ラブライブ! 鉄道ファンとスクールアイドルとなかまたち since 2024 作:松浦南北
私「只今より、定期部会を始めます」
全員「よろしくお願いします!!」
2025年7月3日、虹ヶ咲学園鉄研部室にて。今日は定期部会の日。
私「それで、今日の最初の議題なんですが、部長権限で相談したいことがあって……」
梨海「何かな?」
私「私の幼馴染にそまりちゃんっているでしょ?」
有佐「うん」
私「それで、今日はスペシャルゲストとして呼んでいます」
するとそまりちゃんが入ってくる。
そまり「おいっす……はじめましての人ははじめましてかしらね」
梨海「相当元気なさそうだけど……」
私「はい、その元気ない原因がわかったので、皆さんに相談を持ちかけたいと思い、これを議題とします」
全員が頷いた。
私「それじゃあそまりちゃん、元気のない理由を説明してごらん」
そまり「うん……えーっと、元気のない理由は、留学があることです……」
万里「ちょっと待て。結ヶ丘の音楽科で留学なんぞ聞いたことないぞ」
そまり「この前恋さんから聞いたんだけど、私、理事から特定実績向上生徒の1人に選ばれちゃって、今年の冬場に2ヶ月間の留学に行かないといけなくなったのよ……」
梨海「留学に行きたくない理由はあるの?」
そまり「うん。あるけど引かない?」
梨海「うん。覚悟して聞くよ」
するとそまりちゃんは話してくれた。
そまり「私が留学に行きたくない理由は、さあやどころか、日本の鉄道からも離れちゃうことなのよ……」
せりな「去年のシオンそのものだぁ……」
ナギ「そうだったの姉ちゃん?」
シオン「うん。あの時夏合宿前日に関西私鉄を撮りまくりたかったのと、由美や侑と離れ離れになりたくなくて、夏合宿蹴ろうとしてたからね……」
あれは少し不安になったもんね。
私「でもそまりちゃん、私が1週間夏合宿で離れていても平気だったでしょ?」
そまり「1週間が断続的に何回もあるくらいなら平気よ。でも2ヶ月連続で離れるのは辛いわ……」
郷「出発はいつかな?」
そまり「出発は12月の第1週で、11月に行き先が決まるって。あと、今の成績状況だと流れないっぽいわね」
シオン「これじゃあ誰も対処できる人がいないな……」
梨海「とりあえず、千砂都ちゃんにはこの事情を内緒にするね」
そまり「ありがとう梨海さん」
……まあ、あの嵐千砂都ちゃんが絡めば厳しい展開が待っているのは周知の事実だよね。
私「このあとどうする?結論は出なかったけど……」
有佐「とりあえずそまりパイセンの留学が流れる可能性にかけて次の議題移る?」
鈴乃「そうしたほうがいいわね」
私「はい、それでは次の議題なんですが、これもそまりちゃん絡みかな」
そまり「どういうこと?」
私「さくらちゃん元気にしてるかなって。この前上板橋の西谷進さんが若宮千早さんに最終制裁下して、ペナルティもあってYouTube活動を永久停止したって話ですごく落ち込んでたから……」
若宮千早さんは過去や現在の鉄道関連の大嫌いをすべて排除する性格をしていて、ディーゼルサウンドにトラウマがある由美をはじめとしてキハ100を憎く思う結ヶ丘の米内ななかさんだったり、相鉄に客を取られそうになる小田急に敵意を向けた西谷進さんだったり、元・ロングシートアンチのせりなだったりを鉄道ファンでないと否定しまくった。この前ようやく結ヶ丘追い出しに成功したけどまだ西谷さんにちょっかいを出していたとのことだ。
そまり「元気にしているわね。しかもチャンネルも持ち直して、7月入って早速ピアノ演奏の動画上げていたわ」
私「良かった良かった。それと万里とビン、西谷さんの状況ってわかる?」
万里「あの人3日間学校から自宅謹慎処分食らったって。今は学校や部活に無事戻っているけどYouTubeには戻れなくなっているぞ」
ビン「俺もそうやって聞いたぞ」
私「あー……」
まあ、最終制裁の内容が下ネタを叫ばせて屈辱を与えるって内容だったからあれはもうダメでしょ。
私「あと由美も不安だけどシオン、何か知ってる?」
シオン「由美も持ち直したよ。だけど1300人の登録者パーにして、1からやり直すことにしたって」
沙奈「うわ……結構響いたわね……」
シオン「あと僕も米沢ますきから鳳来寺口にチャンネル名を変えることにしたね。そして鳳来寺トラベルも、ナギのんトラベルに名前を変更しました」
ビン「今後あのチャンネルは僕がメインで動かすことになります」
全員で拍手を送る。ちなみにビンは若松杏音名義で個人の鉄道チャンネルを動かしているんだよね。
そまり「でも、私も不安だったから近況を知れて良かったわね。ありがとうさあや」
私「えへへ。どういたしましてそまりちゃん。それともう1つ大事な議題があります」
渉「どういうこと?」
私「夏合宿と国際鉄道模型コンベンションの件」
すずか「絶対外しちゃダメなやつですね。今回も出展は確定ですし」
私「うん。それと、今回の夏合宿は色々あってまた海外にしようと思うんだ」
誠一「その色々って?」
私「まず、ナギの飛行機ダメ要素を克服させること、そして虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会OGのエマ先輩からスイスに招待されたこと、それから虹ヶ咲学園の音楽科の私の友達がイタリアのミラノに留学に行くことになって、その後を追うのがいいんじゃないかって」
梨海「それって風河くんのことじゃないよね万里くん?」
万里「風河は男子生徒ってこともあって留学は希望制だからやめたってさ」
拓「あー……」
そまり「あと確認だけど私ではないわよね?」
私「違うよ〜。だってそまりちゃん結ヶ丘生じゃん」
そまり「良かったわ……」
おたえ「それだとその子、私と侑の、音楽科での後輩かも」
シオン「知ってるんだ?」
おたえ「うん。名前は確か森田春江さん。入学時点では丸岡春江さんだったけど、色々あって苗字を変えたんだよね」
梨海「あー……あの人ね。うん、あの人はミラノ行きだって栞子ちゃんと侑先輩言っていたもんね」
そのか「嫉妬しないの?」
梨海「するわけないじゃん、ただの友達隠していたくらいで。幼馴染や兄弟を隠しているのとは話が違うよ」
らな「そういうそまり先輩も嫉妬はしないんですか?」
そまり「しないわね。さあやがピアノ仲間を作ってくれるだけで良かったもの。ピアノ仲間が私だけってむしろむなしく感じるわ」
誠一「もしもーし……」
そまりちゃん嫉妬しなさいよそこは……。
私「とりあえず、日程は8月11日から11日間のつもりですが、今回も先着最低8人で参加者を募集します。部員の中で参加希望者は挙手をお願いします」
手を挙げたのは……
私、万里、ドロシー、らな、誠一だけ。2週間弱だからドロシーが行く分には永住権等の問題はないはずだ。
私「陽和は行かないの?」
陽和「せりなお姉ちゃんがいないと行けるわけないよ……」
せりな「私は迷ってる。一応進学先はウィーン国立音楽学校って、今後入試こそあるけどほぼ決まっているし阻むものはないけど、なんか日本の鉄道に触れる機会が今後減るからなぁって……」
シオン「僕は全統模試が24日にあるから辞退するよ」
私「シオンはわかった。せりなは陽和のこともあるしグレーだけど。あとナギは行かないんだ?」
ナギ「えっ?だってまた飛行機でしょ? 5月から月1のペースで飛行機なのに……」ウルウル
確かにナギはGWにシオンに新幹線利用計画を咎められて羽田から出雲まで飛行機で飛び、6月にシオンに台北に連行された。だけどこれでは足りないと私は思う。
私「ここまでナギを思って海外合宿を計画したのに、私の思いを踏みにじるんだ?ショックだな。私寂しいよ。がっかりだよ、小心者なナギだなんて。こんなのそまりちゃんよりひどい。ナギは男の子でしょ?飛行機ごときで蹴るなんて、こんなのあんまりだよぉ……うわああああああん!!」ビエエエエエン
ビン「おいおいさあやが泣いちゃったじゃねえか……お前行くしかねえだろ……グスッ……」ポロポロ
そまり「そうね。ナギくんは行かせるしかないようね。さあやを泣かせるか夏合宿に行くかって言ったら、後者しかないでしょ?」
シオンも頷いている。
有佐「はい、ナギは決定ね〜」
ナギ「わかりました……」
私「あとせりなも行くね?」
せりな「それは……その……」
私「行 く ね?」
せりな「……はい」
私「せりなが誰にでも重くなるなら、私も重くなればいいんだよね?」
せりな「あ、終わった」
あの台北回のやり取りはちゃんと覚えていたからね。
陽凪「そうなると陽凪とお兄ちゃんも参加になるのかな?」
私「そうだね」
陽凪「そんなぁ……」
即答。これで9人揃った。
梨海「あと穂隆くんは行かないの?」
穂隆「僕はやめておくよ。さくらや杏奈先輩と離れたくないし、何より国際鉄道模型コンベンションが夏合宿の日付に近い状態だとレゴで一発出展したいものがあるし、片付けも責任持ちたいからさ」
万里「理解」
今回のコンベンションは8月8日から10日までだ。
おたえ「そういう梨海は行かないの?」
梨海「私は風紀委員の仕事あるから辞退するかな。国際鉄道模型コンベンションやコミケ中も必ず監視役がいるっぽいし。そまりちゃんも夏合宿には不参加なんでしょ?」
そまり「そうね。結ヶ丘の生徒として他校の行事に首を突っ込むのはよそよそしいかなって思うもの」
さあや「OK」
万里「あとはビンだな」
ビン「俺は不参加だな。姉ちゃん心配なのと、8月23日と24日に次の機関誌で芸備線完乗ドキュメンタリー書くのと修学旅行調査員として広島行くし」
ビンのお姉さんはLiella!の米女メイちゃんで、双子なんだよね。
郷「よし」
鈴乃「すずかはどうするのよ」
すずか「私は鈴乃が心配なので残ってコンベンションに片付けまで参加しようと思います。レゴの技術もちょっと磨いていましたので。何より鈴乃も受験ですからね」
鈴乃「そうね。すずかが残ってくれると嬉しいわね」
沙奈「まあ、私や郷くんも不参加ね。3年生で受験かかっているもの」
全員が頷く。ちなみに有佐、渉、拓、そのかはコンベンション組だ。
とりあえず内訳を確認しよう。
シオン、郷、鈴乃、おたえ、沙奈: 受験生
私、万里、ナギ、らな、ドロシー、せりな、陽和、陽凪、誠一: 夏合宿参加
有佐、渉、拓、そのか、穂隆、すずか: コンベンション組
梨海: 風紀委員長につきコンベンション、コミケの監視役で参加不可?
ビン: 修学旅行調査員で夏合宿参加辞退
私「って、確認したらヤバかった」
そのか「どういうこと?」
私「コンベンション組は最大5人までって決められてたんだった。誰か1人が抜けないといけないんだよね……」
梨海「どうしよう……」
すると部室の戸が叩かれる。
??「お取り込み中失礼します」
私「栞子ちゃん!?」
栞子「お悩みのようなので、少し割り込ませていただくことにしました」
梨海「完全にバレたね」
栞子「いつも梨海さんの隣にいる私には全てお見通しです。それで、どのような悩みでしょうか?」
私「国際鉄道模型コンベンションの運営から1人抜けないといけないんだよね。それでディーゼル嫌いで乗り鉄のそのかにするか、それとも超にわか鉄でレゴを出展する予定の穂隆にするかで迷ってて……」
栞子「とりあえず、私からは提案があります」
全員が息を呑む。
栞子「穂隆さんは運営の枠ではなく、出店者の枠として参加する。こうすれば理事側からの最大5人の用件を満たすことができます」
いやそれがあったんかい。
栞子「それと梨海さん、コミックマーケットの監視役の件についてですが……」
梨海「ん?」
栞子「他の委員の方々に譲ることに致しました」
梨海「どうして!?」
栞子「高橋そまりさんの控えている留学のお手本を梨海さんに見せてもらうためです」
そまり「なんで栞子さんが知ってるのよ!!」
栞子「葉月恋さんから話はすべて伺っております」
梨海「お願いだから千砂都ちゃんには内緒にして!!」
栞子「おそらく難しいでしょう。葉月さんがご存じならばおそらくそのまま千砂都さんに伝わっているでしょうから。それに、千砂都さんへの伝達を渋る理由を教えていただけませんか?」
私「だって、重く厳しい説得が待ってるじゃん……?」
栞子「……高橋そまりさん、それで折れるんですか?フフッ♥普通科1年の鳳来寺ナギさんより小心者だったなんて、看過できませんね♥」
そまり「そんなぁ……栞子さん見逃してよ……」
栞子「この件は千砂都さんや本校のかすみさんの方にも伝達させていただきます。そまりさん、諦めましょう」
そまり「はい……」
全員で絶望した。
私「……で、部会どうする?」
栞子「一旦締めましょう。梨海さんは夏合宿参加ということで結論は出ましたので」
私「そうだね。今回はこれでお開き!!」
こうして部会自体はお開きとなった。一部の人間に浅かれ深かれ傷を残しながら……。
ちなみに今回の件は翌日千砂都ちゃんにバレましたが……
千砂都「……わかった。そまりちゃんには、私がちゃんと出発直前までに説得材料を並べておくね」
ナンテコッタイ。
次回は6月に次いで例のネタをぶち込みます。次回はいつになるのか……。
とりあえず今回の千砂都の反応をAIにまとめてもらったら以下の通りでした。
千砂都「……来てくれてありがとう、さあやちゃん。急に呼び出してごめんね」
さあや「う、うん……千砂都ちゃん、話って……」
千砂都(少し視線を落とし、小さくため息をつく)
「昨日の部会のこと。……栞子ちゃんから聞いたよ。そまりちゃんの留学について、みんなで話し合ったんだってね。……私に『内緒』で」
さあや「あ……! それは、その……そまりちゃんが本当に不安そうだったから、まずは私たちで何かできないかって……」
千砂都 (ゆっくりと顔を上げ、悲しげな微笑みを浮かべる)
「……ショックだな。」
さあや「え……?」
千砂都「私、そんなに頼りないのかな。……そまりちゃんの幼馴染として、これまでずっと一緒に歩んできたつもりだったのに。さあやちゃんから見たら、私は『親友の不安に気づけない、器の小さい人間』に見えていたんだね」
さあや「ち、違うよ! そんなこと思ってない! ただ、千砂都ちゃんに言ったら、すごく厳しくなっちゃうんじゃないかって、みんなが心配して……」
千砂都 (声のトーンを一段落として、冷徹な正論を突き刺す)
「厳しくなる? ……さあやちゃん、それは違うよ。私は彼女の『未来』を預かっているの。不安から逃げる手助けをすることが、本当の優しさだと思っているなら……それは無責任だよ」
さあや「無責任……」
千砂都「そう。あなたが昨日、甘い言葉で彼女の不安をなだめて、私から隠そうとした。そのせいで、彼女の中に『逃げ道がある』っていう甘えが生まれてしまった。……わかる? あなたが内緒にしたせいで、私はもう、普通の方法じゃ彼女を説得できなくなったんだよ。」
さあや「……っ!」
千砂都「本当なら、もっと時間をかけて、一緒に歩幅を合わせて留学の準備をするはずだった。でも、あなたたちのせいで時間が無駄になった。だから……私はこれから、もっと厳しく、もっと強制的に、彼女を『正しい道』へ引き戻さなきゃいけない。……彼女が泣く姿を見るのは辛いけど、そうしなきゃいけない理由を作ったのは、さあやちゃん……あなたなんだよ?」
さあや「私の……せい……」
千砂都(さあやの肩に優しく手を置き、逃げ場をなくすように顔を近づける)
「……自覚、してくれるよね? 私は、今回のことは絶対に許さない。 でも、責めるつもりもないよ。あなたが壊してしまったものを、私が直すだけだから。……だから、さあやちゃん。これからはもう、余計なことはしないで。私の言うことだけを聞いて、私のサポートに徹して。……それが、そまりちゃんへのせめてもの『償い』になると思わない?」
さあや「(震えながら)……ごめんなさい……ごめんなさい……っ」
千砂都(満足そうに、いつもの穏やかな笑顔に戻り、沈黙を破る)
「……わかった。そまりちゃんには、私がちゃんと出発直前までに説得材料を並べておくね。さあやちゃんも、もう泣かないで? 私たちがちゃんと『協力』すれば、全部うまくいくから。」