旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
「─ということだ。私の先祖の偉大さが分かったかね?」
「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」
俺達は今第三層の主街区ズムフトのめちゃくちゃでかいバオバブの木「ユーツリー」の上で、このズムフトの町長の話を
内容は大まかにこんな感じである。
大昔にこの街の大元となる三本の木をそれぞれ彫っていた三つのグループがあった。だが三つのグループはケンカばかりしていて作業がまったくと言っていいほど進んでいなかった。それを戦士兼鍛冶屋兼木工職人のおっさん──この人が町長の先祖である──が、グループをまとめ上げて街を完成させ、その功績でどこかの層の王様からギルドリーダーの
なぜ俺達が長々とこんな話を聞いてるかは、およそ三十分と少し前に遡る──
「ヱ?クソ強いおっさん黒エルフと性格ツンツン森エルフが戦ってタ?更に森エルフに味方して生存させただっテ?」
「おう」
俺達はこの層でのエルフクエストが終了したのでアルゴに礼と報告をしに行っていた。
「そんなエルフ達聞いたことないゾ?正式版になって変わったのカ?そもそも味方エルフを生存させることなんてできたのカ。」
「どこがβと変わってるのか言ってくれないとこっちはサッパリだぞ」
「どこがって言われてもなァ、全部?」
「「「「「「「「全部??」」」」」」」」
「元々β版で出てきてたのは黒エルフが美人なオネーサンで、森エルフが若い男だったんだヨ。それに本来ならそのエルフ達は今倒せるような敵じゃないんダ。こっちがピンチになったらどっちも相打ちになっテ、味方した側のエルフが少し長く生きて「第一の秘鍵」を野営地に持っていくよう頼まれる、っていうストーリーだったんダ。」
「じゃあ私達が行動した結果でストーリーが分岐したってこと?」
「かもナ、ちなみに戦ってた黒エルフはどんなヤツだったんダ?」
「えーと、自分のことを「第二隊長」って名乗ってた見た目40代後半くらいの男エルフだったな。結局「第二隊長」ってやつは分からずじまいに終わったが、俺達が束になって挑んでも一時間以上かかった化け物だった。途中で森エルフが乱入しして倒してくれたんだ。」
「うーン、分からん!欲を言えばお前たちから聞いた情報も売り物にしようと思ってたんだガ、再現性が無さそうなのはちょっと無理だナ」
「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」
「ニャハハ、嘘だっテ、でも新しいルートを見つけてくれて助かっタ、こっちでも少し調べておくヨ。でも、「味方エルフは生存させることができる」って言う情報は使わせて貰うヨ。」
「「「「おい」」」」
「まァ待てっテ、お前達にピッタリそうなクエストを教えてやるからサ。」
「「「「「「「「ピッタリそうなクエスト??」」」」」」」」
「お前達はいつも一緒にいるだロ?だったら「ギルド」を作ってみたらどうダ?」
「「「「ギルド?」」」」
「前サー坊あたりには説明したよナ、シャンフロでいうところの「クラン」サ」
そう言うとアルゴは真ん中の方にそびえ立つ一際デカい木を指さして言う。
「あの木、「ユーツリー」って言うんだけどナ、あそこの上に「ギルド結成クエスト」を受けられる町長がいるんだヨ。やることがないなら受けてみたらどうダ?結構時間はかかるガ、それでギルドを作ることが出来るゾ。」
「わぁ!是非作りたいです!!」
「まぁ全員で行動してるんだし、やるならきっちりやりたいよね」
「私も賛成」
「皆同じ意見みたいだね、じゃあアルゴちゃん、私達はそのギルド結成クエストってやつ、受けに行くよ」
「お、そうカ。じゃあ作ったらどんなギルドネームにしたのかとか教えてくれよナ。」
「それはもちろん」
こんな経緯があって、俺達はギルド結成クエストを受けることになったのだった。
そして現在
「そういうわけで私の先祖が代々この街の町長の地位と
「「「「「「「「は?」」」」」」」」
「いや、私もよく分からないのだ。朝気づいたらなくなっていて──そうだ!君達、良かったら私の印章を探す手伝いをしてくれないかね?」
すると町長の頭上に「?」マークが表れ、クエスト表示が出てくる。
「「「「「「「「えぇ・・・」」」」」」」」
あまりにもあまりすぎる。先祖代々受け継いできた印章が盗まれているのに良くそんな落ち着いていられるなと言いたくなってくる。そういう設定だからと言われればしょうがないのだが。
「・・・・・・まぁ、これがクエストみたいだし受けちゃっていいよね?」
ペンシルゴンが全員に意思確認をする。もちろん全員賛成なので全員がOKボタンを押す。
「では、私達がその印章探しを手伝います。」
「おぉ本当かね!ではまずここら辺の人に聞き込みをしてもらってもいいかね、まだ犯人はこの街にいるはずなんだ。」
町長がそう言い、クエストログが「ズムフトで情報収集をせよ」に変わった所で俺達は町長の話から解放され、クエストが開始した。
「・・・多分さ、最終的に犯人にたどり着いて印章を取り戻すって話なんだろうけどさ、」
「言いたいことは何となく分かるぞペンシルゴン」
「「これめちゃくちゃ面倒くさいやつだわ」」
俺達はそこから一日以上をかけてこのギルド結成クエストと言う名の連続クエストをクリアした。
ズムフトでの情報収集から始まり、怪しいのは町長の先祖の鍛冶屋のライバルだった鍛冶屋達の子孫と分かったはいいが、その鍛冶屋達に話を聞くために要求されたアイテムを渡すために森へ行って蜘蛛達の巣へ行ったりエルダー・トレント達を倒しに行ったり、更に状況から一人の鍛冶屋の弟子だと分かったはいいが今度はそいつの居場所を突き止めるために奔走したりなど、難易度こそ高くなかったものの、めちゃくちゃ面倒臭いクエストだった。
最終的に、印章を町長に返し、オリジナルは上げれないがこれならと、持っているとギルドを作ることの出来る印章を渡され、長い連続クエストはクリアとなった。
「やっっと終わったぁあああ」
「流石に疲れましたね・・・」
「もう動きたくない・・・」
無事にクエストをクリアした俺達は第三層の活動拠点としたズムフトの三本あるデカい木の一つにある宿屋に戻っていた。流石にここまでの連続クエストは皆初めてだったので、多少なりとも疲れが見えている。
「ギルド名とか決めてアルゴに言いに行くのは明日にして、今日はもう休もうか・・・」
「「「「「「「賛成・・・・・・」」」」」」」
もう時刻は22:30程になっている、昨日の16:00頃にズムフトに着きアルゴに話を聞いたので、寝る時間等を含めないと十八時間程はこのクエストをやっていたことになるのだろうか。
その日の俺達はぐっすり眠れ、起きたのは翌日の10時を超えたくらいだった。
「ギルド名何にする?」
「え、普通に
現在時刻10時30分、全員が集まりペンシルゴンが発したのはギルド名何にするとかいう、もう決まってるようなものの疑問だった。実際カッツォはすぐ旅狼で良くない?と返している。
「私的にもこれで良いとは思ったんだけどねぇ、折角SAOに来たんだし名前少し変えてみるのもありかなって」
「あ、はい!なら私SAO探索隊がいいです!」
「初志貫徹」
「うーん、チーム狼とか?」
「え、ええと...」
「よし大丈夫!!変えるなら旅狼から少しもじったやつにしようか!!」
こいつらの絶望的ネーミングセンスの無さに気づいたようだなペンシルゴン、クターニッドの時は俺のチーム名が採用される程だったのだ。今回のも言うまでもなかった。
「あ、じゃあ旅狼からさ、「旅狼の集い」にするのはどう?これならギルドっぽくない?」
「「「「「「「かっこいい!」」」」」」」
京ティメット君なかなかやるじゃないか、まさかお前にネーミングセンスがあるとは思ってなかったよ。にしても「旅狼の集い」...中々に良い名前じゃないか。
「「旅狼の集い」...英語にすると「Wolf Gang Gathering」で略は「WGG」か...いいね、すごく良い名前だよ京極ちゃん」
「ふふーん、でしょ?」
京ティメットが鼻の伸ばしてドヤ顔しているが今回ばかりはこいつを褒めないといけないだろう。なんせ普通にカッコいい名前なのだから。
「じゃあギルドネームは「
「「異議なーし!!」」
「ちょっとちょっと!?」
ん、どうしたのかね京アルティメットよ、そんな意味が分からないと言わんばかりな顔をして。
「ギルドネーム決めたやつがリーダーなるのは当然だよなぁ??」
「ペンシルゴンでもやってくれたよ京極??」
「京極ちゃんならやってくれると信じているよ??」
「ここぞとばかりに・・・普通ジャンケンだよね!?」
俺達に普通という名の文字は存在しないのさ、今に限ってはな!!
「私は普通に、ジャンケンでいいと思います、京極ちゃんが可哀想なので...」
「私もです!」
「公平を期すためだししょうがない」
「一人に押し付けるのは違うからね」
「ほら!皆は君達外道とは違うんだよ!!」
「「「ぐぬぬ」」」
結局ギルドリーダーはジャンケンで決めるという形になった。まぁこうなった時点でリーダーが誰になるかは何となく予想がつく。
「「「「「「「「最初はグー、ジャンケンポン!!!」」」」」」」」
「あ」
「「やっぱり」」
「なんでまた私なの!?」
ということでギルドリーダーという
「まぁ旅狼ってついてる時点でお察しだよね」
「そうだな、自分が考えた名前は自分が背負うべきだ」
「それ京極ちゃんにも言ってくれるかなぁ!?」
それはともかくとして、ギルドネームとリーダーが決まった俺達は早速アルゴに言いに行くことにした。
「ヘェ、名前が「
「なんか言った?」
「いヤ、何でも。まァこれで現状存在を確認できるギルドは二つになった訳だナ」
「もう一つ出来たんですか?」
「お前達も良く知ってるディアベル達がギルドを作ったんだヨ、お前達がエルフイベを進めている間にナ。メンバーはボス戦とかに参加したやつらがほとんどデ、名前は「アインクラッド解放騎士団」で略称が「ARK」だナ。」
「...そりゃまた大層な名前で」
「ディアベル要素てんこ盛りだロ?リーダーももちろんディアベルだそうダ」
「ディアベルがオイラに「もしサンラク達がフリーだったらギルドに入らないか聞いてみてくれ」って言ってたんだが、どうやらその必要もないようだし、オイラはもう行くナ、教えてくれてありがとナ。」
「こっちもクエスト教えてくれてありがとな。」
「良いってことサ、攻略頑張れヨ。」
それだけ言うとアルゴはスッ、と消えるようにして去っていった。
「・・・・・・私達はこれからどうする?」
「エルフの方も第四層行かないと進まないらしいし、とりあえずは迷宮区発見のために探索かな?」
「あ、後で皆さんにも「毒消しの薬を持っておいた方が良い」って情報を伝えないとですね。」
「確かに」
「それは第三層のボス攻略会議とかの時でも良いんじゃない?それよりもやっぱ迷宮区探す方が先だと思うよ。」
「じゃあそうしようか、皆は?」
「「「「「「異議なし!」」」」」」
「
ギルドクエストなんてまともに描写するわけないだろってことですね。平均クリア時間20時間のクエストの詳細なんて書いてちゃ何話かかるか分かったものじゃありませんよ。
意外と三層は早く終わりそうですね。三層のボス自体もそんなに強くないのでこうなると四層の方が長くなりそうです。