ラブライブ! 鉄道ファンとスクールアイドルとなかまたち since 2024 作:松浦南北
今回は6月に続いてこのネタ。鳳来寺ナギ目線での展開を予定。
2025年7月4日放課後のこと。学校帰りに1人でお台場周辺を巡っているとビンくん(若松杏音さん)からたまり場アプリのパラレルにメッセージが届く。
杏音『上石見ちょっといいか?』
杏音『話したい』
上石見はSNSにおける僕のハンドルネームだ。まあ、今日はこの週末含めこの後フリーだから、受け入れよう。
僕『OK』
【通話開始】
杏音『どうも』
僕「こんにちは」
杏音『今の時間大丈夫か?』
僕「うん。お台場歩いてただけだからね」
杏音『良かった良かった。それで、急なんだけど』
僕「ん?」
杏音『今から羽田来られねえか?』
僕「あの羽田?空港だよね?」
杏音『ああ』
僕「ちょっと厳しいと思う」
杏音『じゃあ1泊分くらいの荷物を持って来てください』
僕「羽田で1泊?わかりました。ってもうすぐかな?」
杏音『そうだね。すぐ来てほしいです』
僕「今まだお台場歩いてるんだけど、家に帰らずにってことだよね?」
杏音『はい。今すぐお願いします』
僕「……わかりました。じゃあ行きます」
杏音『はーい。じゃ、またね。バイバイ』
【通話終了】
とりあえず、東京テレポート駅からりんかい線に乗っていこう。発車時刻は16時50分だ。
16時53分に天王洲アイル駅に到着後、17時00分に羽田第2行きのモノレールに乗り込む。羽田第2到着は17時22分だ。
ビン「お、いたいた」
僕「ビンくんだ」
ビン「今日はまず、空港の中を案内しようかなって」
僕「やったぁ!!」
ビンくんが今日は羽田空港を案内してくれることになった。17時30分だが、まずは早々と夕食だ。ちなみに今日はテスト直しを昼休み中に済ませたいと思いパンだけ早弁し、昼休み中はinゼリーにした関係で既にお腹がペコペコ。
ビン「何が食べたい?」
僕「そうだなぁ、洋食がいいなぁ」
ビン「それじゃあここ行こうか」
ビンくんが案内してくれたのはパスタ屋ドンサバティーニ。好きなメニューを1つずつ選ぶ。
ビン「よし、これにしよう」
ここ最近はスマホを使ったオーダー制のため、ビンくんのスマホで注文を取る。
僕「僕はこれにするか」
お互いの注文を確認したところで、注文ボタンを押した。
そして10数分後に注文が届く。
2人「いただきます」
僕はカルボナーラ。そしてビンくんはモッツァレラトマトのパスタを採択した。
僕「濃厚クリームが最高!!」
ビン「でもそのカルボナーラ、本場とは違うらしいぜ」
僕「どういうこと?」
ビン「本場のカルボナーラはクリームを使わないんだ。卵とコショウとチーズとグアンチャーレで仕上げるから大人の味になるんだってさ」
僕「ミラノ行ったら食べられるのかな?」
ビン「さあね」
なんか当日が楽しみになってきたぞ。
ごちそうさまでした。そして支払いを終えたあとのこと。
ビン「次はドンキ行くぞ」
僕「やった!!」
羽田のソラドンキは一度行ってみたかったんだよね。そして無料のシャトルバスに乗り込み、19時頃に羽田第3に到着した。
ビン「結局1泊分の荷物って手元にある?」
僕「うーん……下着類とかは入れてけって姉ちゃん言ってたし持ったけど……」
ビン「でも、1枚くらいジャージの上持っていたほうがよくねえか?今日体育なかっただろ?それに俺たち半袖ブラウスにスカートだから、なんか防寒性能は劣るんだよな」
僕「そうだね。ハイソックスやニーハイだけじゃ足りないよね」
僕やビンくんは女子制服着用組で、下着も女物にしている。スラックスタイプよりもなんか可愛いし、よく似合ってると揃って言われることも多い。
とりあえず1着だけ購入。僕は水色、ビンくんは青緑だ。
そしてそれが終わったらお風呂の時間。泉天空の湯でまったりする。
ビン「そういえば、結ヶ丘の高橋そまりさん少し不安だなぁ」
僕「うん。留学嫌で結ヶ丘に行ったって言っていたもんね」
ビン「あれはお前より重症だからなぁ……」
僕「うーん……」
20時半過ぎ、風呂を出てからは着替えてスカイデッキに向かう。あ、これ今日は羽田観光して終わるコースかな?
……あれ、離陸したぞ。
ビン「来月お前もああやって飛ぶんだよな。俺は広島の調査のためにお留守番だけど」
僕「そうだね……」
まあ、今回の夏合宿は腹をくくって参加することにした。事故が怖いのは承知だが、高校に入ってから出雲と台北で乗った以上反論材料の外堀はぜんたい埋められたも同然だ。それに僕が現地着いたら楽しむタイプだって話、完全にさあやちゃんにまでバレたな……。
その後、バスで羽田第1に戻り、こちらのスカイデッキも見ていこう。この時点では21時半を過ぎている。
僕「そういえばもう夜遅いけど」
ビン「ん?」
僕「帰れるの?」
ビン「今日は帰れねえな」
僕「日本に残れるのかな?」
ビン「うーん……わかりません!!」
なんか怪しい。これ、連行されるコースかな?連行されるんだったら、場所次第では受け入れるけどね。
僕「そういえば穂隆くんも不安だなぁ」
ビン「穂隆か……アイツ、俺がこのGWに長崎に飛行機で調査行ってから前向きに考えるようになってたぞ」
僕「良かった……」
そして時間ギリギリまで粘り、スカイデッキを追い出された。
ビン「ちょっと第2戻るか?」
僕「うん」
第2までは地下通路を通り向かうことになった。あ、これ最終列車まで粘って横浜泊コースかな?
そして第2では一度解散になり、23時20分に出発案内の前集合という約束になった。適当に回って写真でも撮りまくるか。
そんなこんなで時間が過ぎ、23時20分になった。
ビン「さあ、ここまで来たらどうなると思いますか?」
僕「わかりません」
ビン「えー、わからないのであれば、今回の企画を発表させていただきます。今回の企画、『放課後 即、香港』です」
僕「いやいやいや、来月海外行くってわかってるのにここで海外?」
ビン「当たり前だ。あそこにちゃんと出発案内まだ出てるから。でもどうかな?」
僕「先月姉ちゃんに僕が台北に飛ばされたことあったじゃん」
ビン「あったね」
僕「更にその南に行くんだ?」
ビン「当たり。さ、香港行くぞ」
僕「まだあるの国際線?」
ビン「あるんだよ。深夜2:00発、早朝5:35着の便。これから香港堪能しましょう」
僕「お前もそっち側の人間かよ!!お前もか!!さあやちゃんやもうちの姉もそうだけど、お前までそっち側の人間だったんか!!」
ビン「いやいや、GWに出雲に行く前にお前が墜落SSを書いた際に消せって俺が指示したのと、この前の部会でわかっただろ、味方はいねえんだよ」
僕「いやもうホントヤバいって……」
諦めて行くしかないか。
ビン「そういうわけなので、チェックインに行きましょう」
僕「……はい」
〜※〜
案内板の前にて。ビンくんはNH813を指さす。
ビン「とりあえず、この2時00分発で香港に行きます。楽しみだな」
僕「……まあね。でも……」
僕は浦東と仁川を指さす。
ビン「え、上海やソウルがいいのか?」
僕「いや上海もソウルもヤダ」
そして2人で笑い飛ばす。
僕「もうやだよー……」
ビン「もう香港行くぞ、楽しもうぜ」
僕「……まあでも、香港のR-stock電車とか、2階建てのVVVFのトラムとか、楽しみは一応あるんだよね」
ビン「いや完全に乗り気じゃねえか」
僕「あるんだけど……」
ビン「まあ、時間ねえしゲートくぐろうか」
僕「それにしても、全日空やソラシドエアしかないね」
ビン「そうなんだよ。第2はANAとソラシドしかねえんだよな」
僕「よし、香港向かうぞ!!」
2人「おー!!」
こうして僕たちの香港遠征は始まった。
〜※〜
搭乗後数十分して飛行機は離陸。
僕「やったぁ機内食だぁ!!」
ビン「この深夜帯に完全に乗り気になってんじゃねえか」
僕「そうかな?」
機内食ではカレーが出た。機内食になるとついつい飛びついちゃうんだよね。
ごちそうさまでした。
5時50分、15分遅れながらも無事に香港到着。6時35分に到着ロビーに出られたが……
??「欢迎来到香港!!」
ビン「ランジュ先輩!?」
ランジュ先輩が現れた。
ランジュ「おはようナギ、ビン」
僕「ランジュ先輩はどうやってここまで来たんですか?」
ランジュ「そんなの簡単よ。キャセイの501便、成田21:30発で駆けつけたわ。ビンの様子からナギを深夜便で連行することは分かっていたものね」
ビン「いや完全にバレましたねこれ」
ランジュ「バレるに決まってるじゃない。それに、せりなと同じ事ができたわね♪」
僕「って、カメラ回ってるー!!」
ランジュ「当たり前でしょ?台北でできないことは、アタシの地元、香港でやればいいって話だもの♪さあナギ、ビン、率直な感想を!!」
ビン「いやー、これはきしょいです!!」
ランジュ「きしょい、我收到了♪谢谢!!」
まあ、こんなドッキリはキショいと言われるのが一種の「お約束」だからね〜。
ビン「それで、この後は……」
ランジュ「4万円は持ってるかしら?」
僕「持ってます」
ランジュ「それなら無問題ラ。2000ドル渡すから、ランジュ銀行に感謝しなさい!!それと……」
ビン「ん?」
ランジュ「これ、あげるわ。オクトパスカード」
僕「いいんですか?ありがとうございます!!」
ランジュ「さあ、そうと決まればランジュプロデュースの香港観光始めるわよ!!」
全員「おー!!」
そしてまず乗り込むのは香港機場快線。2ドアのアドトランツCAF電車で、AEGのGTOインバータが特徴的。これは阪神5500系の三菱のGTOインバータを鮮やかにしたような音だ。
乗ること24分、香港車站に到着。
ビン「朝はどうしようね?」
僕「お粥でいいと思うけど……」
ランジュ「むー……」
ビン「え?」
ランジュ「せっかく香港来たんだったら、豪華に行くべきでしょ?もしかして胃が弱いの?」
僕「はい。昨日もテスト返却の緊張が解けなくて昼食はinゼリーしか入らなかったんですよ」
ランジュ「でも、ナギも中国観光は初心者クラスっぽいし、大目に見ましょうか」
ビン「はい。僕も実は海外旅行初心者クラスなので」
そういうわけなので、一粥面にて適当にお粥を食べよう。深夜にガッツリ機内食行った僕たちだが、やはりここでもビンくんはガッツリ行く。
ビン「食えなきゃ俺がもらうからな」
僕「ありがとう……」
ランジュ「きゃあっ!!そうやって積極的なビンも素敵だわ!!」
僕「なんか恥ずかしいな……」
ランジュ「いいのよナギ、自分のペースが大事だから」
でも瑤柱海斑片粥(貝柱と白身魚が入ったお粥)は美味しかったなぁ……。
ごちそうさまでした。
ビン「待ちに待った香港トラム……このインバータサウンドや吊り掛けサウンド……しゅき……♥」
ランジュ「ビンもランジュに負けないくらいのオタクね。ナギはどうなの?」
僕「最新車両の175号とか来ないかなって。最新鋭のインバータ車両ですからね〜」
ランジュ「175号?もっといいもの乗るべきよ。冷房付きの88号とか豪華なの行きましょう?」
僕「まあ、88号も憧れですけど……」
そう言いながらやってきたのは94号。175号と同じVVVF車だ。
ビン「スマホ片手に前面展望録画してるし。1番楽しんでいるのはナギじゃねえか」
乗ったのは2階席。前面展望が素晴らしいよね。
ランジュ「そういえばナギもビンも」
僕「どうしたんですかランジュ先輩?」
ランジュ「香港電車の歴史、知りたい?」
僕「もちろんです!!」
とりあえずメモだ。香港トラムは1904年開業、軌間1067mm、直流550V架線集電方式の路線。どこぞのブダペスト地下鉄1号線と同じ電圧だ。
1941年からは日本の統治下に入り、日本名に変えられたこともあった。1949年からは全車が2階建てトラムになった。
1970年には延伸計画が打ち出されながら、1980年代にはボツ。一転して港島線建設により廃止計画まで持ち出されたが港島線開通後も乗客は減少せず観光用に存続しているのである。
どこぞの都電荒川線やブラックプールの路面電車とも異なる経歴に味があるね。
そして乗ること45分、太古駅に到着した。
歩いて鰂魚涌公園に向かうと、早速ランジュ先輩のパフォーマンスが始まった。
《START》
ZHONG LANZHU
ランジュ「地元香港で、最高のパフォーマンスを見せるわよ!!」
【♪鐘嵐珠『Bravo!』♪】
ランジュ先輩もスクールアイドルを始めて9ヶ月くらいだけど、パフォーマンスは一級品。
終わると拍手喝采。
ランジュ「フフッ、ナギもビンも虜になったみたいね」
ビン「でもうち姉ちゃんが……」
ランジュ「Liella!の推しがメイでも、虹ヶ咲の推しはこのランジュにするべきよ!!」
ビン・僕「それならぜひ!!」
ランジュ「谢谢!!」
ビン「いやなんでスシローがあるんだよ……」
ランジュ「スシローよりここ来たら小籠包でも食べましょうよ。日本で食べられるものをここで食べていたら勿体ないわ!!」
そして向かった先は中華料理屋の翠古皇宴。
僕「まあ、お昼だからガッツリ行こう」
ビン「お、今日は乗り気じゃねえか」
僕「まあ、どれもテスト平均点以上だったからね」
ランジュ「それだけで不安になるの?」
僕「はい……常に60点割らないかってビビってて」
ランジュ「全く……あの由美みたいになっちゃダメよ。あの人も自分の二の舞の人間は生み出したくないみたいだし」
僕「はい……」
常に定期考査の目標は60点以上の僕。その関係でテストは返却までがストレスになってしまうのだ。早弁やinゼリーもほぼそれが原因。由美ちゃんも高校時代3年間(2017 - 19年頃)は常にテストや課題の多さに卒倒し学校を休みがちでありながらテストでは及第点を取り続けて、大学も国公立現役合格だったとか。これじゃあ完全に僕の高校生活が不安だぁ……。
さて、店内ではシャンデリアがキラキラ輝く。そんな中でランジュ先輩はオーダーしてくれる。注文は決めていたから良しとしよう。
しばらくして注文の焼きそば、チャーハン、小籠包、海老餃子が届く。けっこう入るね。なんか昨日の早弁や昼のinゼリーと違って生きたような胃の感覚だ。
ビン「すごく美味しそうに食べてんじゃねえか」
僕「なんかここ来てからすごく入ってくんだよね」
ランジュ「でしょ?」
やっぱここ香港に来てよかったなぁ。
ごちそうさまでした。
次に向かった先はモンスターマンション。
ビン「こんなすげえ空間あったのか……」
僕「ここでパルクールも面白そうだけど……」
ビン「死ぬぞ?」
僕「はい……」
ランジュ「まあ、ナギもビンも無理は禁物ね」
僕「でしょうね」
写真だけ撮って、上石見チャンネルの方には上げておこう。
オクトパスカードを取り出し、改札にかざす。よし、入れた。
そしてやってきた車両はまさかのメトロキャメル電車。
僕「お、やった!!」
三菱製RCTチョッパ制御が特徴的。この車両も随時置き換えが進むから、今のうちに記録を進めよう。
それにしても5ドアはかなり印象深い。日本からは全滅しているからね。車内は台北捷運に近い雰囲気を感じるけど、ステンレス製の銀ピカの座席がヤケに無機質に思えた。
そして乗り換えた先は荃湾線。これだこれだ。またまた見かけたメトロキャメル電車。こちらはGECのGTOチョッパ車だ。
ランジュ「本当にナギがキラキラしているわね」
ビン「ナギは飛行機だけダメなんですよ。本当に」
ランジュ「むー……」
そしてさらに乗り換えは続く。美孚駅にて下車後、今度は屯馬線に乗り換える。
僕「今度はレールスターがいるような」
ビン「バカ言え。これはSP1900形。近畿車両で作られたから似てるけど実際は違うんだ」
主な車両はSP1900形。どことなく新幹線レールスターに似ているけど中身は5ドアの通勤型。そして何より140km/hで爆走するのだからどこぞの新快速も顔負けである。
僕「ついに見つけたぞ!!」
次に乗るのは軽鐵。
ビン「第3期の車両か」
僕「やったぁ!!」
今回やってきたのは第3期の単行車。IGBTインバータが特徴的なオーストラリア・ゴニナン製の電車だ。これ路面電車でも地下鉄でもない不思議な乗り物だね。乗り心地はまずまずなところで、三聖までの10分間も平気だった。
ランジュ「ここの見どころはこれよ!!」
ランジュ先輩に案内されたのは海鮮市場。
僕「生け簀がすごい……」
ランジュ「早速軽く食べる?」
ビン「いいんですか?」
ランジュ「無問題ラ。1匹くらい平気でしょ?」
2人揃って頷く。とりあえず僕は西澳龍蝦(ロブスター)、ビンくんはイカを選んだ。
調理法を選び、代金を支払う。なんか楽しみになってきたぞ。
僕「やったぁ!!」
ロブスター、イカともに炒めてもらいました。3人で分けて食べることにしよう。
ビン「やっぱりこのピリ辛がうめえな」
ランジュ「お酒はダメよ?」
ビン「危ない危ない……」
そりゃそうだ。ランジュ先輩はまだ17歳で、僕とビンくんも15歳。日本ではもちろんのこと、香港でも全員禁酒の年齢らしい。
それでもごちそうさまでした。
この後、もう一度軽鐵に乗り屯馬線、荃湾線を乗り継ぎ中環駅に戻ってきたのは18時10分過ぎ。軽鐵は中国・南京浦鎮の第4期電車で三菱製のIGBTインバータが特徴だったが、屯馬線はSP1900形、荃湾線はメトロキャメル電車と特筆すべきところがなかった。
そしてやってきたのはピークトラム。混んでいたけど何とかして18時45分頃の便に乗り込むことに成功した。
車両はレトロ調で、色は緑色。冷房はついていないから暑いけどここは我慢だ。
僕「トキメキ!!」
ビン「うるせえよ」チョップ
ランジュ「でもビンもキラキラしてるじゃない」
ビン「ランジュ先輩もからかわないでくださいよ」
僕「こういう時に限って素直になれよ……」
そりゃもう、2020年までは世界新三大夜景に数えられていた夜景なのだから、キラキラしたりときめいたりしないわけがない。本当にここに来て良かった。
ランジュ「あと、見せたいものはこれだけじゃないわ!!行くわよ!!」グイグイ
ビン・僕「え、ちょっと!!」
下山は19時50分頃。直後にまたダッシュして向かったのは文化広場。すると……
ランジュ「2人に見せたいのはこれよ!!シンフォニーオブライツ!!」
海の方で光のショーが始まっていた。
ランジュ「完全に2人ともうっとりしているわね」
ずっと釘付けだよこれは。日本で見られないショーだし。
僕「ビンくんはこの手のショーは見たことあるの?」
ビン「今年の1月ぐらいかな。キャナルシティ博多で似たようなのは見たんだよな。でもこれはその比じゃねえよ」
僕「だよね」
こうして無事、ショーが終わった。
ランジュ「さ、今日泊まるホテルに案内するわよ♪」
2人「ありがとうございます!!」
そして向かったのはスターフェリー乗り場。
ビン「え?こんなに簡単に船に!?」
ランジュ「そうよ」
僕「本当にすごいとこ来ちゃった……」
どこぞの桜島フェリーと同じじゃないか……。
ショーが終わっても夜景はキラキラ輝く。
ビン「そういえば明後日から学校でしたよね」
ランジュ「そのあたりも織り込み済みよ。もう帰りの飛行機は取ってあるわ」
僕「ありがとうございます!!」
そして乗ること7分、無事に対岸の九龍に到着した。
その後向かった先は1881ヘリテージ。
ランジュ「それじゃあ夜はお肉ね」
ビン「あれ?香港は中華だけじゃないのかな……?」
ランジュ「そうね。香港は1997年までイギリス領だったもの。洋食文化も素晴らしいものなのよ!!」
僕「そうと決まれば行きましょうか」
こうして3人で流れた先はStables Grill。もともとは厩舎だったものを改築したものだ。
とりあえずメニューを見てみると……
僕「これは食欲湧くぞ」
ステーキにピザ。ビンくんもヨダレ垂らしてんじゃねえか。メイちゃんに報告かもね。
注文はランジュ先輩がしてくれた。
全員「いただきます!!」
それにしても、さっき三聖で海鮮食べたのにやっぱり止まらない!!ステーキもピザもフライドポテトも最高だぁ!!
ランジュ「ところで2人とも」
ビン「どうしたんですかランジュ先輩?」
ランジュ「どうしてアタシが香港に先回りしたかわかる?」
僕「ただのツアーガイドやせりなちゃんの先を越したいだけではないということですかね?」
ランジュ「そうね」
ビン「なんだろうなぁ」
ランジュ「答え言うわね」
すると衝撃の回答がランジュ先輩から。
ランジュ「実は、香港では日本の外務省の渡航レベル1が出ているの」
あ、完全に失念していた。ビンくんも相当落ち込んでいる。
ランジュ「だから、地元民のこのランジュがいればボディガード代わりになれるでしょ?」
気付いたら僕やビンくんの目から涙が出ていた。
ランジュ「何泣いてるの?」
ビン「嬉しいんですよ……僕らのことを想ってここまで来てくれただなんて」ポロポロ
ランジュ「べ、別にナギやビンを守りたいとかそういうつもりは……あるんだけど……。ありがとね?」
なんか神妙な雰囲気になってしまったがごちそうさまでした。美味しかったなぁ。
その後、屯馬線の尖東駅まで歩き、そこから柯士甸駅まで乗る。さらに徒歩で向かった先はザ・リッツ・カールトン香港。チェックインはランジュ先輩が済ませてくれた。
僕「あれ?ランジュ先輩は実家に帰らなくていいんですか?」
ランジュ「ナギとビンを香港で見つけたってママに言ったら、旅行系の後輩たちをこの香港で逆エスコートしなきゃ勿体ないって話だったわ」
ビン「いや家族ぐるみだったー!!」
ランジュ「でもナギやビンをママに会わせるのはちょっと早いかもね☆」
ランジュ先輩はウインクしてくれた。これ、メロメロになるのも早いかも。
そんなこんなでこの日は部屋のバスルームでお風呂に入り、そのままお開きとなった。
ランジュ「おはよう、ナギ、ビン!!起きなさい!!」
7月6日は2人揃ってベッドをめくられ、朝が始まる。
僕「まだ眠い……」
ランジュ「もうっ!!2人とも下着が丸見えよ!!淡い紫や純白とか、完全に女の子ね」
僕「あれ……やっちゃった……」
ビン「ちょっと恥ずかしいです……」
ナイトウェアの下から下着が見えた状態になっていた。僕が紫着けていたのバレたな。さ、着替えよう。
僕「でも服がない……」
ランジュ「ナギの服はこれにしなさい」
僕「え、いいんですかこれ?ランジュ先輩のものな気が……」
ランジュ「予備として持ってきていたのよ。背丈も同じくらいだからおそらくハマるわよ」
僕「ありがとうございます……って、なんでビンくん結ヶ丘の制服持ってきてるの?」
ビン「万が一の事があった時、姉ちゃんが1着持っとけって話だったし、着る機会こういう時に作ればいいんじゃねえかって思ったからな〜」
ちなみにランジュ先輩から僕に渡されたのはいわゆる天使界隈と言われるスカートタイプのもの。完全にぴったりだ。替えのニーハイも白にして良かった。
ランジュ「これ、流れで買ってみたけどアタシが見てもかすみが見てもランジュには似合わないって話だったしあげるわよ。ナギだったら黒髪でも絶対似合うと思うから」
僕「ありがとうございます!!」
そして朝食も豪華にバイキング。普通にお粥とスクランブルエッグ、ソーセージとベーコン、サラダの組み合わせだ。絶対こういうの外しがないよ。
ごちそうさまでした。
歯を磨いてからのこと。ランジュ先輩が明らかに女物の水着を渡してくる。
僕「あれ?このホテルにプールって……?」
ランジュ「あるわよ」
ビン「あるんだ!?」
ランジュ「これ渡すから着てみなさい」
すごく可愛いデザインだ。とりあえず行ってみよう。
ランジュ先輩が選んでくれた水着は露出度の少ないワンピースタイプのもの。
ビン「なんかピッタリ……」
ランジュ「フフッ♪」
ランジュ先輩もビンくんも女物の水着を着用。そういえばビンくんフタナリだからどっちにしろ女物確定なんだよね。
さ、泳ぐか。それにしても朝から気持ちいいなぁ。ホテルニューアワジのプールとも異なる感覚だからね。ビンくんもランジュ先輩も溺れることはまずなかった。
ランジュ「最後にもう1つ、アタシのとっておきを見せてあげるわ」
そして九龍駅から東涌線に乗り、向かう先は東涌。ちなみに車両は少数派のロテム電車。三菱製のIGBTインバータも意外と多いよね。
そして向かった先はロープウェイ。
ビン「昂坪360?」
僕「あ、台湾で言う猫空だ」
ランジュ「ナギの言う通りね。ロープウェイは平気?」
僕「全然平気ですよ〜」
とりあえず乗っていこう。
ロープウェイ車内にて。
ビン「うわ、思い出した」
僕「どうしたのビンくん?」
ビン「姉ちゃんに連絡入れるの忘れてた」
僕「僕は姉ちゃんに入れていたから良かったけど……」
とりあえずLINEをお互い見てみよう。
ビン「あ、終わった」
ランジュ「どうしたのビン?」
ビン「ちょっとナギに見てもらいたいやつです」
するとビンくんのLINEには……
メイ『おいビン』
メイ『話がある』
メイ『帰りの飛行機わかったらすぐ連絡しろ』
メイ『成田か羽田の到着ロビーで待ってるからな』
メイ『絶対来いよ』
メイ『わかったか!!』
これは危ないぞ。
ビン「……帰りたくない」
僕「ちょっとビンくん!?」
ビン「これむちゃくちゃ叱られるぞ俺……」
ランジュ「全く……ビンも大変なのね……」
そしてロープウェイ下車後は少し観景台でゆっくりしてから麓に戻っていき、帰りのバスに乗る。何も食べずに終わったが、まあいいか。空港で小籠包食べればいいし。
T1到着は14時頃。そのままチェックイン先に向かう。帰りに乗るのは16時30分発、キャセイのCX542便だ。
ランジュ「とりあえず、クリスタルジェイドで軽く食べましょうよ」
僕「そうですね」
そしてランジュ先輩は焼き餃子、ビンくんはワンタンのラー油ソース、僕は小籠包を注文し、そのまま軽く食べる。
ごちそうさまでした。そのまま搭乗ゲートをくぐり、お土産を現金がなくなるまで爆買いしたら搭乗時刻になった。機材はB777-300だ。これは初めて乗るクラスの大きさだね。
僕の姉ちゃん(シオン)からLINEは『お土産待ってるよ』くらいしか来ていない。そこそこ安心できる。
ビン「それにしても爆買いしたな」
僕「まあね」
ランジュ「まあ、現金は全部使い切ったって歩夢も言っていたものね。あのときはロンドンからだったけど海外旅行では定番なのかもね」
搭乗後は15分遅れで離陸。機内食はというと……
ほぼコース料理。前菜にプレッツェル、メインに豚丼、そして何よりハーゲンダッツがついてくるのだ。
ビン「それにしてもビジネスクラスだったのが少し驚きでした」
ランジュ「え?ファーストのほうが良かったかしら?」
ビン「むしろエコノミー以外乗ったことないです」
ランジュ「全く……勿体ないわよ。特に飛行機ダメなナギはこうやって慣れないと。次はファーストクラスでも乗りましょうよ!!」
僕「いいんですか?ありがとうございます!!」
こうして2人で楽しく会話する中、ビンくんはただ1人、悲しそうに窓の景色を眺めながら機内食を完食後もジュースをちびりちびり飲んでいたのであった。
21:45、無事に羽田第3の到着ロビーに出ることに成功したが……
メイ「見つけたぞビン。この週末、飛行機ダメなナギをレベル1とか出てる香港に連れ回したのかお前」
メイちゃんに捕まった。
ビン「そうだけど。何かいけなかったことがあるのかよ?」
メイ「大有りだわ!!だいたいナギを連れ回したくせしてこの夏休み、広島調査を理由に夏合宿不参加だぁ?ふざけんな!!飛行機が苦手なナギのためにも責任者として同行するのがスジだろうが!!日程も21日帰国っぽいし広島調査は23日発、丸1日余裕あるだろ!!」
ビン「え……どこで知ったのそれ?」
メイ「万里から全部聞かせてもらったからな。あと私はもうスクールアイドルLiella!のメンバーだ。弟のお前に心配されるほどヤワじゃねえんだよ!!」
ビン「ひっ……ごめんなさい……」
メイ「そ・れ・に、お前、ホントは夏合宿も行きてえんだろ。私知ってるぞ?金曜以降暇つぶしに見ている動画が大抵レーティッシュ鉄道やミラノ地下鉄だってこと」
ビン「あれは普通に気になって調べてただけだ」
メイ「嘘つけ!!『乗りたい』って、顔に堂々と書いてあるじゃねえか!!」
ビンくんは何も言えなくなる。
メイ「私はこんなバイタリティがあるのに足踏みしているビンが見ていられねえんだ!!だから、夏合宿行きな。いいか!!次の木曜までに万里には伝えとくからな!!」
ビン「わかりました」
完全に説得されちゃったね。
メイ「さ、ナギもランジュ様も帰るぞ。ランジュ様、臆病野郎とうちのバカ弟に現地のガイドとしてついてもらってホント、ありがとうな」
ランジュ「もう!!メイったら!!///」
こうして今回の香港遠征は無事にお開きとなった。ちなみに帰路でメイちゃんから僕の飛行機ダメ要素も咎められました。
それでも今回のお土産分けが楽しみだ。いやぁ、レベル1でも行ってよかったね香港。
文字数が11000字を超えました。ここ最近実体験ベースでない旅ネタですら文字数がむちゃくちゃ跳ね上がるのだが。
あと外務省からレベル1とか香港行けねえじゃねえか真面目に……。次海外行くならシンガポール確定だな。
次回はドッキリネタ。ただしいつになるかはわかりません。
ちなみにせりなの卒業後の留学は中止とする方針に決めました。途中で突然留学ボツネタを入れます。代わりに多英子を留学させるかも。