旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
え?何でこんな投稿するの遅れたかって?フレンダ楽しかったって言って伝わる人どのくらい居るんでしょうね
「うおおおおっ!!」
「サンラク君!無理しないで下さい!確実に相手のHPは削れてます!!」
「何のこれしきィ!!!」
俺の片手剣とグレトリクセルの両手剣が激しくぶつかる。俺はただ剣を振っているのではない、片手剣ソードスキル「バーチカル」を発動して攻撃をしている。だが、グレトリクセルは
もうグレトリクセルとの戦闘が開始してから一時間が経過した。相手が格上だと考えてはいたが、九人がかりで一人相手に一時間かけても倒しきれないのは、ヤツがそれだけ強いと言う事を表している。
ダメージを与えられていないわけじゃない、事実グレトリクセルのHPは四割ほど削れている。これは相手のHPが多すぎるのではなく、俺達のレベル・装備共にグレトリクセルと大幅な差がついているがために起きている現象。つまりダメージ減衰によりここまで時間がかかっているのだろう。
もちろん、俺達が攻撃をしている間にグレトリクセルが何もしない訳じゃない。逆にそのステータスの高さを活かして多人数相手でも怯まずに猛攻を仕掛けてきている。
グレトリクセルのステータスが高いことによる、高火力・高機動な攻撃は厄介なことこの上ない。事実、ヤツが範囲ソードスキルを使った時は俺達の半分以上がHP5割を切った。もし九人もの人数がいなければ途中で全滅していた可能性だってあった。
しかし高ステータス以上に厄介なのが、
「そんなものではまだ俺は倒せぬぞォ!!!」
「カッツォ君!」
「分かってる!」
俺のソードスキルの硬直を狙ったグレトリクセルをペンシルゴンとカッツォがカバーしてくれる。俺達が圧倒的なステータス差に高AIという馬鹿げた要素を持つグレトリクセルに負けていなかったのは、連携しながら戦っていたからだ。
たくさんの人数で固まりすぎると範囲ソードスキルを使われて俺達のHPが一気に削られる可能性があるため、二人から三人に固まって戦闘。一つのグループが戦闘して、もう一グループがそれの補助、他のグループが戦っていない内に回復という戦法を繰り返していた。
その甲斐あって俺達の中でHPが
長期戦になればなるほど集中力は段々と削がれていくが、それはグレトリクセルも同じどころかヤツは一人だけなので、精神的なダメージはヤツの方が大きいだろう。
「いい加減弱ったらどうかな!?」
「そろそろ飽きてきた⋯よっ!!」
「ぐぬぅ!」
グレトリクセルの両手剣をパリィし、そのまま体勢を崩すことに成功したペンシルゴンとカッツォはそれぞれソードスキルは発動させ、直撃させる。まともに入ったのにもかかわらず、グレトリクセルのHPは5%も削れない。
「クソがアアアア!!いつになったら倒れンだよあいつは!!」
俺達の隣でキレ散らかしている俺達が味方をしているガリウス君だが、なんとこいつめちゃくちゃ強い。動きはそれほどでもない、というのが俺の評価だが、片手剣の見たことのないソードスキルを使って当てたらHP一人で5%削ってくれるわでほんとありがたい。更にだが、ガリウス君は「まじない」というものを使えるそうで、一定時間毎に少量だが、攻撃・防御バフを味方全体に撒いてくれる。正直火力面はよく分からないが、防御面は目に見えて上がっていることが分かる。この全体バフを撒いてくれるってことだけでも、この少年が扱い的に強いと感じさせられる。
「ククク、フハハハハ!!良いぞ!森エルフと人族共よ!ここまで楽しめたのはいつ以来やら!」
「そろそろしつこいですよ!!」
「長い」
「ルスト・・・気持ちは分かるけどさ」
こいつは火力は高いし動きは早いが、言ってしまえばそれだけだ。
「おおおおおっ!!!」
「させないよ!!」
「させません!!」
またしてもソードスキルを打った後の硬直を狙い、ルストとモルドを狙うグレトリクセルを京ティメットと秋津茜が阻止する。
「ガリウス!行くぞ!!」
「オレに命令すんじゃねェ!!」
「【ホリゾンタル・アーク】!!」
「【シャープネイル】!!!」
「ぐおおおおおっ!!??」
俺は最近片手剣の熟練度が50を超えたことで解放されたソードスキル【ホリゾンタル・アーク】の二連撃を、ガリウスは俺のまだ知らない【シャープネイル】なる三連撃をグレトリクセルに叩き込む。硬直は単発スキルより長いが、その分今までで一番良いのをグレトリクセルに喰らわせることができ、ついにグレトリクセルのHPが
「「よし!!」」
「ナイスです!!サンラクさん!ガリウスさん!」
「流石サンラク君です!!ガリウスさんも!」
「クククッ、フハハハハハ!!!・・・・・・もう良い。」
瞬間、ゾワッとしたものが背中を走る。仲間達も同じ状況なのか俺とガリウスの攻撃でふっ飛ばされたグレトリクセルの方を見ている。
「・・・・・・興醒めだ。結局、お前達森エルフ如きと人族共ではこんなものか。」
「「は?」」
威圧ビリビリ放って言うことはそれか?お前今現在進行系で不利な状況にいんの分かってんの?そんなヤツに煽りゼリフ言われちゃうと少しムカついて来るなぁ!!
「俺の本気の姿⋯⋯見せてくれよう。」
「な──」
グレトリクセルの背中がボコボコと盛り上がり、そのまま四つほど広がる。羽だ、ヤツの背中から四つ羽が生えてきたのだ。更に熟練のおっさん騎士の顔をしているグレトリクセルの顔や体は褐色から黒色へと変わっている。
「エルフって羽生えたりあんな禍々しくなったっけ!?」
「エルフは北欧神話での妖精が由来だったはずなので羽は生えるかと!肌が黒になったのはダークエルフだからそうなのかもと言うしかないです!!」
ペンシルゴンの独り言にも等しい疑問にレイ氏は即座に答える。やっぱレイ氏頭良いわぁーって感心してる場合じゃねぇな。
「これもしかして結構ヤバいんじゃない!?」
「明らか強くなりましたって姿と発言してたし割りとヤバいかもな!!」
「ククク、フハハハハハハハハ!!!!」
「【原始化】・・・・・・クソがアアアア!!!!」
「ふむ、そこの森エルフはこの姿を知っているか!この原初の力でお前と人族共を蹂躙してくれようぞ!!」
「来るぞ!全員構えろ!!」
「オオオオオオッ!!!」
こいつ厄介極まりなさすぎだろ!ダレてたとは言えHP五割以下から第二形態かよ!ステータス上がってるのは当然としてあの羽でずっと飛ばれでもしたらいよいよ対処のしようがなくなるぞ!?
「はい、そこまで。ここから先はさせませんよ。」
「ぬおっ!?」
両手剣を振りかぶり俺達に向けて突進していたグレトリクセルの目の前に長身の男が現れ、グレトリクセルの動きが止まる。現れたのはまじで一瞬の出来事だったため俺達も驚く。
「先生ェ!?」
「ふむ、状況を見るに、あなた達がガリウスを助けてくれたのでしょう。感謝します、あなた達がいなければガリウスは死んでいたでしょう。お詫びと言っては何ですが、ここは私にお任せを」
そう言うと長身の透き通った声をする暫定ガリウスの先生は、グレトリクセルに向き直った。
「あなたのその力・・・見事なものです。」
「ハ!啖呵を切ったは良いが怖気づいたか!?俺のことを止めた礼だ!まずはお前から始末してくれるわ森エルフ!!」
「長いですね。そんなにモタモタしていると・・・ほら、もうこんな所に」
「なっ!?」
グレトリクセルが後ろを向く。ガリ先はあの一瞬でグレトリクセルの背後を取っていた。
「ちい!オオオオオオオッ!!」
「【カドラプル・ペイン】」
「ガッッッ!!??⋯⋯オオッ!!!」
「【スター・スプラッシュ】」
「ガアアアァァァァ!!????」
「「「「「「「「「えぇ・・・・・・」」」」」」」」」
今起こったことを言葉にすると、まず後ろに向いたグレトリクセルがガリ先に向かって両手剣で斬りつけようとしたが、ガリ先が一瞬で
あまりに一瞬、あまりに圧倒的な出来事である。グレトリクセル君は倒れ、今にもポリゴンとなって消滅しそうだ。
「お前程強い森エルフが居たとはな・・・・・・最後にその腕を見れて、俺は満足だ。」
「そうですか。私も敵ながら、天晴と言っておきましょう。あの時即座に振り向けたのは、あなたで二人目です。」
「そうか・・・機会があったら、また手合わせ願えるか。」
「えぇ、いくらでもどうぞ。」
ガリ先がそう言うと、グレトリクセルは俺達に顔を向け、こう言った。
「あぁは言ったが、少しは楽しめたぞ、人族と森エルフ。お前達とも決着がつかずに終わった。今度は最初から本気で戦いたい・・・・・・な。」
グレトリクセルはそう言うと、倒れたまま動かなくなり──ポリゴンとなり爆散した。
「勝った・・・・・・のでしょうか?」
「・・・おそらく。俺達が倒したわけじゃないけど。」
俺達に少しの沈黙が流れる。グレトリクセルはただの狂人かと思っていたが最後の方は意外と真面目に受け答えしてるし俺達に向けても話してくるしガリ先強すぎだしで、正直肉体的にも疲れを感じてるが考えたいことが多すぎる。
そんな中で最初に動いたのは俺達が味方し、無事生き残ることが出来たガリウスだった。
「先生・・・どうして俺の場所が分かったんだよ?」
「いやぁ、ほんと偶々ですよ。野営地でのんびりしてたら、三十分ほど前に「ガリウスが未だ帰って来てない」と報告が来たので、暇つぶしがてら探すことにしたんです。いやぁ無事で良かった良かった!」
「先生ェ・・・・・・」
ガリウスが訝しげな目でガリ先のことを見ている。いやまぁ自分を助けに来てくれたと思ったら偶々で暇つぶししてたらなんか見つけたわ、くらいの軽い気持ちで言われたら少し傷つくだろう。そこはお世辞でもお前が心配だったとか言ってやれよ。
「そうだ、あなた達にも改めて礼を言わなければ。改めまして、この度は私の教え子であるガリウスを助けて頂き、本当にありがとうございます。先程も言いましたが、あなた達が居なければ私が着いたころにはもう手遅れだったでしょう。」
「全然大丈夫ですよ!それにあの人は弱いものイジメをして楽しんでてムカムカしてましたし!」
「その通りだよ。逆に僕達があなたに礼を言わければならないかも。もしあのまま戦闘再開だったらどうなってたか分かんなかったからね。」
「まぁそういうことなんで、俺達がガリウスを助けたのを気にしなくて大丈夫ですよ。えーと・・・・・・?」
「・・・・・・あぁ!私まだ名乗っていませんでしたか、これは失礼。私は「レムザード」と言います。改めてよろしくお願いします。」
ガリ先改めレムザードがそう名乗ってきたので俺達も挨拶がてら自己紹介を済ませていく。
でもカッツォはえーと?しか言ってなかったのにレムザードはよく「名前を聞いている」と解釈出来たな。正直SAOのAIレベルはシャンフロよりは低いっていう印象だったんだが、グレトリクセルといいレムザードといい、評価を改めなければならないかもな。
「・・・・・・これで「第一の
「おう」
ガリウスはジャラッ、となる葉っぱ製の巾着袋を出す。どうやらグレトリクセルの本当の目的はガリウスを殺すことではなく、この袋を奪うことだったようだ。
「よろしい。さて⋯あなた達は本当に素晴らしい活躍をしてくれました。なのでどうでしょう、私達の野営地でゆっくりお休みになられては?もちろん、ガリウスと秘鍵を守ってくれた褒賞もお渡しいたしますよ。」
「ほんと?行こう!!」
「「うぉい判断が早い!?」」
「どうしたのサンラク君とカッツォ君、休ませてくれる上に褒賞も貰えるんだってさ?これは行かなきゃダメでしょ!!」
「確かに」
「一理ありますね」
「考えてみれば褒賞貰えるんだし行くだけ得だな」
「ペンシルゴンのあまりの即決さに少し驚いちゃった」
「よーし決まり!それじゃレムザードさん、案内よろしく!!」
「はい、ではついて来て下さい。ガリウスも帰りますよ。」
「子供みたいな扱いすんじゃねェ!!」
かくして、ガリウスと第一の秘鍵なる物を守った俺達はその礼として、森エルフ達の野営地へと向かうことになった。
原作のプログレッシブが肝心の九層まで行ってないんだからもうオリジナル路線で良いよね!!って感じです。
レムザードは長身の天然?のお兄さん系イケメンエルフです。CV石◯彰です。
一番ややこしそうな設定はやはり原始化でしょうか。まぁこれは後々触れることになりますが、要は本来の姿・力に近くなる、てきな?
第二部隊の隊長を軽く倒しちゃったレムザードですが、彼は一応考えている中だと最強の森エルフなので何とか納得して下さい。
ちなみに、今回戦いが終わる条件として、「パーティ全員のHPが50%以下になる」もしくは「グレトリクセルのHPを50%以下にする」ことが設定されていました。今回は後者ですね。更にサンラク達は一時間耐えきったのでレムザードが助けに入りガリウスが生存する特殊エンドになっています。もし一時間以内にサンラク達が全員HP50%以内になっていたらガリウス君が文字通り命をかけてグレトリクセルと相打ちになっていました。
もし一時間以内にグレトリクセルのHPが50%以下になっていた場合、グレトリクセルが原始化するまでは同じで、「レムザードが助けに来るまで耐える」もしくは「レムザードが来る前にパーティ全員のHPが50%以下になる」かでエンドが分岐するようになっていました。
要はサンラク達が一時間耐えられた時点で特殊エンド確定してたってことですね。