ご覧戴き有難うございます。
第4話は続いて食いしん坊初期ロットのお話しです。
R-18制限への前振り段階的な物語です。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
ー それでは始まり始まり鳥越マリ ー
第 1 部
<第 4 話>
エヴァの呪縛 アヤナミ・レイ存在の維持・続々編
彼等が再び訪れた第3村での生活も月日が流れて馴染み行くとある日のお話です。
【第3村診療所 診察室】(過日 日中)
今日、村の診療所は午前の診療のみで午後は休診の日でした。
普段の午後休診の日は急患が無い限りは手術や特殊な治療、そして入院患者への対応などがあります。しかし今日は特殊な治療が1件入っているだけでした。
診察室には責任者のトウジの他にケンスケとアスカが来ています。
その皆が囲む診察台の上にはレイのプラグスーツが置かれていました。
そのプラグスーツには数本のケーブルが接続され診療所のパソコンに繋がれています。
それはレイのフィジカルステータスデータの記録を抽出する為でした。
モニターを見ながらケンスケは言います。
「う〜ん…食いしん坊さんの形態を維持するのは食べ物とココにある機材だけでは限界があるな…」
その隣の医師用の机ではトウジがレイの飲んでいた薬の成分分析表の書類ファイルを見ながら難しい顔をして言います。
「ネルフで処方されてたいうあの薬、残ったヤツ調べたけどよう解らん!」
「薬が無くなった今となっては…此処にある機器だけでは何とも仕様がないが無いよりは…」
ケンスケはそう言いながら今度はトウジの向かい側の書棚の前で機材のファイルを捲っていました。
「そやな…」
「薬が有れば何とか維持は出来るんだが…それでも大量のエネルギーが必要だ」
「どのぐらい?」アスカは診察台の縁に腰掛けレイのプラグスーツの胸部の膨らみを指先でツンツンしながらケンスケに尋ねました。
「5〜6千キロカロリー…」
「えっ?それって…1日分?」
「せや!大の大人やったら2〜3日の分や!」
「はぁ〜…」アスカは大きな溜め息を吐くと天井を見上げます。
「大分改善されたとは言え…見ての通りこの村は農産物が主で栄養価の高い食料品の余剰は無い。寧ろまだ不足してる… だが先ずは薬だ!あとは食いしん坊さんの身体に期待しよう」
「期待って?」
「組織が変化して強固になれば、形態の継続は不可能では無い。それまでは…」
「それまでは?」
「我慢して慣れて貰う…」
「そ、そんな…」アスカは二人に悲壮な顔を向けて言います。
「・・・・」
「・・・・」
トウジとケンスケは顔を見合わせて黙り込んでしまいました。
診察室には重苦しい空気が滞留して行きました。
その時、その重たい空気の中に処置室の奥から声がしました。
「食べちゃダメなの?」
3人は声のする方へ振り返ります。
其処には処置室の奥から哀しげに此方を見詰めているレイがいました。
彼女は様々な機器類が接続されたポリエチレン製の大きな200リットルドラム缶にLCLが満たされたその中に浸かっていました。それはまるでドラム缶風呂の様でした。
レイは週に1回か10日に1回の割合でこのドラム缶風呂に浸かり治療を受けていました。
この装置はレイが新生ネルフで受けていた調整槽を模倣してケンスケとトウジが作り上げた物でした。
製作に必要な機材や資料、データはアスカがヴィレやクレーディトに要請し、旧ネルフ施設に残っていたものを手配、回収したものを使用しています。
後にあのカオスから生還したヴンダーのクルーで副長を務めていたリツコが更に装置に改良を加えました。
彼女は旧ネルフ時代に「レイ02」の身体管理に深く関わっていたのでその経験から様々なノウハウを提供してくれたのでした。
また薬に関してもトウジやケンスケに代替品の模索や製法等を助言してくれました。
しかし彼女は食いしん坊初期ロットの「レイ№6」に対して直接的に関わるのを避けていました。
リツコは新生ネルフによって産み出された「レイ№6」の出生には関与はしていません。
では何故「レイ№6」を助ける為の行動や助言をするのでしょうか…?
これは飽く迄も想像ですが、恐らく彼女は旧ネルフ時代の「レイ02」に対しての何等かの罪の意識があったからではないでしょうか?
彼女は「レイ№6」を救う事で「レイ02」への贖罪を果たしたかったのだと思います。
それは己れの魂を少しでも浄化したかったからなのでしょう。
あのカオスを経験した者ならリツコの心情や行動は理解出来る筈です…だと思います。
しかし、皆の知恵と努力を集結したこのLCLドラム缶風呂ですが、この装置だけではレイの身体を保つのは未だ難しく完全では有りませんでした。
【第3村診療所 診察室】(過日 昼過ぎ)
今日も3人は診療所に集まっていました。
「なぁ、ケンスケ。この薬、合成やけど赤城博士が言う通り生物組織に近いなぁ」
トウジはリツコが新たに分析した成分表を見て言います。
「そうだな。赤城博士の分析データでは生体組織の体液成分や補助栄養素の複合体といった感じだな」
「どう? 出来そう?」アスカはトウジ等の見ている分析表を覗き込みながら言います。
「いや、残念だが…」
「こんなんは今、製造出来る施設や材料の手配は不可能や…」
「そ、そんな…」アスカは哀し気な眼差しで
「ただ赤城博士の分析と評価が正しければ成分や構造的に近いもので自然界に存在している物がある」
「あるの?」ケンスケのその言葉でアスカの表情は曇天の隙間から日が射す様に「パァッ」と明るくなりました。
「まあな…。タンパク質や他の成分でよう似とるんは…」
「似とるんは?」アスカはトウジの関西弁の真似をして言いました。
「うん!似てるのはアレだな!」ケンスケは大きく頷きながら言いました。
「せや!アレや!」トウジも自信有り気に言います。
「
関西弁を真似たアスカの声はあのロケみつ ブログ旅の「桜・稲垣早希」にソックリでした。
トウジは「ゴホン!」と一つ咳払いをすると似合わない流暢な英語の発音で言います。
「Semen!」
「素麺?」アスカは『なんで?』みたいな顔を二人に向けています。
「そー麺ってナニ?美味しいの?」
レイは処置室の奥からLCLドラム缶風呂に浸かりながらその縁に両手の指を掛けて身を乗り出す様に言いました。
その眼差しは興味津々でキラキラと輝いています。
「美味しいわよ〜!夏の定番!」
アスカは人差し指を立ててウインクしながらレイに教えます。
「ちゃうちゃう!シーメンや。 シーメン!」
トウジは自信満々だった英語の発音を台無しにしたアスカの聞き間違いに呆れ顔で言いました。
「しーめん?」
「そや!」
「しー麺ってナニ?美味しいの?」
レイは処置室の奥からLCLドラム缶風呂に浸かりながらその縁に両手の指を掛けて更に身を乗り出す様に言いました。
その眼差しは更にキラキラと輝いています。
「Samen や Samen!人のん!」トウジは今度はアスカにも解る様にドイツ語の発音で言いました。
「Samen?…人の?…Samen…ザーメン?…ヤダ‼︎」
アスカは漸く言葉の意味を理解しました。
そして、驚きと共に顔を
「ざー麺ってナニ?美味しいの?」
レイは嬉しそうにLCLドラム缶風呂に浸かりながら更に身を乗り出しました。
その勢いで彼女の
アスカはそれを
レイはショボンとなってLCLに口元まで浸かるとブクブクと泡をだして何かを呟いていました。
軈てLCLドラム缶風呂に接続された装置から「チン!」と言う甲高いベルの音と共に「デキアガリマシタ!」と電子音声が聞こえました。
これはレイの治療が終了した事を伝えたものでした。
多分、この装置のタイマーが古い時代の電子レンジから転用されたものだったのでしょう。
レイはその音を合図にLCLドラム缶風呂の中で「ザバッ!」と立ち上がります。
そしてオッパイばかりか女の子の大事な所を隠す事も無く大きく脚を上げ跨いでドラム缶風呂から上がりました。
アスカは慌ててバスタオルでレイを包みます。
その様子をトウジとケンスケは微笑ましく見守っています。
レイは躰の水分を拭き取りながら「ざー麺って…ざー麺って…美味しいのかな…?」とまだ言い続けています。
「なに言ってんの‼︎精液の事よ!知ってんでしょ⁉︎」
アスカは怒りながら呆れ顔でレイに言いました。
「精液…?男の人の?」
レイはバスタオルで躰を巻きながらキョトンとした顔で言いました。
「当ったり前じゃない‼︎女の人の精液なんて聞いたコトないわよ!」
アスカは顔を真っ赤にして更に怒りながら言いました。
【第3村診療所 診察室】(同日 夜半)
夜遅い時間にも拘らず診療所の診察室の灯りはまだ灯ったままでした。
その診察室の中では医師用の机の上や診察台の上にファイルや資料の紙束が所狭しと広げられています。
その資料を前にトウジとケンスケが話をしていました。
「なあ、ケンスケ、食いしん坊はん倒れるんは何とか回復させれんねんけど…パシャられたらどないしょうもあらへんで」
トウジは医師の診察用の椅子に腰掛け腕組みしながらどうしたものかとケンスケと相談していました。
「うん。LCL化で肉体が崩壊するなんて…普通では考えられないからね。 それに、何回かパシャってるみたいだが自己再生で戻るなんて…不思議としか…」
ケンスケも壁に寄り掛かり同じ様に腕組みして思案していました。
「戻ってくれるんはエエねんけど…この間、診察ん時に聞いったんや。パシャるのんってどんなんか…」
「なんて言ってた?」
「それが本人も良う解らん見たいやねん…ただ…」
「ただ?」
「言葉のボキャブラリーが少ないから上手いこと言われへんみたいやねんけど…やっぱり苦しゅうて辛いみたいや。それに恐怖も感じとる…」
トウジは心配そうな顔でそう言うと「ふぅ〜」と溜め息を吐いて俯いてしまいました。
「そりゃ肉体の崩壊は死ぬのと同じだからね」
ケンスケは少し冷酷な言い方で答えました。
「そ、そんなん…そんなん可哀想過ぎへんか?何遍も何遍も死ぬやなんて…あんまりや〜!」
トウジは椅子から前の減りになると腕組みを解きその両手を拳にして震え、涙を溜めた目でケンスケに当たるかの如く言い返しました。
「解ってる!だから我々もなんとか崩壊を免れようと努力しているんだが…」
ケンスケも自身の現状と限界の中で無力さを思い知らされて
「なんとかしたりたいなぁ〜」トウジはとうとう泣き出してしまいます。
「うん。何とかしなくては…」ケンスケも気持ちはトウジと同じでした。
しかし彼は何とか冷静さを保っていましたが、呟く様に言うのが精一杯でした。
【N109棟跡内】(翌日 午後)
レイは農作業を終えシンジの居るN109棟跡にやって来ました。
彼女は釣り糸を垂れているシンジの側まで来ると嬉しそうに彼に話します。
「碇クン、ワタシの身体にはタンパク質のザーメンが一番なの解った!」
「ざー麺? ナニそれ?美味しいの?」シンジもレイと同じ勘違いをしています。
「でも、タンパク質って…タンパク質…此処には…」シンジは呟く様に言いながら周りを見渡します。
『タンパク質?ざー麺って…あっ!ザーメン? 精液のコト?』シンジは気付いて「ドキッ!」としてレイに振り向きました。
慌てて振り向くシンジにレイは縋る様に見詰めて言います。
「あの…チョットでイイ。碇クンの…分けて欲しい…」
「えっ!?ダ、ダメだよ!そんなの!」シンジは慌てて言い返しました。
「イイ…生でも!」
「なっ!生って…! あっ綾波!?」シンジはあたふたしています。
「釣れたら分けてね!」
レイは空っぽの
「えっ…!?」シンジは勘違いに気付き少し安心しました。
そして心の中で呟きます。『なんだ…魚かよ!』
アスカは廃墟の柱の陰から二人の様子を窺っていましたがその頓珍漢な会話を聴いて『ぷっ!』と吹き出してしまいました。
「魚…だったらいいよ」シンジはレイに笑顔で言いました。
しかし彼女はシンジの言葉尻を聞き逃しませんでした。
「だったら…? 何だと思ったの?」
「いや〜 その…アレかと…」シンジはまた慌てふためきました。
「碇クンのタンパク質?精液のコト?」レイは率直にシンジに聞いて来ました。
「えっ!いや…その…」シンジは更に慌てふためきました。
「もし釣れなかったら…碇クンの…」レイは少し俯きながら言いました。
そして上目遣いでシンジを見上げて少し頬を染めながら続けて言います。
「ソレ…貰ってもイイ?」
『あ、綾波…!?』シンジは驚きの表情で黙って彼女を見詰めます。
『えっ!!』
廃墟の柱の陰から二人の様子を窺っていたアスカはレイの大胆な「お
(つづく)
【 次回予告 】
いよいよR-18に突入…⁉︎
*作品毎のR-18制限が出来ませんので別シリーズの「第3村讃歌 第一部(R-18制限)にて投稿公開致します*
(あとがきにR-18制限のシリーズURLがございます)
<第 5 話>
エヴァの呪縛 碇・シンジ 強制射出(R-18制限)
乞うご期待
第3村讃歌 R-18シリーズURL
https://syosetu.org/?mode=ss_detail&nid=348249
<第5話> 作品URL
https://syosetu.org/novel/348249/1.html
**また今回は醜怪な表現が一節に御座いますがR-18のままとさせて戴きました**
お手数をおかけしますが何卒宜しくお願い申し上げます。