とある後戸の摩多羅神   作:一般通過龍

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禁書風に『魔神』摩多羅神の術技を考えていたら、神咒神威神楽という作品に登場した摩多羅夜行というキャラの術技が摩多羅隠岐奈に入ってきました。
元ネタが同じ摩多羅神繋がりだから良いか!!


デウス・オブ・マターラ

12月。あまりの寒さで猫がコタツの中で丸くなって眠る季節。除夜の鐘、十字教の神の子の降誕を祝うクリスマス等の宗教的行事が詰まっている月の一つ。

 

そして、サンタさんが良い子の皆さんにプレゼントを配りに訪れるイベントシーズンでもある。

 

しかし・・・・・・この12月の学園都市に早く訪れたのはイベントは物騒なモノばっかりだった。ダイヤノイドを占拠したサンジェルマンによる、地球と月を握り拳大に圧縮できる重力爆弾使用未遂。ある意味、『人間』アレイスター=クロウリーのやらかしの一つとも言える。『隠世』という位相で大人しく引き籠もっていた真のグレムリンの『魔神』達による本格的な現世介入。

 

二つの地球崩壊イベントを上条当麻という少年は対処することになったのである。

 

アローヘッド彗星を地球に落とそうとした『僧正』パニックや上里勢力襲来による大熱波等の『秘神』摩多羅隠岐奈の活動によって折れたイベントフラグが色々あるが、これからも不幸な少年は自身や世界に襲いかかってくる物騒な事件をヒーローとして解決することになるだろう。

 

事実、サーティーンデスという周囲の人間達を恐慌状態にして、対象の恐怖の感情を喰らって腹を満たすという一種の妖怪染みた魔術師の襲撃に対処することになったからだ。しかも、死者の復活現象『リターン』に向き合うことが控えているというおまけつき。

 

だが、安心してほしい。上条当麻という人間が二つの事件に対処しなければいけない、そんな運命はぶち壊された。被差別民の神として、障碍の神として、学問の神様として、『魔神』として、色々な側面で上条当麻を気にかけている『秘神』摩多羅隠岐奈が代わりに対処することにしたからだ。

 

世界を容易く壊せる神様法則がわざわざ表舞台に出て大丈夫かって?世界を運営する重要な歯車たる『魔神』として、真のグレムリンに所属する一柱の神様として長年活動していた『秘神』の演算能力と経験値を舐めるのではない。配慮はできる。現実に、同じ神々やスキマ妖怪達と一緒に幻想郷の賢者として、ゼロから作り上げた幻想郷を無事に運営できているではないか。

 

黒紫色に染まったサーティーンデスの大鎌と摩多羅神に関係するあらゆる剣の要素が入った無名の剣がぶつかる。

 

死神と『秘神』の衝突によって、学園都市を季異変が襲った。あらゆる学区に四季を思わせる四色のオーラが吹き荒れるの同時に春、夏、秋、冬の季節が訪れて、黒紫色の死の奔流が吹き荒れる。

 

じゃんよという変な口癖がある警備員アンチスキルは、自分がいる区域に突如咲きまくった桜が発生させた桜吹雪に運ばれて、塵芥のように同僚達と一緒に大空に吹き飛ばされた。

 

『黄泉川先輩!!この春風と桜は何ですか〜!!』

 

『私も知らないじゃんよ!!』

 

とある根性バカの超能力者学園都市第七位は、大熱波の代わりに訪れた夏の猛暑に対抗するように根性を自身に投入しまくった挙句に周りの気温を上げまくって、迷惑をかけた。

 

『帆風。根性があれば、これくらいの暑さなんぞ乗り切れる!!』

 

『暑いです!!削板さんの能力の影響で猛暑が相乗効果で加速していますわ!!』

 

死者の復活現象『リターン』の調査のために、イギリス清教から命を受けて学園都市に侵入していたアニェーゼ部隊は極端に強い下降気流と共に降ってきた。秋の季節の象徴とも言える大量の紅葉の落ち葉が重しになって、身動きができなくなって埋もれていた。

 

 

『重い・・・・・』

 

『どう考えても、これはただの異常気象じゃないことは確定でしょうね』

 

『ああもう、サーティーンデスとの戦闘を無事に終えたと思ったら、次の厄介事はこれですか!!』

 

 

『魔神』摩多羅神が再び学園都市に出現したのと同時に嫌普性けんふせいの暗部組織を全て綺麗に一掃されて、プランがぐちゃぐちゃに壊されまくった『人間』のために動こうとした『木原』のゴールデンレトリバーは、『魔神』プロセルピナの人工氷河期発生魔術に対抗心を燃やした摩多羅隠岐奈が発生させた冬の季節という名の氷河期によって、身につけていた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントごと、生きたまま凍るという封印措置を施された。凍結した際の形状を見る人が見れば、それは黒い雪だるまを思わせるだろう。

 

『・・・・・・・・・・・』

 

『先生!!』

 

車がオモチャのように空中に打ち上げられる、高層ビルが壊れる、アスファルトが大きく裂けて地盤に影響を与える、巨大な竜巻が発生する、夜の大空にある雲が消し飛ぶ、窓のないビルに大穴が開く。

 

「剣戟は飽きたな。ゾロアスター教のミスラとも同一視されて習合されている摩多羅神としての術技を見せてやる。ちゃんと耐えろよ?」

 

摩多羅隠岐奈とサーティーンデスの戦闘の余波は至る所に飛び散った。下手したら日本列島どころか、世界全土に影響を与えているかもしれない。・・・・・主に摩多羅隠岐奈のせいだが。

 

「次は日本神話の天照大神としての摩多羅神」

 

そもそも『魔神』やそれに値する存在が鏡合わせの術式のような対策もせずに現世に出現する時は、全体論の能力者やバタフライ効果に近い影響が現れる。最低でも天変地異が起こることは確定だ。それを考えると、セルフ弱体化しているとはいえ、摩多羅隠岐奈のせいでこういう事態が発生するのは当たり前だと思ってしまっても仕方ない。

 

「これも耐えることができたか、次はインド神話のミトラとしての摩多羅神だ」

 

そして、世界に与える影響をよく分かっていた故に大人しく引き籠もっていた真のグレムリンの『魔神』達を現世に引っ張り出したアレイスター=クロウリーも『魔神』に負けず劣らずのとんでもない傍迷惑な馬鹿野郎だと思われるだろう。現在進行形で。

 

「今度は毘沙門天だ。宝塔も出すぞ」

 

その気になれば平然と『魔神』同士で殺し合いをするとはいえ、真のグレムリンという協議会に参画していた仲間でもあるから、原典の世界線では『僧正』が殺された瞬間に、『魔神』達が学園都市を吹き飛ばそうと動こうとしたからだ。上里翔流の乱入がなければ学園都市ごと消し飛ばされて、『人間』は荼毘に付しただろう。

 

「伊邪那美の死因になった迦具土の炎か。だが・・・・・この程度の炎は自力で対処できる。埴安神の力を借りるまでもない」

 

図らずとも上里勢力の動向をコントロールしていた大悪魔コロンゾンによって、『人間』は命を救われたという結果になったわけだ。ただ、個人としての『魔神』ならともかく、集団としての『魔神』達がどのように動くのかを考えて対策を取らないのは、ライブ感で動くバカと愚弄されても仕方ない。

 

「変幻自在の化身?本質が無数に存在して、幾つもの変貌する顔を見せる『摩多羅神』という神にとっては、その言葉は褒め言葉だよ」

 

話がずれてしまったが、それでも人間達や世界は生きて無事な形を保っていた。王冠を載せた竜の王の『威圧』、神浄の討魔の『従える力』もあるが、摩多羅隠岐奈が『後戸』や境界の神としての力で『新天地』と現世を一時的に繋げるという世界の構成そのものを作り変えるに等しい暴挙をやらかすことで、現世に『新天地』の自動的にあらゆる物が修復されるという性質も付与して、世界全体の強度を上げたからだ。

 

「どうして死を恐れないのかって?目的のためなら己の命や魂すら投げ捨てる心意気があってこその『魔神』だ。今更その程度の死の要因で神を恐怖させることができるか?」

 

セルフ弱体化で全能性や出力が下がっているのに、このような芸当がどうしてできるのかを彼女に聞いたら、こんな返事が返ってくるだろう。スキマ妖怪の八雲紫ができることは、摩多羅隠岐奈にもできる。魔術を極めた『魔神』として相応しいように鍛え上げた魔術の腕と後戸の神が保有する能力である『後戸』を舐めるなよ。境界線を弄くって繋げることなど境界の神でもある摩多羅神にとっては容易いことだ。と。

 

 

そして、摩多羅隠岐奈対サーティーンデスの戦闘は全体的に『秘神』が優勢だった。

 

当然だろう。相性が良くてもサーティーンデスは摩多羅隠岐奈との勝負の土台に乗れただけ。基本的なスペックが違う。肉体強度が違う。魔術の腕前が違う。手札の多さが違う。叡智の量が違う。位階が違う。個体としての格が違う。

 

そもそも『魔神』との戦いは、いかに相手を騙し出し抜けるかが勝負になる。弱体化していても、腐っても神様と呼べるのが『魔神』だ。人間の範疇にいる存在が簡単に勝てる存在ではない。『黄金』だって、チームプレーや相性ゲーでようやく勝機が見えてくるほどなんだから。

 

事実、隠世という『位相』で真のグレムリンの『魔神』に単独で勝負を挑んだ『人間』は返り討ちにあった挙句に半身を消し炭にされて、無事に撤退できたのはいいが、しばらく行動不能になるという半殺しの憂き目にあったからだ。ちなみに別の世界線の未来では大悪魔コロンゾンが『新天地』で愉快なオモチャにされてボロ雑巾にされたり、自身が扱う魔術は『魔神』と絶望的に相性が悪いとダイアン=フォーチェンが格の違いを思い知らされたりしていたのであった。

 

だから、弱体化もしてない『魔神』を真正面からの戦闘で打倒したければ、ヘルメス協会や神智学協会や黄金の夜明け団に大きな影響を与えた『薔薇十字(ローゼンクロイツ)』。全ての近代魔術とオカルトの祖であるクリスチャン=ローゼンクロイツレベルまで魔術の腕を鍛えてこいと『魔神』の力を誰よりも知っているであろう、『秘神』摩多羅隠岐奈に言われるだろう。

 

「どうした、これでおしまいか?」

 

「ッ・・・・・・!!??」

 

アスファルトの上に無様に転がるサーティーンデスを宙に浮かぶ『秘神』は見下ろす。

 

摩多羅隠岐奈が持つ(つづみ)が二人の周囲の空間を踊るよう動いている。これは儀式魔術の一つだ。

 

もしも『黄金』という組織そのものが『魔神』達と戦う事態が発生したら、仲間達と一緒に舞台演劇のような手順を沿ることで有利な戦闘環境をセッティングすることで、『魔神』も打ち破ることができる『黄金』の真髄を発揮すると言われている。

 

彼女という『秘神』がやっていることはそれと似ていた。この戦闘そのものを一種の能。摩多羅神と関係がある天狗オドシという、ある地方で行われる風習を元にした儀式魔術に見立てることでサーティーンデスに思考汚染を中心としたデバフをかけるのと同時に自身に有利な補正が働くように世界に呼びかけていたのである。

 

摩多羅隠岐奈という神様は直接戦闘だけでなく、ネフテュスと同じような精神攻撃を中心とした搦め手戦法も大の得意だった。大悪魔コロンゾンや魔王マーラのように人間達に試練として立ち塞がる役目がある障碍の神だから、嫌らしい戦法も好むのか。

 

「さっさと起き上がらないと摩多羅神が習合している荼枳尼天(ダーキニー)が持つ死神としての側面も解放して、お前を物理的に喰ってやるぞ?」

 

サーティーンデスに向かって、そう語る摩多羅隠岐奈は、魔性の存在が纏うモノと近い雰囲気を纏っていた。もしも、この場に色々な人外と出会った者がいたら、天狗と似ているという感想を抱くだろう。

 

実際に摩多羅神という『秘神』は天狗と深く関わりがある神でもあるから、そんな感想を抱くのは間違ってない。秦河勝という人間が天狗や修験道と関係があること。彼女という神様が習合している神格の一つでもある荼枳尼天が飯縄権現という神格と同一視されていること。天狗を眷属にしている金毘羅権現(こんぴらごんげん)の父は素戔嗚尊(スサノヲノミコト)であり、別名が摩多羅神であると説かれていること等・・・・・。

 

 

 

ちなみに修験道でも『魔神』の座に到達することができるから、真のグレムリンに所属している神々には天狗という属性を持つ『魔神』もいるかもしれない。それこそ、飯縄権現その人ではないかと噂される飯綱丸龍や天魔という幻想郷に存在する天狗が該当するかもしれないだろう。

 

 

 

 

邪悪の権化のような悪い笑顔を浮かべながら、摩多羅隠岐奈が『後戸』を大量に宙に展開した。その数は学園都市の夜空を完全に埋め尽くすほど。

 

「さて、お前は神々の死の要因を魔術として大量に扱うことができると自己紹介しているよな?先程紹介した荼枳尼天を筆頭とした泰山府君や北斗星君、大黒天摩訶迦羅(マハーカーラ)といった死を司る神々を摩多羅神は大量に内包しているから、こちらも大量の死の要因を扱うことができるぞ。全力で対処しなければ、今度こそ確実に死ぬだろうな」

 

サーティーンデスに向けて、これより『後戸』から放出されるのは、数多の死という概念そのものがわざわざ弾幕の形をとったモノ。摩多羅神は色々な死を司る神を内包している。ならば接触した者を生かす道理は存在しない。

 

その力は文字通りの『(終焉)を司る神としての力』。ありとあらゆる『殺し』の術を実現する滅尽滅相の術技。他者の殺傷を目指す限り、その手に起こせぬ事象などもはや摩多羅隠岐奈には存在しない。

 

弾幕に当たったら最後、狂死。斬殺。溺死。焼死。圧死。転落死。といった多種多様な死を迎えて滅殺されることになるだろう。

 

それは薔薇十字団関係者が使う『プネウマなき外殻』という世界最古の死因を大量に内包し、表の世界に出力する魔術と似ていた。『秘神』が使用するのは、どちらかというとアンナ=シュプレンゲルよりクリスチャン=ローゼンクロイツ寄りだが。

 

ただ、決定的な違いがあった。主に摩多羅神関係でもあることだ。数多の神々を内包して、習合している摩多羅隠岐奈という神様がやることだ。それこそ世界そのものを対象ごと破壊して、丸ごと都合の良いように世界を新生させるといった、スケールが大きい殺害方法もできるだろう。

 

自分が『魔神』殺しを成し遂げなければ、碌でもない方法が生み出されるだろうと予測している死神の背景も理解した上で、数多の死が具現化した弾幕の雨を『後戸』から降らそうとした矢先。

 

学園都市第一位、一方通行(アクセラレータ)の拳が宙に浮かんでいた摩多羅隠岐奈をアスファルトの上に叩き落とすことで、滅尽滅相の雨が学園都市中に降り注ぐ事態を中断させた。

 

「どォなってやがる・・・・・?」

 

その一言は、科学的や倫理的とは程遠い。さながら、得体のしれないジンクスにとでも遭遇したような声色だった。

 

「・・・・・これでも一応『反射』を使って全身の血管と神経をズタズタにするつもりだったンだがよ。殴った感覚がしねェから不発に終わったのか、それともまともな人体の設計図を思い浮かべる程度じゃ話にならねェってのか?」

 

 

一方通行(アクセラレータ)の目線の先には、無傷で余裕そうに立っている摩多羅隠岐奈がいた。ただ、変わったことがあった。日本の四季を思わせる四色のオーラが、放出元の『秘神』を包み隠すように纏わりついていたことだ。

 

『秘神』は秘匿された神である。このオーラを展開中の摩多羅隠岐奈は、たとえゼロセンチであっても一切の攻撃は当たらない。隠された存在故に当たる方がありえない。といった不変の防御性能があった。『秘神』が展開している防御術式の攻略難易度は、誰にも観測されず存在の確定しない猫を殺せといった無理難題と同じ難易度を誇るだろう。とどのつまり、一方通行(アクセラレータ)によって叩き落とされたように見えたのは、彼女の演技だったわけだ。

 

 

これはCRCが使う魔術を真似た結果の果てに生まれた術技の一つだった。彼女は『魔神』でない身で『魔神』超えの技量を持つ実力者になるという偉業を果たしたクリスチャン=ローゼンクロイツことヨハン=ヴァレンティン=アンドレーエの強さに目を焼かれていたのであった。摩多羅隠岐奈なりの『薔薇十字』リスペクト精神だ。

 

・・・・・自身が作った創作物であるローゼンクロイツ伝説を黒歴史認定して、『黄金』を筆頭とした影響を受けた存在を何としても世界から必ず消すと決めているヨハン本人がこの場にいたら、コロンゾン&エイワス&アレイスターの夢の三位一体フォームを赤子の手をひねるように軽くワンパンKOできる魔術の腕を総動員して、摩多羅隠岐奈に襲いかかるのは想像に難しくないだろうが。

 

 

(二童子(あの子)達に任せた、復活という名の複製された人間達とシティマカーブルの捕獲作業は順調。人々の注目も『リターン』から摩多羅神という『魔神』に移っている。派手に大暴れをした甲斐があるというものだ。後はもう少し暴れて、適当なところでサーティーンデスを回収するのと同時に姿を晦まして騒動を終わらすだけだ)

 

 

 

 


 

 

『麦野に殺されて蘇ったと思ったら、背後の空間に現れた得体の知れない扉に吸い込まれていくんですケドォ!?』

 

『先程の星々の光の雨といい、この扉から漂う気配は・・・・・。まさか、俺をバレーボール状の球体にしやがった眼帯女と同じ類のモノ!!??』

 

『蛭魅が一緒だったら、この扉の向こうがどこに繋がってようが平気だよ。うん』

 

『うーん。何度も死んだり生き返ったりしたと思ったら、お兄ちゃんと一緒に何処かに繋がっている得体の知れない扉に吸い込まれる羽目になるのか。これも天罰なのか・・・・・』

 

『お師匠様から言われた通りに死者の復活現象「リターン」で複製されてしまった人間達を全て回収完了!!』

 

『私もシティマカーブルを捕まえるというノルマを達成したわ』

 

『わたしをどこに連れていくの?』

 

『『この世界と違う場所。生きている死者の存在が普通に受けいられる幻想郷だよ!』』

 

 

 


 

 

 

 

彼女はテンションを上げてハッスルしていたが、ただ単に規模がデカい攻撃を戦闘に使用したわけではなかった。自身の力を周囲に見せつけるようにあえて派手に行動することで、人間達の注目の的を死者の復活現象『リターン』から『魔神』に移すように『後戸』や障碍の神様でもある摩多羅神が二童子と共に司る三毒の貪・瞋・癡(とん・しん・ち)という仏教の概念、邪悪の樹(クリフォト)を利用した術技で思考誘導をしていたのである。

 

 

二童子に任せた『リターン』とシティマカーブルの回収作業が終わった今や、一方通行(アクセラレータ)を筆頭とした色々な人間達が彼女を敵だと思い込んでいる。

 

特に瞋・癡という概念。五欲の対象である万の物を必要以上に求める心であり、真理に対する無知の心、愚癡(ぐち)。憎しみ、嫌うこと、いかること。心にかなわない対象に対する憎悪。自分の心と違うものに対して怒りにくむこと。瞋恚(しんに)。で思考の方向性と選択肢を限定されて、本来の自分とは違う行動を取らされていることに気づいてないのに。

 

「『人間』の成果物の一人である学園都市第一位よ。あまねく神秘を秘匿して管理する『秘神』にベクトル操作という名の世界の全てを解析する力を見せるがよい」

 

世界三大宗教とも関連づけることができる摩多羅神。そんな『秘神』と習合されている十字教の神、神聖四文字(テトラグラマトン)

即ちY・H・V・H(ヤハウェ)

 

学園都市の天空が、『後戸』として大きく開く。物理世界の上に無数に重なる『位相』の一つが露出する。黄金の光が現れる。

 

後戸の神でもある彼女が時空間そのものに『後戸』を見いだすことで生み出した、カーテナという霊装の所有者が使える全次元切断術式の上位互換、攻防一体の全次元断層術式。いかなる攻撃も阻む時空の(いとま)の壁と四季を思わせる四色のオーラ。二つの防御術式に厳重に守られている摩多羅隠岐奈がいる場所を中心として、十字教の『位相』から異なる法則が世界に流出していく。

 

かつての右方のフィアンマがやろうとしたことを軽々と再現してみせた摩多羅隠岐奈によって、世界の法則が完全に塗り潰されそうになる。このままでは十字教単一支配下の法則。オシリスの時代(アイオーン)に固定されるだろう。いや、正しくはオシリスの時代(アイオーン)のような何かに法則が切り替わっていくに違いない。

 

そもそも一部の存在にとって、イシス・オシリス・ホルスの時代(アイオーン)という概念はアレイスターや聖守護天使エイワスが勝手に言っている概念(俺ルール)に過ぎない。

 

メイザースやアンナ=キングスフォードやクリスチャン=ローゼンクロイツ、超絶者といった存在を筆頭とした魔術師達は自分自身を(テレマ)としている疑惑があるからだ。

 

イシス、オシリス、そしてホルス。あらゆる時代(アイオーン)の先に私はいる。故に殺すことは不可能。原典(原作)で大悪魔コロンゾンがそんな発言しているのも相まって、余計にそう思える説得力が出てくる。

 

それを考えると、天使も『魔神』も『位相』から魔術を引き出す魔術師というより生きている魔術法則と例えることができるかもしれない。

 

だから、十字教の魔術を彼女が使ってもフォーマットがオシリスの時代(アイオーン)そのものではなくなるのは当然の帰結とも言えるだろう。

 

神様の向こう側。万物全ての原因なき原因。無そのものであるAINアイン。神々が住まう異界のルールそのもの。未踏級。摩多羅隠岐奈という未踏の領域に手を届けた神様が行使する術技だから。

 

「そして『秘神』という名前の妙体であり、衆生に立ち塞がる障碍の神でもある摩多羅隠岐奈が課す試練を乗り越えて、8=3以上の位階に至って見せろ!!」

 

唯一神ならぬ究極の絶対秘神。人間達に試練を与える神。障碍の神様としてノリノリで振る舞って行動する彼女の大暴れは、この調子だとまだまだ終わらなそうだ。

 




まだ原作に登場してないレベル6ですけど、個人的には『魔神』より格下だと考えています。

理由は史実の魔術知識も考察材料の参考にした上で、レベル6(仮)の強さを考察したら、大悪魔コロンゾンが門番として管理している深淵(ダアト)を踏破した先にある上位三セフィラの領域にいることになるからです。

ちなみにSYSTEMと全盛期『魔神』達は、王冠(ケテル)を越えた先にある、人には理解出来ず、表現出来ない『神の領域』。否定の三重光とも呼ばれている、0を連ねた未開示領域にいると確信しています。

こう考えるとレベル6が神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものこと、SYSTEMに至るためのチケット扱いされるのも納得ですね。


ただ、レベル6のステージに到達した存在。確実に8=3(ザフキエル)以上の位階にいるプラチナの翼一方通行の反射を軽々と貫通したアンナ=シュプレンゲル&エイワスコンビやコロンゾン&エイワス&アレイスターを一蹴したクリスチャン=ローゼンクロイツ(ヨハン=ヴァレンティン=アンドレーエ)の描写がノイズになっています。

特にCRC(老骨)の強さはなんでしょう?
万全の魔神以上と思わせる記述が普通にあるのはおかしいですよね?
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