旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
〜第三層・東の森〜
「なぁ、ガリウス」
「あん?」
レムザードに案内され、森エルフの野営地に向かう中、俺は暇だったのでガリウスに話しかけることにした。
「レムザードって結局どういう人なんだ?お前も強かったけどあれははっきり言って化け物くらい強いじゃねぇか」
「あー、さっきオレの先生だって話はしたよな?それ以外だとあの人が森エルフ最強とかか」
「は?マジ?」
「マジもマジだ、後で詳しく説明してやるが、森エルフには「三強」がいる、そん中でも一番強いのがあの人だ」
「えぇ・・・」
そりゃグレトリクセル君も潔く負け認めますわ。あっぶね、もしグレトリクセル側についてたらレムザードと戦う可能性もあったのか。てかガリウス君キレてないと意外と普通なタイプだったのか、周りに狂人ばっかだから常にあんなキレてるのかと思ったわ。
「私の話ですか?いざ目の前で話されるといささか恥ずかしいですね」
「アンタはそのくらい強えしすげぇ人なんだから胸張ってろ」
ほんとにこいつら先生と教え子の関係なのか?それよりは親戚のお兄さんと子供って感じがするんだが。
「皆さん見えてきましたよ。あれが私達森エルフの野営地です。」
「わぁ!!」
「これは・・・」
「結構広いね」
森の開けた場所に、森エルフ達の野営地はあった。天幕(テント)が広がっていたり、森エルフの人達が暮らしているのであろう家や森エルフを思わせる全体的に白の旗がそこら辺に立っている。
「さて、まずはこっちの方に来てもらいましょうか。」
そう言うとレムザードは俺達を一際デカい建物へと連れて、建物の中にある明らか偉い立場の人がいる部屋に入れた。
「ここってどう考えても今いる森エルフの一番偉い人がいる場所なような・・・・・・」
「でも誰もいないよ?」
そう、厳格な雰囲気に入れて貰ったはいいものの、偉い立場であろう人がいないのだ。出かけたりなどしててタイミングが悪かったのだろうか。
「さて、改めて森エルフの野営地へようこそ、人族の諸君」
「「「「「「「「ん?」」」」」」」」
「先生ェ、また言うの忘れてんぞ」
「おや、これまた失敬、私はこの地での総司令官的なものを務めさせて貰っています、あはは。」
「「「「「「「「さ、さ・・・」」」」」」」」
先に言えよそれ、というセリフを俺達は飲み込む。そう言えばさっき「報告が来た」とか何とか言ってたような気がするなぁ!ド天然って言うかこいつもしかしてアホキャラなのでは??
「さて、では改めまして、私の教え子であるガリウスと第一の秘鍵を守っていただき、本当にありがとうございました。まずは褒賞をお渡しいたしましょう。」
「「「「「「「「!」」」」」」」」
すると俺達の前に秘鍵の守護報酬として結構な額のコルと経験値が入ったことが表示され、更に選択できる装備アイテムの欄が表れた。
「武器もあるんですね」
「アクセサリーも意外と強いし、結構美味しいクエストだったんだねコレ」
それぞれ悩みながらも決定し、俺は敏捷が少し上がる指輪を選択した。
「さて、皆さん褒賞を受け取って貰えたと思いますが、皆さんの腕を見込んで、また頼み事をしたいのですが。」
レムザードの言葉を聞いて、ペンシルゴンは俺達に確認を取ると、もちろん、と答えた。
「ありがとうございます。あなた達にはこの森のモンスターの討伐をお願いしたいのです。」
「モンスターの討伐?」
「はい、この森に関わらず、ここら辺の森全域には、「トレント族」が生息しているのですが、最近その中の「エルダー・トレント」というモンスターの数が異常に多くなっていまして、私達森エルフの任務にも少し支障をきたす程にまでなっているのです。」
「そんな訳で、あなた達にはそのエルダー・トレントを大量に討伐して欲しいのです。」
「「「「「「「「大量に??」」」」」」」」
「えぇ、それはもうたくさんお願いしたいですね。そこのガリウスも同行させます。倒す量などはガリウスがその場で判断してくれるでしょう。お願いしますね、ガリウス?」
「へーい」
何とも適当な言葉でガリウスがレムザードに言葉を返す。兎も角として、俺達はエルフ達の新たなクエストを引き受けたのだった。
〜第三層・森エルフ野営地・外〜
レムザードからクエストを受けた俺達は、森エルフでの天幕を使って休んだり、食事を取ったりというのを無料でしていいとのことで、俺達の案内人兼次のクエストの同行者となったガリウス君に天幕へと案内して貰っていた。
「ここがお前達が使っていい天幕だ。数があまりないンで男共はオレと同じところを使って貰う。女共は隣のここが空いてるから好きに使ってくれや。」
ガリウスはぶっきらぼうにそう言いながらも女性陣が使っていい天幕を指差す。とりあえずは男女別行動の形になったので女性陣が先にテントへ入っていく。
「俺達もとりあえずテントの中入る?」
「俺腹減ったんだけど〜」
「確かに」
俺達は二層のフロアボスである将軍王を倒してから、ここまでずっとノンストップだった。時刻はもう18:00時になろうとしていて、ここもそうだが空は真っ暗だ。
「飯ならこっちの建物で食えんぞ、オレも腹減ってんだ。行くか?」
「「「行きます」」」
そうして俺、カッツォ、モルド、ガリウスの四人は一先ず飯を食うことを選択したのだった。
〜森エルフ野営地建物内・食堂〜
「美ん味ええええええ!!??」
「これ凄いね!ムグムグ・・・いくらでも食べれるよ!!」
「美味しい・・・・・・」
「だろ?」
俺達は森エルフのおばあちゃんが作ってくれたであろう料理に心を奪われていた。
「これ醤油の味じゃないか!?SAOでもあったんだな!!」
「こんな美味い料理SAOで初めてかも!」
「こっちのサラダも中々⋯」
俺達は別に今まで食事を取っていなかったわけではない。SAOでは何故か空腹になったり喉が乾くし、ちゃんと睡眠欲だってある。なので第一層や二層でもパンなどの食事は取っていたのだが、ここで出てきたものは「食事」ではなく「料理」だった。
まずドン、と目の前に置かれたメイン料理である肉焼き、これからは何と醤油の味がする。この世界では何となく塩や砂糖、醤油っぽい味付けをしたものはあったが、あくまで「それっぽい」のだ。どこかしら何か違う・・・という感想になってしまっていた。だがこれは本当に「醤油」と言える味だった。
他にも米というには味も色も全然違うが、それでも米代わりになる穀物、不思議な味だが意外と行けるスープ、シャキシャキとした野菜のようなものが並べられたサラダと、久しぶりに心から満足できる料理を食べることができた。
「美味かった・・・・・・」
「・・・今度からこれを基準に食事を考えちゃいそう。」
「この醤油のレシピとかどこかにないのかな??」
「気に入って貰えたようで何よりだ。そんなに落ち込まなくても明日の朝でも夜でも食べられんだろ。」
「「「クエストのやる気湧いて来たァー!!」」」
「・・・・・・欲望に忠実過ぎンだろ」
食と言うものはそれほど人を動かす力があるのだよ、ガリウス君。
〜森エルフ野営地・天幕〜
「明日出かける時になったら言ってくれや、オレはもうちょいしてから寝るからよ。」
「了解〜」
そう言うとガリウスは天幕を出ていく。食事を済ませ、風呂にも入らせて貰った俺達は、一日の疲れが出てきたので天幕で寝ることにしたのだ。
「俺ここに住みたい」
「気持ちは分からんでもない」
「ほんとあの料理は美味しかったもんね。あれだけずっと食べたいよ。」
天幕内で布団に潜った俺達だが、まぁそうすぐ眠るわけもなく、ただダラダラと男三人で話をしていた。
「てか結局グレトリクセルのあの姿は何だったんだろうね、原始化?だっけ?」
「分かんねぇー、とりあえず言葉的にエルフの元の姿的なものに戻るものっぽいがそもそもエルフに「元の姿」があるのかすら分かんないからな」
「レムザードも出来るのかな?」
「出来そうだけどな、あれ多分全然本気じゃないだろうし」
「原始化もそうだけどSAOってそもそも普通のゲームとして出される予定だったにしては世界観の説明が無さすぎない?」
「「確かに」」
「もしかしたら茅場が全部変えた可能性もあるかもだけどね」
「まぁ考えるにしても全然情報が無いからな。今考えても無駄だな」
「じゃあ大人しく寝ようよ」
「「あーい」」
明日にエルダートレント狩りに備え、俺達はすぐ寝ることにした。
「ふぁああああ〜」
「やっと起きたか」
眠りから覚めた俺は声の主の方を見る。ガリウスが男性陣の中で一番早く起きていた。
「おはようー、お前早いなー。昨日はちゃんと眠れたのか?」
「おうおはよう、オレは元々寝るのは短時間でいいし早起きなンだよ」
そう言うガリウスはシャキッとしている。まじでちゃんと寝ていたみたいだ。俺も寝ないで学校行ったりもしたことはあるが、そういう時は大抵ゲームでオールすることになったただの痩せ我慢だからな。体には良くはない。
「ん・・・」
「ふわぁ〜、サンラクもう起きてたの、おはようー」
段々と目を覚ましつつあるモルドとカッツォに俺がおはようといいつつ、伸びをしていた。
「んー!気持ちのいい一日になりそうだな!!」
「それはどうだかな・・・・・・」
ガリウスが少し暗めな表情で下を向いている。おいおい朝からそんな顔すんなってガリウス。エルダーなんちゃらの大量討伐なんてきっとすぐ終わるだろう。
「男どもー?起きたー?」
京ティメットがそう外から言ってくる。時刻は今8:15分。健康的なリズムを持っている者はもう起きているのだろう。
「もう起きるからもうちょい待っててくれー」
俺はそう返すとガリウスに向かいこう言う。
「ガリウス、多分俺達朝飯ご馳走になったらすぐトレント狩りに出かけるぞ。」
「分かった。なら早めに準備した方がいいな。今日は何時に帰ってこれるか分かったもんじゃねェから。」
「・・・・・・はい?そんなかかるの?トレント狩り」
「・・・「エルダー・トレント」自体の強さはそんなでもねェ。お前達個人でも倒せるだろうよ。でも言われたろ、大量発生してるって。あれは東の森全域で発生している現象だ。そして先生はこの東の森全域にかけての依頼をお前達に出したんだ。だから数も指定されなかったろ?」
「・・・つまり場所も広いし数も多いしでいつ終わるか分からない、と?」
「そういうことだ。」
「クソクエじゃねぇかぁああああ!!」
かくして俺達旅狼の地獄のトレント狩り作業が始まろうとしていた。
昨日に投稿しようとしてたのに寝落ちしたヤツがいるらしい。