ラブライブ! 鉄道ファンとスクールアイドルとなかまたち since 2024   作:松浦南北

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今回から8月回として実体験ネタを予定していましたが、いつも追っていたチャンネルが存続どころか生命の危機に一時的にさらされていたため、急遽書くことにしました。米女ビン目線での展開を予定。


【緊急特番・番外編】米女ビン存続の危機!! 知り合いの死の後を追う前に助けられるか……?

俺「……は?」

 

2024年11月末、俺のもとにさくら先輩からあまりにも悲しい通知が届いた。

 

 

 

なんと、杏奈先輩が17歳の若さで自ら命を絶ったのだ。原因はYouTubeのチャンネル登録者が伸び悩んでいたこと。これを聞いて思わず涙が溢れてしまった。こらえようにも、とどまることを知らない。

 

姉ちゃん「ちょっとビン、何泣いてるんだよ」

 

俺「ほっといてくれ……」ポロポロ

 

姉ちゃんを悲しませるわけには行かないし、何より姉ちゃんは杏奈先輩のことをそれほど知らないはずだから、このことを話すつもりはない。

そして、この日は土曜日だったため涙をずっと流したまま浜松に向かい杏奈先輩の葬儀に行った。お通夜の日もあまりの悲しさでホテルでは眠れず、葬儀が終わる頃には涙は枯れ、溢れなくなっていた。

 

それからというもの、俺は変わってしまった。笑顔などの表情が俺から完全に消えたのだ。

 

四季「ビン、笑って」

 

俺「嫌です」

 

 

万里「今から京王行かねえか?」

 

俺「行きたくないです。当面の間、部会も休ませていただきます」

 

 

姉ちゃん「ビン、ピザ食べねえか?」

 

俺「いりません。姉ちゃん1人で食べていてください」

 

こんな会話も日常的になった。大好きだった東北の鉄道も、乗ってみたい気持ちがいっぱいだった近鉄8A系も、今は写真を見るだけで涙が出そうだから心が受け付けない。鉄道ファンをやめる、いや、もっと超えて杏奈先輩のもとに行くしかない。

 

俺「待っててくださいね、杏奈先輩。もうすぐ行きますから」

 

12月7日、そう言って俺は紙を1枚取り出した。

 

俺「『地下鉄に乗って長い旅に出ます。探さないでください。米女ビン』……と」

 

姉ちゃんや四季、万里を悲しませることにはなるが、これで良い。そうやって遺書を置いて、俺は最低限の小銭を持って家を出た。

 

〜※〜

 

青山一丁目から大江戸線に乗り、勝どきで下車する。途中、シオンやせりなが乗ってきたらと思うとヒヤヒヤしたが、そんなことはなかった。それ以前に、地下鉄に乗るだけで心が苦しくなってしまう。

 

下車後は徒歩で晴海臨海公園に向かう。俺はこの東京の海に身を投げ、杏奈先輩のもとへ旅立つつもりだ。電車を見ただけで、電車に乗っただけで杏奈先輩を思い出して心が苦しくなるなら、本人のいるあの世へ行った方が良い。

 

俺「姉ちゃんも四季も万里も、それから虹ヶ咲の鉄道同好会のみんなも、短い間だったけど楽しかったよ……ありがとう」ポロポロ

 

そうつぶやき、海に身を投げるべく柵を飛び越えようとしたその時。

 

??「あれ?ビンくんじゃん」

 

俺「さくら先輩?」

 

さくら先輩がやってきた。

 

さくら「顔が硬いけど、スマイルスマイル」

 

俺「今、笑顔を作るのが嫌なんです。笑顔になった瞬間、心にまた深い穴が開く感じがしそうで……」

 

さくら「もしかして……杏奈くんのこと?」

 

俺「はい。そのせいで電車を見た瞬間に胸が苦しくなってしまうので、趣味どころか生活を維持することが困難になってしまったんです。それで彼のもとに行けば少しは気が楽になれるのではないかと思い、もうこの世を去ることにしていました」ポロポロ

 

さくら「ダメ!!」ウルウル

 

俺「えっ?」

 

さくら「さっきメイちゃんと万里くん、あと四季ちゃんから電話が来て、ものすごく泣いていたの。ここに私が来たのもそのため。GPSでビンくん監視して良かったよ……」

 

俺「ちょっと待ってください、いつつけたんですか?」

 

さくら「杏奈くんが死ぬ間際に言ってくれたの。おそらく自分が死んだらビンくんは狂っちゃうかもって。だから四季ちゃんに依頼して、愛用しているその腕時計につけてもらうことにしたんだ……」

 

俺「そんな……ごめんなさいさくら先輩!!」ポロポロ

 

さくら「わかってくれればいいの。とにかく、今の段階でビンくんは絶対にぜーったいに死なせないんだから!!杏奈くんだって、いきなりビンくんがお星さまの世界にやってきたら怒っちゃうかもよ!?」ポロポロ

 

俺「そんな……うわああああああん!!」ボロボロ

 

さくら「今は泣いていいから、とにかく死ぬのはやめよう?」ボロボロ

 

俺「はい……」ボロボロ

 

それから泣き止むまでさくら先輩の胸の中で涙を流し続けた。なんというか男なのに恥ずかしいな……。

 

〜※〜

 

そして、涙がまた枯れた頃に姉ちゃんや万里がやってきた。

 

姉ちゃん「ビンのバカ!!バカバカバカっ!!」

 

バチン!!

 

やってきてすぐに姉ちゃんに頭を叩かれた。

 

姉ちゃん「心配したんだぞ!?いきなりビンから笑顔やタメ口が消えたり、大好きなピザを食べようとしなかったり、電車を見に行くのすらやめたり、挙句の果てここ晴海埠頭から東京湾に飛び込もうとしたりで、ビンが私に何も話してくれなかったから、私、悔しかった!!寂しかった!!何より悲しかった!!」ポロポロ

 

俺「姉ちゃん……」

 

姉ちゃん「お願いだから……杏奈先輩の後を追おうとか、野暮ったいことを考えないでくれ!!そしてもっと……もっと姉ちゃんを頼ってくれ!!ビンが苦しむ顔は見たくねえんだよ!!」ポロポロ

 

俺「……うわあああああんごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」ポロポロ

 

万里「俺だって、よく見せてくれるビンの笑顔が好き。ビンがたくさん撮ってくれる東北の電車・ディーゼルカーの写真や動画が好き。たとえ杏奈先輩を失ったからとか言って後を追ったら、さくらさんの言った通り本人が怒って、現世に追い返されること間違いなしだぜ……?」ポロポロ

 

四季「私だって、あまり口では言いたくないけど、ビンが万里に限らず、みんなとわいわいやっている姿を見るだけで微笑ましく感じる。それなのに…それなのに……自ら海に飛び込もうとするだなんて……私が、私が一番許せない……!!他の誰よりもずっと、ビンを死なせたくない想いは、負けないんだから……!!」ポロポロ

 

俺「万里も四季もごめんなさいっ!!」

 

さくら「一件落着だね……」

 

亡くなった杏奈先輩は戻ってこない。それでも後を追うのをやめよう、杏奈先輩は俺の心の中ではちゃんと行きている。そう誓い、杏奈先輩の死を俺は真っ向から受け入れるのだった。

 

ついでに、杏奈先輩と初めて会った際に一緒に乗った大井川鐵道に二度と乗りに行かない、何度か出向いた静岡セノバにも行かないなんて、悲しいこともしないことに決めた。

 

俺「杏奈先輩……楽しい思い出をありがとうございました……。また大井川鐵道、乗りに行きますね……あと、静岡セノバにもまた、買い物に行きますよ……」

 

姉ちゃん「やっと受け入れてくれた……姉ちゃんは、弟の成長を見られたことは幸せだからな」

 

そして、5人で晴海埠頭から豊洲経由で地元神宮外苑近辺に帰着するのだった。

 

〜※〜

 

ただ、帰り道で……

 

四季「やっぱり、あの青山家の4人に次いで、ビンも守ってあげないといけないよね♥」

 

俺「どういうことだよ四季?」

 

姉ちゃん「文字通りの意味だぞ。私も鈴乃先輩やすずかと同じくらいに愛さねえと、ビンが今度こそお星さまになるかもしれねえからな」ハイライトオフ

 

俺「姉ちゃんまで暴走するんだ!?」

 

さくら「ナニイッテルノ、暴走ジャナイヨ?」ハイライトオフ

 

俺「さくら先輩もやめてください〜!!」

 

さくら「やめないよ〜?」

 

俺「万里も一言〜!!」

 

万里「自業自得。お前が死のうとした罰だから、大人しく受け入れなさい?」

 

俺「もうヤダ……」

 

全力で死を阻止した4人のうち女子の御三方が俺にヤンデレ化してしまったのはまた別の話。

 

ちなみに今回の件はシオンおよび中川生徒会長にもものすごく怒られました。まあ、後を追って自決しようだなんて、反省文案件になっても文句言えないもんな。

あと、由美も怒ってはいたけど自分が自殺未遂繰り返していたから何とも言えなかったとのことだ……。死の無限ループにつながることは、もうやめにしよう。




当初、12月以降神領杏奈さんを出さない予定でしたが、むしろ本話の投稿で自らが晴海に身投げしようと考えるなど本作の作者である私松浦が一時期末期となったため、番外編に変更しました。

次回こそ実体験ネタの予定。
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