何故か悪の組織でボスをしてます。助けてください。   作:あああああああ

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第1話

高校生というのは存外忙しい。朝の身支度をしながら思う。中学よりも付き合いが増えた。帰りにカラオケやゲーセンに行ったりファストフード店でだべったり。部活に勉強、委員会にバイト。俺はバイトはやっていないが、色々仕事があるので寝るのが深夜になる。そうすると、朝起きるのがめんどくなる。社会人も忙しいのだろうがやはり高校生もベクトルが違うだけで忙しいのだ。

 

「だから遅刻した俺は悪くないと思います」

 

「黙って反省文をかけ」

 

遅刻した俺は反省文を書かされていた。教卓の上に座っている不良教師と教室の窓側の席で欠伸をしている俺。茜色の光が教室の窓から差し込む。珍しく雨がやんでいた。珍しいのはそれだけじゃない。まだ梅雨が明けきっていないのにセミは愛を求め鳴きだしている。

 

「俺も恋を求めて街を走りだしたい気分ですよ」

 

「補導されるからやめとけ」

 

開いた窓から飛び込んでくる学生たちの叫び声。サッカーボールが蹴られる音。野球のバットがソフトボールを打つ音。テニスコートの音。何かを訴える下級生の女の子の甲高い叫び声。それらは日常という名のBGMだ。

 

「私服ならいけます。きっと」

 

「最近、物騒だからな。見回りが厳しいんだ」

 

はて見回り?何か事件でもあったっけ?

 

「先週渋谷で停電があっただろ?あと、死体が消えた殺人事件」

 

片方は知っている。

 

「死体が消えたって話初めて聞きましたね」

 

「あー、余計な不安を煽らない様にって口止めされてるんだったわ」

 

顎髭を生やしている不良教師は、明後日の方向を見ながら気まずそうに話す。 この学校は異能犯罪を防ぐために設立された、犯罪対策室と呼ばれる特殊な組織の人員を育てるための学校だ。もちろんそういったコースがあるというだけで、普通科も存在している。教師の間ではいろいろ話があるのだろう。普通話したらダメなやつだと思うんだけど口が軽い。

 

「もう聞いたので口止め料として全部話してください」

 

「………お前って変に図太いよなぁ」

 

呆れた様子でため息を付く男は目が死んでいる。

 

「二丁目の交差点でな死体が見つかったんだ。黒服の男。見つけたのは深夜に車を運転していたドライバーでな。通報の3分後に忽然と死体が姿を消したらしいんだ」

 

「実は生きてたとかじゃなくてですか?」

 

「あー俺もなぁ、そう思ったんだけどな。死体の写真を撮っていたみたいで見たら、ありえない死に方をしてたんだよなぁ」

 

「あり得ない死に方、ですか」

 

「なんつーか、内部から壊されたみたいな?そういう死に方だったんだ。異能だろうな」

 

詳しく聞こうとした瞬間五時を知らせる鐘の音が町全体に響く。

 

「反省文、書き終わったか?」

 

「………反省はしたんで見逃してほしいです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界には異能力というものは存在している。数百年前から突如、人類に発生した特殊な力。2人に1人が異能力を持っている。

 

しかし、意外なことに人類のあり方というのはそう変わらなかった。例えば、産業に劇的に影響を及ぼすような異能というのは稀であり、科学技術がいきなり進歩するといったようなことはなかった。代わりと言ってもなんだか、各地に発見されている遺跡と呼ばれる古い建造物に、時折、内包されているオーパーツから解析された技術により多少 特殊な技術が開発出されたりをした。

 

そして、そんな世界に転生した俺は特別何かをしようというつもりはあまりなかった。

 

確かに、かなり特殊な異能を持って生まれたのだが、漫画の主人公よろしく誰かと戦いたいわけではないし、世界各地に存在している異能関係の組織に所属、仕事をする気もない。

 

そのはずだった。

 

だが、数年前、俺は悪の組織のボスに祀りあげられてしまったのだ。その組織は、超1級の異能犯罪者たち8人で構成された秘密組織であり、その影響力は絶大。世間的には 、構成員も目的も、何もかも不明の組織と言われているが、俺も一体何を目的にしているのか知らない。

 

だって今さら聞けない!ボスである威厳をなくしたら殺されかねない犯罪者しかいない組織だぞ?俺は悪くはないはず。

 

俺はただ、3年前組織を作ったとある人物に、契約を持ちかけられ代理でボスをやっているにすぎない。

 

契約というのは3年間代わりに組織のボスになることで、報酬として莫大な金銭報酬を約束するというものだ。

 

姉の手術にまとまったお金が必要だった俺は、半分脅されつつ、それを承諾した。そして、ボスをやっているというわけだ。

 

俺は、構成員の前でも仮面をつけている。そのオーパーツである仮面のおかげで、正体がバレていないからすぐに足を洗う予定だ。

 

懸念があるとすれば、素顔を知っている少女がいること。しかし彼女は、創始者に弱みを握られているようなので最悪何とかなると思っている。

 

「マジでどうしてこうなったのか」

 

溜め息を一つ零してから、思い出したように靴を脱いで部屋に上がる。スマホでSNSを見遣りつつ、学習机の脇に鞄を引っ掛けた。

 

SNSには東京の渋谷で発生した大規模停電とそれに伴って完膚なきまでに破壊された異能犯罪対策室の支部についての記事が書かれている。

 

視線をもう一度後ろに向ける──そこには一人の少女がいた。家主は俺なのに目の前に女子がいる。それもとびきり可愛い、お伽噺に出てくるような気品溢れるお姫様だ。

 

ふわっと広がる銀色の髪、フローラルで甘くて柔らかい匂い。 しかし、問題はそこではない。問題は彼女こそがこの大規模停電の犯人である『リレヴェル』の幹部であることだ。

 

物珍しげに部屋の中を見渡していた寧々だったけれど、俺の様子がおかしいことに気付いたのか、こてんと不思議そうに首を傾げてみせた。

 

それから純白のソックスで綺麗な床を踏み締めて、遠慮なく俺との距離を詰めてくる。

 

「んー、と……」

 

吐息が感じられるくらいの至近距離で、サファイアの瞳が興味津々に俺を見つめて。

 

「っ……な、何だよ、寧々?」

 

「いえ。……もしかして、ドキドキしてますか?」

 

「!」

 

そよ風みたいに優しい声音が「ふふっ」と少しだけ悪戯っぽい色を帯びた。

 

「我がボスはかなり初心ですね」

 

「………何の用だ、寧々?不法侵入だからなこれ」

 

「あはは、面白いことを言いますね。30億の懸賞金を掛けられている天下の大罪人であるボスが法律を守れと?」

 

「………」

 

「スルーですか、あまり生意気だと食べたくなるですけど。まあ、いいですよ。報告のために来ましたから今日は許します」

 

食人でもするのだろうか。

 

「例の異能力者、見つかりましたよ。異能対策室からデータを盗んだ甲斐がありました☆」

 

「なるほどな………」

 

例の異能力者?だれそれ?何の報告?

 

「最近勢力を伸ばしているマフィアの研究室に隔離されているようで、手を出すなら戦争になりそうですね」

 

「………面倒だな」

 

「どうするかはボスに任せますよー。あ、ここまで来るのに汗かいたのでシャワー借りますね?」

 

「え?あ、おい!」

 

「覗いてもいいですけど、覚悟はしてくださいねー」

 

何故か誘うような一言を上目遣いと共に残してから、浴室の方へと消える寧々。しばらくすると微かにしゅるっと衣擦れの音が聞こえてきて、続けて風呂場に続く扉が開く音がする。追って鼓膜を撫でるのは、くぐもったシャワーの水音だ。

 

「本当に自由な女だな」

 

 

 

渋谷壊滅でワロタ。『ReRevel』強すぎんか?

1:名無しの目撃者

これもう無理だろ………渋谷支部壊滅したんだが?ワイしか無傷なのいないが?

 

2:名無しの異能力者

マジで大惨事なんだよな

 

3:名無しの異能力者

パスワード付きだけど掲示板に書いて消されない?機密情報だぞ?

 

4:名無しの異能力者

まーた、あの組織だよ

 

5:名無しの異能力者

なあ、都内の凄腕異能者7割りがいた支部だぞ。何で一人に手加減された上で全滅したんだよ

 

6:名無しの異能力者

手加減、死人0だからな

 

7:名無しの異能力者

流石、歌姫だな。今は20億首に掛けられてる

 

8:名無しの異能力者

室長が出るしかないだろ!

 

9:名無しの目撃者

消す側の人間壊滅したから大丈夫。みんないない。ヨシ!追跡班も5徹だからワイを捕まえる暇はないはず

 

10:名無しの異能力者

天使が行けばいいだろ。町は消えるが

 

11:名無しの異能力者

 

12:名無しの異能力者

それは笑えん

 

13:名無しの異能力者

 

14:名無しの異能力者

 

15:名無しの異能力者

 

16:名無しの異能力者

ヨシではない

 

17:名無しの目撃者

仮面で顔は見えなかったけど、かなり美少女だった

 

18:名無しの異能力者

旧世界最強を正面から倒した異能力者をリーダーにしている組織だからな………幹部もやばい

 

19:名無しの異能力者

歌姫?

 

20:名無しの異能力者

幹部のコードネームや

 

21:名無しの異能力者

何でや!わからんやん

 

22:名無しの目撃者

髪が綺麗な女は美少女だ、いい髪はいい土壌にしか生えないんだ!わかるか?わかれよ

 

23:名無しの異能力者

はい

 

24:名無しの異能力者

怖い

 

25:名無しの異能力者

えー

 

26:名無しの異能力者

全員仮面着けてるもんな

 

27:名無しの異能力者

よく、生き残ったな。何者や

 

28:名無しの異能力者

怖い

 

29:名無しの異能力者

今さら聞けないけど、教えてくれ。リレヴェルってどんな組織何だ?

 

30:名無しの異能力者

天使はマジで町が消える………

 

31:名無しの異能力者

 

32:名無しの異能力者

性癖やん

 

33:名無しの異能力者

わからなくはない

 

34:名無しの異能力者

>>29教えてやる!リレヴェルとは!3年前から活動が確認された非公認異能組織とされ、その活動目的、規模や構成員、異能力が全て不明の組織なのだ!ちなみに判明している構成員は5人。

微睡。旧世界最強を倒してロンドンを火の海にした黒コートの仮面。異能はおそらく斥力と引力の操作だな。他メンバーからボス呼びされていたので、リーダーと思われる。

歌姫。赤いドレスの仮面。おそらく幹部!世界各地で事件を起こしている。渋谷支部襲撃、ロシア国防省のデータ窃盗、研究会が保管するオーパーツを盗むなど

ハッカー。パーカーを着た仮面。おそらく幹部。異能は不明。6ヶ国から機密情報を抜き、ばらまく。異能組織5つを拠点リークで潰すなど。

爆弾狂。異能は血を爆発物に変えるもの。100を超える爆破テロの実行犯。

暗殺幼女。俺は幼女と叫びながらすべてを蹴散らす変質者。金属アーマーを纏っているので性別不明や。異能も不明。一晩で異能組織を3つ壊滅した化物。

 

35:名無しの異能力者

>>29

素人やん

 

36:名無しの異能力者

サンクス

 

37:名無しの異能力者

優しい世界だ

 

38:名無しの異能力者

優しいなー

 

39:名無しの異能力者

暗殺幼女のインパクトよ

 

40:名無しの異能力者

何度見ても狂ってる

 

41:名無しの異能力者

異能は不明とか言いつつ、推測はされてるし、何なら確定してるやつは爆弾狂だけ

 

42:名無しの異能力者

これ

 

43:名無しの異能力者

なにもんや?

 

44:名無しの異能力者

>>9あれ?生き残ったのって例の学生異能力者?

 

45:名無しの異能力者

おっと

 

46:名無しの異能力者

あっ

 

47:名無しの目撃者

ばれてますね!何を隠そうワイこそ天才美女異能力者、雫ちゃんだ!ちなみに学業不振で補習に呼ばれて支部に駆けつけるのが遅れました。

 

48:名無しの異能力者

 

 

49:名無しの異能力者

 

 

50:名無しの異能力者

早く、勉強しろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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