旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
信頼と言うものはいつでも最重要で大切なものである。仕事・依頼・頼み事、誰かに何かを頼む時、友達を遊びに誘う時も、「こいつとだったら楽しい」「こいつだったら安心できる」そういった信頼関係の上で成り立つだろう。
信頼と言うものは行動によって上がったり下がったりするものである。信頼は好感度と似ていて、上がるのには時間がかかるが、下がるのは一瞬の時がある。
例えば、異性にセクハラをした時とか。
「さて、サンラク君はそこに正座」
「いや一旦言い訳させてほしい、あれは不可抗力というか何というか」
「言い訳無用!いいからそこに直れい!!」
「何やらかしたのさサンラク、レイちゃんが無言で顔を赤くしたまま帰ってくるなんて相当だと思うよ?」
「⋯⋯この人は最低です。この世の女性の敵です。」
ちょっと待ってくれよミーアさん!さっきまでの説明全然聞いてないじゃんか!!
「サンラクぅ、面白そうなことなってるねぇ?さっさと吐いた方が良いと思うよ?」
「分かった、言うから一旦落ち着かせてくれ!!」
とりあえずは厳戒態勢が解かれたが依然とんでもない状況には変わりない。
ノルツァー達が去った後、箱から出れなくなった俺とレイ氏をミーアが助けてくれたはいいのだが、その時ミーアに箱の中の状況、つまり俺が頑張って蓋を開けようとした結果、色々大変な絵面になってしまった所を見られてしまったのだ。
流石の俺でも同年代女子と密着して果実に触れまくってしまった事実を誤魔化すはずもなく、何も知らない秋津茜を一旦放置し、レイ氏に最大限の謝罪をし、ミーアに最大限の弁明をしながら待機組が待つ所へと戻って来た、というのが今の状況だ。
レイ氏は「大丈夫です、不可抗力だったのは分かっています」と言ってくれたが依然顔は赤くしたままで罪悪感が凄いし、ミーアに至っては不可抗力だと言う事を何度も説明しているのに「もういいです」ばかりで取り付く島が無かった。
「えーまず俺達が得た情報を報告させて貰うと、第一に「フォールンエルフには閣下がいる」、その次に「五日後に森エルフの拠点を襲撃しようとしている」、最後に「運ばれてきた木箱の中身は空っぽ、だがこれらを使って船を造っている」の三つが、見たり聞いたりした中で特に重要そうな情報かな」
「「「襲撃!?」」」
「俺らの拠点をか!?」
「それはちょっと不味いっすね⋯⋯」
「サンラクさん、船を造ってるなんて言ってましたっけ?」
「状況から考えてだ秋津茜、閣下は「組み立てに遅れが出ている」と言ってたし、それに対して現場責任者は「すぐに遅れを取り戻します」って答えて、閣下は「では五日後には間に合うのだな?」と言っていた。五日後は第一の秘鍵を取り戻す計画、つまり「森エルフに襲撃をかける日」だし、「組み立て」って言葉からも、襲撃のために船を造ってたと見て間違いないだろう」
「なるほどです!!」
「えーとサンラク君、私達にはザックリな情報すぎるんだけど。もうちょっと詳しくお願いできる?出来るよね??」
「⋯⋯はい」
そして俺は待機組と別れてからの倉庫潜入やノルツァー登場、話されていた内容を思い出しながら、なるべく丁寧・正確に伝えた。
「閣下ねェ、噂に聞いてはいたがこの層に来てたのか⋯」
「ノルツァー閣下は表向き、フォールンエルフ達の現大将的な役割をしているっす。閣下なんて大層な名前ついてるっすけど、その実力は本物で、もし今戦闘になったら全員でかかっても多分全滅っすね」
「あっぶな」
「⋯⋯まぁ、その点はサンラクさんを少しは認めましょう。あの時素早く指示が出されていなかったら見つかる可能性もありました」
「じゃあ」
「それとこれとは別じゃない?まだサンラク君はどうしてレイちゃんが赤くなってきて帰って来たのか話してないよねぇ」
「うぐ」
「洗いざらい全部話しなよ、サ ン ラ ク 君 ?」
これもはや尋問じゃねぇかな。男子高校生に女子と密着してわざとじゃないけど胸触った状態で放置してました。慌てて出ようとしたらその影響で更に触りましたって言わせるの普通に鬼畜すぎじゃない?ゲームとかで「目の前が真っ暗になりました」ってなってる主人公の気持ちちょっと分かったかも、絶望感がスゴイ。
俺は正直に全部話した。玲さんは全てのことを知っているのだし、ミーアにも全部話したのでここで隠そうものなら俺は仲間内でも地位が下下下の下になり、信用できないとはいかずとも「近づくと危険な可能性がある」というレッテルを貼られるだろう。
「うわぁ⋯⋯」
「無意識って言ってるのが余計質悪い」
「助平サンラク」
なんだろうこの尊厳を全て失った感じ、ドッグライフも中々に酷かった気がするがあれはあれで楽しかった。これはあれ以上に精神的にくるものがある。
「あの⋯サンラク君は、悪くありません。私も最初はビックリしましたけど⋯もう、大丈夫です。私は気にしてません」
「レイちゃん、別に無理しなくていいんだよ?こういう時はキチンとお灸を据えてあげなきゃ」
「気にしてません」
「⋯⋯そう?」
俺が洗いざらい全てを話したこと、玲さんの許すという発言からまぁ許してやろうという雰囲気になり、だが罰として「ドスケベサソラク」という大変不名誉な名前を授かることになった。だがこれで済んだのはまだ全然マシな方だろう。ここは甘んじて受け入れなければ、後で玲さんにも謝罪と感謝の意を込めて何か奢らねばなるまい。ミーアはまだちょっと俺に警戒心を抱いているようだったが。
〜第四層・洞窟内水路〜
「では、「大地切断」とは何かまたそれに関係して私達エルフのことも少し皆さんに教えたいと思います」
「さっき聞いた時からすっごく気になってたんです!よろしくお願いします!!」
「まさかSAOにそんな壮大な設定があったとはねぇ」
「本来なら壮大なストーリーを層を進みながら解明していくとかそんな感じだったんじゃない?いつからデスゲームに変わると企画されたのかは分からないけど」
今はガリウス達を森エルフへの拠点へと連れて行く最中で、洞窟内にあるフォールンエルフ達の拠点に続く道と分岐している道、つまり森エルフの拠点へと繋がっている水路を進んでいる。森エルフ達の拠点までは地下水路になっているらしく、途中に休憩場所もあるが、そこに寄らないでも拠点までは二時間程かかるらしく、水路で言っていた「大地切断」やら「聖体樹」、それに「エルフ族の禁忌」なるものを説明して貰う時間となったのだ。
「何から説明すべきでしょうか⋯⋯それでは、まず、この浮遊城が出来た理由から。この城は最初から存在していたのではなく、ある出来事により作られたものなのです。それが「大地切断」。この城が出来る前は、私達森エルフは「カレス・オー王国」、黒エルフは「リュースラ王国」、人族は「九連合王国」として、他にもドワーフ族などもいて一つの大陸の上にそれぞれ統治されて生活していました。」
「時折小競り合いなどの争いはありましたが、おおむね平和な生活を送っていたそうです。ですがある日突然、各地で大規模な内乱が起きます。そしてその出来事とほぼ時を同じくして、大陸の100個の主要都市とその周辺が円形に切り抜かれ、浮かび上がり、この城が出来ました。──これが、この城が出来た理由、「大地切断」の大まかな話です。」
「⋯⋯うへぇ」
なんて壮大な話だ。大陸の名前は分からんが、その大陸、かなりの規模の大きい大陸なんじゃないだろうか。100の主要な都市なんて大陸が相当大きくないと存在出来ないだろう。あのアメリカだって50の州で構成されているんだぞ?その約二倍はあるとかゲームにしたらシャンフロなんて目じゃない程規模がデカいゲームになりそうだ。
「ちなみに、この「大地切断」の伝承が残っているのは我らエルフ族のみと聞いています。この城になった後は、各階層間の交流もなく、各都市は自治都市になりました。また、この「大地切断」により人族の王家は滅亡、地上の文明を支えていた魔法の大体が失われ、その残滓のようなまじないが残りました。あなた達が手振りで出している、その⋯」
「もしかして、システムメニューのこと?」
ペンシルゴンが右手を振ると、シャランという音が鳴り、メニューが開く。俺達プレイヤーにとってはいつも見る、当たり前のもの。
「そうです。しすてむめにゅー?という言葉は知りませんがそれは紛れもなく「
え、これ魔法の類のものだったの!?明らか近未来的に設定されているこのシステムメニューだが、どうやらSAO世界ではまじないの一つだったらしい。てかシステムメニューってNPCにも見えてんだな。
「では次に、「聖体樹」と「エルフ族の禁忌」ですね、これはどちらとも繋がりがあります。伝承では、フォールンエルフが不死の肉体を得るべく、森エルフの「カレス・オーの聖体樹」と黒エルフの「リュースラの聖体樹」の樹液を取ろうと二本の聖体樹を傷つけようとした、とあります。結局彼らの企みは失敗に終わったのですが、聖体樹は傷つけられかけたことから、フォールンエルフのみならず全エルフ族への恩寵を絶ちました。それ以降、我ら森エルフも含めたエルフ族は生木を使うことが許されていないのです。生木から落ちた枯れ木などは使えるのですが、あまり実用性はないです。なのでフォールンエルフは人族に依頼を出して木を確保するのではなかったのでしょうか。」
「そして、当時の森エルフと黒エルフはフォールンエルフの行動を流石に看過できないと思ったのか、結託してフォールンエルフを北方の氷雪地帯へと追いやったそうです。」
「ふむ、なるほど⋯⋯」
正直大地切断とシステムメニューがまじないとか魔法とかの類だったって時点でお腹いっぱいである。なるほどとか言ってるが話を完全に理解出来ているか怪しい。とりあえず巻き込んだ灰エルフ許すまじで森エルフと黒エルフが協力したってことは分かったぞ。後聖体樹とやらは随分意識がハッキリしているようで。聞いている限り意志持ってそうだなその木。
「⋯あ、そう言えばもう一つ聞きたいことがあったんだが、[原始化]って結局なんだったんだ?」
「一体どこでそれを?」
「最初にガリウスを助けた時ガリウス自身が言ってたぞ。結局何か分からず仕舞いだったから何なのか聞きたくてな」
第三層の時グレトリクセル戦にて、グレトリクセルをHP半分まで削った時に見せた「原始化」なるあの禍々しい姿。結局三層ではガリウスから説明がなかったので折角ならついでに聞いておこうくらいの気持ちで聞いてみたのだが。
「⋯⋯それは───どうやら時間のようです。また今度、ゆっくりお話してあげます。」
船の先には明るく光るものが見える。出口だろうか、休み休みでゆっくり進んでいたのに、どうやらもう目的地へと着くらしい。
原始化のことを聞いた時ミーアの顔が少し固まっていたような気がするが、多分、気の所為だろう。
サンラクじゃなくてサソラクなのがバカにしてる感出て良いと思う。
ヒロインちゃんはサンラクに胸触られたことに驚きはしても怒りはしないし失望もしない。なんなら多分恥ずかしいけど嬉しがってる。このままめちゃくちゃにされるのかとか妄想でもしてたんじゃないですかね。
あ、サンラク大地切断とかの話良く分かってないって言ってるけどこれ作者の話ですね。設定が多いし複雑だしまだ未知の部分が多すぎるんですよね。早くプログレッシブ更新されないかな。
これ迷ったら単行本片手に書いてるんですけど第七層終わってからがめちゃ怖い...