旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

21 / 91
次回第二層ボス戦です


ボスは「王」なのか「将軍」なのか

 

 

俺とキリトがエクストラスキル「体術」を習得し、それを仲間にも伝えると、是非習得したいとカッツォが志願してきた。そんなカッツォ君を丁寧に案内した(地獄に送った)後、俺とキリトは別れ、それぞれの場所へと帰っていった。

 

 

「おーい、ここであってるかー?」

 

二日前俺がキリトと会うため仲間と別れた時、別れた仲間達は第二層の探索や主街区ウルバスの探索などをしていたらしい。その時に第二層での拠点となる宿と部屋をメールで共有されていた俺は、仲間がいるかどうかを確かめるため声をかけてみることにしたのだ。

 

「あ、お帰りなさい、サンラク君」

 

出迎えてくれたのはレイ氏だった。隣の部屋からひょっこり出てきただけだが。当たり前だが第二層でも男女は別である。

 

「ただいまレイ氏」

 

「今、ルストさんとペンシルゴンさんがポーションなどの調達に行っています。京極ちゃんと秋津茜ちゃんはまだ寝ています。モルドさんも、まだ寝ているんじゃないでしょうか?」

 

まだ10時くらいだとはいえずいぶん自堕落な生活をしているやつらが多いようで。

 

「俺も眠いんだよなぁ。今日は何もせず過ごす感じ?」

 

「はい、「カッツォ君もスキル取りに行くらしいしここ二日は自堕落に過ごしてもいいんじゃない?」ってペンシルゴンさんが言ってました。」

 

「そっか」

 

正直今日一日は寝て過ごすってのもありなんだよなぁ。ここ二日は最低限の睡眠しか取ってなかったし。

 

 

「まだ皆さん寝てますし、皆さんが起きるくらいになったら私が起こしますよ?」

 

うーん、レイ氏もそう言ってるしここはお言葉に甘えておくか。

 

「じゃそうさせて貰うよ。ごめんな、レイ氏」

 

「いえ、その、お気になさらず、ゆっくり休んで下さい」

 

そうして俺はしばしの睡眠を取るため男部屋に行くのだった。

 

 

ここで頑張って起きてなかったことを、俺は後でちょっとばかし後悔することになる。

 

 

 

〜15:00〜

 

 

「サンラク君〜、もしもし、起きてくださーい。・・・・・・()()()()()()()()()()()ですよ〜?」

 

「んぁ?」

 

「起きましたか?」

 

ドア越しから聞こえてくるレイ氏の声で俺は目覚めた。自分でも驚く程熟睡してしまったようだ。レイ氏がいなければこのまま夜まで眠ったまんまだったろう。

 

 

「あぁ、おはようレイ氏。・・・・・・と言ってももう三時か。起こしてくれてありがとう。」

 

そうドアを開けながら俺は言う。レイ氏はドアの目の前に立っていた。

 

「いえいえ、私もあれから少し寝ていましたし」

 

そう少し笑いながらレイ氏は言う。・・・・・・あれ?そういやモルド部屋にいなくね?

 

「モルドとかはもう起きたのか?」

 

「えーとですね・・・・・・モルドさんとか、京極ちゃんと秋津茜ちゃんもなんですけど・・・帰ってきたルストさん、ペンシルゴンさんと一緒に()()()()行きました。」

 

「え?」

 

迷宮区?嘘?だって二層解放から三日とちょいしか経ってないよ?でもレイ氏が嘘吐く訳ないもんなぁ、現にモルドとかいないし。

 

「まじ?」

 

「まじもまじです。」

 

「・・・・・・クソおおおおお!やっちまったあああああ!!」

 

 

どうせペンシルゴンのやつが帰ってきて「サンラク君寝てるの?そっかぁ残念だなぁ、折角今から迷宮区行くのに。でも寝てるなら起こすのも可哀想だしこのままでいっか!(( ^∀^)ニコォ・・・)」ってなってたに決まってるだろ!あの野郎まじ許さん!!

 

「あれ?レイ氏は何で行かなかったの?」

 

「私は──ほら、その、「サンラク君を起こす」って言いましたし・・・・・・」

 

 

レイ氏は裏切らず俺を起こすため待っていてくれたのか!やっぱあの外道とは違うなぁ!!

 

 

「ごめん、ほんとありがとうレイ氏。じゃあ一緒に迷宮区行かないか?あいつらもまだ帰ってこないだろうし」

 

「はい!もちろんです!」

 

 

こうして俺とレイ氏による迷宮区探索が行われることとなった。

 

 

〜第二層・迷宮区〜

 

 

ここに来るまでの途中、レイ氏から説明を受けた。

曰く、第二層はそこまで複雑な構造をしてなかったこと。

曰く、第一層がクリアされたことでプレイヤー達のモチベーションがとてつもなく高まっていたこと。

 

これらの理由から、第二層の迷宮区が三日と半日ほどという驚異的な速さで発見されるに至ったらしい。

 

 

俺達は迷宮区一階を攻略していた。というか形跡的にもう一階は攻略されてるっぽいのだが、モンスターは普通に湧くのでそれを狩っている状態だ。

 

 

 

「レイ氏、スイッチ!」

 

「はい!せええぇい!」

 

 

相手は人型をした牛、つまりは牛頭族である。俺が相手をパリィして体勢を崩し、そこにレイ氏の重い一撃を入れるという戦法を取って戦っていた。

 

ちなみに今俺とレイ氏のレベルはそれぞれ17、対して相手は8なので普通に楽勝の相手である。

 

まぁこういうのは雰囲気を楽しまなきゃな。

 

「レイ氏、決めるぞ!」

 

「了解、です!」

 

俺とレイ氏がそれぞれソードスキルを使う。先程までで半分を切っていた牛頭のHPはそのままなくなり、俺達が勝利した。

 

「流石に経験値は一層の時よりは多いけど、それでも少ないなぁ」

 

「レベルを上げすぎたから獲得できる経験値が少ない、とか?」

 

レベル差補正による獲得経験値の増減は普通に有り得るんだよな。この世界は同等か格上のレベルの相手じゃないと経験値が少なくなる仕様なのだろうか。

 

「それっぽいよなぁ」

 

 

「あ、サンラク君とレイちゃんだ。」

 

「こんなとこにいたんだ、というかサンラクは起きれたんだね。起こされたの間違いかな?」

 

レイ氏と話していたら、俺を置いていった主犯であろう外道達(ペンシルゴンと京ティメット)が奥の方から姿を現してきた。その後ろには秋津茜とルスモルの姿も見える。

 

「俺のことを置いていってよくそんなこと言えるなぁ」

 

「そんな私たちが悪いみたいな言い方やめてよぉ、私たちはサンラク君が寝てたから起こすのは悪いと思っただけだよぉ?」

 

「それにレイちゃんが自ら「サンラク君は私が起こすので行って大丈夫です」って言ったんだよ?それで行かないのもレイちゃんに悪いよねぇ?」

 

「話し方が怪しすぎるんだよ!!」

 

やっぱりこいつらわざと俺の事置いていきやがったな。もしもレイ氏が申し出なかったらレイ氏も連れていくつもりだったのだろう。

 

「でも戻ってくるの早かったですね、どうかしたんですか?」

 

今は時刻17:15分。俺とレイ氏は18:00頃に戻って来るだろうと予想していたので今はそれよりも45分ほど早い時間だ。何かあったというよりも、普通に戻ってきた可能性の方が高そうだが。

 

「それがねぇ、攻略されるスピードが早すぎてぇ、モンスターもどんどん強くなってくるし今日はもうやめにしようかなって話になったの」

 

「なんだよ攻略されるスピードが早すぎるって」

 

「言葉の通りだよ、今日の昼くらいに発見されたのにもう五階まで進んでる」

 

「はっや」

 

第一層の迷宮区だと一階を突破するのに数時間かかったりはざらだった。それを慣れたとはいえ一時間に一階のペースで進んでいるのは速すぎると言わざるを得ない。

 

 

「最前線進んでるのはあのディアベル達のパーティだよ。それに第一層のボス攻略に参加した人達も続いてる感じ、ほぼ合同で動いてると言っても過言じゃないかも」

 

「別に早く進むことが悪いことじゃないと思うけど」

 

「なんか不安っていうか?」

 

「杞憂だといいんだけどねぇ」

 

「あいつらも引き時は分かってるだろうし大丈夫だろ」

 

「それもそうか」

 

 

そうして俺達は迷宮区を後にし、宿へと戻ることにしたのだった。

 

 

 

〜第二層・ウルバス〜

 

「あ、サー坊」

 

「あ、アルゴ」

 

俺達が宿に帰っている途中、まじでばったりとアルゴに出会った。

 

「久しぶり〜アルゴちゃん」

 

「あァ久しぶリ、ペンシルゴン」

 

「ちょうど良かっタ、お前らもこの層のボスには挑むだロ?」

 

「うん、そのつもりだよ」

 

「ならいいや、この情報はボス戦に挑むやつ全員が知っていた方がいい情報だからナ」

 

「実はついさっき、オイラがクリアしたクエストで「牛の王が帰ってきた」って言ったNPCがいたんダ」

 

「「「「「「「?」」」」」」」

 

「え?NPCがそう言ったの?」

 

「そうダ、まぁそのこと自体は割りとどうでもいいんダ。問題はこの発言だナ」

 

「SAOのβ時代、第二層のボスは「バラン・ザ・ジェネラルトーラス」ってモンスターだったんだ。」

 

「「ジェネラルトーラス」・・・「将軍牛」ですね。」

 

「そう、その意味もあってテスター達からは「バラン将軍」なんて呼ばれてたナ。でモ・・・・・・」

 

「「将軍」であって「王」じゃない」

 

「そう、その通りなんだよルスト。つまり、第二層でもボスが一部変わってるどころか「出てくるボスがβと違う」可能性が出てきたんダ」

 

それ結構ヤバい情報じゃねぇか!!βとボスが違うとかそれほぼ対策できないってことじゃん!いやまぁ十層以降は毎回そうなるんだが。

 

「それ結構ヤバいことでは?」

 

「うン、結構ヤバいかもナ。だからこうやって知らせてるんダ。」

 

「なるほど。」

 

「他にもあってナ、そのNPCは「塔の主の瞳が光る時、雷光の息吹が全てを打ち倒す」とも言ってタ。」

 

「ふーん、つまり目が光る時がブレス攻撃の合図ってことか?」

 

「あァ、でも多分ただのブレス攻撃じゃなイ」

 

「というと?」

 

「恐らくだが当たると「麻痺」状態になル。というのも「バラン将軍」の攻撃の中に麻痺攻撃があったからって理由だガ。」

 

「それも重要な情報だな、ブレスって言ってる位だから範囲攻撃なんだろう。それと最悪その将軍と王の二体同時バトルの可能性も考えた方がいい。」

 

「その可能性もあったカ!ありがとうサー坊、他のやつらにもそう伝えさせて貰うヨ。」

 

そうして鼠はササッ、と去っていた。

 

 

「まぁ今言われても気をつけよう!くらいにしかならないんだけどね」

 

「それは言わないのがお約束ってもんだよ京極ちゃん」

 

「とりあえず麻痺回復ポーションも買うのは決定したけどな」

 

「そしたら私が買ってきますよ!」

 

「まぁまぁ、今はとりあえず帰るのが先ね」

 

 

俺達はアルゴから入手した情報も受け止めつつ、今は休むのが先と宿へ戻るのだった。

 

 

それから二日後、迷宮区が二十階まで攻略され、ボス部屋が発見された。

 

 

 




もっと早く投稿するつもりだったんですけどサボったらこうなりました。
次回はもっと早く投稿するつもりです。

あと書いてて思ったんですけど各キャラの他の人の呼び方ってどうなってるんでしょうね。
今話だとレイ氏→秋津茜が「秋津茜さん」なのか「秋津茜ちゃん」なのかで迷いました。結局茜ちゃんになったんですけどね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。