「うーん、このまま行けば小規模である
「このまま、見捨てると言う手もありますが」
「それも1つの手だが、B艦隊の方から人類が使う無線がひっきりなしに出ている。一方の
「じゃあ、やっちゃいます?」
「あぁ」
艦載機である対潜哨戒ヘリを飛ばし、救難信号を辿ると2つの艦隊が戦闘を行なっていたのだが相対的に多い方の艦隊が少ない方の艦隊をいたぶる様に攻撃をしていた。
大海原でポップした以上、俺に交戦許可を出す組織はない上に弾薬の補給ができない現状では見捨てると言う手段もあるのだが、B艦隊から発せられる悲痛な無線を聞いたからには惰性で生きてきたとは言え、彼女達を見捨てる程に人間は捨てていない。
それに、今の俺には戦える力があるので副長役の妖精さんと軽く会話してから臨戦態勢に入った。
現在、戦闘中の両艦隊とは水平線よりも遠い距離なのでレーダーの探知範囲外だが、哨戒ヘリを飛ばしている関係で機体下部に設置してあるレーダーによって探知できる範囲分は延長される。
つまり、物理的には水平線で彼我の姿は見えないものの哨戒ヘリとの通信によって、こっちからは丸見えと言う状況なので対艦ミサイルによる一方的なアウトレンジ戦法が出来る。
しかも、
とは言え、ミサイルよりも砲弾の方が弾数が多いのでミサイルをA艦隊に所属している艦艇にそれぞれ1発ずつ当てた後、主砲を始めとする各種砲弾で残党狩りをする戦法になるがな。
その為、VLSの蓋を開いて10発分の対艦ミサイルを発射してから全速力で現場海域へと向かった。
艦娘 side
「何が………起きたの?」
「分からん。だけど、ミサイルっぽい何かがチラッと見えた」
さっきまで、この海域では珍しい編成で自分達を襲ってきた深海棲艦が空を飛ぶ棒状の何かが突き刺さるのと同時に、彼女達を沈めようとした深海棲艦の大半が爆散した。
爆散せず、中破から大破で収まった深海棲艦が攻撃が来たであろう方向に顔を向けたので、艦娘もそちらに視線を向けると水平線の向こうから誰かがやって来るのが確認できた。
その為、艦娘の1人が無意識にそう呟くと艦隊旗艦の艦娘が答えた瞬間、水平線からやってきた何者かから発光したので首を傾げていると残っていた深海棲艦も爆散した後、何かを切り裂く音がしたので今の発光が砲撃だと言う事が分かった。
そして、やってきた何者かが彼女達の前まで来た事で少し身構えたが話していくうちに
土佐 side
「そんなに驚く事かねぇ」
「そりゃあ、なぁ?」
「普通は私達、艦娘は勿論ですけど女性とは距離を取るのが殿方ですので平然としている方が異端です」
「ほーん」
助けたB艦隊、艦娘の艦隊と合流後に現状の世界がどうなっているかを尋ねると、深海棲艦が登場してから10年以上が経過して世界は断絶気味になっている事を聞けたのだが問題なのはその先。
彼女達曰く、男女比が1:100の歪な割合によって貞操が逆転して俺からすればあべこべな世界であると言う事だ。
多次元宇宙やら、平行世界やらがあってそう言う世界があってもおかしくないのだろうが、だからと言って俺がそんな世界に転生するとは1ミリも思っていなかったので、驚く彼女達とは別に戸惑っている。
何しろ、彼女いない歴が年齢とイコールな上に前世では陰キャに分類される性格だったので、学生時代から虚しく生きていた経験から女性がキョドるイメージが湧かない。いる所にはいるだろうが。
「それは兎も角、このまま
「そうですね」
「一先ず、足回りは大丈夫だから帰りながら状況を報告する。だから着いてきてくれると助かる」
「最初からそのつもりだ」
その為、彼女達の証言が実際に正しいかどうかの確認の為にも着いて行く事を決めた事から、彼女達の誘いに素直に応じたので道中はレーダーやソナーなどを使って警戒監視に就く事になった。
「君が天龍達を助けてくれた戦艦ですか」
「えぇ、土佐型戦艦の1番艦土佐だ。少なくとも、この世界では存在しない艦艇だと認識している」
「天龍達から聞いています。51センチ砲だそうで」
「その事も含めて詳しく説明したい。会談となる場所の設置をお願いしても?」
「構いません」
助けた艦娘達、中破以上の天龍達が所属していたのは首都である東京を中心とした関東圏を守る横須賀鎮守府であり、男女比が歪な今の世界では珍しい男の提督が助けた天龍達の上司になる。
つまり、海軍の中でも艦娘を指揮する士官として本来なら存在しない筈の艦艇について警戒するのと同時に、多少なりとも性能に関する情報は欲しいと言うのが本音だろうと思って会談の場所を設けてもらった。
その為、天龍達は修復の為に浴場へ向かい、俺は装備を工廠に置いて面談をする為の部屋に通された。
「装備に関する造修、補給、私と装備を運用する妖精達の上陸と休養。具体的な我々の要求は以上です。こうして会談を設けて頂いた理由は生存権の確約です。海軍から安全の保証を取り付けたい。我々にとって現在の日本は他国に等しいのです」
「………」
「もしも何らかの攻撃が本艦に向けられた場合、自艦防衛の為に自衛権を発動致します。本艦も無益な争いは望む所ではありません。ぜひ、ご留意をお願いしたい」
「分かりました。善処いたしましょう」
そして、まずはこちらからの条件として装備や弾薬などの補給から修理、妖精さん達の休養などを申し上げた上で下手な争いはしない事を明言すると提督はその条件を受け入れる様に動いてくれるとの事だった。
「それで? 貴艦は今後、どうするつもりですかな?」
「は?」
「天龍達から貴艦が全くの別世界から来た事は伺っています。原子力戦艦に各種ミサイル、と言う既存の艦娘ではあり得ない装備を持っている貴艦は我々にとっても脅威なのです」
「今は決まってはいません。何しろ、元の世界で起こった大規模な戦争に参加し、終戦間際の大海戦で激闘を繰り広げた結果として自沈処分が決まって沈んだと思った次の瞬間、この世界に来ていましたので」
「そうですか」
航空機の発達により、第二次世界大戦を契機に費用対効果が悪い戦艦は立場を失い、時代と共に消えゆく運命だったのだが
そして、今の世界に転生して移動している最中に戦闘艦だった頃の記憶を思い出す様に、設定に穴があった部分が補完されていき、実際に敵対国家に対して暴れ回っていた事を事細かに語れる様になった。
まぁ、一から話すと数時間は必要なので結論を言ってしまえば余程のミスをしでかさない限り、戦闘艦が所属していた日本とその同盟国の勝利は間違いなしという所まで進んでいた。
その過程で、どうしても囮となる艦隊が必要な作戦が出てきたので当時の艦隊司令が引き受けた結果が自沈処分なので、満足な終わり方だったのだが今度は帰る場所がないと言う問題が浮上したのだ。
幸い、装備は万全で天龍達を救う為に対艦ミサイル10発と砲弾を使ったぐらいで戦闘はまだまだできるものの、補給や休養がネックになるので今のままだと行くあてもなく彷徨う事になる。
それだけは避けたいなぁ、と思っていると提督からある提案をされた。
「では、条件を飲む代わりに目的が決まるまでは我が鎮守府を活動拠点として、気が向いたら我々の要請を引き受けると言う形を取っては如何かな?」
「それは我々の意見を尊重する、と言う事で問題ないですか?」
「無論です」
「でしたら、よろしくお願いします」
「交渉成立ですな」
どうやら、提督の中で敵対するデメリットと味方になるメリットを測って味方に迎え入れようと決まった様なので、特に反対意見はない俺も同意すると交渉が成立した。
一応、ボンクラ一般人の意識が強いとは言っても戦闘艦だった頃に艦隊旗艦として海軍軍人の所作などは叩き込まれている為、自然と行動に出る事から
そう思っていると、会談が思ったので鎮守府内の施設を紹介すると提督が言ってきたので、お願いすると彼はある艦娘を呼び出した。