悪魔の現れるTRPG世界に転生してしまった   作:いかのしおから

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第8話「アスモデウス」

「でけえ家だな……」

「なんでも某量販品店の社長さんらしいですよ」

「お前こんな金持ちと知り合いだったのか」

「知り合いといっても、友達のお父さんのお友達になりますが」

 

 やってきたのは他県の高級住宅街の一等地、目の前には巨大な洋館が佇んでいる。

 土地の余りがちな海外ならともかく、日本では中々見ない規模だった。

 

「今更だけど俺、こんな服で良かったんだろうか。

 失礼に思われないか、ちょっと不安になってきたわ」

「大丈夫ですよ先輩、先輩はいつでもどこでもかっこいい人ですから」

「お前の俺に対する外見評価はいまいち参考にできねぇんだよなぁ……」

 

 俺が今着ている服装は、母親が買ってきてくれたアメカジ風の上着にジーンズといった比較的マシな恰好だが、多分こいつは俺がホームレスのような服装でいたとしても、インコの一つ覚えのようにかっこいいかっこいいと繰り返し言ってくれるのだろう。

 対する柊は、季節の色を取り入れた、というやつなのか、チェックの茶色いロングスカートに、白のセーターの上に薄茶色のカーディガンを羽織り、靴はシンプルな黒いショートブーツ、上品で落ち着いた非常にセンスの良さが光る様相だった。

 これだけセンスがあるなら、多少手厳しくてもいいから、変なところがないか教えてくれても良かっただろうに。

 

「なにはともあれあの家の方々が首を長くして荒木先輩の到着をお待ちしている筈です!

 さあ! 早速お宅訪問といこうではありませんか! ぽちっ」

 

 そう言って柊は洋館の庭門に取り付けられたインターホンを鳴らした。

 

『おや、もしかして君達は、国枝が紹介してくれた』

「こんにちは倉田さん!

 先日お尋ねされた件について、専門家の荒木先輩を連れてきました!」

『おお、そちらの彼が例の……! 

 ありがとう柊くん、今使用人を送るから、そこで待っていてくれ』

 

 少し待つと屋敷の方から燕尾服の老人がやってきた。

 

「ようこそおいでくださいました柊小夜子様、荒木明様。

 どうぞお入りくださいませ」

「ありがとうございます執事さん!

 うわー、私は執事さんなんて初めて見ましたよ。

 もしかしてお名前はセバスチャンだったりします?」

「いいえ、私の名前は大友晴久でございます」

「執事だからってセバスチャン呼ばわりは流石に安直すぎるだろ……。

 そもそもセバスチャンという名前は執事じゃなくて聖人が由来だし」

「あれ、そうなんですか?」

「ああ、元となったのは聖(セント)セバスティアヌス。

 キリスト教圏では人気者の聖人でな、彼に肖ってセバスチャンと名付けられる子供は多いそうだ」

 

 存命時は耳が聞こえず盲目な女性を奇跡で癒したとされており、死後は彼に祈れば黒死病が治まったという逸話がある。

 聖セバスティアヌスは癒しの奇跡を齎す聖者であり、俺が「エクソシストTRPG」を遊んでいた頃も、よく彼の聖遺物には回復アイテムや状態異常解除アイテムとしてお世話になっていた。

 余談だが、セバスティアヌスの象徴として絵画の題材となりがちな柱に縛り付けられ半裸で身体を歪ませるポーズは、その手の趣味を持った人々の趣向に大きく刺さってしまい、加えて当人がゲイかもしれないという説から、後世ではゲイポルノの象徴的な題材として扱われるようになった数奇な運命を辿った男でもある。

 

「流石は荒木様、お噂はかねがね聞いておりましたが、神話への見識がお深いようで。

 これなら旦那様のお悩みも晴れることだと、愚生大友は胸をなでおろしました」

「柊越しに伝えておいた筈ですけど、対応できる悪魔には限りがありますし、報酬が少なければさっさと家に帰りますよ」

「心得ております。

 とはいえ、荒木様は困っている人は放っておけないので、当人なりの誠意を示せばなんだかんだで助けてくださるともお聞きしていましたが」

「……柊、お前なぁ」

「えへへ」

 

 今まで邂逅した悪魔が、偶然俺達でも対処できる悪魔しかいなかっただけなのに。

 はぁ……いい加減文句を言うのも疲れてきた。

 

「我々は荒木様の到着を蜘蛛の糸を待つが如くお待ちしておりました。

 旦那様はリビングでお待ちになられています。

 私が先導しますので、このままついてきてください」

 

==

 

「よく来てくれた。

 私が今回君達に悪魔祓いを依頼した倉田悟だ、そしてこちらが妻の」

「倉田桜よ、よろしくね」

「よろしくお願いします!

 後輩兼助手の柊小夜子です! そしてこちらが大本命、悪魔祓いの専門家の」

「専門家と呼べるほど知識はありませんが、ご紹介に与った荒木明です、早速ですがお話を伺わせてもらえますか?」

「うむ、では語らせてもらおう」

 

 本日の依頼人は某量販品店の社長を務める倉田悟。

 鋭い三白眼に、黒くつややかなオールバック、立派な口ひげを蓄えており、机の上で組んだ指は太く骨ばっていた。

 妻の倉田桜の方は当然のように美人で気品がある。

 倉田悟はティーカップに口をつけて唇と舌を湿らせた後、こう語り始めた。

 

「……私達の娘に、悪魔が憑りついたのだ。

 分かったのは娘が結婚式を終え、旦那と初夜を行おうとした日のことだ。

 娘はベッドで旦那の首を掴み、絞め殺そうとした」

 

……あ、もしかしてそれ。

 

「運よく死亡は免れ、警察沙汰にこそならなかったが、このようなことが続いたものだから当然婚姻関係は破棄され娘は独り身に。

 それほどまでに夜の営みを嫌っていたのかと考えたが、娘は当時の記憶がないという。

 以降も娘は再婚し、初夜を繰り返す度に旦那を絞め殺そうとしてしまい、関係者の間で娘が悪魔憑きだという噂が広がってしまい、すっかり嫁ぎ先もなくなり、ほとほと困っていた……そんな時だった。

 旧来の友人から君達の噂を聞いてな、藁にも縋る想いで依頼を出させてもらった。

 このままでは一生娘は独り身のまま生涯を終えることになる。

 荒木くん、どうかお願いだ、娘を哀れに思うならとり憑いた悪魔を祓ってほしい。

 勿論、報酬も払おう」

「……依頼を受けるかどうかはともかくとして、おおよそ悪魔の正体を絞り込めました」

「! それはいったい!?」

「参考までに聞きますが、娘さんは美人ですか?」

「? ……あ、ああ、娘は社交界でも名の知れた美人でな……もしや報酬に娘を差し出せと」

「……あら、意外とプレイボーイなのね」

「せ、先輩駄目ですよ! そういうのはよくないと思います!」

「違います、悪魔の正体を探るために質問しただけです。

 今の話を聞いて悪魔の正体が分かりました。

 娘さんにとり憑いた悪魔の正体、それはおそらくアスモデウスです」

 

 見目のいい女にとり憑いて初夜に旦那を絞め殺す悪魔といえば、一番最初に思い浮かぶのはアスモデウスだ。

 グリモワールのひとつ『ゴエティア』では、かの有名なソロモン72柱の序列32柱に数えられる大悪魔であり、四大悪魔の一角とされるアマイモンの配下にして、東方悪魔の首座、72の軍団を率いる大いなる王とされている。

 

「アスモデウスは複数の有名な伝承を持つ悪魔であり、伝承の一つには豪商の娘であるサラという美しい少女にとり憑き、彼女が結婚して初夜を行う度に旦那を絞め殺したという逸話があります。 

 そのことから悪魔の正体がアスモデウスだと気づきました」

「偶然ではないのか?」

「その可能性もありますが、現世に現れる悪魔は、自らの伝承をなぞって行動することが多いんですよね。

 悪魔召喚をする際にも、伝承に記される符合を引用して行うやり方もありますし。

 数いる同条件の人々の中から娘さんが選ばれたのは、まあ、アスモデウスの好みに合ったのでしょう。

 不幸というべきか、名誉というべきか」

 

 わざわざ倉田悟の娘にアスモデウスが憑依したということは、彼女の外見にそれだけ惹かれる魅力があったということなのだろう。

 

「名誉なものか! 悪魔のせいでせっかくの娘の結婚が……」

「伝承の続きを話しますと、サラが初夜の七度目の失敗を終えた後、彼女の住まう町に、ある二人の男がやってきました。

 二人の名前はトビアとアザリア、トビアはアザリアに促され、サラと結婚することになったのですが、当然サラには悪魔が憑りついており、またトビアは「自分は一人っ子だ」と言って、結婚には乗り気ではありませんでした。

 しかしトビアはアザリアからある秘策を授けられました。

 トビアはサラとの初夜に魚の内臓を入れた香炉を焚いていたのです、するとサラの身体からアスモデウスが飛び出しました。 そのアスモデウスを首尾よく捕まえたのが大天使ラファエルです。

 ラファエルはアスモデウスを捕まえるためにアザリアに変装していたのです。

 その後捕まったアスモデウスは、エジプトの奥地に幽閉されたのだとか」

「……幽閉されたというのなら、何故娘のもとに」

「それは分かりませんが──この話から分かる通り、アスモデウスには明確な攻略法が存在します」

「……」

 

 魚の内臓を入れた香炉を焚いたら、アスモデウスが飛び出した。

 伝承が確かなら、道具を揃えれば少なくとも倉田悟の娘から憑りついたアスモデウスを引き剥がすまではできるだろう。

 しかし、問題はその後だ。

 

「ですが、魚の内臓を入れた香炉を焚くだけでは不十分。

 万全を期すなら飛び出したアスモデウスを捕まえるために、ラファエルの協力を仰がなければなりません。

 伝承によるとアスモデウスは地獄で大いなる王とも語られる大悪魔です。

 数多の悪魔の軍勢を率いるともされており、無暗に刺激すれば、いったいどんな大惨事を引き起こされるか。

 最低でもこの町は悪魔の軍勢によって廃墟と化すでしょう」

「……ここら辺の住宅街は、警備会社と契約をしている家の方が多いのだが」

「その警備会社の戦力がどれほどのものかは知りませんが、悪魔の中には魔術を操る者や、虎や熊のような巨大な体躯の者も存在します、被害は免れないかと。

 アスモデウスと対峙するには対抗天使のラファエルの協力が必要不可欠です」

 

 悪魔にはそれに対抗する伝承や性質を備えた、対抗天使や対抗聖人というものがある。

 今回のアスモデウスの対抗天使はラファエルであるため、彼の協力は取り付けておきたいところだ。

 というかそうでもしなければこんなヤバイ事件に関わってなどいられない。「エクソシストTRPG」におけるアスモデウスの戦闘時単体脅威度は4(天敵)、それに配下も加われば脅威度5(天災)に到達するのだから。

 まあ、少々特殊な性質を持った悪魔なので、一概にその真価が発揮されるとは限らないが。

 

「娘さんは今どこに?」

「……自室に隔離しているわ、唐突に悪魔に乗り移られて暴れ始めては困りますから……」

「ではそのまま俺達の存在をアスモデウスに悟られないよう隔離しておいてください。

 あまり期待はしないでほしいのですが、一先ずラファエルの召喚を試みます。

 離れに見えた園芸小屋を貸していただけますか?」

「……分かった、庭師には当分の間、場所を貸すよう伝えておく」

 

==

 

「これって、その……失敗なんでしょうか」

「俺達の目的からすれば、失敗だな」

 

 目の前には、前世の記憶を頼りに魔円陣と三角陣を描いた紙。

 出力を増強するために配置した『ニコラウスの金貨』。

 そして一枚のメッセージカードが置かれていた。

 俺はどこからともなく現れたメッセージカードを手に取り目を通す。

 

「ええっと、なんて書いてあるんでしょうか」

「要約すると……「忙しいから向かえない、君なら対処できると思うから頑張って」だ、そうだ」

「なんですかそれ」

 

 まあ、召喚に応じないにもかかわらず、態々手紙を送ってきたのだから、おおかた想定通りの内容だが。

 

「予想はできちゃいたが、ラファエルは人気者の天使だからな……助けを求める声に応えて東奔西走で大忙しなのだろうよ。

 しゃあない、今回の悪魔事件は撤収するしかないな」

「え!? で、でもラファエルさんは、先輩なら対処できると」

 

……いずれ来る日だとは思っていたが、そろそろ俺に対する柊の幻想を打ち砕く時が来たのかもしれない。

 

「無理だよ、ラファエルの助けなしでアスモデウスに対峙できるわけがない。

 俺にはどうにもならん、娘さんは可哀そうだが、下手にアスモデウスを刺激して怒らせるぐらいなら、放っておくのが一番だ」

「ら、ラファエルさんが忙しいというのなら、用事が終わるまで待つのはどうですか?」

「ラファエルはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教に登場する天使だ。

 キリスト教教徒は22億人、イスラム教教徒は14億人、ユダヤ教教徒は1340万人。

 これだけの人口が天使の現れる神話を信じており、その中に登場するラファエルは特に高名な天使だ。

 四大天使の一つにも数えられるほどで、人間と密接に関わり助けてきた歴史がある、順番が回ってくるのは何年後になるのかね。

 この休日中には間違いなく間に合わないし、もしかすれば娘さんの結婚適齢期が終わった後かもしれない」

「他の天使に頼るのは……」

「生半可な天使では、アスモデウスを怒らせて終わるだけだ」

「……! そうだ! 『金貨』の魔除けに頼るのは!」

 

 そういえばその手もあったか……だが。

 

「有効ではあるだろうな」

「なら!」

「逃げる場合ならともかく、立ち向かうとなれば宝の持ち腐れだが」

「……え?」

「それだけアスモデウスが高位の悪魔なのも理由にあるが、もともと『ニコラウスの金貨』は身を守るための聖遺物だ、当人に逃げる気がなく立ち向かうつもりなら、その性質を十全に活かすことは難しい」

「……」

 

 『ニコラウスの金貨』に宿る力は、強力な魔除けに加え、致命的失敗(ファンブル)を引いた場合、一度ダイスを振り直せるというもの。

 それは間違いなく強力な能力だが、魔除けの効果も自分から悪魔に近づくとなれば本末転倒だし、危険性の高いダイスを連続で振らざるをえないような状況に陥った時点で、そもそも勝負に負けている。

 ゲームとしてならともかく、現実でそんな危険な手段は取りたくない。

 なにしろ一度もファンブルを出さなかったぐらいでは、倒せない悪魔は無数にいるのだから。

 

「でも……でも、先輩は、今まで私達を助けてくれたじゃないですか。

 どれだけ強力で恐ろしい悪魔でも……」

「今まで出会った高位悪魔は、どいつもこいつも話が通じる相手だったからな。

 だがアスモデウスは違う、正真正銘極悪非道の大悪魔だ。

 基本的に大悪魔と人間は、捕食者と被食者の関係にある。

 よほど優れたエクソシストでもない限り戦って敵うことはない。

 悪魔事件に関わる上で大切なのは引き際だ。

 俺達は全知全能の神でも、神に選ばれた奇蹟者でもない、弁えろ」

「……」

 

 柊は俯いた。

……言い過ぎたか?

 だけどこのぐらい言わなければ、柊が自分を省みる機会は訪れないだろう。

 

「お前からすれば楽しみにしていた悪魔事件だ。

 こんな冒頭で引き上げるのは不満かもしれないが」

「……違います」

「違うって、なにが」

「……私が不満なのは、楽しみがなくなることではありません」

「じゃあ、なんでそんな面をしてるんだよ」

「……」

「なあ」

 

 柊は少しの間閉口した後、こう語った。

 

「……私は、先輩が偽物扱いされたくないんです」

 

 偽物扱い?

 どういうことだよ。

 

「……誰かに先輩の話をしたら、信じてもらえない時があるんです。

 そんな都合の良い人がいるわけがない。

 エクソシスト? そいつはペテン師か何かだ、離れた方がいいって……。

 先輩はいるのに……ちゃんと本物の正義のエクソシストなのに……」

「そんな、トト〇はいるもんみたいな……」

「なんで先輩がそんなこと言うんですかぁ……! 先輩は何度も何度も私達を助けてくれたじゃないですかぁ……!」

「お、おい、泣くなよ」

「私は嘘なんてついてません……! 先輩は凄いのに、凄くて優しくて頼もしいのに……!

 ここで依頼を失敗したら、倉田さん達にまで先輩が偽物だと思われちゃう……。

 私は嫌です……! これ以上先輩が偽物呼ばわりされるのは……!」

「そう思うなら、誰かに俺を語る時はもう少し評価を下げて話してくれよ」

「それはできません!」

 

……お前さぁ。

 正直、俺からすれば周りからどんな風に思われようがどうでもいい。

 むしろ役立たずだと思われていた方が、悪魔事件の被害を被らずに済むのだから。

 ここらで一度ぐらい依頼を失敗して、ハードルを下げておくのが正解なのかもしれない。

 こいつの俺に対する異常なまでの信頼や期待は、正直重く感じていた部分もあったし。

 

 とはいえ……世の中には風聞というものがある。

 現在俺は高校三年生、内申書が気になる時期。

 傍から見ても俺に懐いている後輩をほっぽり出せば、教師はいったいどんな評価を下すだろうか。

 

 そもそもの話、柊は俺の友達だ。

 友達は守るのが俺のルール。

 なので柊を悪魔事件から無事に帰らせるのは大前提だ。

 だが肉体的な傷のみ防いで、精神的な痛みを無視しては、片手落ちもいいところだろう。

 大事な友達が、大切な後輩がほら吹き呼ばわりされていいのか?

 いいや、よくない。

 

「……だからまあ、これは正義感ではなく、合理的判断に基づいた自己保身になるわけで」

「先輩……?」

「できるかどうかは分からないが、もう少しあがいてみよう」

「! せ、先輩!」

 

 柊は笑みを浮かべた。

 花が満開に咲いたような美しい笑みを……まったく、ずるい女だ。

 さて、どうしたものか……一旦アスモデウスの情報を整理しよう。

 

「アスモデウスの姿形は牛、人、羊の頭とガチョウの足、毒蛇の尻尾を持ち、片手には軍旗、もう片手には槍が握られ、竜に跨り口から火を吹くという、ド派手で凶悪な見た目の悪魔だとされている。

 そんなアスモデウスの言動は酷いもので、夫婦の性交渉を邪魔したり、夫が不貞を働くように仕向けたりと、碌でもないことばかり。

 だが、アスモデウスは悪魔召喚師たちには人気がある」

「ど、どうしてでしょうか……? 今の話を聞いたかぎりでは、とても人に好かれるような悪魔ではないと思うのですが……」

「それはアスモデウスの二面性が関わってくる。

 先にも語った通りアスモデウスは凶悪な姿だが、それを見ても恐れずに「あなたこそがアスモデウスに間違いありません」と指摘すると、指輪やガチョウの肉をプレゼントしてもらえるんだ。

 更には、算術や天文学、幾何学や手工芸、質問に対する完全完璧なる回答、他者を無敵に、宝物の所在など、持ちうる技能は多様にわたる。

 つまり、一応はだがアスモデウスに交渉は成立するんだ」

「おお!」

 

……一応はな。

 

「ですが先輩、交渉が成立するというのなら、どうして先輩は早々に諦めたのでしょうか? たとえ危険でも、いつもの先輩であれば交渉ぐらいは試していた筈です」

「お前が俺を買いかぶっているのもあるが、まず大前提としてアスモデウスは交渉難易度が高い。

 それに加えて今回アスモデウスが、悪魔ではなく、憑依という形をとっているのが問題だ」

「え? それの何が……あ! そっか! 恐ろしい悪魔の姿ではないなら「あなたこそがアスモデウスに違いありません」と指摘しても、効果が薄いのですね」

「試したことはないが、俺はそうだと考えている。

 ただでさえ交渉難易度の高いアスモデウス。

 それが実体ではなく憑依状態となれば、より交渉は困難になってくる。

 更に憑依対象が神話でアスモデウスが執着した豪商の娘サラや、サラとよく似た符合を持つ女にとり憑いているとなれば語るまでもない」

 

 アスモデウスの「エクソシストTRPG」における脅威度は2(交渉可能)。

 しかしアスモデウスは悪魔の中でも特に気難しいとされており、憑依状態となればそこらの脅威度3(有害)や脅威度4(脅威)の悪魔を超える攻略難易度になってくる。

 特にこいつが女に乗り移って登場した時はやっかいで、ラファエルを味方につけるか、余程強力な聖遺物でも揃えていない限り、無暗に接触しないのが鉄則だった。

 

「なので交渉の席に着いた途端、アスモデウスは俺の首を絞めてくるかもしれないが……」

「その時は私が『金貨』を持って盾になりますので!」

「盾にはならなくていいが……やれるだけのことはやってみよう。

 逃げるのはそれからだ」

 

==

 

 夕食の食卓で、俺は倉田悟から娘を紹介してもらった。

 

「美沙、紹介しよう、彼は荒木明、お前の新しい結婚相手だ」

「……え?」

「今晩初夜を行うので準備をしておくように」

「お、お父さま、いきなりすぎない……?」

 

 倉田美沙は「というかこの子若すぎ……高校生……?」などと、驚き戸惑いながらも、家庭間での力関係は明確らしく、父親の意向に逆らうつもりはないようだった。

 そうして倉田悟から宛がわれた部屋で待つこと数十分、倉田美沙はやってきた。

 

「こ、こんばんは、あのさ、お父さまから話は聞いていると思うけど、私ちょっと、困った状態で……え、な、なんで他に女の子がいるの?」

「どうも、助手の柊小夜子です」

「荒木明です、そちら側の事情は存じています、そして──「You must be Asmodeus(あなたこそがアスモデウスに違いありません)」……Let's see?(そうですね?)」

?」

「……It's The Exorcist.(エクソシストか)」

 

 一瞬にして倉田美沙の纏う雰囲気が変わった。

 殺意、暴力性、不自由を嫌う、そんな男の雰囲気に。

 そして使う言語も、日本語から英語へと。

 俺はそのまま英語を使ってアスモデウスと会話を続ける。

 

「どういうことだ」

「まず、不意打ちのような形になってしまったことを謝罪します。

 私は美沙さんの新しい結婚相手という体で部屋に呼び出しましたが、実際は彼女のお父さまから依頼を受けた雇われの調査員でございます。

 初夜を行うと偽ったのは、あなたさまの召喚条件を満たし、話し合いの場を設けるためであり、決して彼女に手出しをするつもりはありません。

 隣にいる彼女、柊小夜子を同席させたのは、倉田美沙さまの名誉を傷つけないための証人になってもらうためでございます。

 元より危害を加える意図はありませんが、御不快になられても仕方のない対応をとってしまったこと謝罪します。

 ご無礼、平にご容赦を」

「……そなたの弁えた態度を認め、我を騙したことを不問とする」

 

 ええっと、今のは許してくれるって意味か。

 俺は高校で習う英語ぐらいしか使えない。

 そのため事前にアスモデウスとの会話中に出てきそうな英文を用意していた。

 伝わるか不安だったが、それでもどうにか会話は成立しているようだ。

 アスモデウスは鷹揚に頷き、こう続けた。

 

「とはいえ、これから話し合いをするというのに、立ち話というのもな。

 そこの椅子を借してもらっても?」

「それは──できません」

「何故だ」

「アスモデウス様はソロモン72柱の悪魔の中でも、特に慎重に召喚しなければならない悪魔とされており、怠ると不利益をもたらすルールがあります。

 そのルールの一つに、アスモデウスさまをずっと足で立たせておく、というものがあり、これを守れなければ欺かれてしまうとお聞きしていますので」

「ふん……どうやらお前はそれなりに悪魔の知識を蓄えているらしい。

 いいだろう、このまま話を続けろ」

 

……油断も隙もあったものじゃない。

 今まで出会ってきた高位の悪魔といえば、マスティマやフォルネウスの2体だが、この2体の悪魔の属性はどちらかといえば正義や秩序といった方向に傾いていた。

 しかしアスモデウスは正真正銘極悪非道の悪魔らしい悪魔だ。

 気を抜けば再び俺達を罠に嵌めようとしてくるだろう。

 ちなみにアスモデウスを召喚する上で守るべきルールは他にもあり、

 

・椅子に座らせてはならない。

・帽子などを被っていたら外させる。

・召喚者の母国語以外の言語で儀式を行う。

・アスモデウスの上司であるアマイモンの影響を考慮してヨーロッパの存在するユーラシア大陸以外で儀式を行う。

 

 など、気を使うべきルールは多い。

 帽子は被っていなかったし、現在使っている言語も俺の母国語である日本語ではなく英語。 召喚した場所もヨーロッパがあるユーラシア大陸ではなく日本列島なので、今のところアスモデウスの召喚ルールに逆らってはいないだろう。

 なにはともあれ──これで話し合いを始められる。

 

「まず初めに、何故アスモデウス様が倉田美沙さんにとり憑いたのか、私なりの推理を述べさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

「聞かせてみろ」

「ではまず初めに、アスモデウスさまが登場した『トビト記』です」

「……」

 

 アスモデウスは不機嫌そうに顔を顰めた。

 おい、怒るなよ、苦い思い出なのかもしれないが、話を聞いてくれるっていったのはお前だろう。

 

「『トビト記』において、アスモデウスさまは豪商の娘であるサラという美しい少女にとり憑きました、その後トビアとラファエル様によってエジプトに幽閉されたそうですが……この状況は現在の美沙さんの状況に酷似していますよね。

 そんな『トビト記』には、ある学説が存在します。

 それはアスモデウスさまがサラに恋をしていたという説です。

 これに関する見解を教えてくれませんか?」

「……何故、言わねばならぬ」

「情報をすり合わせ、お互いの納得を訴求するためです」

「……美沙は、サラに似ていた、それだけだ」

 

 よし……その言葉を引き出せたのなら十分だ。

 アスモデウスはサラに好ましい感情を抱いていた、そしてサラと似ている美沙にも近しい感情を向けている。

 それが恋愛感情かは分からないが、好意的な感情を抱いていると考えて間違いないだろう。

 そしてこれに加えてもう一つ分かったことがある。

 それはアスモデウスが他人の助けを必要としていることだ。

 

「なるほど、自説に一つ補強材料が加わりました。

 続いて質問させていただきます、『トビト記』にはアスモデウスさまがサラに手を出さなかったという記述がありました。

 ご確認しますが、今回美沙さんには」

「手は出していない、誓ってな」

 

 やっぱりか。

 

「ありがとうございます。

 では一旦手元にある情報を纏めます。

 アスモデウス様は美沙さんに好ましい感情を抱いている。

 それが恋愛感情なのかは分かりませんが、好意を抱いているのは間違いない。

 しかしながらアスモデウスさまは美沙さんに手を出していない。

 無理矢理手籠めにする力があったというにもかかわらず。

 このことから分かる通り、アスモデウス様は美沙の気持ちを少なからず尊重する気持ちがある。

 そして無理矢理手籠めにしなかったのは。悪魔と結ばれた人間の悲惨な末路を知っていたから。

……そうですね?」

「……」

 

 アスモデウスは少しの間閉口した後、口を開いた。

 

「おおよそお前の予想は当たっているが間違っている部分もある。

 悪魔と結ばれれば不幸になるというが、そうはならなかった逸話もある。

 私が美沙に手を出さず、その上で夫を殺めようとした最たる理由は、その夫が彼女の夫になるに相応しからぬ男ばかりであったからだ」

 

 そう言い終えた後、アスモデウスは美沙に意識を受け渡した。

 崩れ落ち倒れそうになる美沙を、すんでのところで柊が抱き留める。

 

「……先輩、交渉は上手くいったのでしょうか?」

「……光明は見えてきたかもしれない。

 彼女が起きたら、依頼人も交えて今話した会話の内容を伝えてみよう」

 

==

 

「──先ほど部下から報告が届いた。

 すると出るわ出るわ、表沙汰にされていなかった前夫達の問題行動の数々……。

 悪魔の妨害がなければ、こんな男達に娘を預けるところだったのか……」

 

 倉田夫妻と倉田美沙は額に汗をかきながら、ほっと胸をなでおろした。

 家長の力が強い旧時代然とした雰囲気の倉田家とはいえ、娘の幸福を祈る家庭愛は存在しているらしい。

 とはいえ娘の幸せを願っているのなら、夫の経歴はもっと丁寧に調べておくべきだったと思うが。

 まあいい、それはともかく。

 

「美沙さんは、アスモデウスにどういった感情を持っているんですか?」

「え? ……ど、どういう意味かしら」

「アスモデウスはあなたに好意を抱いています、あなたはそれに対して応えるつもりはあるのかと聞いているのです」

「……今までの旦那がクズばかりで、私の身を案じて妨害してくれていたのは分かったわ。

 だけど悪魔付きの噂が立って新郎候補がいなくなったことや、人殺しになりかけたことは恨んでいる。

 それに結婚するなら人間と結婚がしたい、悪魔となんて結ばれたくないわ……」

 

 だってよアスモデウス。

 お前もどこかで話を聞いているんだろう? 彼女にその気はないってよ。

 

「でも……どうすればいいんでしょう。

 アスモデウスさんは美沙さんのことが好きなんですよね?」

「らしいわね……強力な悪魔だから祓うこともできないようだし。

……他の女の子を紹介するのはどうかしら?

 小夜子ちゃんって、悪魔との結婚に興味があったりは」

「え、そ、それはちょっと……」

「──ん? 何を言っているんだお前達は。

 解決策など分かり切っているだろう」

「え?」

 

 倉田悟の言葉にきょとんと眼を丸める柊と倉田美沙。

 俺としても、どうして今の話を聞いて理解できなかったのか、甚だ疑問である。

 

「アスモデウスが納得できる夫を用意すればいい、そうですわよね、あなた」

「うむ」

 

 倉田桜の発言に、倉田悟は疑問を唱える余地がないというように頷いてくれた。

 しかし、柊と倉田美沙は首をかしげて疑問を口に出す。

 

「ちょ、ちょっと待ってください。

 アスモデウスさんは美沙さんのことが好きなんですよね?」

「そのようだな」

「で、では自分と結婚してもらいたいと思っている筈ですよね?

 今までアスモデウスさんが夫達を排していたのは、自分にだけ想いを注いでほしかったからで」

「そういう願いもあったのかもしれないが、娘が断った今、どうにもならんだろう」

「まあ、そうでしょうね」

「で、ですがアスモデウスさんは強力な悪魔で──ええっと……」

「お父さま、説明してくださらない?」

 

 これだけ情報のピースが揃っているのだから理解できると思っていたが。

 

「まず前提として、男が異性に抱く恋愛感情は二通りある。

 明け透けた話になってしまうが、庇護欲と、性欲だ」

 

……本当に明け透けだな。

 倉田美沙は倉田悟の説明に若干引き気味だ。

 何故か柊の奴は興味津々に身を乗り出して聞いているが。

 

「──この女は人格者だ、この女の能力は優れている。

 そういった人格や能力に対する評価は、恋愛感情ではなく友愛や崇敬に当たるので、一旦脇に置いておくとして。

 件の悪魔が娘に手を出さなかったことから分かる通り、娘へ向ける恋愛感情は庇護欲寄りだ、今になって性欲に振り回されることはないと思っていい」

「そ、そういうものなのでしょうか」

「ああ。

 男は性欲に振り回されることも多いが、それと同時に心の奥底では、困っている女性を紳士的に助け、足長おじさんとして尊敬の念を抱かれたいという承認欲求も存在するからな」

 

……少し耳に痛いな。

 別に俺のことを言っているのではないと分かってはいるのだが。

 

「こういった庇護欲がとち狂い、性欲に転じる時もあるが、男という生き物はとても面子を気にしてしまう生き物だ。

 今まであしながおじさんを演じていた件の悪魔が、娘が良き夫と巡り会えて尚、それでも妨害を続けるとなれば、件の悪魔の娘へ向けた感情は、庇護欲ではなく性欲と見なされてしまうだろう。

 そうなれば間違いなく名誉の失墜に繋がってしまう。

 それは立場のある男として避けたい筈だ」

「……悪魔の多くはかつて天使だった堕天使です。

 天使は両性具有なので、アスモデウスを男だと決めつけることはできませんが、地獄の王という立場や、言葉を交わした所感から、とても礼儀や名誉を大切にしていると感じました。

 悟さんの予想は信用できるかと」

 

 大企業の社長らしい男性社会的思想に偏った見解ではあったが、俺の考えとしても、倉田悟の予想はそれほど的外れではないと思っている。

 アスモデウスは足長おじさんでありたい。

 倉田美沙が良き夫を得られるまで。

 それが本心か、ただの格好つけかまでは分からないが。

 

「……理屈としては分かったわ。

 お父さま一人が言っているならともかく、お母さまや明くんも同じ考えのようだし」

「では今から旦那探しだな……これまでと同じ過ちを繰り返さぬよう、きちんと調査をしておかなければ」

「ですがどうします? 悪魔が憑りついたせいで娘の評判は最悪よ、こんな状況で悪魔が認めるような独り身の男なんて」

「……ねえお父さま、お母さま」

「ん?」

「なにかしら?」

「私から一つ、提案があるのだけど」

 

==

 

「先輩、見てくださいよこれ、倉田さんからのお手紙です。

 無事、結婚できたんですって」

 

 数か月後、柊が一通の手紙を見せてきた。

 送り主は倉田美沙、手紙の表紙には、彼女がウエディングドレスを着て新郎の腕を抱く結婚式の写真が印刷されていた。

 

「綺麗な写真ですよねぇー。 

 美沙さんは当然ですが、新郎さんも凛々しくて男前ですし……もちろん先輩ほどではありませんが」

「取ってつけたようなフォローはいらねえよ。

 こういうの両片思いって言うんだっけか」

「フォローではありませんが、そのようですね」

 

 どうやら新郎は倉田美沙の中学時代からの幼馴染でかねてから思いを寄せており、彼女を追って倉田悟の会社に入社したそうだ。

 とはいえ八百屋の倅と大企業の娘とでは差が大きく、叶うことのない夢として、その想いはずっと内に秘めていたとのこと。

 しかし倉田美沙側も学生時代から新郎に思いを寄せており、懸命に働き若手のエースとして活躍する彼に熱い視線を向けていたのだとか。

 そして今回結婚の話を持ち掛け両片思いであることに気づいたと。

 

「まるでドラマのような話ですよね。

 もしかしてアスモデウスさんは二人の気持ちに気づき、恋のキューピット役を務めたかったのでしょうか」

「どうだろうな」

 

 あいつがそんな殊勝なことを考えていたとは思えないが。

 多分本当に好きな子には迂闊に手を出せなかった、そうしてまごついている内に他の男にかっさらわれた、そんなところだろう。

 

「続く行によると、恐る恐る行われた初夜にはアスモデウスさんは現れず、以降一度たりとも姿を現さなくなった、と書かれています。

 今回の悪魔事件はこれにて一件落着と考えていいのでしょうか」

「いいんじゃないか? これ以上どう世話を焼けばいいんだって話だし」

「そうですね……その……今回は本当にありがとうございました」

「? どうした改まって」

「い、いつもいつも面倒事を持ってくる私を助けてくださることには、本当に本当に感謝しているのですが、今回はかなり無理を言って助けてもらったので、改めてお礼を言いたくて」

「迷惑かけてる自覚があるなら、もう少し俺のことは評価を下げて紹介してほしいもんだが」

「それはできません。

 なにしろ荒木先輩は本当に正義のエクソシストですから!」

「はぁ……」

 

 溜息を吐いたが……正直、満更でもない気持ちだった。

 柊の声色は、顔を見ずとも伝わってくるほど強い敬意と感謝の念が込めれており、俺の中にあった足長おじさん的承認欲求がみるみる満たされていく。

 しかし、それと同時にこう思う。

 柊の感謝の念は、はたして恋愛感情に繋がるものなのか。

 アスモデウスの二の舞──そんな言葉が脳裏に浮かんだ。

 

……いやいや。

 別に俺は柊と恋人になりたいとか、そんなことは思っていないんだけどな。




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=追記=
 誤字報告助かりました!

=追記2=
 話作りに不都合な設定があったので一文取り除きました。

=追記3=
殉教聖人のセバスティアヌスと、エクソシストのセバスチャン・ミカエリスを混同していたため訂正しました。

=追記4=
 柊の格好を修正しました。
 セバスティアヌスがゲイではないと記述していましたが、実際はゲイかもしれないという説が存在していたため修正しました。
 誤解を招く記述をしてしまい申し訳ありませんでした。

=追記5=
 絵に起こすと明らかに春物の服装だったので、また柊の恰好を修正しました。
 自分で考えてるとドツボに嵌ってきたので、もうファッション誌からパクりました。
 これもうわかんねえな。
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