咲いた花に止まれぬ蝶々   作:DAISAKU

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俺の胸ぐらを掴みながら、俺が初星学園を去った後の咲季について話す佑芽ちゃん。

そんな俺に、雨のように彼女の目から流れる雫がぽたぽたと落ちていた。

 

「私は......そんなお姉ちゃんに言いました。『自分の気持ちに素直になれ!!』と......だからお姉ちゃんは、あなたに素直な気持ちを伝えたんだと思います!......なのに、あなたは!!......いつまでお姉ちゃんから逃げ続けるのですか!?......いつまであなたは......咲いた花に止まれない蝶々のままなのですか!?」

 

「佑芽ちゃん......」

 

「いつまでも弱気なままでは先が見えない!!!......逃げるな!!!......お姉ちゃんと向き合え!!!......私が憧れた......初めてお姉ちゃん以外に尊敬していた人......しっかりしろ!!!......◯◯!!!!」

 

そう俺に言い放つと、佑芽ちゃんは俺を突き倒した。

 

「◯◯さん、あなたが今行くべき場所、臆病な蝶々が止まりに行く花は何処にあるのか、もう分かっていますよね?なら、早く行ってあげてください!!お願いします!!そうしてくれないと......私だって......辛いんです......臆病な蝶々でも止まってくれるような綺麗な花になれなかったこの私も......只々辛くなるだけなんです」

 

「佑芽ちゃん......分かった。俺はもう逃げないよ。ありがとう、佑芽ちゃん。それと......ごめん」

 

俺は佑芽ちゃんにそう伝えると、走ってその場を去った。

俺が帰るべき、あの花がいる場所へ・・・

 

「お姉ちゃんには最後まで敵わなかったな・・・やっぱりお姉ちゃんは凄いや・・・お姉ちゃん、◯◯さんと幸せになってね・・・だって二人は・・・あの頃から結ばれる運命だったんだから」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

〜10年前〜

 

「プロデューサーさんは、お姉ちゃんに・・・しちゃったのかも・・・禁断の恋を!!」

 

「は、はぁ〜っ!?なっ、なななななぁっ・・・!何言ってるのよぉっ!!あるわけないでしょ!そんなっ・・・バカな・・・こと////」

 

「そう言ってるけど、お姉ちゃんもまんざら嫌じゃないんでしょ?」

 

「い、嫌じゃないというか・・・何というか・・・」

 

「お姉ちゃんも、自信持たなきゃ駄目だよ。いいの?プロデューサーさんを他の子に盗られても。プロデューサーさん、男らしくてカッコいいから、私のクラスの子達からも人気あるんだよ」

 

「だ、駄目よ!!彼はわたしの!!っていうか、プロデューサーそんなに人気なの?」

 

「そうだよ!通り掛かりで重い荷物を持ってる子を助けてあげる程優しいし、先生達からの評判も凄く良いらしいよ。というか、今お姉ちゃん彼はわたしのって言った?ねぇ〜、言ったよね〜」

 

「ち、ちちちちちぃっ・・・違うわよ!彼はわたしのプロデューサーよ!わたしをトップアイドルにするって約束してるんだから、他の子には渡さないって意味よ!というか、わたしの事待たせる事が多いと思ったらそういう事だったのね」

 

「そうだ!プロデューサーさんに直接聞いてみようよ!おーい、プロデューサーさ〜ん!!」

 

「ちょっ、ちょっと、佑芽!!」

 

「どうした、佑芽ちゃん?何かあったか?」

 

「プロデューサーさんって、お姉ちゃんの事好きなんですか?」

 

「俺が咲季の事をか?好きだよ」

 

「「えっ?////」」

 

「どうした?二人共」

 

「い、いや、まさかそんなはっきり言うとは思わなかったので・・・」

 

「や、やめてよプロデューサー!!わ、分かってはいるけど、口に出されたら恥ずかしいというか////」

 

「だってそうだろ?俺は咲季が好きだから必ずトップアイドルになる夢を叶えてあげたいって思ってる。そういう事じゃないのか?」

 

「あ、ああ、そういう意味ですか・・・」

 

「何なのよこの気持ち!!あなた、わたしの気持ちを弄んだわね!!」

 

「弄んだ!?いやいや、何でそうなるんだよ!?」

 

「それにあなた聞いたけど、わたしのレッスンに度々遅れてくると思ったら、他の子の手助けをしてるんですってね!!あなたはわたしのプロデューサーなのよ!?分かってる!?」

 

「いや、それは重い物運んでる子や先生を助けたり、色々頼まれる事も多いからだよ!」

 

「あー、もう、大体あなたはいつもそうよ・・・」

 

◯◯と咲季が軽い口喧嘩をしている光景を見る佑芽。

 

「(何か面倒臭い事になっちゃったなぁ。だけど、お姉ちゃんとプロデューサーさん、やっぱり息も合ってるし仲良くていいなぁ。プロデューサーさんも、お姉ちゃんの事を異性としても意識してるんだろうなぁ・・・やっぱり、私が入り込む場所なんて無いや)」

 

 

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「はぁ、はぁ、咲季!!」

 

俺は息が切れる程走っていた。

俺は大馬鹿だ。

俺はずっと、咲季から逃げていたんだ。

あいつはずっと、俺の事を好きでいてくれていた。

あの頃からずっと・・・

 

「咲季!咲季!!咲季!!!!」

 

だけど、俺はまた逃げようとしていた。

気持ちに嘘をついていた。

本当は、あの時も咲季を連れて行きたかった。

お前がそれを望んでくれるなら。

だけど、俺にはそれが出来なかった。

お前には俺がいなくなってもアイドルを続けて欲しい。

トップアイドルになる夢を叶えて欲しい。

そう願う事が、お前のプロデューサーである俺が出来る唯一の役目だと思っていたから。

お前がアイドルを辞めたのも、全て俺の為だったんだな。

情けないプロデューサーでごめん。

逃げてばかりの弱虫でごめん。

お前への本当の気持ちを、押し殺していてごめん!!

俺は飛んで行くよ、ちっぽけだけど羽を一生懸命に広げた蝶々になって。

綺麗に咲いた花は、そんな蝶々を受け入れてくれるのかは分からないけど・・・

だけど、今なら何も怖くないし、綺麗に咲いた花に素直な気持ちを伝えたい。

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咲季、俺は・・・・・・君を愛している!!!!

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