旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
色々あって一週間空いてしまいました!課外とかだるいとか色々並べてみますが要はサボってましたね、ハイ。設定もエルフ関連とか階層毎のイベント考えたりとか色々考えなきゃ行けなくてですねぇ⋯
とまぁ言い訳は一旦ここまでにしといて、とりあえず失踪はしないよって事だけは伝えておきたいと思います。
浮き輪大連結
〜アインクラッド・第四層〜
「皆さん見て下さい!キレイです!」
「だねぇ」
「水も透き通ってるし景色もいいですし、色々凄いです!」
「だねぇ」
興奮してはしゃいでいる秋津茜にペンシルゴンは適当に返事をしている。これだけだとペンシルゴンはまともに話を聞いていないヤツになるのだろうが、彼女も彼女でこの第四層のスタート地点から見える景色に見惚れているのだろう。
俺達は今、峡谷、というべき場所にいる。昨日第三層フロアボスを倒した後、俺達は第三層のへと戻り、四層探索を後にし休憩をした。今日は折角だからということで、解放された第四層の主街区の転移門を使わず、第三層迷宮区出口から攻略しようという話になり出かけて来たのだ。すると目の前に広がっていたのは、透明な水が流れる高低差のある渓谷、ということだったのだ。
第三層の森もキレイだった。だがあちらは幻想的・神秘的な綺麗だろう。晴れやかな空が広がり、澄んだ水が流れ下の方に目を向けると主街区であろう街が見下ろせるこの第四層の景色は爽やか・すっきりとしたキレイだ。
「でもこれ進めなくないです?」
「え?」
ふとレイ氏がそんなことを言う。下ではなく前を見ると、街に繋がっているのだろう川が流れ、周りには木や崖がある───あれ、道は?
「前には川しかないな」
「なんかこう、でっかい道みたいなのないの?」
そうカッツォが言い皆が周りも見渡すも、あるのは何かの実が生えた木と絶対登れないような崖ばかり。川以外に進めそうなものらしきものは見当たらなかった。
「泳いで行くとか?」
「それはないでしょモルド⋯そもそもSAOって泳げるの?」
「よっしゃ試してみるか」
「サンラク君!?」
俺は試しに川の浅いところに入ってみる。濡れていることを示すアイコンが光り、体がズシリと重くなったような感触を受ける。だがそれでも動けない程ではなかったので一旦水の中に潜ってみる。
「おぼげばぶぶびだびだ」
「「「「「「「なんて?」」」」」」」
泳げはするみたいだ、と言ったつもりだったが伝わらなかったみたいだな...水の中はなんかビニールを被って潜ってるみたいな感覚がするし体も重いので一旦浮き上がることにする。
「ぷはぁーっ!!」
「なんでそう考えずに潜るかなぁ!!」
「で、どうだったの?SAOの水の中は」
「んー、なんか違和感があるって言うか...ピチピチしたスーツを着ながら潜ってる感じっていうか?あと体の動き方っていうか動かし方がなんか違和感あるんだよな。あと水の中に入る時はアーマーとかは外したほうが良いな」
ちなみにシャンフロでは水中での違和感等は一切ない。戦闘面ではSAOはシャンフロと拮抗していると言ってもいいくらいクオリティが高いが、細かいところだと流石にシャンフロに劣っているようだ。というよりシャンフロが異常すぎるだけなのだろう。SAOはまだ頑張っている方だと思う。
「サンラク君でそれならどんどん急になっていく川をぶっつけ本番で突破するのは難しそうかな⋯水中には当然モンスターもいるんだろうし」
「じゃあどうするってのさ」
「私に聞かれても」
俺達は先に進む方法を考えるのに詰まってしまった。ここが普通のゲームだったらぶっつけ本番で川を泳ぐのにチャレンジしても良かったのだが、なんせSAOでは一度死んだらガチで死ぬので、ある程度安全性が保証されないと実行するのには少々危険すぎる。
「でも主街区が解放されてるってことはここをプレイヤー達は突破できるよう想定されているってことだよね?」
「僕達が何か見落としてるのかも」
「じゃあもう一度周り見てみる?」
改めて俺達は注意深く周りを見るがやはりあるのは沢山の木と崖である。
「もしかしてこの実使えるんじゃない?」
「なにこれ⋯⋯ドーナツ?」
カッツォが拾った木から落ちたのであろう実は、茶色で真ん中に穴が空いている円形をした物、つまるところドーナツであった。
「確かに特徴的ですけど何かに使えるんでしょうか?」
「このドーナツ美味しそうですね!!」
純粋な秋津茜はペンシルゴンが言ったドーナツという言葉をそのままの意味で受け取り、今にも食べだしそうである。
「そうじゃないってば、ここ見て」
そう言うとカッツォはドーナツ型の実の側面を俺達の方へ向ける。そこには一センチ程突き出したヘタのような突起があった。
「これを──ふうっっ!!」
カッツォはヘタの部分を口で咥えると、一気に息を吹く。するとドーナツ型の実はぽん!という音を出し、一気に巨大化した。
「「「「「「「浮き輪!?」」」」」」」
「よっしゃビンゴ!なんかいけると思ったんだよね!」
そう嬉しそうな顔で言うと、カッツォはドーナツもとい浮き輪で遊び始めた。
「なるほどな、流石に茅場の野郎も救済措置的なものを作ってたのか」
「そうするとコレを人数分確保して膨らませてから川を下ればいいのかな」
「でもどうやってとる?」
ルストがそう言う。これが一、二メートル程の小さい木でなってる実だったら良かったのだが、この浮き輪の実がなってる実は五メートル以上ある高さの木の上の方になってるので、ジャンプしても届かないのが。
「実、と言うくらいなら揺らしたりして取るのではないでしょうか?」
「揺らす、揺らす──モルド君、試しに棍で木を叩いてみてくれる?」
「わかった、やってみるよ」
そのままモルドは実がなっている木に近づき、棍を軽く振り木にぶつける。するとドォーン⋯⋯と木の内部に振動が伝わり──
「あ、落ちてきました!」
木が揺れたことで葉も揺れ、その揺れにより三個程実がポスッ、と落ちてきた。色こそ茶色ではなく赤や青や黄色だが、形は、まさしくカッツォが拾ったのと同じドーナツ型だった。
「ナイスモルド!そのまま皆の分の実も確保しちまえ!!」
「了解!」
モルドは隣の実がなっている木を叩く、今度は四個実が落ちてきたので、これにより俺達全員の分の浮き輪が揃った。
「じゃあこれを膨らませて⋯⋯」
それぞれが一つずつ浮き輪を膨らませる。赤・青・黄・緑など色鮮やかな浮き輪に変化していく。模様などは一切ないシンプルな見た目だが、川を超えるには十分な代物だ。
「よし行くぞ!」
「⋯⋯ねぇ、これ本当にやらなきゃダメなの?」
何ちょっと恥ずかしそうな感じ出してんだよカッツォ。たかだか浮き輪八連結くらいで恥ずかしがるのかカッツォ。ウキウキな顔してる秋津茜を見てみろよカッツォ。
「安全性考慮したら一番これがいいんだよ」
俺達は浮き輪の後方についていた紐的なものを浮き輪同士で結ぶことで、脅威の八連結浮き輪を作り上げた。子供っぽいとかでカッツォだけ恥ずかしがっている。
名付けるなら「超連結ドーナツトレイン」だろうか?とにかく、この方法が仲間同士離れないで行ける最善の方法っぽいのだ。急なカーブ来た瞬間崩壊するだろうが。
「てことで出発進行〜!!」
「「「「「「おー!!」」」」」」
小さい声で「⋯⋯ぉー」と聞こえてきたのは気の所為だということにする。
俺達を乗せた「超連結ドーナツトレイン」は奥下に見える第四層主街区を目指し川を下り始めた。
「サンラク君!前、前!!」
「分かってるレイ氏!」
「⋯⋯サンラクー!?こっちからじゃ何も出来ないから何とかしてねー!!」
えー絶賛ピンチでございます。俺達が出発してから五分は経過した。結構勢いよく進んでいるのでもう二キロ以上は進んだと思われ、もう目の前には主街区であろう街が目前と迫ってきている。道中は特に何の問題もなく進み、モンスター達も特に襲ってこなかったので浮き輪での川下りを楽しんでいたのだが、最後の最後で道が二つに分かれている、という事態に出くわしてしまった。俺達は浮き輪を連結してしまっているので、もし道を二つに分けている岩にでもぶつかってしまったら、先頭である俺はもれなく衝突&即死、後ろも被害に合うのは想像に難くない。
「うおおおおお!!」
俺は全体重を左側にかける。右側の道の方が面積はデカいのだが、奥に急な下り道と急なコーナーがあるのが見えた。このまま道の分岐点を過ぎたらゴールである街に着くとしたら、道は少し狭いがなだらかな道で減速できる左側の道の方が良いと判断したのだ。
「「「きゃああああ!!」」」「「あははははは!!!」」
岩が近づき女性陣の悲鳴が響き渡る。二人ほど外道の笑い声が聞こえたが気の所為だろうか。
当然面積のデカい方に水は多く流れるので、少し右に引っ張られるが、何とか左側の道に行くことに成功。そしてそのままなだらかになった川を下っていると、終着点であろう砂浜が見えた。
勾配を下りきるとただの真っ直ぐな川になったので、浮き輪の連結を解除。俺達はそのまま泳いで、主街区の一部であろう砂浜に到着した。
「何とか着きましたね⋯⋯」
「⋯⋯これ後ろの方が何が起こるか分からなくて怖いよ」
「何そのジェットコースターみたいな」
流石に最後の分岐点にはヒヤッとさせられた。まぁ無事着けたなら結果オーライ!なのだが、
「なんか人少なくねぇ?」
「確かに主街区にしてはプレイヤーの数が少ないような?」
別にプレイヤーがまったくいない、という訳ではない。実際十人程のプレイヤーが観光などをしている。だがプレイヤー自体が少ないのもそうだが、全体的に建物が少ないというか、そもそも小さい?というか、主街区の入口にしては活気がなさすぎるような気がしてくる。
するとルストが現状考えられる中だと一番可能性の高そうなことを言う。
「ここ裏口なんじゃない?」
「もしかして分岐点の右側の方がデカかったのってそっちが本当の主街区の入口だってことを表してたから?」
「⋯へぇ?」
「⋯これはさぁ?」
「⋯左側を選んだ人の責任だよねぇ?」
外道共が俺の方を見る。なんだよ折角一番前を努めてやったのに、恩知らずな連中だなまったく。
「寧ろ全員無事にここまで導いた俺に感謝をするべきじゃないか?」
「おっと反省の色がお見えでない?」
「これはこれは」
「僕の出番かな?」
刀出して嬉しそうにしてんじゃねぇよ京ティメット。怖いわ、ナチュラルサイコなのかお前は?あ今更だったわ。
「それよりもあれ見てくださいよあれ!!」
秋津茜にもそれ呼ばわりされた⋯⋯
秋津茜が指さした方向を見ると、デカいイカダを屋根にくっつけた建物があった。
「何あれ」
「イカダ?」
「とにかく行ってみましょうよ!私イカダなんて見るの初めてです!!」
「何でこんな所にイカダが...?」
このイカダが第四層攻略の鍵になってくるとは、まだ誰も予想できないままだった。
なんか結構久しぶりに書いたからか違和感感じまくりです。文変になってたらごめんなさい。
この層はイカダとエルフ関連がメインと思われます。次の層でイッツ・ショウ・タイムとかの人出していきたいなぁ。