魔法少女にはなりません ~転生したらアズールだった件~   作:月想

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前回は楽曲コードを失念してしまい申し訳ございませんでした。
すぐに教えて頂いて大変助かりました...!
これからはタイトルに歌詞を多用するのでよく注意します。
さて、今回ですがなかなかの問題回です。
何と言っても初の濡れ場があります()
なかなかあれなので薄目で読み流してください(命乞い)


第9話『エグみマニアック』

『アズールちゃんが満足するまで出られない部屋』

 

まさか、わたしが作ることになるとは。

夢にも思わなかった。

 

アリスのドールハウスを改造し、わたしと彼女の魔力を込めた特別製。

ちなみに部屋の名前はキウィが書いたものだ。

字もいわゆる丸文字で、ちゃん付けも相まって幾分か原典より可愛いかもしれない。

 

やってみて思ったのだが、うてなちゃんはちょっと器用過ぎる。

当たり前のように工具を使って完璧な仕上がりにするのはやめて欲しい。

真似するにもクオリティが高過ぎて、夜なべどころか二日かかった。

もう二度としたくない。

音でお母さんに怒られたし。

 

「ネモ...かわいぃ...///」

「ばか...やめろ...っ///」

「...。」

 

と、まあ。そんな変なところでの努力もあり、ついに例の伝説の"あれ"が目の前で繰り広げられているわけだが。

おかしいなぁ。

全然えっちな気持ちにならない。

台本通りに話すのが面倒だった?

それとも新鮮味がないから?

視聴当時疑問だった、

 

『さっさと閉じ込めるなら変身させなくてもいいのでは?』

 

ということに一つの解答が出たのも一因か。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()から。』

 

いやぁ。性癖が過ぎる。

変身してれば何でもいいのだろうか。

うてなちゃんは本当にさぁ...。

 

「はぁ...。」

 

まあ、一番はたぶん。

心からお互いを"好き"って想えて、気持ちのままたくさん触れ合えるロコルべが『羨ましい』からだろう。

 

「私だって、本当は...。」

 

私の心には、今もモヤモヤが降り積もり続けている。

というわけで、すまんな諸君。

原作と変わらないロコ×ルべ描写はカットされる運命なのだ。

はぁ。

......女の子同士ってああやるんだなぁ...。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「ハァ...ハァ...///」

「ぁ...は、ぁ...///」

「はい、おつかれしたー。」

「なんで不満そうなのよっ!?///」

 

一通り終わったようなので、ロコルべを例の部屋から解放した。

情事の後のピロートークもなしに突っ込んでくる辺り、よほどわたしの態度が気に入らないらしい。

 

「真珠たちがあれだけしたんだから満足くらいしなさいよっ!有言実行しなさいよっ!?///」

「そんなにあそこにいたかったわけ?ボランティアじゃないのだから、次はお金取るわよ。」

「違うしケチ過ぎないあんたっ!?///」

「さよちゃん~終わった~?」

「...。」

 

別の場所で遊んでいたキウィとこりすがやって来る。

こりすの手にはあまり彼女には似合わない、完成したプラモデルが握られている。

何だかんだ文句を言いながらもキウィはちゃんと頑張ったらしい。

後で何かご褒美をあげよう。

 

「ええ。キューピッドの役割は果たしたわ。」

「さっすがさよちゃ~ん。よかったな~オマエら。」

「っさいわねっ!?///」

「真珠...そろそろ、離して...はずかしぃ...///」

 

阿古屋真珠と姉母ネモ。

二人が仲間になったのはよかったが、だからと言って状況はよくない。

わたしたちに降ったことがバレたのか、星の数が4から3にすぐ戻ってしまったのだ。

まさに仲間になったら弱体化するタイプのキャラである。

 

彼女たちの強化はやはりロードエノルメによるものだったらしく、一時的に魔力を分け与えられていたのだという。

彼女にそんな、ヴェナのような能力があったとは驚きだが、元よりヴェナから力を与えられてあの強さとなっていたのだ。

分け与える方法を修得していてもおかしくはないだろう。

 

まあ。

それは彼女が、自身を"仮初のリーダー"だと理解していた場合に限るのだが。

 

「ヴェナはどうしたの?さっきまでは一緒にいたでしょう?」

「ヴェナちゃんはね~用事だって~。」

「用事、ね。」

 

そもそも、ヴェナはいつも何をしていて、その合間にプライベートがあるのかすらも分からないのだ。

疑うのが無駄に思えるほど怪し過ぎる。

ただ、原作通りロードと別の戦力。

つまりわたしたちを集めている辺り、ロードと共謀している可能性は低い。

......何だかんだ、あの時は助けてくれたみたいだし。

 

「考えなきゃいけないことは多いわね...。」

「さよちゃん...?」

「...。」

 

そう考え込んでいるわたしを心配して、キウィ、それにこりすがわたしの手を握ってくる。

温かい感触に、少し心が和らいだ。

不安に思っている場合じゃない。

二人は私が守らないと。

 

「大丈夫よ、二人とも。ちょっと疲れただけだから。」

「ホントにだいじょーぶ?ホテルいく?」

「行かないわよキウィ。」

 

そんなやり取りを見ていた真珠とネモ。

少しは落ち着いたのか、いつもの調子を取り戻して笑っている。

 

「あんたたちさぁ。」

「なんか、親子みたいだよな。」

 

そう言われたキウィはニヤけながら、わたしの腕により引っ付いてくる。

 

「お似合いのフーフに見えるって~ちょー照れる~///」

「いや、夫婦じゃなくてさ。」

「お母さんと娘二人って感じね。」

「ハァ!?さよちゃんはアタシのママじゃないんだが!?」

「知ってるわよバカ。」

 

はるかに同じことを言われたばかりだったのもあり、本気で年増雰囲気になっているのだろうかと不安になる。

同じく不満気なキウィとは違い、こりすは少し嬉しそうにしている...。

わたしも二人くらい可愛い娘なら嬉しいが。

 

「...まあ、無茶苦茶されて文句はあるけど。嫌いじゃないわよ、あんたたちのこと。真珠の歌もちゃんと聴いてくれたしね。」

「悪の組織としちゃあれだが、のんびりすんのも悪くねーかもな。ま、改めてよろしく?」

「お母さん扱いは不満だけど。あなたたちが悪い人間じゃなくてよかったわ。こちらこそ、よろしくね。」

 

二人と改めて握手を交わし、やっと打ち解けた感覚を嬉しく思う。

今日の用事は済んだ。疲労も溜まっているし、早く家に帰って惰眠を...。

 

「さよちゃんさよちゃん。この後ひま~?」

「...え、ええ。予定はないわよ。」

 

だって今日土曜日だし。

予定は今まさに終わったところだ。

キウィはわたしの返答に更に機嫌を良くして、腕に力を込めながらこう続ける。

 

「じゃ~あ~。今からデートしよ~?」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「はいこれ!次はお勉強の時間だよっ!」

「.....世界の、キノコ...?」

「あ!間違えた!これはあたしの愛読書だった!」

「キノコ要素だけで理想の魔法少女から離れていくのやめぇや...。」

 

ガサゴソと荷物を漁るはるかちゃんを待ちながら、傷だらけの体を眺める。

 

山籠りが始まって二日が経つけど、強くなれてる手応えはあまりない。

 

二人の魔法少女を相手にしての戦闘訓練。

ボロボロになりながら色々考えているけど、二人と比べ戦闘スタイルが特殊なわたしは素の力が弱くて、一方的にやられてしまっている。

 

「あった!これこれ!」

「世界の動物ずかん...?」

「うてなの物を動物に変える能力は、そのレパートリーが増えれば増えるほど強力や。フィジカルトレーニングより、こないな方が効果的かもしれへんな。」

「でしょ?だから図書室で借りてきたんだ~。」

「あ、ありがとう。はるかちゃん。」

 

受け取った図鑑をペラペラとめくってみる。

色々な動物がいることは分かるけど、それでどうやって戦うかなんて覚えられるのだろうか...?

 

「はぁ...。魔法少女ならいくらでも覚えてるのに...。」

「ホントに?じゃあ、あたしのスリーサイズは?!...なーんて」

「7ピーーー(プライバシー保護)」

「なな、なんで知ってるの...!?///」

「ファンで片付けるには紙一重が過ぎるわぁ...。」

 

わたしは再び図鑑に目を落とし、必死に頭を働かせる。

無理でも、やらなくちゃいけない。

アズールさんと戦って、勝たなきゃ。

一緒に魔法少女をやるために...!

 

「あ。ちなみにサルファちゃんは6」

「ええ加減にせんとしばくで?」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「はいチ~ズ~。」

 

パシャリとスマホカメラの音が響く。

見た目からしてもう甘い、まさに甘味の権化のようなパンケーキ。

そのカロリー爆弾を中心にして、ツーショット写真を撮る。

満足そうなキウィを見て、自然と笑顔になる。

 

そういえば、キウィと二人でこんな風に過ごすのは珍しい。

普段は大体エノルミータの用事か、あるいははるかたちがいたり。

最近はこりすがずっと一緒だったし。

 

そのこりすだが、今日もせっかくだから一緒にどうか?と誘ってはみたのだ。

みたのだが...。

 

『お前、本気で言ってんのか?』

 

ってすごい顔をされて断られた。

無言の圧力だった。

変なとこで表情豊かだよね。

お母さん、ショックです。

 

「どしたの~?食べないの~?」

「いえ、なんでもなもご...っ!?」

「じゃあアタシが食べさせてあげる~。」

「も、もが...っ」

 

一度にすごい量を口に入れられ、あまりの甘味に脳ミソが弾けそうだ。

 

「あんま~。甘いしか言えんし~。」

「ほ、ほうへ...。」

 

それは美味しいと思えているのだろうか?

顔はにやけているし、喜んではいるんだろうけど。

 

「ゴクン...パンケーキが食べたかったの?」

「ん~?あったからついで~。次はね~...。」

 

―――――――――――――――――――――――――― 

 

次にやってきたのは服屋は服屋でも、『水着専門店』なる、夏以外どうしてんだと言いたくなる店だった。

 

「プールにでも行くの?」

「海いこ海~。こりすは誘ってもいいよ~?」

「約束はこれからなのね...。」

 

海、か。

確かに原作にも海回はあった。

みんなの水着姿を生で見たい気持ちはある。

テキトーに予定を立てても、はるかたちとは結局合流するのだろうか?

考えるとワクワクするが、それもロードエノルメを倒してからの話だ。

 

「真珠とネモはダメなの?」

「あいつら勝手にイチャイチャしてるだけだしいてもいいか~。あ、うてなちゃんはいいよ~。薫子はハブでよろ~。」

「そこまで行ったら全員誘うわよ、流石に。」

 

この場合、名前すら出てこないはるかが一番ハブられていないだろうか?

...全員揃って仲良く海。

うん。それは何か。とてつもなく楽しそうだ。

 

「さよちゃんこれ似合う~。」

「そう?どんなのかし...!?」

 

あてがわれたのは、いわゆる『スリングショット』と呼ばれる水着、というか布というか紐であった。

二次元でしか見たことないものが売ってる。

アニメだとうてなちゃんが着ていたが、あれはやはりキウィが買ったものか。

中学生に買わせるなよ、こんなもの...。

 

「あの、キウィ...?これだと何も隠れないと思うのだけど... ?」

「アタシはばっちこ~い!」

「わたしがばっち来ないのっ!///」

 

その後、比較的まともな水着を選んでもらい(結局ビキニだったが)

わたしもキウィに水着を選んだり、こりすに着せたいものをあーだこーだ話したりして、わたしたちは水着屋さんを後にした。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「キウィがマジメイトなんて珍しいわね?」

「ちょっとね~。あ、あった~。」

 

あの時はいけなかったマジメイト。

意外なチョイスを不思議に思っていると、

キウィが手に取ったのは、まさかまさかの『マジアサルファ』のフィギュアであった。

 

『なに?こないだの戦いでまさかデレる気になったの!?』

 

と、かつてない衝撃がわたしに走ったのだが。

 

「いやぁ。アイツの目の前でグシャッとやったら楽しいかな~って。」

「止めなさい。作った人の気持ちを考えなさい。何よりマリーノに無茶苦茶にされるわよ。」

「それはヤだわぁ~...。」

 

今度はキウィが逆鱗に触れるところだった。

そこまでしてサルファに嫌がらせをしたいのか。

ちなみに、今手に持っているフィギュアは高クオリティでお高い、2万を平気で超える代物である。

一回の嫌がらせで2万とか、もうそれは憎しみじゃなくて愛だろう。

 

「さよちゃんは魔法少女好きなんだっけ~?」

「まあ、嫌いではないわね。わたしの立場でそれはどうなのかって感じだけど。」

「そっか~...。」

 

キウィは手近な魔法少女物の漫画を眺めて何やら悩んでいる。

 

「気になるの?」

「ん~...さよちゃんが好きなら、見てみよっかな~。」

 

わたしの為に嫌いなものを好きになろうとしてくれてるのか...。

思わずキュンと来てしまうが、無理をさせてしまってはいけない。

そんな資格は、私にはない。

 

「無理することないのよ?...うてなは、喜ぶかもしれないけど。」

「...さよちゃんはさぁ。」

「ん?」

「なんでもな~い。」

 

間違いじゃなければ...。

今少し、怒ってた...?

 

「いいや、うてなちゃんにかりよ~。」

 

すぐにいつもの様子に戻ったキウィ。

それからも何個か、魔法少女作品を眺めては戻しを繰り返し、最後に何故かマジアマリーノのキーホルダーを買って退店したのだった。

...私も、ちょっと欲しかったのは秘密だ。

 

「もう、こんな時間ね。」

「夕日やばぁ。ばえ~。」

 

気付けばすっかり日は沈み、美しい夕日が街をオレンジ色に染めていた。

 

「キウィ、その。...今日は、ありがとう。息抜きをさせてくれようとしたのよね?」

「アタシはさよちゃんとデートしたかっただけだよ~。」

「ふふっ。そう?じゃあ、満足できた?」

 

キウィは悩むように顎に手を当てて、左右にゆらゆらと揺れる。

そして何かを決めるように頷いた後、わたしに抱き着いてきた。

 

「なぁに?甘えて。ホテルはダメよ?未成年なんだから入れ」

「さよちゃん、ウチ来て。」

「...え?」

 

逃がさないと言わんばかりのガチホールドのまま、キウィは上目遣いでこう続ける。

 

「今日、ウチ泊まって。はなし、あるから。」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

かぽーん。

 

前から思っていたんだけど、このかぽーん。はいったい何の音なんだろう。

不思議と落ち着くこの心地。

日本人の心なんだろうなぁ。

......とか。意味不明なことを考えていないと精神が持たない。

今まさに。わたしの魔法少女としての理性が試されているのだ。

ヒロインとしの矜持を持ちなさい、うてな。

こんなことで動揺しては、理想の魔法少女として活躍するなんて夢のまたy

 

「あ~...しみるぅ~...///」

「なんや感想がおっさんくさいなぁ。ま、気持ちええんは同感やけど...///」

「アハー♥️///」

 

ビューっと飛び出る鼻血が、温泉を紅に染めていく。

ダメだ。我慢できるわけがない。

 

「推しのはだかぁ...しかも合法...///」

「う、うてなちゃん...っ!?」

「いや汚なっ!?反応し辛いからええ加減慣れんかい!!」

 

わたしたちは修行の疲れを癒しに温泉に来ていた。

てっきり、それを踏まえての修行場所だと思ってたんだけど、薫子ちゃん曰く温泉があったのは偶然らしい。

 

『お、なんやええ山やなぁ。ほなら、ここでええか。』

 

...こんな感じで決めたってことかな?

どうしよう。

ツッコミにツッコむのは掟やぶりだよね...。

 

「何だか三人で旅行に来たみたいだよね~。」

「遊びに来とるんとちゃうで?」

「分かってるけど。でも、何だか楽しいなぁ~って。」

「聞いたか?うてな。はるかはあんたを痛めつけるんが楽しくてしゃあないらしいわ。」

「語弊しかないよっ!?」

 

ドSなはるかちゃん。"はる閣下"というワードが浮かんだけど、何か差し障りがある気がするのですぐに忘れる。

でも、やっぱり不思議な感じだな。

あのマゼンタとサルファがクラスメートで、友だちで。

今やわたしまで魔法少女なんて。

薫子ちゃんには悪いけど、一生慣れることはないと思う。

 

「こういう時何を喋ったらいいのか、分からないや、わたし...。」

「温泉でする話かぁ...。うーん。発育の話とか?」

「しばくで?小夜がおらへんならはるかが一番やもんなぁ?さぞ自慢やろうなぁ...?」

「キノコの話だよっ!?」

「何でキノコやねんっ!温泉でする話や言うたやろ今ぁ!!」

 

相変わらず惚れ惚れするツッコミ。

エノルミータとの戦いの日々で益々磨きがかかってる。

はんなり京言葉要素が欠片も残っていない気がするが、それは決して考えてはいけない。

 

「うーん、じゃあ...。好きな人の話とか?」

「修学旅行かっ!三人で盛り上がる話には思えへんけど?」

「やってみなきゃ分からないよ!じゃあまずはうてなちゃんから!」

「わ、わたしぃっ!?///」

 

ずるい!普通言い出しっぺからじゃないの!?

 

「好きなひと、とか...分からないし...///」

「あたしの乙女センサーがびかびかしてるよ!うてなちゃん好きな人がいるねっ!?」

「なんやねんその珍妙なセンサー。でも、言いたいことは分かるわ。ズバリ当てたろか?うてな。」

「へ!?」

 

薫子ちゃんは見慣れた悪い笑顔になり、わたしを指差してその名前を言う。

 

「小夜やろ。」

「え。」

「えぇっ!?///」

 

な、ななな何を根拠にそんなっ!?

 

「ええと思うで?最近は自由恋愛の時代やし。性別くらいでとやかく言おうとは思わへんよ。」

「うてなちゃん小夜ちゃんが好きだったのっ!?」

「ま、ままま待って...!ご、誤解っ!?誤解、だから...っ!!///」

 

驚くはるかちゃんとニヤつく薫子ちゃんを何とか宥めて、落ち着いて話していく。

 

「小夜、さんは...その、魔法少女と同じで、推しというか...あこがれてるだけ、で///」

「それを好きと言うんやろが。」

「わっ。薫子ちゃんなんか愛の伝道師っぽい...///」

「変な肩書きを増やすな...///」

 

わたしにとって小夜さんは友だちで...。

そもそも女の子同士でとかっ。

よく分からないし...。

男の人はこわいけど...。

 

「なぁ、うてな。そないに卑屈になる必要、もうないんやないか?」

「そんな、つもりは...。」

「あんたも小夜も、お互いに遠慮し過ぎや。恋愛やろうと友情やろうとどっちでもええ。小夜が大切なんは変わらんやろ。きっと小夜も、それは同じや。」

「でもわたし、嫌われて...。」

 

魔法少女展の日を思い出す。

"柊さん"に戻ってしまったあの日以来、わたしは小夜さんと話せていない。

 

「大丈夫だようてなちゃん!小夜ちゃん、うてなちゃんのこと大好きだから!」

「えぇ...。」

「ホントだよっ!?小夜ちゃんああ見えて興味ある子とない子で態度全然違うもん!自分から声を掛けるなんて相当だよ?!」

「じゃあ、なんであんなことに...?」

「それはぁ~...。分からないけど...。」

 

仲良くなれた、と勘違いしていたのだろうか。

何か嫌われることをしてしまったのだろうか。

分からない、分からない。

一度考え出すとずっとこうだ。

 

「そいっ!」

「はぷっ!?」

 

そう俯いていると、

わたしの顔に熱々のお湯がクリーンヒットする。

 

「な、何するの薫子ちゃんっ!?」

「ウジウジ悩むな。直接聞けばええやろそないなこと。修行を終えたら、小夜のこともアズールのことも、一気に決着着けようやないか。」

「そうだよ!きっと全部上手くいくから。一緒にガンバろう!」

「薫子ちゃん、はるかちゃん...。」

 

二人とも、こんなわたしの為に修行まで付き合ってくれて。

今も元気付けてくれようとしてる。

本当に、わたしには勿体ない友だちだ。

 

「うぅ...ぁりがとぅ...っ(泣)」

「何で泣くんや!?そない熱かったか...?」

「薫子ちゃんの鬼!魔法少女!ツンデレ!」

「最後が一番ムカつくんは何でや!」

 

待っててね、小夜さん。

ちゃんとこの気持ちと向き合って、強いわたしで、また会いに行くから。

...そしたらまた。

名前で呼んでくれたら、嬉しいな...。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

かぽーん。

...は、お風呂より温泉の表現かな。

あれは結局何の音なんだろう?

見慣れない少し広めの浴場。

それでも、二人入ると狭く感じる湯船。

そこに座って、寄りかかられている。

 

「さよちゃんふかふか~。」

「あの、キウィ?何もわざわざ一緒に入らなくても...」

「え~。お泊まりと言ったら一緒にお風呂っしょ~。」

 

確かによく見るシチュエーションではあるが。

わたしとあなたの関係だと意味合いが変わってこないかしら...?

 

油断した、というか。

キウィの今までにない雰囲気を感じて、しかも話したいことがあるとまで言われてしまった。

流石に断るのは違うなと、私でも分かる。

 

親に快く承諾してもらい、最低限の荷物でキウィの家までやってきたのだが。

キウィの"お母さん"に驚いている間に、気付いたらキウィと二人でお風呂に入っていた。

 

「...キウィのお母さん、すごく若いというか、幼いというか。キウィと並ぶと姉妹みたいね。」

「あ~。よく言われる~。」

 

この場合キウィが姉にしか見えないのだが。

何がどうなっているのか、脳がバグるくらいのロリ度だった。

旦那さんは色々と大変だろうし、たぶんロリコンの変態に違いない。

 

「さよちゃんあったか~。」

「...///」

 

こうやって失礼なことを言いつつ、他のことに意識を向けているのには理由があって。

 

初対面でお漏らしを目撃したり、日頃からボディタッチが多かったり。

そもそもエノルミータの衣装が過激なのもある。

私はすっかり慣れているつもりだったのだ。

 

キレイで柔らかい肌に、中学生とはとても思えない巨乳。

紛れもない美少女な顔と、邪魔だからと上げて、普段とは違う雰囲気の髪型。

なのに変わらない、甘えるような仕草。

 

有り体に言えば。

今私は、キウィにすごく"ムラムラ"している。

 

「ね~さよちゃ~ん。楽しいね~。」

「そ、そうね...っ///」

 

"水神小夜"がそうなのか、それとも"私"がそうだったのか。

どちらのせいかはよく分からないが、

どうやら、このわたしはロコルべのお仲間だったらしい。

女の子の体がこんなにえっちに見えるなんて...。

先生が知ったら喜びそうなのが非常にムカつく。あれはドがつく変態だからな...。

 

「あったか~。てかあっつ~。」

「そろそろ、上がりましょうか...///」

 

もう限界が近い。

いい加減くっつくのをやめて欲しい。

最早寄りかかるのではなく正面から抱き合っている状態だ。

お互いの柔らかさの中に、小さく"硬い部分"があるのが分かってもう、ヤバい。

私は飛んでいきそうな自分の理性を亀甲縛りで抑えつけ、何とかこの煩悩爆発イベントを乗り越えたのだった...。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「さよちゃんほーもん記念~。」

「写真撮るの好きね...。」

 

試練のお風呂を越えて夕食をご馳走になり。

キウィの部屋でのんびりし始めて3時間程が経過した。

 

意外にもこざっぱりした部屋で、友だち同士のお泊まりと言えばのゲーム大会もなく。

この服が可愛いとか、この動画が面白いとか。

他愛のない会話の合間に、突然写真を撮り出したりして。

そうやってキウィと二人きりの、何でもない時間を過ごした。

それが私には、とても楽しく感じて。

幸せだったと思う。

 

夜更かしと言って差し支えない時間になり。

私は少し躊躇いながら、本題に入ろうとする。

 

「キウィ。それで...話したいことって、なに?」

「......うん。」

 

キウィは寝転がっていた姿勢を正して、ベッドの上のわたしの隣に移動した。

 

「さよちゃんはさ~。アタシに、隠しゴトしてるっしょ~?」

「......え?」

 

『隠し事』。

それはいったい、"どれ"を指しているのだろうか。

言われて気付き、考える。

私は、今までキウィに。

一度だって、()()()()()()()()があっただろうか。

 

「...隠し事って、何の事?秘密って意味なら、どんなに仲が良くても一つはあるものじゃない?」

「だからさぁ。そーいうの。」

「え?」

「なんでいっつも()()()()()()?」

 

我慢。

私が?

何で。

 

「言いたいことも、やりたいことも。

いっつもいーっつも。我慢してんじゃん。」

「...。」

 

思わず閉口する。

バレていた。

上手く、やれていると思ってた。

そんな風に、この子には見えていたのか。

 

「あのね、さよちゃん。怒ったり、疑ったりしてるわけじゃないよ~。」

 

動揺する私に気付いてか、調子をわずかに優しくして続ける。

 

「さよちゃんはアタシにウソ吐いたことないよね~。

ウソ吐いたらアタシが傷つくって思ってるから。

ずっと自分の気持ちに蓋して。

なんてーの?...かめん?付けてただけだよね。」

「な、何で...」

「何で分かるの~?って?分かるに決まってんじゃ~ん。」

 

キウィはニヤリと笑って私を抱き締める。

 

「さよちゃんのことがだ~い好きだから~。」

「キウィ...。」

「またその顔~。

さよちゃん、アタシがすきすき~って言うと、

いっつも悲しそうな顔すんの~。」

「ち、違うのっ!キウィが嫌いとかじゃなくて...っ!」

 

彼女を傷つけたと思い焦る。

しかし、キウィは笑顔のまま頷いて私から離れる。

 

「ねぇさよちゃん。"ベーゼ"ってだぁれ?前言ってた()()()ってのが、ベーゼなの?」

「...っ。」

 

キウィの口から出た『ベーゼ』の名前に、思わず反応してしまう。

ロードとの会話を覚えていた。

しかも、私が前に口を滑らせたことまで...。

 

「さよちゃんはアタシに。そのベーゼを好きになって欲しいんだよね。」

「...。」

「さよちゃんから見たらさ~。今のアタシは、"間違い"なの?」

「っ!そんな...!そんなっ、こと...っ!」

 

ないと言いたい。言うべきだ。

それは彼女を、彼女の気持ちを侮辱することだ。

それなのに私は...。

私の頭には原作の。うてなちゃんと幸せそうにしているキウィちゃんの姿が、焼き付いていて。

 

「あのね、さよちゃん。

今もアタシのこと考えて、だからいっぱい我慢してるの、分かるよ?

ごめんね、さよちゃん。

アタシ上手く出来てなくて。」

「ちが、う...違うの...あなたじゃ、ない...っ。悪いのは、私で...っ」

「でもね。さよちゃん。

アタシね、すっごくうれしかったんだ~。」

 

キウィはまた近付いて、今度は優しく私の頭を撫でる。

 

「初めて会ったあのとき。

アタシの気持ち、分かってくれたから。

大好きな誰かに、アタシが一番だって。

一番カワイイ~って言って欲しいって。

初めてだったんだ~。そんな風に、分かってくれた人。」

「それ、は...。」

 

私が元からキウィちゃんを知ってたからで。

考える時間があったから。

だから、ズルみたいなもので...っ。

 

「違うよさよちゃん。

さよちゃんはあのとき、

『私と一緒だね、辛かったよね。』

って言ってくれたんだよね。」

「ぇ...?」

 

よしよしと頭を撫でながら、キウィは優しく囁く。

 

「寒くて、こわくて。

震えてるのをぎゅーってしてくれたとき。

愛してくれるって言ったときにね。

『誰か私をヒロインにして。』

って聞こえた気がしたの。」

「...ヒロ、イン...。」

「さよちゃんがもし魔法とかで、

アタシのことを分かってくれたんだとしても。

それよりもずっとアタシが、

さよちゃんの気持ち"分かっちゃった"んだ。」

 

分かって欲しい気持ちがあった。

病室で、誰でもない誰かとして死んでいく運命。

その中で願ったのは、『誰かのヒロインになりたい、特別になりたい』なんていう、子どもみたいな夢。

 

「さよちゃんが他の子を好きでも。

アタシに他の子を好きになって欲しくても。

アタシの"ヒロイン"は、もう絶対にさよちゃんだから。

ゲロヤバなさよちゃんが好き。

この気持ちは間違ってないし、偽物でもない。だって~...」

 

私の頬を伝う涙を優しく拭き取り、キウィは花のように笑う。

 

「アタシいま~、世界で一番幸せだから~!」

 

彼女の、見たことのない笑顔を見て悟る。

私は間違えていた。

 

私は彼女に、私を"選ばせてしまった"と思っていた。

でも違った。そうじゃなかった。

キウィが私を"選んでくれた"んだね。

それがすべてだった。

原作がどうとか、元の方が幸せとか。

全部私の勘違い。

 

キウィはもう、私を選んでくれていた。

私がいいって、そう決めてくれてたんだ。

 

「だからね~?もう、我慢できないから。」

「キウ、ィ...?」

 

回転する視界。

押し倒されたことに遅れて気付く。

 

「アタシがさよちゃんのこと、どんだけ好きか。今から分からせてやんよ...。」

「...っ///」

 

覚悟の決まった、彼女らしくない表情。

それに気圧され、抵抗なく高鳴る胸を優しくまさぐられる。

 

「ん...っ///」

「脱がすね?」

 

されるがまま、ブラも付けていない私は、すぐにそのだらしなく大きい乳房を差し出す。

 

「ちゅ...れろ...ちゅる...」

「んぅ...!やぁ...っ///」

 

赤ん坊とは違う。私を悦ばせる為だけの舌遣い。

硬く尖っていく乳頭を、休むことなく味わい続けるキウィ。

 

「さよちゃん、カワイイ...。」

「ぁん...っ...それ...やぁっ///」

 

胸を揉みしだきながら、首筋や顔、脇にお腹。

身体中の至るところを舐め味わわれていく。

 

「さよちゃんのアソコ、キレイ...。」

「やめっ...!へんなこと、言わないで...っ///」

 

ショーツを脱がされ、ついに彼女の前にその湿った秘部を晒す。

 

「じゅるる...ぷちゅ...れる...ちゃぷ...」

「ぃひっ!?ん...っ!ぁ...っ!///」

 

キウィの綺麗で可愛い口が、私の愛液で汚れていく。

私は体を震わせながら、いつの間にかキウィに秘部を押し付けていた。

 

「これ、好きなんだね。」

「はぁ...っ!はぁ...っ!///」

 

指示されるままお尻を突き出し、今度はお尻の穴までねぶられながら、秘部を激しく刺激される。

 

「あぁっ!キウ、ィ...!キウィ!らめぇっ!こんな、のっ!い、ぃぃ!?///」

 

頭が弾けるような快感。

キウィの指を何度もキュウキュウと締めつけ、大量に愛液を吹き出す。

体から力が抜け、情けない姿のまま、ベッドに倒れ込む。

 

「さよちゃん、すごくすごくすっごく...!えっちだよ...///」

 

キウィ...キウィ...!

好き!すきすきすきっ!

好きなのっ!好きよキウィ!

だからもっと愛して!

もっとちょうだい!あなたの愛をっ! 

 

「アッハァ...♥️///」

「素直になれたんだね。そうだよさよちゃん。もう、我慢しなくていいからね。」

 

キウィの口が私の口に近づく。

私は期待して、舌を出して迎え入れる準備をする。

 

「でも、ダ~メ。」

「ふぇ...?///」

 

キウィは私の口に指を当て、蠱惑的な笑顔を浮かべる。

そのまま私の手首をベッドの端に固定してしまう。

 

「キウィ...?///」

「アタシも、ホントはさよちゃんと気持ちよくなりたいけど。アタシがさよちゃんの一番になる前にしちゃったら、きっと後悔するっしょ?」

 

話しながら、どこからか取り出したギャグボールを私に装着する。

 

「んむぐぅ!?///」

「ちゅーも、えっちもダメ。さよちゃんはそのまま、アタシがずっと気持ちよくしてあげる。」

「んんぅっ!んぶぅっ!///」

 

キウィ!嫌よキウィ!

私と!私にもキウィを触らせてっ!

我慢できない!したくないのにっ!

 

そう無様に。

声にならない鳴き声を上げるほど、キウィの表情は歪み、劣情を浮かび上がらせていく。

 

「さよちゃん...さよちゃぁん...!大丈夫、大丈夫だから...ちゃんとアタシが、壊れるくらいイカせてあげるからぁ...!///」

「んむぅ...♥️///」

 

キウィが叫びを上げると同時に、彼女の下半身から汚れた水分が溢れ出す。

 

こんなアブノーマルな、不必要なほど淫猥な行為。

それでも私は、この淫ら過ぎる光景と哀れな雌と化した自分の姿に。

確かな『愛』の形を感じていたのだった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「いやぁ~。すっきりした~。」

「それはその...トイレ的な意味かしら?」

 

凄まじい夜を越えた翌日。

帰路にて普段通りのやり取りを取り戻す。

内容は昨夜が尾を引いて、人前ではとてもできないものなのだが。

 

「さよちゃん、ああいうの好きなんだ~。」

「ああいうってどういうのかしらっ!?

べ、別に縛られたり無理矢理されるのが好きなわけじゃないのよっ!?///」

 

やっぱりアズールなんだなぁ。と納得してしまうレベルのドM。

それを初めて発揮してしまったことを、今更ながらに恥じる。

 

「アタシもああいうの好きかも~。あれっしょ?こーいうのをレオ×アズールって言うんしょ~?」

「ロコ×ルベから学習しないの。ああいう一方的なのはもうダーメ。」

「えぇー。じゃあ、一方的じゃなきゃいいの?」

「...///」

 

改めて、段階を凄まじく飛ばしてしまった気がする。

まだ付き合うとか恋とか、全然自分の中で整理できていないのに。

 

「ね~さよちゃん。」

「なーに?」

「気持ちよかった~?」

「...気持ちよかった。すごく。」

「そっかぁ~。」

 

袖を口に当てて笑うキウィに、小悪魔という言葉を当て嵌める私。

荒療治だったとは思うが、私の中のモヤモヤが消えていくのが分かる。

まほあこNo.1ヒロインには敵わないな。

 

やっぱり今も、自分が物語を歪めるのには抵抗がある。

だけどもう、考えても仕方ないのかもしれない。

自分から周りをめちゃくちゃにしてしまう爆弾娘が、こんなに近くで微笑んでいるのだから。

 

「さよちゃんの一番のヒロイン。いつか絶対アタシにしてやっから~。そしたら今度こそ、いっぱいちゅーしようね~。」

「...ふふっ。楽しみにしてるわ。素敵な、私の王子さま!」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「ロード様ぁ。ロコムジカとルベルブルーメがぁ...裏切ったようですぅ。」

「...。」

 

告げられた好ましくないニュースに眉一つ動かさず。

玉座に座する5つ星の王は、ただ一人となった配下に目を向ける。

 

「悲しいですぅ...。あの二人もぉ...ロード様の偉大さを理解出来ないなんてぇ。」

「元より理解など不要。あれだけの力を以てしても、運命は変わらぬか。」

 

王はついに立ち上がり、玉座を降りて唯一の味方に歩み寄る。

 

「ロード様ぁ...?」

「シスタ。お前の腹の内は、事ここに至っても、未だ分からぬままだ。」

「...私はただ、ロード様の理想に従うのみですぅ。」

 

王はその口元を僅かに弛ませ笑う。

 

「お前はお前の道を往くがいい。だが、もしまだ私を、価値ある者と見定めるのならば。我が覇道に殉じることを許そう。」

「......。」

 

一人離れていく背中。

その意外と小さな背中に、シスターと呼ばれる悪は何を思ったのか。

響く靴音が、一つから二つへ。

並んだ影が目指すのは、決戦の時。

 

「そうか。...ならばよい。()()()()()()()()、シスタギガント。」

 

――――――――――――――――――――――――――

◼️□next episode◼️□

 

「アタシ、ちょーガンバる!だから、アズールちゃん!これが終わったら、アタシとエッチしてっ!!」

「レオ...。...分かったわ。」

「分かっちゃうんですかあぁぁっ!?!?」




色々と許してください←
アンケート回答ありがとうございます!
この後失速したら落ち込んで有耶無耶になるかもしれませんが、二期以降も続ける方針で検討致します。
もしまだ読んで頂けるようでしたら、気長に見て頂けると幸いです。
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