融界ドラゴネット −あさおんからはじまる世界融合−   作:桐型枠

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27.被害者と加害者

 

 

 一瞬の内に、目まぐるしく燐光の色合いが変化した。

 バチバチと周囲の空気が帯電し、放出された雷光が地面を焼き焦げ跡が刻まれる。

 グリムもまたそうして放たれた電撃の影響を受ける立ち位置にいるはずが、霊術によってそれらは全て遮断される。当然ながら顔色一つ変わった様子は無く、冷静にナルミの顔を見返し――。

 

「落ち着け!」

 

 直後、グリムはナルミの眼前で両手を叩き、即座に彼女に正気を取り戻させた。

 

「電気を垂れ流しにしては、儂はいいがディセットが死ぬぞ」

「ご、ごめんなさい!」

「既にちょっと感電はしてる」

「ごめん……」

 

 いくら地面を伝って流れていくとは言っても、間近で高出力の電気が流れれば当然小さくない影響は出る。ディセットは既に全身を痺れさせられていた。

 痛みこそ無くなったが、それはそれとして身動きも全く取れない。インプラントから網膜に盛大な警告が発せられた。

 

「これ、いつから……」

「……俺らが出会った時から」

「嘘ぉ!? えっ!?」

「ヴァルトルーデは別にそういう特徴は無かったぞ」

 

 感情のやり場に困ってナルミがグリムに視線を向けると同時、ある種の絶望的な宣告がなされた。

 ドラゴンの能力か、あるいは混ざってしまったが故の何らかのバグのようなものか。いずれにせよこの状態について知る者は誰もいないということだけは断言できる。

 本人の意図しないところで、常に大まかな感情を電光掲示板のように表示し続けるというのは本人にとってはどういった感覚か。ほんの一言とわずかな指摘だけで察したナルミの頭の回転に感心しつつ、恥ずかしいという感情はオレンジやピンクに近い色合いなのだなぁと、ディセットはのんきに捉えた。

 身動き一つ取れないのでそうするしか無かったとも言える。

 

「……お前さ、それってそんなに気にするようなことか? そもそも外出てないだろ」

「そういう問題じゃないの!」

「そうだな。問題はそこではない」

 

 ぴしゃりグリムがナルミの言葉を打ち切ると共に、再び彼女の燐光の色味が困惑に支配された。

 少なくとも、現在は表情も同じように連動している。それを怪訝に思ったディセットは、わずかに眉根を寄せた。

 

(ナルミの様子が変なのは……)

「ディセット。申せ!」

「へぁ?」

「何を呆けておる。違和感をより具体的に感じ取っておるのは貴公だろう」

「ちょ……おま……踏み込んだのあんただろ!?」

 

 全くの想定外である。

 そもそもディセットは、本人が言う気になるまで追及する気は全く無かったのだ。当然ながら何を言っていいか迷うことになる。

 一方、グリムはナルミの抱えている何らかの問題は、ディセットがナルミに遠慮している限り絶対に明かされないものだろうと感じていた。

 グリムは長く帝国軍で将軍の職について部下や弟子として様々な人間を見てきた身だ。その中には当然ながら幾人もの思春期の少年少女がおり、抱えている問題も多種多様。必ずしも典型例に当てはめるわけにはいかないものの、参考になる事例はいくらでもあった。

 

(こやつはこれほどの図体にもかかわらず、友人関係には意外なほど慎重で、臆病だ。対人経験に乏しいのだろう)

 

 グリムが着目したのはナルミだけではない。ディセットにも少なからず問題があると睨んでいた。

 ディセットは17歳という年齢にかかわらず、既に歴戦の戦士と言っていいほどの戦闘経験を積んでいる。戦闘時の立ち回りも熟練のものだが、それほどの実力を得るにはそれ以外の「何か」を犠牲にしなければならないことだろう。グリムは、彼が失ったものは人間的な生活だろうと推測した。

 少年兵というものは霊術の世界においても決して珍しくない。そもそも、巨獣という目の前の危機を退けなければ生きていくことすらできないのだから、たとえ幼くとも戦力になるのなら使わざるを得ない。そうして登用され、将軍にまで上り詰めたヴァルトルーデという実例も極めて身近にある。グリム個人としては忸怩たる思いを抱く一方、参考には事欠かないことも事実だ。

 

(ナルミは儂のように上の立場から押し付けたのでは絶対に心を開かぬだろうからディセットが横からぶつかっていくしかない。しかしディセットはこの調子。後ろから押してやらねばならん。ふふふ)

 

 内心で大きく頷く。

 グリムは、悩む若者を見ると背を押さずにいられないほど差し出がましくお節介だった。

 

「……っと……だな……」

 

 ディセットの視線が左右に揺れる。首筋に手を当て顔を俯けるが、そこにグリムが後ろから叩いて矯正した。

 

「――お前、カナタさんの話題になった時だけ様子が変なんだよ」

「変って……何が?」

「話してる時急に……不機嫌な時こんな感じなんだなぁって色が見えて」

「…………」

 

 途端に、ナルミの纏う燐光の色味に赤みが差し、紫に近い色合いに変じる。まさしくこれだ、とグリムは確信を得た。

 気圧されたディセットがわずかに退くのを、小さな手が後ろから留める。触れた部分からじんわりと腰痛が広がった。

 友人を怒らせるということに全く耐性の無い彼からすれば現状は恐怖そのものだが、退路が封じられてしまってはどうしようもない。

 

(ああー、くそっ! キレたらどうすんだよぉ……)

 

 今のナルミは、不快さを滲ませつつも能面のような無表情でディセットを見返している。このまま行けば怒りを買うと確信を得ながらも、進む以外の道が無い。ドラゴンが混ざっている事実と合わせてまさしく木星のドラゴンに挑みかかりに行った時の絶望的な過去の心境そのものだ。控えめに言っても死出の旅である。

 他方、グリムは現状をそのように殺伐とした状況として捉えてはいない。これはただ、心にどこかしら問題を抱えた子供と、対人経験に乏しいだけの子供の二人が向き合っているだけのことだ。

 ナルミは普段理性的で大人しい人間である。故に、たとえ怒らせたとしても衝動に身を任せて暴力を振るうほど愚かではない。そもそも、肝心の暴力そのものに強烈な忌避感と嫌悪感を抱いている彼女がその手段を選ぶことはありえないと言っていいだろう。

 そして、ディセットが恐れていることは、「怒らせること」ではなく数少ない友人に「嫌われること」だ。

 グリムはそれが杞憂であると考えている。仲の良い友人であれば喧嘩の一つもして当然だ――という、個人的な思いもあるが、それ以上に単に、この二人がその程度で仲たがいをするほど信頼関係が築かれていないとは思い難いというのもある。怒らせることは嫌われることと同義ではないのだ。

 意を決して、ディセットは思いを口にした。

 

「機嫌が悪くなったなと思ったら、その直後に元に戻った」

「……それだけ?」

 

 案の定、ナルミの機嫌はすぐに元に戻り燐光の色味も平静なものに戻った。

 ぱちくりとまばたきし、聞き返すその様に怒りの色など微塵もない。

 

「……それだけ」

「姉さんが怒ってたとか、そういうのは?」

「何も」

 

 カナタも見抜いている可能性は否定できないが、ディセットが推測を明かしたのはグリムが初めてだ。

 そして、仮に見抜いていたとしても何の反応も示していない以上、カナタはそのことに大きな感情を抱くことは無いだろう。加えて、自身の才覚のせいで軽い人間不信に至らせたナルミに対する本人の負い目もある。たとえナルミの機嫌が悪くなったところを目にしたとしても怒りを抱くことは無いだろう。

 

「姉ま……んん、姉弟(きょうだい)関係なんて気安いもんだろ。怒ったって何したって、別にそう重大なことじゃないんじゃないか?」

「……僕と姉さんはそうじゃないんだよ」

 

 また「姉さん」か、とディセットは内心で嘆息した。

 ナルミの行動基準は、常に自分よりも姉だ。一見すれば姉想いに見えるが、それ以上に自分自身をまず捨て置く思考が目立つ。17歳という、もっと利己的な思考をしていて当然の年齢からすれば甚だ異様だ。

 己が無いというわけではない。真に無私と呼べる者をディセットは知っているが、ナルミのあり方はそうではない。最初から感情を排している者と感情を律している者は異なる。

 では、そうまで感情を律していないといけない理由とは、何か。

 観念したように、ナルミは口を開いた。

 

「母さんが昔亡くなったのは言ったよね?」

「……話の流れでな」

 

 不可抗力ではあるものの、ディセットはナルミとカナタが本人確認をした際に母親がいないということを知った。

 その後、グリムとの会話で亡くなったことに言及されたため、この場にその事実を知らない者はいない。

 

「母さんを殺したのは僕だ」

 

 ――故に、その言葉は二人の思考に一瞬の空白を生むほどの威力を秘めていた。

 親殺し。それは「命」というものがあまりにも軽く扱われる機械の世界ですら禁忌として挙げられるほどの蛮行だ。ディセットの胸中に、友人がそのようなことを信じたくない気持ちが最初に溢れた。

 次いで浮かんでくるのは疑問だ。なぜそんなことをしたのか、ではなくそもそも前提が間違っているのではないか、認識が狂っているのではないかという予感。「母の手料理を食べたことが無い」、少なくともそういう記憶が無いという発言。やがてこの世界にやってきてから得たサブカルチャーの知識がディセットにある確信を与えた。

 

「ちょっと待った」

「何」

「……そりゃいつだ?」

「16年前」

「『殺した』の後に『ようなもの』って言葉が続かないか?」

「え、うん」

 

 ディセットは腰の痛みに構わず地面を殴りつけた。

 

「1歳の赤ん坊に人殺しなんぞできるわけあるかッ……!!」

 

 想定外の発言に面食らっただけで、少し考えれば理解出来る単純なことではあった。

 手料理を食べたことが無いと言い切るほど幼い頃に死に別れたのであれば、そもそもナルミが能動的に母親を「殺す」などということができようはずもない。

 事件か、あるいは事故か……ナルミが関わった何らかの原因で亡くなったために、そこに責任を感じているのだろうことは明白だ。

 客観的に見ればナルミが気に病むことでも、まして責任などあるはずもない。

 

「具体的な状況は何なんだよ……」

「ベビーカーが倒れたのを戻そうとしたら、そのまま事故に遭って」

「紛らわしい言い方をするものだのう」

「でも、これって何の違いがあるんですか?」

 

 嘆息したグリムに投げかけられた疑問は、不気味なほどに感情が乗っていなかった。

 

「真相がどうあれ、一人でも一時でも『こいつさえいなければ』と思わせた時点で、僕は加害者でしょう」

 

 それは、ともすると破滅的とすら言えるほどの自罰思考だ。

 明らかに過剰で筋違いだと理解できるにも関わらず、二人の言葉が詰まる。

 本来怒りを向けるべきでない相手に向ける怒りも、無益な八つ当たりも、人間社会においてはごくありふれた感情の動きだ。ディセットにもグリムにも、守り抜いた相手に面罵された覚えがあった。もっと多くの人を救えなかったのか。なぜお前が生きてあいつが死んだのか。今となっては対応も手慣れたものだが、まともな精神を備えている人間にとっては悪意を向けられることそれ自体が精神的負担となりうる。

 幼い頃からそのような悪意を受けて育てば、当然、人格形成には多大な影響が生じる。

 ――それが結実したのが今のナルミの有り様だ。

 

「僕は家族から母さんを奪ったんだから、これ以上迷惑をかけちゃいけない」

 

 個人的な事情を語ることに慣れていないためか、声はひどく小さく、不安が滲んで震えている。それでもなお、二人にはしっかりとその内容が聞こえてしまっていた。

 これはナルミが自分自身の古傷を抉る行為だ。どこか血を吐くような思いを感じ取ったディセットに、これ以上下手に言葉を紡ぐことはできない。

 

(分かった。こいつ、本当に意図的に感情コントロールしてんだ……多分、自己暗示とかで)

 

 同時に、異様な感情の移り変わりについて理解するに至る。つまり、ナルミは贖罪のために姉や父に対して一切の悪感情を抱かないよう己を厳しく律しているのだ。それこそ、自己暗示や自己欺瞞で感情すらも誤魔化すほどに。

 家族のあり方としては間違いなく(いびつ)だ。しかし、家族というものを知らないディセットにその歪みを指摘することはできない。ただ、漠然とした不安感の中で何か言わなければという焦燥にかられるだけだ。

 

「馬鹿者」

「ぐっ!?」

 

 そんな硬直した状況を打破したのは、少なからず家族というものを知る年長者(グリム)だった。

 ナルミの懐に潜り込み、その腹に拳を突き入れる。全くと言っていいほどダメージは無いが、軽く息が漏れ出した。

 

「痛いぞ! 何だその腹筋は!?」

「僕に聞かれても困りますよ!?」

 

 反対に、グリムの拳はそのあまりの硬度によって逆に軽い痛みを訴えていた。

 いかに同じ竜族とはいえ、その身に宿す質量には大きな差があるのだ。

 

「よいかナルミ。『死なせた』ではない、母君が貴公を『生かした』のだ。」

「ですけど」

「けどもだっても無い。誰が加害者でも被害者でもない、()()()事故だ」

「ただの――って……」

「乳母車が転倒したのだろう。その気になれば母君は恐らく助かった。貴公を見殺しにすればな」

 

 推測できる状況としては、側溝にはまり込んだか、あるいは縁石に乗り上げたか。子供のためにその身を投げ出すほどの親となれば、ベビーカーから飛び出したりしないようナルミの体はしっかり固定されていたはずだ。だからこそ、咄嗟に抱き上げて逃げたりすることはできなかった。あるいは、しなかった。咄嗟に、他の全てよりも我が子を優先した。

 ただ、生きていてほしいと願ったのだ。

 

「周りの者の顔色を気にする必要もあるだろうし、貴公自身が悔いているのもあろう。どちらも大事だ。だが――まずは『生きてほしい』と願った母君を想うべきだ」

「い……生きてますが?」

「生きるとはそういうことではない。父親のため、姉のため……献身と言えば美談だが、悪く言えば今の貴公は二人に寄りかかっているだけだ。二人の()()ではなく、二人の()()にして己自身を捨てている。死んでいるのと何が違う」

 

 違います、と言葉を発しようとした喉が動かないのを、ナルミは感じた。

 これまで考えたことすら無かった情報(考え方)を唐突に叩き込まれた結果、脳が思考を止めている。

 

「言い過ぎじゃねえか、グリムさん」

「言わねば分かるまい。だが、言えば分かると儂は信じておる」

 

 ナルミがこうまで思い詰めたのは、幼い頃から他人の悪意を感じ取るだけの聡明さを備えていたからこそだ。そして、それだけの知性があるのなら言えば現況は理解できる。荒療治であっても、誰かが指摘しなければならないことだとグリムは断じた。

 近い立場にいる父や姉はこの話題の当事者であるため、指摘することはできない。仮にそれをしたとしても心から納得することは絶対に無い。ディセットは対人経験の浅さ故にこのような話をすることができない。

 異世界の住人故に何のしがらみも無く、ただ「他人」としてナルミの歪みを指摘し正すことができるのはグリムただ一人だけだ。

 

「父のため、姉のためと言うなら、まず先に己の人生を生きよ。望むことをして、一人の人間として立ち上がってから責務を果たせ」

「……あの、それだと僕がまるで人間として立ち上がってすらいないようなんですけど」

「母君の死で時間の止まっておる貴公は、よちよち歩きの赤ん坊とそう変わらぬよ」

「酷」

「酷いものがあるか。これまで母君のことが頭から外れていた貴公の方が酷い。物心つく前から亡くなっていたとはいえそれでは浮かばれないだろう」

「はい……」

 

 ナルミがぐうの音も出ないほどに言い負かされるのは、父親に説教されて以来数日ぶりである。

 珍しいものを見たなぁと思いつつも、ディセットが言えることというのはやはり、何も無い。下手な慰めはするな、とグリムからも視線が飛んでいた。

 

「……だったら、何をしたらいいんでしょう、僕」

「分からぬ」

「自分で言っておいて……!?」

「それを理解できるのは自分自身だけだ。だいいち、それだけ若ければ進路に悩む者など星の数ほどいるものだろう。時間はあるのだからいくらでも悩めばよい。他の者と同じようにな。それでもと言うなら……言ってやれディセット!」

「俺!?」

 

 唐突に振られた話題に、思わずディセットは眉根を寄せた。

 選択肢も何も考える余地すら無かった彼にとって、この手の悩みはそもそも存在しない。共感も何もあったものではないのだ。

 それでも、あえて言うのであれば――。

 

「……りょ、料理上手いからコックとか……」

「安直だのう」

「安直だね」

「言えっつったのあんただろ!? うお腰が…………っとぁ!?」

 

 事実として、ディセットが連想できるものがそれしか無かったため安直であることに間違いは無い。

 内心で軽く悪態をついていると、その時、唐突に彼の脳内にアラートが鳴り響く。

 

(は? あ? ロックオン?)

 

 警報。光学迷彩を看破できないこの世界ではおよそ起こり得ないはずの現象だ。

 メンテナンス不足によって何か誤作動を起こしたのか、と一瞬は考えたものの、その程度でアラートを発するようなことはまずありえないと彼は即断する。

 ならば、原因は。

 

「ロックオンされてる! 二人とも、逃げ――」

 

 次の瞬間には、ディセットと同じようにナルミも異常事態に気付いていた。

 この世界で光学迷彩を起動しているガルデニアを、あるいはディセットたち自身を精密にロックオンできる存在など存在しない。だが、他の世界のもの(ワーカー)なら違う。

 強化された感覚が示すのは、唐突に現れた電磁波の塊。超音速で空を裂いて迫る何らかの音。次いで脳裏に先日、存在を感知した「敵」の存在が浮かぶ。接近につれ急激に膨れ上がった生理的嫌悪感を催すドス黒い気配が更にその予感を裏付ける。

 感知範囲外からの狙撃の可能性は先日の戦いの後、既に示唆されている。そのために誰を狙うかまでは知れないものの、ワーカーの射出する極超音速の弾丸だ。直撃を受けた場合は元より、至近距離に着弾した場合も衝撃波によって確実にディセットだけは死に至る。仮にそうはならなくとも、弾丸に乗せて放たれた黒い霧が拡散すれば、あるいはグリムの命が奪われることもありうるかもしれない。

 猶予は数秒と無い。ナルミが投げつけたワイヤーがディセットの体に絡みつき、その身を多少なりとも遠くへ押し出していく。グリムは迎撃姿勢を取ろうとしたが、その身の耐久力はナルミと比べれば普通の人間に近い。横から突き飛ばし、覚悟を決めて前に出る。

 

 ――直後、着弾した徹甲弾がナルミに突き刺さり、黒い奔流がその体を飲み込んだ。

 

 

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