旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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これエルフクエストの導入で終わりそう⋯


怪しげな水運ギルド

 

「ふー、意外と楽しいなこれ」

 

「結構、力使うけどね!」

 

「ほら次の曲がり角来るよ男子組ー、あとレイちゃんも頑張れー」

 

「頑張ります⋯!」

 

「⋯僕たち、後で変わってもらえるんだよね?」

 

「それは君達の働き次第かなー⋯⋯なんてね。ちゃんと交換交換でやるから安心して」

 

俺達はお爺さんに造って貰った「八芒星(オクタグラム)」に乗って主街区ロービアの水路を進んでいた。まだ乗って数分くらいだが、まずはと操縦役を任された男子組とジャンケンで負けたレイ氏は櫂での操縦の感覚を掴みつつあった。俺達の船はデカいためその分力が必要である、なので左右二人ずつ配置して、力のバランスを均等にして進めていた。

 

櫂自体の操縦は簡単で、左に曲がりたいなら左に櫂を、右に曲がりたいなら右に櫂を倒し、進んだり止まったりしたいなら前後に倒すだけでいい。ただ倒す方向をミスった時が少し大変で、水の流れの逆方向に櫂を倒して向きを整えねばならないので、ここだけ少し力を使う。これはまぁミスらないよう気をつければいいのだが。

 

「前見て!船来るよ!」

 

ペンシルゴンの言葉で操縦組は前を向く。すると前には同じく水路を進む、俺達の船よりかは小さめな船がこちら方面に進んできていた。昔釣りでも父さんに言われたことがあるような気がする、手元じゃなくて前を見ろって。

 

「端に寄せるしかねぇ!全員合わせろ!!」

 

迫ってきている船が多少左寄りなので、こちらも右端に移動すればなんとか船同士の衝突を回避して進めるはずだ。水路の幅が五メートルくらいしか無いのも問題であるとは思うが。

 

「危ねぇな!気をつけろ!!」

 

船同士のすれ違いざまに相手側の船に乗っていた船員にそう言われる。

 

「何あれ」

 

「ちょっと船がデカいからって言いすぎじゃない?あっちの船も大概デカかったのに」

 

「僕達の船に嫉妬してるんじゃない?」

 

そんなことを話していると今度は小型の船が何隻か向かって来ていた。

 

「邪魔だ邪魔だ!デカいくせにノロマだな!!」

 

「つかこんなとこでデカい船で進むなよ!」

 

「お?喧嘩なら買うぞコラァ!!」

 

「サンラク、ストップ」

 

先程の船と同じように小型の船集団も俺達の船に罵声を浴びせながら通っていった。小型のに関してはあいつらの方がスピード出してて危険なのに、さもこちらに非があるみたいな言い方をしていてムカついてしまった。この街のNPC達は気性が荒いのだろうか??

 

「今のは完っ全にあっちが悪いよねぇ??」

 

「ちょっとムカつくなぁ、サンラク、斬りに行きたいから180度反転して」

 

「無茶言うなよ」

 

その後も船とすれ違っては文句だったり罵声だったり暴言だったりが飛んできて、挙げ句の果てには「そんな船見たことない」とか言って止めてこようとした輩もいた。

 

「流石におかしくない?」

 

「これがロービアのNPCです、って言われちゃおしまいだけど明らか他の街とかと違ってトゲトゲしてるよね」

 

「私達がデカい船に乗ってるからでしょうか?」

 

「⋯⋯ん?これクエストログ更新されてないか?」

 

何か情報はないかと思い、メニューやクエスト画面を色々見ていたら、先程船を完成させたことでクリアしていたと思われていた「昔日の船匠」クエストに新しく「水運ギルド所属の船の態度がおかしい。船匠にもう一度話を聞け」という文が追加されていたのだ。

 

「えー操縦組!180度反転、お爺さんの所に戻ろう!」

 

「「「「あいあいさー」」」」

 

五分程進んだ道をもう一回戻るのは少し面倒だ。しかし最初とは違いかなり慣れたので一分くらいは時間を縮められるだろう。それよりもレイ氏もあいあいさーと言ったのが少し面白かった。

 

 

「⋯で、わしに話を聞くためにもう一度戻って来たと?」

 

「その通りでございます」

 

俺達はお爺さんがいる建物の近くに船を止め、正面扉から建物に入った。幸いお爺さんは地下の工房から上に戻ってきていたらしく、扉を開けると最初に訪れた時と同じように椅子に座っていた。

 

「⋯じゃが、あまり語りたくはない話なんじゃ」

 

「そうですよね⋯」

 

「⋯⋯どうしても知りたいと言うのなら、客ではなく木箱を乗せてる大型船を見つけて、気づかれないよう後をつけてみるといい。あと一時間もしたら街の南東から出航するはずじゃ」

 

「じゃが、見つかったらタダでは済まんと思うぞ?ごろつきどもが乗っているだろうからな。もっとも、ヌシ熊を倒したお主らの敵ではないだろうが」

 

わっはっは、と言いながらお爺さんは言う。これで話はおわりじゃと言われたので、俺達は再度の別れを告げ、とりあえず船に戻る。

 

 

「どうする?」

 

「もうこのまま進めた方が良いと思います。このままだと少しモヤモヤするので」

 

「私もレイちゃんと同じかなー」

 

「僕もー」

 

「じゃあ今は16時だから、17時近くなったら南東の方面で待機して出てきた大型船をバレないように追跡、ってことだね」

 

「⋯⋯その間何か食べない?私お腹減った」

 

「あ、俺もお腹減ったかも」

 

そう言えば確かにお爺さんに船を造って貰うよう頼んでから、遊んでばかりで何も食べていなかった。何か肉が食べたいなぁ、それとエナドリをグイっと飲めれば完璧なんだが。

 

...何はともあれ、南東に移動する時間のことも考え、16時40分には出発しようということになり、俺達は近くの料理屋へと足を運ぶのだった。

 

 

〜第四層・水路〜

 

現在時刻18時ちょうど。俺達は主街区南東の船着き場から木箱を乗せた大型船をバレないように追跡している。この船は主街区を出てフロア南へと進む水路を進んでいる、ということに気づいたのが30分程前。大型船はよほど大切なものを運んでいるのか、スピードを出さずに安定重視でゆっくりゆっくりと進んでいる。

 

「うーん、飽きた!」

 

「そう言うなって京ティメット。お爺さんの言い方的にあの船に何か秘密があるのは間違いないんだから」

 

俺達も進む速度はゆっくりでいいため、二人組二十分交代にして、間隔を五十メートル程開けて追跡をしている。なのでその他のメンバーは寝たりワイワイ話たりしている。

 

「どうせ街の運行市場を独占するために水運ギルドはギルド以外に船を造らせないようにした、とかそんなところだと思うけどね」

 

「俺もそうは考えたんだが、そうすると個人で船を造ってる人も狙ったのかが分からないんだよな」

 

「というと?」

 

「ギルドって言うくらいなら人はある程度いるはずだろ?だったら、同じ人がいるところだけを狙えば、生産量が絶対敵わない個人なんて気にしないでも独占できたはずなんだよ」

 

「うーん、質が良いものも造らせないようにしたのかなぁ」

 

「そうなのかもな」

 

「⋯⋯あ待ってサンラク!あれ見て!」

 

「ん?何々⋯うわ!」

 

見ると俺達が追跡していた船は水路の続きを進むのではなく、怪しげな洞窟の中に進もうとしている。これはイベントの進行フラグだろう。

 

「おい皆!船に動きがあったぞ!」

 

「えー、もう少し寝かせてよ」

 

「知るかバカッツォ。早く起きろ」

 

「その船は今どんな感じ?」

 

「水路じゃなくて、脇にある洞窟に進もうとしている感じだな」

 

「ふーん、あの洞窟の中ってどうなってるんだろ」

 

「それは今は分からないな。もし、あの船が黒で怪しげな取引とかをしようとしてるならあの洞窟の中にギルドの拠点とかがあるんじゃないか?」

 

「何にせよ入ってみないと分からないってことだね」

 

そう会話している間にも木箱を乗せた船はどんどん進み、ついに洞窟の中に入って見えなくなった。洞窟の中は何があるのか分からないので、何か起きても対処できるよう準備をしなければならない。

 

「⋯⋯武器ももう変えなきゃだよな」

 

第一層の時からお世話になってきた片手剣「アニールブレード」は、鍛冶屋などで強化し、このアニールブレードで強化できる最大の+8にまでなっている。SAOでは武器を「鋭さ」「速さ」「正確さ」「重さ」「丈夫さ」の5つから選択し、強化することができる。

 

分かりやすくすると、それぞれ威力・速度・会心率・安定性・耐久、が上がっている、のだと思う。正直良く分かってないが、俺は絶対に重さと正確さはいらないと思っている。なぜなら重さは時に邪魔になるし正確さはプレイヤースキルで何とかできると思っているからだ。

 

そんなわけで俺のアニールブレードは、「鋭さ」に3、「速さ」に2、「丈夫さ」に3振っている。アルゴは強化をしたら数字と英語の頭文字で略す、と言っていたので、鋭さを「Sharpness」、速度を「Quickness」、丈夫さを「Durability」として3S2Q3D、ということだろう。

 

「アルゴはエルフの鍛冶屋はたまに良いものを作ってくれる、って言ってたし次エルフの所に行ったら変えようよ」

 

「そうだな」

 

「⋯⋯皆さん、あれは何でしょう?」

 

「「「「「「「ん?」」」」」」」

 

秋津茜は洞窟の方ではなくその上、洞窟の上の崖を見つめている。最初は良く見えなかったが、洞窟に俺達の船が近づくにつれて段々と見えてくるようになってきた。あれは──

 

「人⋯⋯?」

 

「三人くらいかな?全員フード被ってるね」

 

「⋯今金色の髪みたいなものが見えたような気がします」

 

「え、あれって──」

 

まるで光っているように明るい金髪にツンツンとした髪型、それにカッツォとあまり変わらない身長の、まだ少年のような雰囲気を出すその人物は──

 

「「「「「「「「ガリウス?」」」」」」」」

 

人によってガリウスの後ろに君だったりさんがついたりしたが、全員が第三層で出会い、助けた森エルフであるガリウスの名前を呼んでいた。

 

「んぁ?──は?なんでお前らここにいるンだよ」

 

前会った時と変わらない口調・声でガリウスは崖の上から俺達に言葉を投げかけた。

 




やっぱり導入で終わっちゃった

明日ヒロアカ見てくるので直に岡本◯彦を感じてきます
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