旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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第四話です
やっぱここがないとSAOが舞台の二次創作とは言えないですよねぇ

ちょっとポカやらかしました。SAOの正式サービス開始は11月7日じゃなくて11月6日でしたね。そこだけ直させて貰いました。


始まりの街

 

「....ログアウトボタンがありません」

 

「「「「「「「え?」」」」」」」

 

秋津茜が言った言葉に全員同じ反応をする。そりゃだってログインできてログアウトできないってお前、一方通行過ぎるのにも程があるだろ。ゲームとして欠陥すぎる。せっかくこんなにも楽しいゲームなのに、このままだと「サービス開始日にログアウトボタンの存在を忘れられていたクソゲー」として有名になってしまうぞSAO。それでいいのかSAO。

 

「さすがになにかのバグなんじゃないかな」

 

そういうモルドにルストを始め他のメンバーも頷く。

 

「まぁこれが仕様なわけがないよね、これが幕末だったら「介錯してやるから責任者出せ」って言われてそう」

 

とうとう会話に例えで幕末が出てくるほど侵蝕率が高まっている京ティメットを横目に俺は言う。

 

「今頃開発会社のアーガスが声明発表とかしてるんじゃないか?ログアウトできない不具合が発生しておりますとか。それを確認できないのが痛いが。」

 

SAOでは内部から運営からの新着情報や運営宛へのメールを送る機能が実装されていない。これは結構珍しいことである。同じVRMMORPGのシャンフロでは大型アップデートなどの情報がいつでも確認できるしバグを発見してもその場で報告すればすぐ直るなんてことも出来る。だがSAOにはそれがない、つまりログアウトしないと確認できないのだ。今はそのログアウトが出来ないのでどうにもできない

 

「・・・・・・現状出来ることは何もない」

 

「そう・・・・・・ですね、運営がこのことに気づいていて対処している最中であればいいんですが・・・・・・」

 

その時だった

 

ゴーン、ゴーン、ゴーン・・・・・・

 

「鐘の・・・・・・音?」

 

次の瞬間、俺たちは光に包まれ、始まりの街の転移門前へとワープしていた

 

 

―始まりの街・転移門前―

 

「は?」

 

いきなり光に包まれたと思ったら最初の転移門前に転移してやがった、これがこの一瞬で起きた出来事だ

 

「おい!全員いるか!?」

 

「とりあえず俺はいるよ」

 

「私も〜」

 

その後も各自が生存報告をし、とりあえずは全員が無事にいることは確認出来た

 

「おいおい・・・・・・人多すぎじゃねぇか?」

 

周りを見渡すと・・・100、1000、もっと多い。なんならどんどん転移されて増えていっている

 

「これ今SAOにログインしているやつ全員ここに集まって来てるんじゃないか?」

 

時刻はまもなく4時30分、11月に入った時期で空は赤く、暗くなっていっている

 

「何が起きようとしているんでしょう・・・・・・」

 

「今のログアウトできない現象の説明とかじゃない?ワープで集めれば知らなかった人にも知らせられるから強制ワープを使ったのかも」

 

レイ氏と京ティメットが話している。他のやつも大体落ち着いて来ている。だが俺はなにか嫌な感じがして緊張を解けなかった。

 

 

「どうなってるのこれ・・・」

 

「さぁ・・・」

 

「運営は一体何してるんだよ」

 

「なんか天音永遠似の人いない?」

 

そんな心配の声が周りのプレイヤー達から聞こえてくる。・・・・・・一部例外もいるようだが。

 

そしてさっきからなっていた鐘の音がしなくなった。プレイヤーも増えなくなったためこれで現在SAO内にいるプレイヤーの転移がすべて完了した、ということだろう。

 

フォーン、フォーン、フォーン

 

突然、そんな効果音と共に「WARNING」と書かれた細長い赤い色をした六角形が一つ表れる。

 

ギュォォォォォォ

 

赤いパネルは増え、増え、さらに増え、始まりの街・転移門前広場の空を覆い尽くす。

 

最後に「SISTEM ANNOUNCEMENT」と表示され、パネルの間から液体のようなものが流れ出し───。赤いローブを着た顔の見えない巨大な人が出来上がる。

 

「何だ?あれ」

 

「あれがGM(ゲームマスター)か?」

 

「これでログアウトできるようになるのか?」

 

この場にいる全てのプレイヤーが赤いローブの巨人へと注目する。

 

ひらり、と広げられたローブの袖口から手袋がのぞく

 

「なんで顔がないんだ?」

 

「なんかのイベント?」

 

プレイヤー達がそう言うなか、それらを静止するように赤ローブの動きがピタッ、と止まった。

 

 

『プレイヤー諸君、私の世界へようこそ』

 

この低く冷静な声で、だけど芯のある声は──

 

『私の名前は茅場晶彦。今この世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「茅場晶彦...!」

 

SAOとナーヴギアの生みの親、インタビューとネット記事で知っているその名前の人物が目の前に表れた。一体何を考えている?SAOの大々的なオープニングセレモニーか?だとしたら「WARNING(警告)」はおかしいじゃねぇかよ・・・・・・!

 

『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う。しかし不具合ではない。繰り返す、これは不具合ではなく「ソードアート・オンライン」本来の仕様である』

 

「「「「「「「「・・・・・・え?」」」」」」」」

 

ログアウトが出来ないのがSAO本来の仕様。いやいや、おかしいだろ。だって、それじゃあ、まるで───

 

『・・・・・・また、外部の人間の手による、ナーヴギア及びフルダイブハードの停止、あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合───』

 

 

『フルダイブハードの暴走による1Aの電流及び大規模データが諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』

 

まるで、デスゲームじゃないか。

いや、無理だろ。というのが最初に脳で流れた。自分が開発者なんだからナーヴギアはともかくとしても、他の、別会社が作ったゲームハードで人殺しなんてできるわけないだろ。

 

「・・・・・・はは、何言ってんだあいつ」

 

「そんなことできるわけないだろ」

 

周りのプレイヤー達も言い出す。そう言われるのを知っていたかのように茅場晶彦は話し出す。

 

『・・・・・・より正確には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク回線切断、フルダイブハードのロック解除または破壊の試み──以上いずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。その実行内容は──先程の条件適合時にSAO側から各フルダイブハードの()()()()()()()()()()()()()()()()()それによるハードの暴走による脳への1A電流の直接攻撃、大規模データによる脳のパンクである』

 

『なぜ音声システムへ攻撃するのか、なぜそれによって電流が脳に直接流れるようになるのか──諸君らが聞きたいのはざっとここら辺だろう。順番に答えてあげよう。』

 

『まず音声入力システム、これは私も発見できたのは偶然だった。各ハードの音声システムには穴があったのだよ。ほとんど使われていなかったがために。その穴とは──音声システムに大規模なデータが送られた場合、ハード自体が軽い暴走を起こし、各システムのセキュリティが解除されるというものだ。』

 

『当然、セキュリティが機能しないともなればハード側は強制ログアウトを実行しようとする。だが、全ての「シャングリラ・フロンティア」がプレイできるハードは音声システムと命令を下す命令中枢は隣同士にあった。なのでハード側が強制ログアウトを実行するより早く、SAO側から送られたウイルスは命令中枢をハッキングし、セキュリティを無効化した状態を保つことが出来る。』

 

「「シャンフロが出来るハードならSAOにログイン出来る」ってのはこれをするためだったのかよ・・・・・・」

というかコイツやっぱやばい。上手く言ってはいるがつまりは抜け道探してハッキングできるようにしましたってことじゃねぇか。マッドサイエンティストにも程がある。

 

『無論、()()()()()()()()()()()()「ソードアート・オンライン」はどのハードでもプレイすることが可能だ、あくまで()()()()()()()()()()状態にするために「シャングリラ・フロンティアがプレイ出来るハード」は条件が適合していたということだけさ』

 

『さて、ここまで来るとあとは簡単なのだ、諸君はフルダイブするために脳に微弱な電気信号が流れているのはご存知だろうがその制限を命令中枢のハッキングにより無効化し、ゲームを起動、実行するために流れている1Aの電流を脳に直接流せばいい。()()()がないようにそのまま大規模データも脳に流し、脳をパンクさせそのまま機能停止させればその時点ですでに本人は死亡している、ということだ。これが脳破壊シークエンスの詳細な情報だ。理解してくれたかな、諸君。』

 

「・・・・・・クソ」

 

自分の脳ではまだそんな説明はハッタリだ。とか全ては嘘だ。と考えている。だが今までの説明には言葉に言い表せない説得力があるのだ。それが実際に可能だからなのか「天才」の茅場晶彦が説明してるからなのかは定かではないが。

 

『先程の条件は、すでに外部世界で当局、およびマスコミを通して告知されている。ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してフルダイブハードの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果』

 

『すでに二百名ほどのプレイヤーがアインクラッド及び現実世界から永久退場している』

 

茅場の言葉と同時に、現時点の生存プレイヤー数が表示される、その数──

 

9787名

 

どこかで細い悲鳴が聞こえた。だが大半は信じられない、信じないかのように放心したり、薄ら笑いを浮かべたままだった。

 

『諸君が現実世界の体を心配する必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアによりこの状況を、多数の死者を出していることも含め報道している。諸君の体のフルダイブハードが強制除装される危険は低くなっているだろうと言っていいだろう。これから君たちの体は二時間の回線切断猶予時間のうちに最寄りの病院その他の施設に運ばれ、厳重な体制で保護されるだろう。諸君には安心してゲームの攻略に専念してほしい。』

 

こんな長い時間かけられて「どうせ逃げられないのだから精々ゲームを攻略してみせろ」と言われて黙ってるほど俺の精神が弱ったわけではなかった。

 

「ふざけやがって!!ログアウトできない緊張した状態でゲームをやれだと!?ふざけんな!!ゲームは楽しむためにあるもので嫌々やるものじゃねぇんだよ!!」

 

「サンラク・・・・・・」

 

俺は必死に言葉を紡ぐ。それが意味があるものなのかは分からないまま。

 

『・・・・・・しかし、十分に留意してもらいたい。諸君にとって「ソードアート・オンライン」は、すでに単なるゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。・・・・・・今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。HP(ヒットポイント)がゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に───』

 

『諸君らの脳は、フルダイブハードによる脳破壊シークエンスによって破壊される』

 

「・・・・・・!!??!?」

 

言葉が出ない、あいつは、茅場晶彦は俺達に、視界左上に見えているHPバーの数値がゼロになれば──本当に死ぬ、脳に電流を流されて死ぬと、そう言ったのだ。

 

『諸君がこのゲームから解放される条件はただ一つ。この、アインクラッド最上部、第百層まで辿り着き、そこで待つ最後のボスを倒してこのゲームをクリアすることだ。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう』

 

「第百層・・・・・・?」

 

どこかは知らないが特徴的な声が静寂に包まれている転移門前広場を駆け抜ける。

 

「で、できるわきゃねぇだろうが!!ベータじゃろくに上がれなかったんだろ!?」

 

その言葉を聞き、俺も同じことを考えてしまっていたんだと気づく、ベータでは十層の途中までしか上がれなかったらしいが、それはベータ期間だからだろう?もっと時間をかけたら?もっと人がいたら?すぐにとは言わないがもしかしたらいつかは百層に辿り着けるのではないか?そもそも人を殺したいだけならばわざわざこんなゲームを作る必要がないし、すでに俺達は殺されてたりするのではないか──

 

『それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠をみせよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントがある、確認してくれ給え』

 

俺達はアイテムストレージを開き、そのタブを叩いた。表示されているアイテムは──

 

「手鏡?」

 

手鏡を実体化させるが何も起きない。覗いても見えるのは俺が作った30代紫髪のモヒカンおっさんだけだ。他のやつらも同様だった。だが──

 

突然、カッツォやペンシルゴンなどのクランメンバー、そして周りのプレイヤーが白い光に包まれた。それを認識した瞬間、俺も白い光に包まれ―

 

2、3秒でこの減少が終わり元にもど─

 

「え?カッツォお前その顔─」

 

目の前にいたのはカッツォがこの世界で作った赤髪ツインテールの女ではなく、カッツォの中身、金髪の髪をし、身長がリアルのカッツォと同じくらいまで伸びた、プロゲーマー「魚臣 慧」だった。

 

「え?もしかしてお前サンラクなの?」

 

とカッツォの様子から見た目が変わったのかと予想した俺はもう一度手鏡を見た

 

「なんっじゃこりゃぁぁあ!?」

 

そこには先程まで操っていたモヒカンおっさんの顔はなく俺、サンラクの現実(リアル)の顔「陽務 楽郎」の顔があった。

そうか、だからこその写真提示だったのかと納得する。身長と体重も入力することでAIが大体の顔と体格を予想、それを今反映させたというカラクリだったのだ。なーにが視覚情報の調整だ、リアルと合わせちまえば関係ないってか

多分これは俺達に「ソードアート・オンライン」が「現実」であると強制的に認識させるためにリアルの顔と体格を再現したのだと考える。

 

「顔がリアルになっちゃってる!?」

 

そう言ったのはペンシルゴンことティーンたちに絶大な人気を誇るトップモデル天音 永遠──

 

「いや、お前自分で自分の顔作ってんだからほぼ変わってねぇじゃん」

 

強いていえば髪色は紫から藍色っぽく変わってるか?と思ったのも束の間

 

『諸君は今、なぜ、と思っているだろう。なぜ私―SAO及びナーブギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?これは大規模テロなのか?あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?と』

 

どこか遠い、違う場所を思いながら話しているような茅場、それにはどこか意味のあるような雰囲気を漂わせる

 

『私の目的は、そのどちらかでもない。それどころか、今の私は、すでに一切の目的も、理由も持たない。なぜなら...この状況こそが、私にとっての最終的な目的だからだ。この世界を創り出し、鑑賞するためだけに私はナーブギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた』

 

「・・・・・・あ?」

 

今なんていったコイツ。目的は鑑賞することだけ?それどころかこいつはこのゲームを「楽しもう」としていない?あーもう、あれだ、なんか全部吹っ切れた

 

『....以上で「ソードアート・オンライン」の正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を「おい、待てよ」...』

 

「お前さっきなんて言った?「このゲームを作った目的はない?」「鑑賞するためだけに作った?」いい加減にしろよ?ゲームはなぁ、楽しむためにあるって言ってんだろうが!!それともなんだ?お前はゲームを楽しいと思ったことがないのか?ゲームを楽しいと()()()()()()()ゲームでこの世界を作ろうと思ったんじゃないのか!?」

 

『・・・・・・』

 

「・・・・・・いいぜ、登ってやるぜアインクラッド。その代わり・・・・・・最上階で登った階層分つまり百回分!お前の顔面を殴ってやるよ!!!」

 

『君は....そうか』

 

瞬間、時が止まった。比喩表現ではなく俺と茅場以外の全ての動きが止まっている。この俺達二人しかいない空間でやつは言った。

 

『・・・・・・最上階で待っているとも、()()()()()

 

そう言った次の瞬間には元に戻り俺以外のプレイヤーも動いていた。

 

『以上で「ソードアート・オンライン」チュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』

 

そして俺達の波乱のSAO攻略が始まるのだった。

 

 




はい、オリジナル設定がたくさん出てきましたね。数えるのはめんどくさいのでしません。
とりあえず「なんやかんやあってSAO内で死んだら現実の脳に電気流れて死ぬ」ってを言いたいだけです。なんもかんも設定的に旅狼全員がナーブギアもそろえるのは難しそうなのが悪い。普通に考えて一つのゲームやるのにハード合わせて「10万円超え」とか狂ってるにもほどがある。せめてソフトを揃える辻褄を考えるので精一杯でした。それでも運ゲーで取ったのが半分になったんですけどね。

原作では茅場晶彦はキリト達と最後くらいで喋ったくらいなんですけど、本作ではちょくちょく登場させようかと思います。最後に茅場がサンラクを認知してる描写も書いてしまったわけですしね。
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