【○月×日/書き始め】
IS学園、入学おめでとうわたし。
というわけで、入学祝だと姉から貰ったポケットモバイル(色は青。姉にしてはまあまあ趣味がいい)に今日から日記をつけていこうかと思う。何事も熱しやすく冷めやすいな三日坊主常習犯なわたしなので、これもいつまで続くかはわからんけどね。ま、気が向くままに日記をしたためていこう。別に他の誰に見せるようなものでも無し、今日は空が青かった・・・とかでもいいのだ。
しっかし、まさかIS学園に入学できるとは思わなかったな。模試の結果はギリギリって感じだったから受かるかどうか怪しかったんだが。筆記はともかく面接とISを使ったテストの方は我ながら手ごたえありだったし、そこらへんで点を稼げたのだろう。
なにはともかく、来週には入学式だ。IS学園は全寮制らしいので住み慣れた我が家とも在学中の3年間はお別れということになる。寮生活かー。ルームメイトはどんな子になるんだろうか、付き合いのいい子だといいんだけど。
わたしは九頭竜哀歌。IS適性Aの将来メカニック志望の一般人だ。
【○月●日/世界で一人の男】
昼。ソファでゆったりしているとテレビで速報が流れた。なんでも男で唯一のIS適性持ちが現れたらしい。男のIS適性持ちねえ。確かにそれは一大ニュースだろう。なにせISというのは女性にしか反応しない、というのがこれまでの常識みたいなものだったわけだし。そこに降ってわいたような男が見つかれば、大騒ぎになるのもやむなしといったところだろう。
しかしなんだ、マスコミっていうのも気が早いと言いますかね。一人目が出てきた時点で世界で唯一の! とか見出し出しちゃうのはあまりにも早計過ぎると思うんですよね。これから二人目三人目の男性IS適性持ちが見つかるかもしれないっていうのに。ま、センセーショナルなワードで視聴者の興味を惹きつけるのがアレらのやり方だからね。それはまあいいでしょう(鬼畜メガネ)。
それよりも、だ。IS適性を持つというラッキーボーイは誰なんだろうか。早速気になってしまっているわたしもまた、マスコミに踊らされる視聴者の一人ってなわけさ。へへへ。そんなわたしの好奇心を満たすため、デリカシーもプライバシーもないマスコミ様は顔写真と名前をババン! と公表した。
もうね、顔写真と名前を見た瞬間に飲んでたミルクココアを吹き出しちまったよ。一緒にテレビ見てたアッネに汚い! と怒鳴られた。いや仕方ないでしょこれは情状酌量の余地ありってなもんですよ。
いやだってさ、マスコミが騒ぎ立てている渦中の人物、わたしの幼馴染みなんだぜ? イチカのやつ、地元の藍越高校だかを受けるって言ってたのになにがどうしてISの適性持ちの男ですってことになってんのさ。あーこれ、しばらくはお茶の間と井戸端会議の話題ひっきりなしになるだろうな。ネットなんかでも騒がれたりして。
昔の交友関係洗われてわたしのところにも何か来たりしないだろうな。そうなったら面倒だから部屋に籠るぞわたしは。どうせ来週にはIS学園なんだ、一週間くらいは籠城してやりますぜ!
【〇月◆日/マスコミ】
オリムラ宅の様子を見に行ってみたら、見事にマスコミの取材陣が張っていた。他にはスマホ片手にオリムラ宅を撮影している野次馬なんかもいる。こっちは今はやりのニャンチューバーとかだろうか。オリムラさーん! お話聞かせてくださーい! と声を張り上げているマスコミの辞書には近所迷惑の四文字はないらしい。
見つかるのも面倒なのでそっとその場を離れた。あんなやつらに囲まれるのはごめん被る。
【〇月▲日/よぉ、俺だぜ・・・】
電話が掛かって来たので出たら「よぉ、俺だぜ・・・」と新手のおれおれ詐欺みたいなのだったので即効切ってやった。そしたらすぐにまた同じ番号からの着信。内心面倒だなと思いながら出ると、「いきなり切るなよ、ただのジョークじゃねえかよ」との男の声。最近何にハマってるかすぐわかるけど、そのすぐに影響されるのやめた方がいいよゴタンダくん。
電話を掛けてきたのは知り合いの男、
なんであいつがIS適性あるんだとか、IS学園に入るんだろうなあ羨ましいぞ! とかそんな感じの愚痴っぽいありふれたことばかり。ちなみにゴタンダにIS適性は無かったらしい。あれから全国全世界で男性のIS適性持ちがいないか検査されるってやってたけどその後の続報がないってことは、つまりはそういうことなのだろうね。
イチカのやつは名実ともに男で唯一のIS適性持ちになったというわけだ。IS学園に入るかどうかはわたしにはわからないが、イチカのアッネは世界最強とも言われる織斑千冬だから、そうそう下手なことはしないだろう。たぶんきっとおそらく。
ゴタンダ「イチカのやつ、IS適性あるってことはIS学園に行くんだろ。くっそ羨ましい」
わたし「姉があのチフユさんだし、少なくとも研究所モルモットくんコースはないと思うけどね。知らんけど」
ゴタンダ「知らんのかい。あ、そういやアイカもIS学園入学するんだっけ? 入学おめっとさん」
わたし「ん。ありがとさん。IS学園でイチカに会ったら何か伝えたいこととかある? 今のうちに聞いておいてあげる」
ゴタンダ「そうだなあ。IS学園で可愛い子見つけたら俺にしょうかry」
プチッ。ツーツーツー。おや、電波状況があまりよくなかったようですな。ハハハ。
ゴタンダ、そんなだからいつまで経ってもモテの一つもないんだぞ。
【〇月<V日/校長先生のお話は短ければ短いほどいいとされています】
入 学 式 !
そう、入学式である。IS学園の。
モノレールって乗るの初めてだったから、ちょっとワクワクしたのはここだけの内緒だぞ。正門ゲートバカみたいにデカかったな・・・。屈強なガードマンもいたし。事前に送られてきたIDカードを使ってゲートに入るのはちょっとした近未来感。その先の敷地もまた広い。普通の学校のグラウンド何個分よってなくらいの広場で、遠くに見える白い眩い校舎も大きい。他にISの模擬戦やイベントに使うアリーナも何個もあるというのだから、敷地の広大さは想像できない。沖合の海上にデカい人工島丸々一つこさえてるだけはある。
それで入学式はつつがなく終わった。校長先生の話はそこそこに、生徒会長を名乗る青髪の女子生徒の話が気持ち長かったかなくらいで。すぐに自分の割り振られた教室へと移動。わたしは一年一組。席は後ろの方。
教室についてみれば、がやがやと騒がしかった。入学式終わったし、みんな狭き門なIS学園の入試パスしたという興奮やらなんやらで盛り上がっているだろうと思っていたけれど、どうやら違った。いるのだ、件の世界で唯一の男ことイチカが。なんか前列ど真ん中とかいう罰ゲームみたいな席で縮こまっていた。おもろ・・・こほん。周りはみんな女子だらけという環境にいきなり放り込まれて心細いのだろう。わかるよ(マリア様)。
世界で唯一の男というのはつまり世界で唯一の男なのだから、周りの女子たちもそんな人物が自分たちの教室にいて同じクラスメイトであるという事実に盛り上がっているのは理解できる。有名人みたいなもんだしな。しかも姉はあの
幼馴染のよしみとして助け船を出してもいいんだけど、女子に遠巻きに見られて縮こまっている姿がおもしろ・・・おもしろいのでしばらく眺めていることにする。鈍感ニブチンな男でも奇異の視線にさらされて居心地悪そうに小さくなることがあるのだな。
◆◇◆
事件です。事件。
朝のホームルームでのチフユショック(世界最強姉登場によるチフユさんとイチカの関係が暴露してちょっとした騒ぎになった)から三時限目の初め。来週に控えたクラス対抗戦なるものに出る代表者を決めるぞ、とチフユさんが突然言い出した。
クラスの代表者、そのまんまクラス代表を授業中に決めるのか・・・とは思ったもののクラスは既に代表者誰にする? と探り合いの状態に。探り合いと言うか牽制と言うか。私は嫌よあんたがやりなさいよ、と無言の圧が飛び交う一年一組。こういうのって面倒は多いけど実績作りと考えればやって損はないんじゃあないかと思うけどね。わたしはやらんけど。
ぽやっと眺めていたら、一人の女子がイチカを指名。後に続けと次々上がる上がるイチカ推しの声が。世界で唯一の男、イヤな方向にネームバリューが働いた結果か。もちろん当人はそんなのイヤだが!? と立ち上がるわけだが、そこにアッネことチフユさんの「自薦他薦は問わん。選ばれたのなら受け入れろ」とのキツイお言葉。力関係のハッキリしているオリムラ姉弟、アッネに言われてはもうどうしようもないね、とイチカが考えるのをやめようとした時、イギリス代表候補生だという金髪の少女(名前はセシリア)が異議あり! と立ち上がったのである。どうでもいいけど力いっぱい机を叩くと手が痛そう。
そこからはあれよあれよと売り言葉に買い言葉。ヒートアップする二人を前にしんと静まり返る教室。チフユさんは腕組みして見てるだけだし、副担任の人はあわあわして使い物にならない始末。しゃあねえ致命の一撃入る前に止めるか、と動くことに。
セシリア「大体文化としても―――」
わたし「はいはいそこまでそこまでストップストーップ。お二人さんそこまでにしておきなさいって。みんな困ってるでしょうが」
セシリア「なんですのあなたは! わたくしは今、そこの男と」
わたし「だから落ち着きなっていってるでしょ。そんなにカッカしてもまとまるもんもまとまらないし、進む話も進まないって。ここで君が吠えたところで君の印象が悪くなるだけだし、そんなに男が代表者になるのが気にいらないなら自分で立候補すればいい。そうすればほら、少なくとも候補者は二人になって即決は無くなる。いいですよね、オリムラセンセ?」
オリムラせんせー「ああ。自薦他薦を問わんと言った。他の連中に選ばれるのも、自分で候補者に名乗り出るのも構わん」
わたし「ほらね。それで、どうする? このまま男が代表なんてイヤだと言い続ける?」
セシリア「むぅ・・・で、ではわたくしセシリア・オルコットは立候補いたしますわ! そこの男―――」
イチカ「なあお前・・・アイカか? アイカだよな! お前もこの学園にいたのかよ! 声かけてくれても良かっただろ!」
わたし「今気づいたんか・・・。てか金髪さん無視してやるなよ震えてるじゃん」
イチカ「え? あ、悪い悪い。それでなんだって?」
セシリア「け、決闘! ですわ! クラス代表の座を賭けて、お二人に決闘を申し込みますわよ!」
イチカ「えっ?」
はぁっ!?「たわし」
おいこらふざけるなよこのパツキン!!!!!!!
通常(小説)パートいる?
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いる(鉄の意志)
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いらない(鋼の強さ)