日本召喚2021   作:秋津とんぼ

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3話前書きで書いたようにこの話は1章ではあそこと並んで酷いです。



……2章ではこの話と同じかそれ以上酷い話があるってマ?(改稿を諦めた原因)

御批判、御感想、ご自由にどうぞ


5 事態の終焉

 3月29日、午前8時、フィール・バンブュラス、第一城壁見張り塔。

 王都を守る一番外側にして敵に立ちはだかる最初の障壁である第一城壁にある見張り塔は、ワルシェの様なアヴィニョン教皇庁の城壁塔に似た木製の屋根のあるコの字型ではなく、城壁より少し高くまた前に張り出していて見晴らしが利くだけの、言うなればアヴィニョン教皇庁の石落とし付き小塔に似た姿をしている。詰まるところ吹き(さら)しだ。そこでは、胸壁にもたれかかって見張りがあくびをしていた。

 「ふわぁ…こんな早くから見張りする意味あんのかな」

 そう愚痴りながら見張りは手巾で槍を磨き続ける。

 「ん?」

 樫でできた柄に艶が戻ってきた頃、彼は白んできた東の空に黒い何かを見つける。

 「まさか飛竜(ワイバーン)か?」

 彼は疑念を持ちつつも報告しようとする。

 だが、その前にAH-64Dアパッチのヘルファイアが見張り塔に直撃し、吹き飛ばした。

 「何イ?!ニホンが攻めてきたあ!?」

 「はい、すでに空は奴らの飛竜(ワイバーン)の物です!」

 早くも制空権を取られてしまったことに驚きを隠せない近衛騎士団長ベイスン。

 「おまけに敵騎は糞のような何かを落として滑走路を吹き飛ばしました!」

 「何だそれはああ!!」

 彼は驚き、頭を抱える。それでは滑走路が使えないではないか、と。

 「オイ、あの鉄竜降りようとしてるぞ」

 「狙えー!」

 近づくUH-1に気づいた兵士がバリスタを撃とうとするが、その前にアパッチに攻撃され、UH-1の着陸を許してしまう。中から自衛隊員が出てきて、中庭の兵を駆逐する。

 中庭の扉を爆破し中に入っていくと、反撃してくるナクリア兵達は銃を装備していないためにバタバタとやられていく。

 「あいたっ」

 「しー、黙っとけ」

 何もないところから声が聞こえる。いや、よく見ると何か靄ッとしたものがある。靄はやがて階段のほうへ消えていった。

 さて、ドンジョン(主塔)の上層、王の寝室。王は物思いに耽っていた。

 最初はうまくいっていた。最初は。

 それがなんだ?ニホン国とかいう出鱈目な強さを持った国が参戦した途端、大艦隊は十隻ほどを残して殲滅され、かき集めた50万の兵も全滅いや壊滅し、そして今は王都を攻撃されている。竜騎士がいない蛮族?いや違う、竜騎士が必要ない超大国ではないか。一体あやつらはなんなんだ?

 そこまで考えたところで昔母が語ってくれた話を思い出した。

 かつて、全世界を力と恐怖で支配した国があった。

 その国は異界より降り来たり、瞬く間に全世界を征服した。

 その国の民は我らや亜人どものご先祖さまを蔑み、虐げた。

 思い上がり、神々に手を出そうとした彼らに対し、神々はその忠実な下僕たる聖職者達に勇者を召喚させ、負け続けた彼らはその本土ごと未来へ転移して逃げた。

 数多の遺物が残り、世界最強の聖サッカラール帝国はそれらを解析して強くなったという。

 その国は、オウルホペス大陸の古の魔法帝国、人間の上位種、叡智人の国。

 ひょっとしたら、自分たちはその魔帝と戦っているのではと考えたところで、声がした。

 「お父様?入りますわよ」

 少女が入ってくる。

 「ああ、レイシアか。何してる、脱出しろと言ったはずだ」

 どこかげっそりしている様子の王。

 「いいえ、お父様、逃げるのではなく、戦うのです」

 「何をいう、お前が死んだでしまったら誰がナクリア王家を継ぐ。それに、お前には死んでほしくないんだ」

 「お父様…」

 「敵はまだ下にいるはずだ。さっさと脱出しなさい!」

 レイシアは廊下に突き飛ばされ、扉は閉まった。

 廊下を歩き出した彼女が曲がり角を右折して目にしたのは—————————

 クローヴェルの魔導士集団(と、レイシアには思えた)であった。

 少し遡って、靄が階段に消えていった頃、その靄は階段を主塔の中程で降り、次の瞬間靄のあった場所に数人の男女がいた。

 「何よあの階段、きつすぎ。」

 「しかし、ミラの透過呪文は役に立つなあ」

 「無駄口叩いてる場合じゃないぞ。お前らもしかしてノエルの仇討ち乗り気じゃないのか?」

 『バカ言うな』

 彼らは自衛隊に紛れて侵入したシルヴェ家の義勇軍ことノエルちゃんの仇取り隊である。

 メンバーは、上から長兄ドの付くシスコンクワトロ、次兄冷静マクロ、お姉ちゃんっ子末弟フィリップ、ヒス気味姉メリラ、喧嘩屋妹サラ、名(迷?)策士従兄弟セッケ、おてんば従姉妹ミラである。

 「今にいちゃんが仇とるからな、待ってろノエル、ノエル〜〜〜〜〜〜〜!!」

 ノエルの魔写片手に走り出すクワトロ。

 「ちょっ兄待って——」

 「雷球射出魔法(テック・サンディヤース)!」

 「…やるなら言ってよ耳が痛い…」

 クワトロが電属性魔法で一発目を撃ち、隙をカバーするように毒属性魔法が放たれる。

 毒花放出魔法(フラワゥ・ポーショニー)!」

 紫色の噴流に十数人の敵兵が吹っ飛ぶが…

 「ちょっとメリ姉!魔法が裾にかすって腐っちゃったじゃない!」

 「あによ、あんたが避け損なったからでしょ!」

 「そもそも妹に当たりそうな方向に撃つ人がどこにいるのよ!」

 「はあ?身体能力が足らないだけでしょ」

 「あのねえ、私はこのことを償って欲しいの」

 「償う?もとい誰のせいでこんなことになったかって言えばノエル——」

 「やめろおおぉぉぉ!!」

 クワトロが割り込む。

 「俺たち——」

 「私たちよ」

 「——がどうしてここへ来たか忘れたか?ノエルの敵討ちだやつを探すぞ!」

 『おー!』

 「アレ?なんでこんなノリになってんだろ?」

 早々に問題露呈…

 こんな感じで階層を制圧していき、時は戻る。

 『…』

 「見つけた」

 「早っ」

 レイシアは反転する。

 「逃すかあ!火炎弾生成魔法(ビギャノン)!」

 クワトロの放った火炎弾をレイシアは間一髪躱し、

 「光槍魔法、王の血(ライト・スピアー・キンガミディア)

 防壁魔法(ウォーリア)!」

 セッケが咄嗟に貼った対魔防壁のおかげで被害はなかったがその防壁が崩れてしまった。

 「キンガミディア、あいつ王家だ」

 「え?」

 「待てえ!火炎竜巻魔法、大(グラ・スティーム)!」

 「兄、待てと言われて待つ敵はいないよ…」

 「あら、マクロはお約束というものを知らないのかしら?」

 「…」

 火炎竜巻魔法、大(グラ・スティーム)はレイシアについて曲がり、

 「?!魔法無効化魔法(フリギア)!」

 無効にされ掻き消された竜巻の向こうから、

 「取ったあああああ!炎龍魔法(フォイイェドラグーン)!!!」

 右手に炎の竜を纏ったクワトロが跳んできた。

 「いやあああ!」

 声に反応し王が出てくるがもうお寿司!

 レイシアは避ける間も無く炎龍魔法(フォイイェドラグーン)が直撃…

 「創水魔法(アクィリア)!」

 ラスル・バンブュラス13世()により焼死は免れたレイシア。

 『みーつけた♪』

 彼らは辿り着いてしまった!

 午前10時半、フィール・バンブュラスは陥落、ナクリア王国は降伏した。




小ネタ解説
・やたら詳しい見張り塔の解説
 書いてた頃の作者が城にまつわる知識を垂れ流しているだけ。陰キャ特有のタイミングが来た時に目一杯話しちゃうアレ

・前振りなく現れる”ノエルちゃんの仇取り隊”
 前振りは「閑 誓言」というタイトルの二百字弱のものがあったが一昨年くらいに没になってNG集フォルダに移動させられた

・”ノエルちゃんの仇取り隊”のツッコミどころが多すぎる
 この頃は結構覚えてないから何を思って書いてたかはわからない。
 よって現在転写している最中に推測したことだが、ノエルが潤滑油の役割を果たしていたのではないかと思われる。そうでもないと相性悪すぎ
 ちなみに執筆当時レイシア王女の私も戦う宣言の少し前から5、6KB分のデータが保存ミスで消えて書き直した記憶がある。雑なのはそれもあるかも?

・魔帝
 この辺りは第4章あたりで掘り下げられ始めるので、今のところは残念なことにパクリ感しかないですね

・1話後書きで時間が取れないとか言ってたけどこんなに更新して大丈夫?
 大丈夫じゃありません。昨日2章読み返してとち狂って3話連投したせいで時間が取れず平常点落とすことが決定しました。自己管理がなってません
 このあとは基本的に1話で言っていたように週一で日曜更新とします。次の次の日曜は学園祭でお休みです

 ー各国の反応ー
 クローヴェル&デ・ロイテル「やった〜〜〜!」
 日本「屁でも無い」
 第3開明圏諸国「は?」
 デリア連合王国「やっぱり…」

 ー次回予告ー
————「日本で土産に買った腕時計だ。確かデンパソーラーウォッチいったな。これはな、なんだかいっで誤差が10000年に1秒の何万分の一しか出ないって説明された。これが作れる国があるか!」
 カラキア戦役が終了した後、日本は今一度安定する。
 ところで、転移してきたものどもは、一つではなかった————
 次回、「6 二つの帝国」
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