魔法少女にはなりません ~転生したらアズールだった件~   作:月想

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オーバーロードエノルメ。なんちって(爆)

気付けばお気に入り400超えてしまいました。
感想も評価も頂けて、私は幸せ者です。
本当に毎度ありがとうございます!!

というわけで、みんな気になるあの人のお話。
感想欄ではすでに気付いている方がいらっしゃいましたが、ネタバラシになります。
色々と原作でも説明されてない部分が多いあの二人。
今回は想像が多分に含まれてますので、後々原作で言及があれば修正がはいるかもしれません。
予めご了承お願います。


『オーバー・ロード』

私には妹がいる。

 

勉強も運動神経も並程度で、両親の影響を受けたのか、好きなものは所謂オタク趣味。

私とは正反対の妹だ。

 

年は3つしか違わなくて、子どもの時は一緒に遊んだり、アニメを見たりしていたと思う。

でも、成長するに連れて関わる時間が減っていき、朝や夜に食事をするくらいしか会話の機会もなくなっていた。

 

私は昔からスポーツが得意で、子どもの頃から高校まで剣道を続けていた。

全国大会で優勝もしたし、勉強だって学年トップだったし。

ついでに生徒会長なんかも務め上げた。

顔もスタイルも良くて、告白された回数は片手じゃ足りない。

 

私は生まれた時から恵まれていて、欲しいものは何でも手に入れてきた。

...ああ、いや。

別に我が儘放題だったわけでなく、常識の範囲内だが。

 

幸せだった。

大学生活も順風満帆だろうし、これからの人生も上手くいくに決まってる。

 

そんな完璧な私の妹が、『病気』になった。

 

私が高校三年生になった頃だ。

現在の医療では治療法が確立されていない、所謂"不治"の病だそうだ。

 

母さんと父さんはずっと泣いていたし、あの子の心情なんて想像するまでもなかった。

 

別に、あの子と特段仲がよかったわけじゃない。

さっきも言ったが、最近はまったく話もしていなかったし。

たまに会うと気まずそうに愛想笑いを浮かべるだけのあの子が、少し苦手だった。

 

でも、確かに空いた"孔"があった。

私は妹を失う。

すべてを手に入れてきた私が、初めて失うのがあの子だった。

 

受験だから?生徒会の引き継ぎや、最後の全国大会で忙しいから?

 

私は入院した妹を見舞うこともせず、ただ自分のことに没頭した。

あんなに好きだったアニメを見れない程に落ち込んだ両親を無視して、

私は自分の、自分だけの幸せを満喫した。

 

そうして無事大学に進学し、充実した大学生活を送っていたある日。

ふと、あの子の誕生日が近いことを思い出した。

時間が経って気持ちに整理が付いたのか、久しぶりにお見舞いをしようと思い立った。

 

「お、お姉ちゃん...?」

 

信じられないモノを見た。と言わんばかりの表情。

まあ、ずっと顔を見せなかった私が悪いんだし、気にはならなかった。

痩せてはいたが表情は明るく、意外と元気そうだ。

 

「漫画を読んでたの?」

「!?こ、これはちがくてっ...!いつもはもっと女の子らしいのを見てて!これは、先生が無理矢理...!?」

 

大慌てで隠した漫画の背表紙には

『魔法少女にあこがれて』というタイトルが見えた。

魔法少女は女の子っぽいと思うが、そんなにいかがわしい内容なのだろうか。

 

「好きなの?」

「え...ぁ...うん...///」

「どういう話なのか、教えてくれる?」

「え!?...う、うんっ。」

 

そう躊躇いながら話してくれる内容より、それを話しながら笑うあの子の姿が記憶に残った。

顔は私に似て美人なのだ。

花のようなんて恥ずかしい比喩が出そうなほど、好きなものを語るあの子の顔は輝いて見えて。

噂の先生の話をしてる時なんて、乙女そのもので面白かった。

 

話していて分かった。

私は嫌われていたわけじゃなくて、ただ"どう接したらいいか"分からなかったのだ。

...私と、同じだったのだ。

 

私は、妹と向き合うことにした。

もしかしたらひょっこり治ってしまうかもと、淡い期待などもありつつ。

ただ、出来なかった分の埋め合わせをしたかった。

誕生日になったら、サプライズでプレゼントを持って来ようと思った。

 

家に帰り、先ほどの漫画を検索する。

どうやらアニメがあるらしい。

サブスクで探し、一応全部視聴した。

 

......何というか、かなり卑猥な感じだった。

あの子から聞いた話と大分違うというか、かなりオブラートに包んでいたことが分かった。

 

でも、いいところはある。

このくらいはっちゃけていると、落ち込んでいる時は笑えていいかもしれない。

ただ最後のラスボス?が始末されるシーン。

急に辛辣というか、敵ならそんな雑に処理していいのかと不満ではあった。

シスタもそのラスボス的な人といい感じの仲だと思ってたのに、そのシスタに始末されるし。

シスタは可愛くて好きだったので、そこそこショックだった。

 

感想はともかく。

これで次は会話に困らなくて済むだろう。

誕生日プレゼントは何にしよう?

大学に入ってアルバイトもしているし、お高めのプレゼントをあげようと思った。

Ama○onでフィギュア付きのBlu-rayが売っていたので、それにした。

結構な値段だったが、きっと喜んでくれると思った。

 

誕生日まであと一週間。

街を歩いていた私は、書店である本を見つけた。

 

『魔法少女にあこがれて 11巻』

 

新発売らしい。

新発売ということは、あの病院で手に入れるのはまだ難しいだろう。

あの子が喜ぶだろうと思って、つい買ってしまった。

誕生日も近いし、まとめてあげればいい。

 

だけど、我慢出来なった。

私があの子を喜ばせたことなんて、今まで一度もなかったから。

 

駆け足気味で病院へ向かう。

またあの笑顔を見せて欲しくて。

あの笑顔を、私に向けて欲しくて。

 

「ありがと、べーぜちゃん...。」

 

そんなか細い声が、部屋の中から聞こえた気がして。

誰かいるのかな?と、遠慮がちに扉を開ける。

 

「ま、また来ちゃった。あのね、こないだあなたが読んでいた漫画の、最新刊があったの。私も欲しい本があったからついでにね。だからこれ、あなたに...」

 

耳に響く、不快なブザー音。

床に落ちた漫画と、力無く投げ出された腕。

涙の通り跡が見える、笑顔のまま固まった白い顔。

 

私は漫画を取り落とす。

彼女が最期に読んでいたのと、同じ漫画を。

 

 

私の妹が、死んだ。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「っ...?」

 

閉じていた瞼を開いて、自分が眠っていたことを悟る。

段々と生じる違和感。

確か私は病院の椅子で眠ってしまって。

だから、こんな狭い()()()()()()()()()()()()

誘拐?そんな不安もそこそこに、自分の背丈や顔が違うことに気付く。

 

「だ、誰...?」

 

長い黒髪に吊り気味の目尻。

美人は美人だが少し威圧感のある顔。

しかも、何だか声まで威厳があるというか。

まるで声優さんが声を当てているような美声だ。

 

「いや、こんな状況で自画自賛とか頭おかしいの?...って、この場合"自分"を褒めてることになるわけ...?」

 

意味が、分からない。

ある日突然目が覚めたら別人になっていた?

ふふっ、あり得ない。

 

夢だと判断し、二度寝を決め込む私。

 

再び目覚めた私を待っていたのは元いた病室ではなく、ひどい空腹感と寝すぎたことによる頭痛だけ。

 

最悪の気分だった。

 

「はぁ...。何なのよ、いったい...。」

 

家に何も食べる物がなく、仕方なく外へ出てみる。

知らない街並みだが、別に異世界染みた違和感もない。

ただ、吉野家が吉田家だったり、なんかパチモンみたいな名前の店ばかりだ。

 

「この人、人生設計大丈夫なのかな...?」

 

財布には1362円。

クレジットカードの類いも見当たらない。

部屋も質素だったし、そもそも生きていけるのかこれ。

 

「ふ、不幸だ...。」

 

仕方なく吉野家ならぬ吉田家の牛丼(あるよね?)にしようと店に近づく。

 

「待っていたよ、田中みち子。」

「...。」

 

何だか見覚えのある、黒いぬいぐるみ。

ふよふよと浮かんでいるように見える。

 

「すごい。吊り糸が見えない。最近の飾り付けは進んでいるな。」

「待っていたんだけど。田中みち子。」

 

感心しつつ店内に入ろうとするが、どこからかたぶん、女性を呼ぶ声が聞こえる。

田中みち子って...。

おばあちゃんみたいな名前。

郁代よりひどい。

 

「キミのことだよ。田中みち子。」

「はい?」

 

マスコットが私の方に"向く"。

三秒ほど思考停止したのち、私は素寒貧の財布から保険証を取り出す。

 

「田中、みち子...。」

「やあ、田中みち子。」

 

私が、おばあちゃんでした...。

 

「何だこの適当に付けた名前はっ!?名字が田中なら尚更名前は重要だろうがっ!!みち子ってなんだみち子って...!!ひらがなぁ!?」

「...まあ、元気を出しなよ。みち子。」

 

地団駄を踏んで暴れる私を慰める謎のぬいぐるみ。

どこからか"星"型のおもちゃを取り出し、項垂れた頭にあてがわれる。

 

「はい、トランスマジア。」

「は?」

 

輝きを放つ私の体。

何か、体に流れ込んで来る感覚。

溺れた後みたいに苦しくて、思わず呼吸を激しくするように()()()()()()()()()()()

目を開くと、服装が軍服のような、白いコスプレ染みたモノに変わっていた。

 

「な、何これ...?」

「田中みち子。キミには才能がある。ボクたちを導いて欲しい。悪の組織の"(ロード)"として。」

 

閉店したお店の前のショーウィンドウに映る姿を確認する。

 

「ロードエノルメだこれぇぇぇ!?!?」

「いい名前だね。今考えたのかい?」

 

試みに見た妹の好きな漫画、そのアニメ。

そこで残念な最期を迎える敵キャラ。

私の姿はその、"ロードエノルメそのもの"だった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「ロードさまぁ。できましたよぉ。」

「ああ。ご苦労。」

 

ホテルの一室で冷凍食品の皿が目の前に並ぶ。

運んでくるのは垂れ目が可愛い、包容力があるようでミステリアスな美人さん。

 

「いつもすまないな。シスタギガント。」

「...いいえ。ロード様を支えるのが私の役目ですからぁ...。」

 

"私服"姿のシスタギガント。

『魔法少女狩り』を共に行っている、ビジネス的な意味でのパートナーだ。

 

移動についてはゲートを利用している為、別にわざわざ宿泊する必要はないのだが、たまに土日が重なった時にこうして泊まることがあった。

大体はあの中学生コンビのせいだ。

 

「シスタ。毎回言ってはいるが、戦う時以外は私を気にする必要はない。ロコムジカもルベルブルーメも、観光を楽しんでいると聞く。お前も休め。認識阻害は少量でも魔力を消費する。」

 

私とシスタはお互いの正体を知らない。

流石にホテル内で変身しているわけにもいかないので、認識阻害だけ付けて姿は私服のままだ。

私もシスタもその程度の魔力消費はそこまで問題じゃないが、心は別だ。

私と四六時中一緒では気が休まらないだろうと、彼女には日中は好きに過ごすように言ってあるのだが。

 

「ロード様はぁ...私が一緒だと嫌なんですかぁ...?悲しいですぅ。」

「いや、そういう意味ではないのだが。」

 

彼女は後に私を"殺す"。

だが、だからと言って、私は彼女を恐れてはいない。

あれはベーゼに敗北した後の話だし、いざというときは彼女から()()()()()()()()ことが可能だ。

 

私が原作通りヴェナに従っているのには理由がある。

本当はすぐに始末してやりたかったが、そこまで私は馬鹿じゃない。

どうせ黒幕で、凄まじいチート能力を持っているに違いないのだから。

 

ならばどうするか。

答えは簡単。"強く"なればいい。

ベーゼより、シスタより。ヴェナさえも超えるほどの『最強』。

 

私には能力があった。

相手の"魔力を吸い取り、自分の力として蓄える"能力だ。

初めて変身した時、ヴェナからの魔力を、彼?の想定より()()()吸収できたことから気付いた。

 

この力があれば、理論上私はどこまでも強くなれる。

だから『魔法少女狩り』という名の"レベリング"を続けているというわけだ。

多くの魔法少女たちの絶望を、涙を見た。

だが私は止まらない。

 

強くなって、私はこの世界で生き残る。

私が『この世界』にいるのには理由がある。

必ずあるはずだ。

 

あの子の愛した世界だぞ。

何故、()()()()()()()()()()()()()()()()()

私は死んだ覚えはない。

きっと元の世界ではスヤスヤと眠りについていることだろう。

なら、何故こんなことが起こった。

奇跡は、あの子にこそ相応しいのに。

 

神の悪戯だと言うのなら、その神を絶対に逃がしはしない。

魔法少女を制し、ベーゼを制し。

ヴェナリータを出し抜き、世界を統べる。

やがて神をも御して、私は全てを手に入れる。

 

そして、いつか。必ずあの子に救いを。

因果すら覆す奇跡の魔法とやらを、あの子にプレゼントしてみせる。

 

その為になら私は。

 

本物の"魔王"にだってなってみせる。

 

「お口にあいませんでしたかぁ...?」

「...いや、美味だ。少し考えごとをしていてな。」

「そうですかぁ...。」

 

シスタは無音が気になったのか、テレビを点けてチャンネルを変えていく。

やがて、音楽番組を見つけると手を止め、静かに視聴し始めた。

 

「好き、なのか?」

「...ほどほどですがぁ。」

 

意外な趣味に内心驚くが、これ以上詮索するのはよくない。

私はまた黙々と食事を続けていたが、ふと "MCの女性"が気になって考えなしに口を開いてしまう。

 

「美しい女だな。」

「へぇっ!?///」

「ああ、いや。すまない。芸能人なら当たり前のことだったな。」 

「い、いえぇ...///」

 

今のは王様というか、ただのスケベなおじさんみたいだったかも。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「残念だ。貴様らはさぞ有用な駒になったであろう。」

「は...?」

 

ヴェナからの連絡で聞いてはいたが、これはあまりにも予想外だ。

()()()()()()()()()()

しかも、代わりと思われるあのルシファアズールとか言う女。

あれは恐らく"マジアアズール"なのだろう。

トレスマジアにアズールがいないことは前々から気になっていたのだ。

まさか、エノルミータ側にいるとは。

 

「アズールと言ったな?貴様は特に惜しい。それだけの力を持ちながら、やることが"ベーゼ"の真似事とはな。」

「...っ!?」

 

カマをかけてみるものだ。

この反応、この世界では知るはずのない"ベーゼ"を知る者。

こいつ、転生者で間違いない。

 

「敵意はよく隠すことだ。恐れが見えるぞ?『マジアアズール』。」

「っ!!」

 

()()だな。

そう思い殺意を込めたことで、私の運命は大きく変化してしまった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「ロード様ぁ。ロコムジカとルベルブルーメがぁ...裏切ったようですぅ。」

「...。」

 

こうなることは分かっていたが。

どこかで期待していた。

力を与えたロコムジカとルベルブルーメが奴らを打倒してくれることを。

だが、現実は非常だ。

二人は負け、当然のように裏切った。

これが"運命"というものか。

 

「悲しいですぅ...。あの二人もぉ...ロード様の偉大さを理解出来ないなんてぇ。」

「元より理解など不要。あれだけの力を以てしても、運命は変わらぬか。」

 

だが、それがどうした。

私は死ねない。私は勝つ。

その邪魔をするのなら、誰だろうと容赦はしない。

 

「ロード様ぁ...?」

「シスタ。お前の腹の内は、事ここに至っても、未だ分からぬままだ。」

「...私はただ、ロード様の理想に従うのみですぅ。」

 

嘘つきめ。

私のことなど、路傍の石ほどにも興味がないだろうに。

そう思った。そう、思ったのだけど。

 

存外、彼女が側にいてくれるのが心地よかった。

だから、敵だと分かっていても。

 

「お前はお前の道を往くがいい。だが、もしまだ私を、価値ある者と見定めるのならば。我が覇道に殉じることを許そう。」

「......。」

 

"一緒に来て欲しい"と言ってしまった。

シスタは無言で、私に付き従う。

これは私の弱さだと思いつつ、嘘を口にする。

嘘というより、この場合は"願い"だろうか。

 

「そうか。...ならばよい。()()()()()()()()、シスタギガント。」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「ふふっ...ごっこ遊びをしているのはどちらかしら...。世界征服なんて、子どもみたいな野望を掲げて。そんな理由であなたは、ルベルを殺したわけ...?」

 

「...。」

 

「気に入らない...気に入らないわねぇっ!

いつもいつも高いところから見下ろしてっ!空に輝くお星さまのつもりなのかしらぁ...!?ひとつ、ふたぁ~つ...!その目障りな光、潰して砕いて弄んでっ!!地に転がる糞の仲間にしてあげるわ...!!」

 

星、星か。

私はやっぱり、あの子を見下ろしていて。

あの子はそれを、苦々しく見上げていたのかもしれない。

そんな感傷が、ここにあった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「終わりだと...?この、私が...?」

「そうよ!あなたに勝ち目はないわ...!」

 

目の前に在る"奇跡"に怒りが満ちる。

なんだこれは。

まるで物語のような展開。

本来の姿となったマジアアズールに、マジアベーゼ。

世界が私を殺そうとしているような、そんな悪夢。

 

「ふざ、けるな...っ」

「ベーゼ!合わせなさい!」

「はい!」

 

許せない。

こんなのはおかしい。

私はただ、あの子を救いたいだけなのに。

何故、彼女の好きなまほあこが。

彼女の愛する世界が。

あの子を"殺そうとする"のか。

許せるはずがない。

たがが、物語の分際でっ...!!

 

「私は!私は負けない...っ!止まらない...っ!世界を制しっ!理を制しっ!神すらも超えてっ!私は必ず"あの子"を...!!私はァ!!死ぬわけにいかないのよ...っ!!!」

「!?」

 

真化(ラ・ヴェリタ)

 

「ドラ、ゴン...?」

「そうだ。()()。我が名はロードエノルメ。黙示録の竜(アポカリプス・レッド)。」

 

「終わりだ、マジアアズール。マジアベーゼ。」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「柊うてな。それがキミの、あこがれた姿なんだね。」

 

「なん、だ...?...なんなのだ、それは...しら、ない...そんなのっ...そんな力は、知らない...!?」

 

見たことのない、マジアベーゼの姿。

私は勝った。

運命を乗り越える力を得た。

そのはず、なのに。

 

「ぁ、が...ッ!?」

 

抗うが、無駄。

最早私は舞台装置。

ただ主役の活躍を盛り上げるためだけの、消耗品に過ぎない。

 

「これで、決めます...っ!!」

「っ!?」

 

「マジア・フィナーレ...ッ!!!」

 

死んだアズールの捨て身の一撃を受け、私は致命的な隙を見せる。

最早回避など不可能。

極光が私を包み、世界が溶けていく。

 

「!...わた、しは...っ。」

 

思い出すのは、笑顔で好きなものを語るあの子の姿。

 

『ベーゼちゃんはねっ。可愛いし引っ込み思案だけど、本当はクソヤバ女で、怒るとすごく強いんだよっ!』

 

「は...はは...っ」

 

これが、あなたが愛した物語の、輝きなのね。

これは...敵わない、なぁ...。

 

「ごめん、ね...っ。あさひ...。」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「っ...はぁ...はぁっ...。」

 

ボロボロの体を引き摺りながら、ある場所を目指す血濡れの女。

その両腕には、彼女以上に傷つき、生死も不確かな黒髪の女が抱かれていた。

 

「ろー、ど...さまぁ...。」

 

やがて彼女は目的の場所にたどり着き、優しく抱いていた女の体を横たえる。

 

「わた、しに...できるのは...ここ、までです...どう、か...ごぶじ、でっ...」

 

女はその主だったものに口付けをし、またしても体を引き摺りその場をゆっくり離れていく。

 

「かな、しい...ですぅっ...」

 

――――――――――――――――――――――――――

□◼️next season□◼️

 

「きて、キウィっ...!///」

 

「アズールちゃんはなぁ!!アタシんだッ...!!」

 

「グッ。」

 

「だから...強くなりたいの...!みんなの力になれるように...!」

 

「情けなくてしゃあないねん...!うちは...!うちは弱いっ...!!」

 

「真珠もアイカツします!!」

 

「あの...さ...真珠は...さ。あんのかその...露出癖。」

 

「私は奇跡を殺し、魔法を拒絶する。貴様らを否定する為に、私は"ここ"にいる。」

 

『う そ を つ く な 。』

 

「ルシファアズールの真化だが、"いつでも可能な状態にある"。」

 

 

 

「それじゃあ、ちょっとだけ。

試してあげましょうか...!」

 

Coming Soon...?

 




第二部『イミタシオ編』、来週末からスタートです。

要望は引き続き活動報告に募集中です!
ちゃんと読んでます、ありがとうございます!!
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