ラブライブ! 鉄道ファンとスクールアイドルとなかまたち since 2024 作:松浦南北
今回は、諸般の事情で東山まなの本作初出演となります。
2024年9月8日朝、東京駅にて。
俺「またかよ……」
さくら「でも由美先輩、リベンジしたくないですか?」
俺「そりゃそうだけど……」
シオン「僕だって負けないんだからね」
比奈「由美が怯んでいる姿、見たくありませんよ」
俺「ごめんなさい……」
えいがさきを見終えた翌日、急に朝7時に名古屋の実家からここまで呼び出された。そして今回もまた、超過酷な企画が待っているようだ。
さて、さくらちゃんがシオン、比奈と自己紹介を済ませると……
菜々「おはようございます、青山さん、赤石さん、鳳来寺さん、澁川さん」
中川菜々ちゃんが現れた。
俺「菜々ちゃん!?おはよう。というよりまたゲームマスター…?」
菜々「今回のゲームマスターは中川ではありません」
比奈「どういうことですか?」
菜々「九谷さんと長堀さんが諸般の事情で抜けてしまったことと、本栖高等学校の方からゲストをお呼びしており、私一人ではゲームマスターを務めるのが困難と判断したため、新たにお呼びいたしました。それではまず本日のゲームマスターの方はこちらへどうぞ」
すると、ダークレッドの髪のお姉さんが現れた。
??「本日のゲームマスターを務めさせていただきます、翔ノ板学園3年の東山まなです。青山さん、赤石さん、澁川さん、鳳来寺さん、よろしくお願いいたします」
比奈「……」
さくら「比奈先輩黙ったままなんですけど……」
比奈「おそらくまだ許されるわけがないと……」
まな「ええ。この前の名古屋での叩き直しで許されると思ったら大間違いよ。パワハラは打ち切ったけど、比奈に対してはまだ怒りが湧いているもの」
シオン「ちょっとまな先輩、比奈に圧をかけるのはやめてください!!」
まな「いいえ、これは今回の企画ですべての責任を取らせるわ。比奈は怯んだら一生裏切りを許さないから」
比奈「わかりました……」
まな「それからあなたが青山さんね」
俺「そうですが……」
まな「中部高速鉄道代表およびうちの比奈の上司として、全力を出していただくわ。よろしくお願いいたしますね」
俺「望むところです」
ちなみに俺は22歳だが誰に対してもタメ口可の方針のため、この程度ではキレない。
まな「あと、鳳来寺さん、いえシオンも私が後押しした世界でどの程度の実力が発揮されるか、試すつもりよ。負けないように応援はするわ」
シオン「ありがとうございます」
菜々「さあ、よろしいですかね。それでは本栖高等学校のゲストの方もこちらへどうぞ」
続いて、本栖高校の2人がやってきた。篠ノ井れなちゃんと飯田あやねちゃんだ。
れな「青山さんお久しぶりです」
俺「元気そうでよかったです」
あやね「赤石さん、鳳来寺さん、澁川さん初めまして」
シオン・比奈・さくら「本日はよろしくお願いいたします」
菜々「それから私が中川菜々です。本日はよろしくお願いいたします。本栖高等学校2年・篠ノ井れなさん、飯田あやねさん」
れな・あやね「よろしくお願いします!!」
俺「えーっと……これで全員かな……?」
まな「全員で合っているわ」
どうやら今回の参加者全員揃ったみたいだ。
菜々「さあ、というわけで全員揃ったので今回のルール説明を始めます。今回の企画は『せつ菜ちゃん見たら即帰宅の旅』と題しまして、皆さんには条件付きで旅行対決をしていただきます」
まただ。前回ニジガク見たら即帰宅でやった身からすればあれは地獄だぞ。
菜々「詳細なルール行きますよ。1つ目は、旅である以上、旅自体を楽しんでいただくことというのが一番。これが1つ目です」
【1. 旅を楽しむこと】
まあ、当たり前だわな。
菜々「2つ目は、1回でも『優木せつ菜さん』が目やカメラに入ったら即帰宅、もとい名古屋市内の翔ノ板学園に強制送還、これで行きたいと思います」
【2. せつ菜ちゃん見たら即帰宅】
さくら「あのーすみません、今回はどこまでがアウトなんですか?」
菜々「今回は姿のほか、文字もアウトにする約束でしたよね」
まな「ええ。駅構内のデジタルサイネージとかでも見たら即終了のルールね。あとえいがさき公開からまだ経っていないから、Twitterにもそこそこ優木せつ菜さんの文字が入っているわ。これも見たら帰宅ね。ついでに優木せつ菜さん本人を見かけても帰宅にしましょうか」
菜々「わかりました」
これじゃあせつ菜ちゃんの居場所を聞き出すことは不可能じゃねえか……。
れな「ということは、『優木』の表札や、元A-RISEの優木あんじゅさんだったらどうするの?」
菜々「それはセーフといたしましょう。とにかく優木せつ菜さん関連のものがアウトなので」
あやね「わかりました!!」
菜々「そして3つ目は、公共交通機関を用いて名古屋駅に一番早くたどり着いた人が勝ちと致します」
【3. 公共交通のみで名古屋駅に向かう】
菜々「まあ新幹線や中部高速鉄道は、早いか安いかして、便利ですよ。ですが新幹線は優木さんを見ずにというのは厳しいと思いませんか?」
全員で頷く。
菜々「あと青山さん、御社の列車のモニターのデジタルサイネージにも虹ヶ咲が映りまくると伺いましたが……」
俺「これは本当の話です。弊社がスクールアイドルのスポンサーをやっていることから決定したものです」
まな「それなら優木せつ菜さんが映る可能性が高いわね」
俺「はい」
菜々「……と、まあ、この辺りも考慮した上で、名古屋駅に早く着いた順に順位を決めたいと思います」
あやね「じゃあ大手町くらいにしましょうよ」
まな「それだと歩いたら勝ちじゃない」
菜々「あと公共交通なのでレンタカー、自転車、タクシーは利用禁止で行きたいと思います。特に青山さん、唯一の免許持ちだからとはいえ借りたらダメですよ。まあ、公共交通のほうが様々な方が利用するため、その分優木さんが出てくる可能性はあるということです」
俺「中川会長の仰せの通りにさせていただきます」
まな「さあ、そろそろ10時ね。始めていきましょうか。それではスタート!!」
こうして俺たちの旅は始まった。
【比奈 side】
さあ始まりました。ただ問題は、LINEを使っていると侑あたりからせつ菜の画像が送られてくる可能性があるため、実質連絡もスマホも禁止ということになってしまいます。
……というより、デジタルサイネージもかなり危ないではありませんか……。まあ、えいがさき関連の広告は映らなかったからよしとして……。
では、どうやって名古屋まで行くかって?
……飛行機です。伊丹経由で、そこから近鉄特急の予定でした。ただ、問題なのはあのモノレールだとせつ菜の広告が大量に表示される可能性が高いことです。京急で行きましょう。
そうやってまずは10時09分発の品川行きに乗り込みます。籠原発のため、車両はE231系近郊型。当然……
私「LCDなしはすごく安心ですね……」
車内案内表示装置が3色LEDのため、リスクが低いです。デジタルサイネージがないことはありがたいものです。
そして品川には10時20分に到着。このまま京急線へと乗り換えていきましょう。
【比奈 side out】
【あやね side】
さあ、というわけで私が考えていることは……
私「このまま北陸新幹線で敦賀まで出ましょうか……でも、蓮ノ空が絡むとせつ菜さんで盛り上がりそうだから……」
北陸新幹線に乗ることです。だけど広告が怖いですよね……。
今隣にれなさんはいません。だから自力の判断が求められます。
私「まあでも、そんなに通過人員多くないからそっちに乗っていきましょう」
結局、北陸新幹線に乗ることに決めました。乗る列車は10時22分発のかがやき509号敦賀行き。これでぐいっと名古屋駅に近づけますね。
【あやね side out】
【シオン side】
さて……もうこうなったら、適当に中央快速線乗っていくかー。そう思い、ポケットからSuicaを取り出す。その時だった。
??「あら?シオンを見つけたわ」
僕「えーっと……あなたは……」
ランジュ「アタシ、鐘嵐珠よ。初めまして♪」
僕「鳳来寺シオンです。よろしくお願いします」
ランジュ「もう、よそよそしくならなくていいのに」
僕「ごめんなさい……」
なんと、中国系の少女、鐘嵐珠さんに出会ってしまった。
ランジュ「ところで、シオンはスクールアイドルって知ってる?」
僕「うちの学校虹ヶ咲の目玉だよね?」
ランジュ「そうよ。来月から虹ヶ咲に留学することにしたから、シオンよろしくね」
僕「ええええええっ!?」
そんなこと言われたら驚くでしょ。
ランジュ「それで、今シオンは何やってるのかしら?」
僕「せつ菜ちゃん見たら即帰宅というルールで旅行やってて……」
ランジュ「じゃあランジュが見せてあげるわね♪」
僕「ちょっ……待って……」
そう言ってランジュさんは僕に……なんと!!スマホでせつ菜の画像を見せてきた。
ランジュ「あら、いけなかったかしら?」
僕「ここでも見たらアウトなんです……」
ランジュ「もうっ!!先に言ってちょうだいよ!!……ところで、帰宅になったらどうなるのかしら?」
僕「名古屋駅まで強制送還だって」
ランジュ「じゃあランジュが連れてってあげるわね♪」
なんで開始数十分くらいで帰宅になっちゃうんだろうね……。
【れな side】
さて、あやねちゃんに聞くわけにもいかないから、自力救済しかないね……。
私「そうだ!!身延経由で行こう!!」
我らが本栖高等学校にはスクールアイドル文化がなく、キャンプ文化のほうが強い。だったらもう決まっている。特急ふじかわを使えばせつ菜ちゃんを見かけるリスクは低い。まずは熱海まで出ることにしよう。
とりあえずその前にまずは10時18分発の平塚行きに乗って、横浜まで出る。熱海行きがそんなにないから、じっくり行く作戦を使おう。
【れな side out】
【さくら side】
とりあえず、オーソドックスなルートを狙おう。普通に熱海方面狙うのが無難だと思う。浜松で杏奈くんからヒントをもらうのも手だよね。
だけど……
私「ヤダ……れな先輩と被っちゃった……」
10時18分発の平塚行きに乗ったら、れな先輩と同じ号車に被ってしまった。
れな「ん?さくらちゃんじゃん」
私「わあああ!!れな先輩!?」
れな「同じ車両だなんて、奇遇だね」
私「なんか恥ずかしいですよぉ……」
とりあえず、思い切って聞いてみよう。
私「ところで、れな先輩はどうやって名古屋駅に向かうつもりですか?」
れな「あら〜、それ聞いちゃう?」
私「やっぱりダメか……」
れな「もちろん、内緒。だけど横浜では降りようかなって思ってるんだけどね」
私「私と一緒ですね」
れな「まあ、横浜からは個人戦で行くよ」
私「はい!!」
横浜ってなったら……あの作戦に変更するか……。
【さくら side out】
俺「しかし参ったなぁ……」
俺は容赦なく10時18分の平塚行きに乗ってしまったが……。
俺「違う号車にれなちゃんとさくらちゃんいるもんな……しかもあの感じ、横浜で降りる気満々だ……」
乗るときに見てしまったのだ。ライバルが同じ列車に乗る瞬間を。
俺「そうだ、鎌倉か藤沢寄るか」
当然、俺は東海道本線乗り継ぎ以外考えていない。熱海より東にはLCDが来なくて、まなさんのいる東海様もニジガクコラボはやらないと思うため、これが一番無難としか思えないぞ。
ただ、ルートが被るとさすがに気が引けるから、大船や藤沢あたりで下車することに決めた。小田急江ノ島線や湘南モノレールも、おそらく楽しいかもしれない。それを信じて進んでいこう。
【比奈 side】
というわけで、道に迷いながら京急線のホームを発見いたしました。
さて、品川から乗るのは……
私「これにしましょう」
10時34分発の特急、羽田空港第一・第二ターミナル行き。車両は600形604Fです。インバータは三菱。車内にデジタルサイネージはついていません。
私「良かったです……」
車内広告にもせつ菜が入ったものは存在しません。このまま羽田までは安心ですね。
10:55の羽田到着後、乗る飛行機は12:30発の日本航空117便・伊丹行き。まずは早めに吉野家で牛丼1杯を食べてレッツゴーしましょう。
【比奈 side out】
【れな side】
10時48分に横浜下車後、さくらちゃんと2人で中華街を巡る。
ただ、一度時間を確認すると、身延駅に寄っていたらタイムリミットの名古屋駅20時00分には間に合わない。だったら作戦変更。特急あずさ・しなの経由で行くことにしよう。
さくら「王府井の焼き小龍包おいしい〜!!」
私「さくらちゃんの笑顔が見られて、私も幸せ」
そんな私とさくらちゃんは2人で焼き小龍包を食べ歩きしていた。先に穴だけ開けて汁を啜るとかやっていると、飛び散らずに済むしありがたいね。
私「そういえば身延経由だと、20時00分までに名古屋着けないって」
さくら「あ、じゃあ予定変更します……」
一言ぼそっと言っておいて良かった。これ守らないと私たちが明日学校を大遅刻する羽目になるからね。
【れな side out】
【比奈 side】
牛丼を食べ終え、障がい者割引のチケットを発券し、ここからが試練となります。保安検査に入ってからいきなりせつ菜の広告が視界に入って終わる可能性が高いためです。
さて、無事に保安検査を突破することができました。動く歩道でもう攻めましょう。
……って、少々お待ちください。
私「何故えいがさきの広告があるのですか!!」
そんなことありますか!?
私「ここまで完璧だったのに!!あーもうヤダ!!」
まさかこの場でえいがさきの広告がドカンと出てくるとは思いませんでした。終わりです……。
なお、このまま伊丹経由で名古屋まで強制送還になった私澁川比奈でありました。
【さくら side】
身延経由がダメなら、御殿場経由に切り替えよう。いずれにせよ浜松は絶対に立ち寄る。あそこは杏奈くんの様子を見る限り、結ヶ丘のほうが強そうだし、せつ菜先輩の影響力もそれほどではないと思う。
れな先輩と一度解散したあと、私は11時56分発の熱海行きに乗る。この路線、E233系もLCDないからせつ菜先輩も掲示されていないし、助かるよね。
私「えいがさきの広告なし!!せつ菜先輩が契約している広告もなし!!」
指差喚呼は欠かさない。
さて、ここから国府津までは安心……と思った矢先。
なんと、藤沢駅で由美先輩を見かけてしまった。
由美「どうしよう……さくらちゃんと一緒だ……」
私「誰かと一緒になるのはなんか不安です……」
由美「そりゃそうだ。まあ一言だけ言うと、沼津で千歌っちとダイヤには出会うな。あの2人、せつ菜ちゃんの話をすると止まらなくなって携帯の画像を否応なしに見せてくるからね」
私「ありがとうございます」
御殿場線が何となく不安だけど、まあ行ってみよう。
私「そういえば藤沢での活動教えてもらえませんか?」
由美「お昼だけ食べて小田急江ノ島線と江ノ電撮ってました。せつ菜ちゃんはいなかったよ」
私「あー……中華街にもいませんでしたからね……」
鉄オタとしては普通だった。あとせつ菜先輩見かけなかったのは良かった。まあ、このままゆるーく行こう。
国府津駅下車後は御殿場線に乗り換える。時間は11分だけで、ICカードの入出場とお手洗いだけで時間がつぶれた。
乗った列車は313系L4編成。2両編成だけど、転換クロスシートに乗れるから凄くありがたい。ただ、乗り換え時間は11分だけで、ICカードの入出場とお手洗いだけで時間がつぶれた。
さあ、2両目でインバーターサウンドを楽しみながら、沼津に向かっていくことにしよう。
【さくら side out】
【あやね side】
敦賀駅に無事到着。その間にせつ菜さんグッズを持った人とか乗ってこなくてよかったです……。
私「とりあえず、海鮮丼でもいただきましょう」
そう言って私は改札を出て、魚とごはんますよね敦賀駅前に立ち寄ります。
私「この海鮮丼も捨てがたいですよね」
2500円を超える出費、高校生にはかなり痛いものの、今回は一部が中部高速鉄道からの負担ですし、贅沢してもいいでしょう。
私「おいしい〜!!」
14時10分の特急しらさぎ出発までこの海鮮丼を堪能しましょう。
【あやね side out】
国府津でさくらちゃんと解散したあと、そのまま熱海から浜松行きに乗り換える。列車は313系のK8とW4。非LCD車は安心して乗れる。
俺「会いたかったよ300番台〜♥」
211系を潰すためにわざわざ名古屋地区の新快速を6両編成に減車までしてこちらに来てしまった300番台Y30…もといK編成に会えたのは何よりも嬉しい。
もちろん、このまま浜松まで直行。列車は13時33分、定刻通りに発車した。車内には、えいがさきやせつ菜ちゃんスポンサーの広告はないぞ。
まあ、沼津で千歌っちやダイヤは乗ってこなかったし、これで2時間半安泰だな。
【れな side】
さくらちゃんと別れたあと、八王子までは12時25分発の快速で向かう。横浜線のデジタルサイネージにもせつ菜ちゃんの姿はない。
私「フフッ、これで50分間安泰安泰♪」
新横浜でも町田でも、せつ菜ちゃんやそのグッズを持った人が乗ってくることはなかったから安心。今日はえいがさき3日目だけど、この辺りの人間にはあまり関係ないからね。
八王子下車後は13時29分のあずさ25号で塩尻までひとっ飛び。車内にせつ菜ちゃんの広告はないから安心した。
【れな side out】
【さくら side】
さて、沼津駅下車後に見回しても千歌先輩とダイヤ先輩の姿はない。魚がし鮨を買ったら直ちに静岡行きの普通列車に乗る。
乗ったのはなんと……
私「やったぁ315系だぁ!!」
315系と313系300番台の混成6連。私、これに乗りたかったの〜!!
私「杏奈くんに絶対に自慢しようっと♪」
そう言ってお寿司を頬張りながら列車は発車した。
そして富士駅にて、少し警戒すべきことが。
??「あら?赤石さんじゃない。れなちゃんから話は聞いていたわよ」
私「あなたたちは……」
女の子3人組が乗ってきて、私に話しかけてきた。
ゆうか「神領ゆうかです。よろしくね」
神領ゆうか先輩、速星なぎさ先輩、新在家しおり先輩。全員本栖高校の2年生で、れな先輩やあやね先輩と同じ「鉄クル」のメンバーだ。
私「なぎさ先輩たちはせつ菜先輩のグッズは持っていないですよね?」
しおり「持ってはいないわ。見たら帰宅なんでしょ?」
私「はい……」
なぎさ「でも鳳来寺さんや青山さんに負けるなんて嫌だよね?」
私「もちろんです」
ゆうか「だから、私たち、さくらちゃんに協力するわよ!!」
私「ありがとうございます」
3人も助っ人が来てくれれば、少し安心だね。
【さくら side out】
【あやね side】
海鮮丼はごちそうさまでした。さて、14時10分のしらさぎ58号で米原まで向かっていきます。長浜で乗ってくる人にせつ菜ちゃんやそのグッズを持った人はいなかったから安心ですね。
米原下車後は15時00分発の大垣行きで名古屋方面に向かっていきます。311系も残り少ないし、ちゃんと記録しましょう。
【あやね side out】
静岡駅でもせつ菜ちゃんやそのグッズを持った人は現れなかった。そしてやっぱり転換クロスは、名古屋民の俺としてはすごく落ち着く。
俺「このまま豊橋までゆるーく行けるといいな〜……」
そんなことを呟きながら、浜松駅に無事到着。直ちに乗り換えて豊橋に向かっていこう。次の列車は313系T12編成。はっきり言うが、俺はコイツがあまり好きではない!!オールロングでブレーキチョッパの音も聞けない虚しさ……。名古屋地区に追いやることだけはしないでほしいね。
そして我らが本社新居町駅を過ぎ、ほぼ愛知に突入。そして新所原を過ぎると完全に愛知だ。豊橋まで来たら名古屋までは1本だから、まあここで俺は勝ったも同然だな。
しかし、豊橋駅を16時39分に下車し、飲み物を補充すべくコンビニに立ち寄ると……
俺「ちょっと待っていやそんなことある!?」
なんと、ニジガクのクリアファイルを配布するキャンペーンをやっていて、その中にせつ菜ちゃんのものがあったのだ。
俺「どうも、ご無沙汰しております青山です」
嘘だろ本当に……まさかこんなところにいるとは思わなかったぞ。
俺「なんでブラックサンダーを買った景品がこんなところにあるねん。コンビニ覗かず自販機にすべきだったな……」
正直、これは名古屋でもやっているキャンペーンだ。油断したな。ついでに313系2500番台を侮蔑してバチが当たったぞ。あとブラックサンダーの製造元の方と虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会も提携結んでいたということか……。
【れな side】
塩尻下車後は駅蕎麦をいただく。特に鹿肉蕎麦はいつ来ても美味しいよね。
ごちそうさまでした。さて、16時03分のしなので名古屋駅まで向かっていこう。
私「フフッ、これで勝ったも同然」
乗車後もせつ菜ちゃんの広告はないから、あとはもう羽根を伸ばして楽にする。到着予定時刻は18時07分。8時間、結構長かった……。
【れな side out】
【さくら side】
静岡下車後は直ちに後続の浜松行きに乗り換える。乗った列車は313系のT7編成単独。15時33分静岡発で、16時44分までは安泰だね。
ゆうか「そういえばさくらちゃん、そちらの鉄道同好会はどんな感じ?」
私「部員は私含めて3人だけです。でも、虹ヶ咲学園の鈴木さあやちゃん、林梨海ちゃんと度々連携を組んでいるから、状況はスクールアイドル同好会より深刻じゃありませんね」
しおり「私たちの高校、スクールアイドル文化がなくてよかったわね……」
私「はい。巻き込まれはしませんけど、私たち鉄オタよりスクールアイドルのほうが迫害されている気がします……」
本音は生徒会長の葉月恋ちゃんのせいだなんて、言えないよぉ〜!!
そんなこんなで列車は山を越え、無事に16時44分、定刻通りに浜松に到着。その時だった。
??「さくら、会いに来たよ」
私「杏奈くん!?」
幼馴染の神領杏奈くんが割り込んできた。
ゆうか「知り合いかしら?」
私「幼馴染の神領杏奈くんです」
杏奈「神領杏奈と言います。浜松市の高校に通う2年生です」
私「杏奈くんは幼稚園のころからずっと優しくしてもらった、かけがえのないお兄さんみたいな存在なんです」
杏奈「そう言うと照れるね……」
ゆうか「私は神領ゆうか。本栖高校の2年生よ」
なぎさ「速星なぎさ。よろしくね」
しおり「同じく本栖高校2年の新在家しおりよ」
杏奈「よろしくお願いします、ゆうかさん、なぎささん、しおりさん」
自己紹介をまずは済ませた。
私「ところで杏奈くんはこれからどうする予定だったの?」
杏奈「さくらはせつ菜ちゃん見たら帰宅チャレンジやっているでしょ?それについていこうかなって思ったんだけど」
私「ゆうか先輩たちも問題ないですよね?」
ゆうか「もちろんよ」
ここから5人体制で、次の米原行き新快速で名古屋駅まで直行しよう。
〜※〜
17:00に発車後、雑談をしながら列車は進む。
杏奈「そういえばさくら、あの話していい?」
私「あの話って?」
杏奈「さくらになる前の話」
私「問題ないよ。いつかは話さなきゃって思ってたもん」
しおり「どういうこと?」
私「私が生まれたときなんですけど、桜桃って書いて『ちぇりぃ』って名前だったんです。でも、その名前のせいでクラスの皆どころか先輩からもいじめられて……そんな中でも杏奈くんは『さくら』って呼んでくれて私の心を救ってくれました。それから、15歳になったことをきっかけにひらがなで『さくら』を本名にしました。杏奈くんがあの頃いなかったら私、死んでいたかも……」
なぎさ「何言ってるの?」
私「えっ?」
なぎさ「私だってみんなと違うところがあった。私、先天性のフタナリでそのことでたまにいじめられて、他のみんなとお風呂に入ることすら控えていたんだ……。でも、そのことを鉄クルで明かしたら、ちゃんと理解してくれた。だからさくらちゃん、もっと自信持っていいんだからね!!」
私「なぎさ先輩ありがとうございます!!」
なぎさ先輩がフタナリだったことに私も驚いたけど、それ以上に自信を持って生き抜こうと誓ったのだった。
そして列車は何事もなく、名古屋駅へと向かっていく。名古屋駅は18時28分到着予定。長かったなぁ……。
【さくら side out】
【あやね side】
関ヶ原を抜けてしばらくすると大垣に到着。この時点で15時33分ですが、次の列車は15時41分。乗り換え時間は8分しかないから、ここは容赦なくダッシュします。
私「間に合った……」
名古屋到着予定は16時14分。おそらくみんな驚くかもしれませんね!!
【あやね side out】
19時00分過ぎ、翔ノ板学園にて。
菜々「皆さんお疲れ様でした」
まな「なんか人数が増えているけど、結果発表の時間ね」
菜々「はい。まず帰宅勢がいらっしゃると思われるので」
まな「いえ、さすがに皆さん旅行を多くされているから、帰宅になった人はいらっしゃらないと思うわ」
菜々「でしょうね。ただ、帰宅になった人は一応挙手をお願い致します。いないと思いますが」
すると……
俺、シオン、比奈が挙手をした。
まな「嘘……何てことなの……私の古くからの知り合い、いや愛知県全滅じゃない……!!」
菜々「この時点で青山さん、鳳来寺さん、澁川さんの1位はないということになりますね……。他の御三方はたどり着けましたか?」
他の3人は頷いた。
まな「それならまずは篠ノ井さん、名古屋駅到着時刻は?」
れな「私は18時07分でした」
菜々「ということは8時間くらいでしたね」
れな「そうなります」
さくら「あ、この時点で負けた……」
まな「それなら赤石さんは後でもいいわ。飯田さんから発表しましょう。それ次第で今回の旅行対決の優勝者が決まるわ」
あやね「はい。名古屋駅到着時刻は……16時14分!!」
なぎさ「早い!?」
菜々「そういうわけなので、優勝者は、本栖高等学校2年・飯田あやねさんでした」
全員で拍手を送る。
まな「ところで赤石さんは、名古屋駅到着時刻はいつだったの?」
さくら「18時28分です……御殿場・浜松周りをやっていたらちょっと遅れちゃいました……」
菜々「でも御三方とも、東海道新幹線を避けられて裏ルートで行かれたという点で、比較的時間がかかっていますね」
まな「ええ」
とりあえずここで一言言おう。
俺「ちょっと待ってください」
まな「青山さんどうしたのかしら?」
俺「僕も浜松周りでやってきました……」
まな「どういうことよ」
俺「豊橋で乗り換えの際に、飲み物補充のためにコンビニに立ち寄ったんですよ」
菜々「それは行くでしょうね」
俺「行きますよ。そうしたらこんなのがありまして」
俺はせつ菜ちゃんのクリアファイルを見せた。
菜々「アウトー!!帰宅です!!」
まな「虹ヶ咲学園とブラックサンダーのコラボね」
由美「はい。ブラックサンダーを1個買うとこういった虹ヶ咲学園のスクールアイドルキャラのクリアファイルが1枚ついてくるキャンペーンがあったのです」
菜々「ということは赤石さんは豊橋でコンビニに寄らなかったのですか?」
さくら「はい。もう浜松からぶっ通しで乗ってきました」
まな「ということは青山さんの帰宅の場所と距離はどちらかしら?」
俺「豊橋駅で、名古屋駅からは直線距離約64kmでした」
シオン「なんか少し遠いね……」
まな「その割にはシオンと比奈が落ち込んだままだけど……」
比奈「これよりもっと手前で帰宅になりました……」
シオン「僕もです……」
菜々「私は怒りませんから言ってみてください」
比奈「私から言います。帰宅は羽田空港。直線距離約267kmでした」
シオン「僕も言うね。帰宅は東京駅、直線距離約268kmでした」
全員「はぁ!?」
まな「……来週、お二人は勉強会への連行が必要そうね」
菜々「というわけで、改めまして今回の企画・優勝者は、飯田あやねさんでした。おめでとうございます」
改めて拍手を送る。
菜々「そして2位が篠ノ井れなさん、3位が赤石さくらさん、4位青山由美さん、5位澁川比奈さん、6位鳳来寺シオンさんということで……またリベンジしましょうね。それと優木さんの影響力の強さも身を持って感じましたね」
シオン・比奈「はい……」
まな「ところでいくらか聞きたいことがあって、まず鳳来寺さんと澁川さんが帰宅になった経緯を教えてもらえるかしら?」
シオン「はい。こちらの鐘嵐珠さんという方に捕まり、画像でせつ菜ちゃんを堂々と僕に見せてきたためです……」
ランジュ「鐘嵐珠です……シオンにこんなことさせてごめんなさい……」
菜々「まあ、不可抗力という情状酌量の余地がありますね……」
まな「そうね」
菜々「澁川さんは?」
比奈「はい。羽田空港内にえいがさきの広告が堂々と掲示されていました……」
まな「それは完全な作戦ミスよ。来週、比奈は翔ノ板の勉強会に参加すること。いいわね?」
比奈「わかりました……」
まな「それから、赤石さんの周囲にも人が増えているわね」
菜々「それは気になりました」
さくら「はい。富士駅と浜松駅で助っ人参戦してくれた方たちです」
れな「ゆうかちゃんも来ていたんだね」
ゆうか「うん」
菜々「お知り合いですか?」
あやね「3人は同じ本栖高等学校の鉄道研究サークルの仲間になります」
そしてこの3人の自己紹介を全員済ませた。
まな「もう1人の方は……?」
俺「もしかして……神領さんですか?」
??「松浦さんかな?」
確か俺の同業者の神領杏奈さんが、さくらちゃんの1つ上かつ幼馴染の少年だと聞いたことがある。
俺「今回、さくらちゃんをここまで運んできてくれたことに大変感謝致します」
杏奈「いえいえ」
菜々「ところで松浦さんって……」
杏奈「僕のYouTubeの同業者に松浦東西って人がいて、今回の件で青山由美さんだと正体を知った感じですね。申し遅れましたが僕は神領杏奈です」
俺「バレた(汗)」
まな「バレるわよ。YouTubeの松浦東西さんが青山由美さんという話は、鉄道業界でも知らない者がいないくらいのことだもの」
俺「でも神領さんに会えて僕は嬉しかったです」
杏奈「松浦さん、僕もです。あ、またビンくんと丹姫ちゃんに会ったらよろしく伝えておいてくださいね」
俺「わかりました」
まな「色々謎は解けたから、とりあえず篠ノ井さんと比奈だけ残ってもらってあとは解散にしましょうか」
菜々「それがいいですね」
俺「ちょっと待ってください!!」
菜々「なんか最後に青山さんが言いたそうな雰囲気していますが……」
俺「はい。明日から大学の鉄研の都合で青森の方に夏合宿に行くことになりました。動画は撮り溜めして、落ち着いたところで適宜放出していこうと思います。杏奈さん、楽しみにしていてください」
これは本当の話だ。最後、お台場に寄る計画もある。
杏奈「ありがとうございます」
まな「他に言いたいことはないわね?」
全員が頷く。
菜々「そういうわけなので、篠ノ井さんと澁川さんは残ってください。あとは解散で構いません」
れな「なんでー!?」
まな「来週の勉強会の連絡のためよ。成績不振と聞いた篠ノ井さんも強制的に参加してもらうわ」
れな「ゆうかちゃんも何か言ってよ!!」
ゆうか「頑張ってねれな♪」
れな「そんなぁ!!」
菜々「そういうわけで今回は終わり。お疲れ様でした〜!!」
まな「そういうわけだから、篠ノ井さんと比奈は生徒会室に行くわよ」
比奈「ちょっ……待っ……」
菜々「待ちません!!」
比奈・れな「いやああああああ!!」
こうして今回は解散となり、残留組を残して全員帰宅した。本栖高等学校の皆さんと神領杏奈さんに会えたのは良かったけど、もうこの手の企画に呼ばれたくはない。
え?比奈の勉強会?まあ、頑張りなさい。以上!!
文字数が12000字を超えました(おそらく6年半やってきた中で過去最多です)。6人分の名古屋までの旅程考えるの結構大変……。
次回は部会ネタで、前回扱った前世の話題の続き。更にその次はリクエストの予定です。