャントへの上陸を成功させ、レミジャンティア首脳部の確保に成功、数日後には和平条約を結ばさせた。

 

 

 

 

 

 街路を平然と緑の服を着た自衛官が闊歩する様を、シャレンカ・フォルは宿の窓際からぼんやりと眺めていた。

 憎い。だが討つ気にはなれない。

 師を、そして友を撃ったのは彼らの仲間ではあるが、今通りを歩いている奴ではないとわかっているからだ。彼女は海猿である。海猿とは七つの海を股にかける自由気ままな冒険者のことだ。冒険者と言ってもギルドに登録しているものは全体の半分程度に留まっていて、この場合は字義通りの冒険するものと捉えた方が適切だろう。とはいえ、彼女の所属する《探究する愚者》団はきちんと冒険者ギルドにも海猿評議会にも登録している律儀で堅気な海猿である*5

 現在、探究する愚者団はツィヴィタス・レミジャントの防衛依頼を受けて失敗し、持ち船である改造機帆船スカートめくり号(クンツシャイトール)も失い壊滅状態にあった。

 

 「ぅ・・ぁ」

 

 後ろから聞こえてきた声に振り向く。ベッドの上の女が、微かに目を開けていた。

 

 「ピエルトラ!」

 

 もう目を覚さないことを覚悟していたが、二つの顔を持つ者(フラハ・リズモス)は彼女を助けたらしい。

 彼女はズメウと呼ばれる種族である。ダズルカン半島の付け根の雲烟るアルブム山地に住み、人の姿と龍の姿を行き来する強き種族だ。

 だが今、ベッドに横たわる彼女はことごとく包帯で覆われ酷く痛々しい姿だった。

 それもそのはず、彼女は昨夜自衛隊のアパッチ・ロングボウ11機に袋叩きにされたのだ。

 一機を噛み砕きその破片でもう一機を落とした後、夥しい機銃弾とミサイルを食い、龍の姿を保てずに人になって落ちたのだ。

 シャレンカの師、アザー・リュ・スカリジェもその時死んだ。

 

 二人とも、自分のわがままで受けた依頼でこうなったのだ。

 

 「……何やってるんだろ」

 

 呟きは、静寂に溶けた。

*1
これ以外にもシナジャナ女伯、ウィニニス女伯、メシェルシャル女伯も兼ねている

*2
勿論北部になるとそう言ったサンゴ由来の島は消え、丈高き山のある立派な島が僅かばかり点在する程度となるが、それらより圧倒的に南部に珊瑚礁が多いのである

*3
※語釈はあとがきです

*4
こういった名家に保存されている古文書は、実際に1000年を超える時を過ごした書物が残されていることはそうそう無く、忘れられているだけで比較的最近に作られた写本であることが多い

*5
海猿である時点でそもそも堅気かどうか疑わしいが




時間ないので予告その他は後で!
2025/04/01/00:53追記しました
小ネタ解説
・ワレラン・ルイ・オーギュスト・ドゥ・シャイユ・エスト・レミ=ジャント
 城伯は都市伯とも言う(Comes Civitatis)。彼の場合ツィヴィタス・レミジャントから少し西にある港町シャイユとその周辺の農村部を領有している。

・古い透かし彫りの窓
 ガラスは高いからね

・《二つの顔を持つ者(フラシュ・リズモス)
 アマテル教の運命を司る神イァヌスの礼拝名(エフラーリ)であるフラハ・リズモスのヌヴィロス・フェリベール語読み。前方の顔で未来の運命を見通し、後方の顔で過去の因縁を暴くというその二つの顔から時間に関する力をも持つとされる。それぞれ幸運と不運を表す赤と青に塗られた紐で糾われた荒縄を持つ

・フィリップ・マリー・ル・オービュソン
 父が男児を設ける前に亡くなったため、長女でかつ招婿婚をしていた彼女が家を継ぐことになった。四伯領も持っているが妹達にも分割相続されたためこれでも減った方
 フィリップは16世紀頃まで女性名としても使われていたらしい

・対空多筒霰発砲(ミトラィユーズ)
 多筒霰発砲(ミトラィユーズ)に関してはこちら。リンク先は日本語版だとURLにカタカナが含まれているせいで特殊タグが機能しないため英語版になっていますので、飛んだ後各自で日本語版へ移動してください
 デリアが初期に大量生産したものを装備置き換えにあたり連盟加盟国に払い下げたもの

・スールー
 現在の大内海にあったという大陸。神代から上代の歴史書という側面も持つ聖典に描かれている出来事の7割強がここで起きたこと。聖典(キュール経典)編纂後から魔帝襲来までの何処かの時期に海没、その残骸が大内海の島々となった。在りし日の海岸線は大内海の地図に破線で示してある

・トゥリフィッロカ
 直訳すると"分かれたトゥリフィッロ"で、レミジャンティア及びマルセリータに自生し真っ赤な大輪の花を咲かせる植物トゥリフィッロの花弁を意味する。求婚の際にこの花の花束を贈る習慣からトゥリフィッロだけで恋人・配偶者を指す隠語であるが、花弁は愛人を指す

・海猿
 海賊まがいのものからほとんど商人と言って良い者まで様々な者が名乗っている。かつては海運の主たる担い手だった

・《探究する愚者》団
 冒険者ギルドにも海猿評議会にも登録している律儀で堅気な海猿。シャレンカ、ピエルトラ含め9人のメンバーがいた

・アザー・リュ・スカリジェ
 レミジャンティアの魔導騎士団である金鳳騎士団の最後の団長。捨て子だったシャレンカを拾い、育てて入団させた。騎士団が予備役に編入され新規団員の募集を停止された後、旅立ったシャレンカを気にしながら王都で生活を続けていた

・日輪
 アマテル教北方教会のトップである世界樹教皇の紋章。日本国旗と違い紅色ではなく銅色

・ギルキア
 一般に魔帝の置き土産などと言われる兵器。デリアでは"塔"と呼ばれ"浮舟"と並ぶ最重要機密。三層60基の砲塔と16機のCIWS、4基のミサイルセルを備え、在りし日は無人の艦載機も運用していた。置き土産と呼ばれるのはこのシリーズだけ置いて行かれた上に自律して敵対し続けたから。デリアが鹵獲、運用しているのは8隻あるうちの8隻目

・八艘斬りのフィリップ
 ライナブリカ朝時代前期のレミ家に仕えていた魔導騎士。平民から出世し、所領にオービュソン村を与えられそれを姓とした。彼の孫がエスト家初代ボードワンの出奔についていきレミジャンティアのオービュソン家の祖となる

・アマテリア
 世界樹の麓に作られた都で、フィンゴン・ルクシオン及びその子ロドノール・ルクシオンの治世の下栄えた。勇者暦298年にギルキア6隻によって襲撃された結果1隻を返り討ちにするも消滅といって差し支えないほどに破壊された。もちろんロドノールも死んだ。これによって空いた勇者後継の座を巡って第二次後継者(ディアドコイ)戦争が勃発する

・かの女王
 大統一王朝(第二ヒガカミ朝)最後の女王にして唯一のミスルエ女上王であるヒカリ・ヒガカミを指す。凱旋した勇者に禅譲したこと以外ほとんど伝わっていない。勇者暦76年にディネポリスにてギルキアに襲撃された

・御座船ナグルファル
 大いなる旅路の際勇者一行が乗っていたことから御座船と呼ばれる。しかし目立つ上に物量さを覆すほどの強さを持たない船なので実際には乗っていたのは戦況が優位になり出した決戦2ヶ月前からである。元は大統一王朝海軍所属の強襲揚陸艦である。127fn砲を5基、その他にもVLSなどを装備

・グレアテスト・ダナン
 中央暦1294年に就役したダナン連合王国最大にして最悪の戦艦。火力投射能力は魅力的だったが建造にも維持にも金がかかりすぎた為同型艦の建造予約が全てキャンセルされ一人っ子になった。
 主砲は70口径7砲身305fnGCAC-90複砲身回転魔石火薬魔導砲4基12門
 副兵装として50口径305fnCAC-81魔石火薬魔導砲1基3門
       65口径127fnCAC-83魔石火薬魔導砲56門
       30fnCAG-9012基
       見張り所下部魔術長杖機(ロッドタレット)1基6本
       帆型魔術布4枚

 ー各国の反応ー
 日本「何あれ……軍拡しなきゃ」いずもドック入り、アパッチ・ロングボウ4機被撃墜
 デリア①「もうだめだ、おしまいだぁ」
 デリア②「こちらのフィールドに引き込めばなんとかなる!まだ第一艦隊があるんだ!」
 デリア③「……逃げよ」
 デリア④「ちわー、オーガニアですぅ。和平交渉に来ましたぁ」
 デリア⑤「早く準備を終わらせろ!ニホンが来る前に事を終わらせるのだ!」
 レミジャンティア「」(私は日本に卑怯な奇襲攻撃をしましたと書かれたプラカードを首から提げている)
 マルセリータ「ヒィッ!わ、和平結びますから、何卒、何卒ー!」
 アトランティス「ぐわーっ!」後詰めに送り出した空中艦隊が全滅
 サッカラール「ぬわーっ!」送り出した第二艦隊が古飛龍を押し付けられて全滅

 ー次回予告ー
————「デリアは元来、人による理想の国であるッ!」
 起死回生の逆転札として送り出した"塔"ことギルキアが負けて帰ってきた今、デリアの権威はますます失墜の一途を辿る。窮鼠は今、何をせんと考えるのか————
 次回、「閑 激震走りて」

二章終了後に人物まとめおよび設定集入りますか

  • 両方要る
  • 人物だけ
  • 設定だけ
  • 両方要らない
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