実は幼馴染だった学園ナンバーワン美少女と名高い生徒会長がクールでイケメン。もう男の僕が出る幕ありませんか!? 作:冬ノゆきね
白川くん自身も運動神経が良いことだけあってそこそこ腕っぷしがあると思っていた。
だけど、まさか堀宮さんがケンカすらも制してしまうなんて……かっこいい、いやいや違う今は白川くんの心配を。
「すまない、桜田……俺は今日も……」
「僕こそごめん。今日こそって期待してた僕が悪いんだ」
「お、お前マジでぶっ飛ばすぞ!」
そう二人で冗談を言いあっていると、堀宮さんがムスッとした顔で僕の腕を強く引っ張った。
「早く来なさい、桜田くん」
僕は机にカバンを取りに戻る。
そして堀宮さんの側まで駆け足で向かった。
自分の思い通りに事が運んだのもあってかご機嫌そうな堀宮さん。
ニヤッと一瞬笑顔を浮かべるものの、首を一度横に振る。慌てた様子もなくいつもの、何事にも動じないクールな顔つきに戻った。
あのクールな堀宮さんがデレている?
ニヤけている、のかな……?
僕の一緒にいて喜んでくれるのは嬉しいけど、白川くんはもう……うん戦意喪失しているみたいだ。
まあ、毎日毎日僕を賭けては堀宮さんに敗北し、毎度のことながら身体を痛め、一向にカラオケに行くといった約束は今もまだ実現できていないのだ。
ここでみんなは疑問に感じるはず。
僕が素直に白川くんとカラオケに行きたいと伝えたらどうなるのか、と。
そう考えたりもしたよ、けど……。
ここで堀宮さんの決まり文句が発動するのだ。
「また私と離れるの?」と。
で、僕の毎度の答えが、
「ごめんなさい」
そうこの一言ですべてが終わってしまうのだ。
これはいかがなものか。
特に付き合っているわけでもなく、たまたま学校初日に屋上で話したからってだけで何でこうも束縛されないといけないのか。
まあ、でも可愛いし、かっこいいから僕は満足だけど。近くにいるだけでドキドキするし、小学生の頃を思い出す、みたいな感じで。
しかしこれだけは言える。
間違いなく僕以外の人に同じことをしていたらとっくの前にみんな離れていくに違いない。
「何してるの? 早く帰りましょう」
「……は、はい」
僕は静かに頷いた。
教室に白川君くんを放置……何だか心が痛い。
「ねえ、初めて出会った時のこと覚えてる?」
「えっとあの桜の下、だったような気が……」
「…………」
僕がそう言うと堀宮さんはだんまりになった。
何か間違ったことでも言ってしまったか、と心配にもなったけど、堀宮さんは何事もなかったかのように話を進める。
「……だからよ、私はあなたの教室に行ってわざわざ屋上に連れて行ったの。大事な話をしたくて」
「えっと……確かに行きましたけど、大事な話ってした覚えが。それに会話がどうも噛み合ってないっていうか……」
そんな堀宮さんとの出会いは、アニメやマンガなんかに良くある桜の樹の下でのことだった。
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