旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン) 作:しらすの番人
俺達はエルフ戦争どころかSAOに来てから初めての大規模イベントを終えたはいいが、ディアベルとキリトの両名から次のような内容のメールが送られてきていた。
曰く、昨日でボス部屋までのマッピングが完了した
曰く、サンラク達の姿を見ていないので昨日ではなく今日の12:00からボス攻略を開始することになった
曰く、結局お前こなかったから俺がラストヒット取るわ
「あいつら・・・・・・」
「ほんとだ、アルゴちゃんからも来てるよ。・・・・・・出来ればお前達も来いって書いてあるけど」
この層が開放されて六日くらいなのでボス部屋が発見されて挑まれる事自体は別に何もおかしくないのだが、いかんせんタイミングが悪すぎるな。明日だったら最初から参加出来たのに・・・・・・
「・・・・・・どうする?」
「どうするって言ったって今から行っても間に合うもんなの?」
現在時刻は11:50。これなら・・・・・・
「めっちゃ急いでワンチャン?」
「まぁ無理でしょ、だってあの洞窟抜けるのに急いでも一時間はかかると思うよ?」
「デスヨネー」
迷宮区タワー自体はこのラティエル城からでも見えているのだ。ここに来た時も三時間近くかかったことから、ラティエル城自体かなり南の方にあるらしい。
「もし行けたとしても私達が塔を登るくらいにはもう倒されてますもんね・・・・・・」
「今回はもうキリト辺りに任せるしかないんじゃない?」
まぁあいつらなら負けはしないだろうが何かいやーな予感がするんだよなぁ・・・・・・
「サンラク、サンラク」
「ん、どうしたガリウス」
「要はお前ら【天柱の塔】の守護獣を倒しに行きたいってことか?」
「まぁそうだな、って言っても俺達以外の奴らが現在進行系で倒しに向かってる最中だけど」
「あぁ、天柱の塔の話でしたのね。それならここから五分もあれば向かえますよ?」
「「「「「「「「嘘!?」」」」」」」」
「本当ですとも、ここに来たような地下水路が天柱の塔の近くまで続いているのです。普段は使わないので知っているエルフは極わずかですが」
「・・・・・・その水路、使わせて貰っても?」
「もちろん、構いませんよ」
よぉおおおし!五分で迷宮区着けるんだったらまだワンチャンあるだろ!途中から参戦してラストアタック奪えるチャンス!
「やったじゃんサンラク」
「ラティエル様!ありがとうございます!!」
やっぱり強制参加じゃないとは言え三層までのボス戦全部に参加してたんなら四層も参加したくなるだろう。仲間達もボス戦には参加したかったようだ。
「皆さんには大変お世話になりましたからね、お役に立てるなら何よりです。」
「それとレムザード、ガリウス、ルイド、ミーア。あなた達もついて行ったらどうです?守護獣と戦うのも良い経験になると思いますよ?」
「「「「「「「「へ」」」」」」」」
「あはは、ラティエル様。多分私は兎も角ガリウス達は・・・・・・」
「俺は最初から着いて行くつもりだったぜ?」
「皆さんといると楽しいですもの」
「もちろん一緒に行くっすよ」
「本当ですか!?嬉しいです!!」
「何その激アツ展開」
「頼りにしてる」
「レムザード強すぎて本当の意味で百人力すぎないか?」
てかフロアボスってプレイヤー以外も参加可能なのか・・・・・・ってシャンフロで出来たんだしSAOでも出来て不思議じゃないか。これからはNPC達も戦力として数えられる日が来るかもな。
「でも一つ、注意してください。この層の守護獣「ヒッポカンプ」と呼ばれる、前半分が馬で後ろ半分が魚の怪物は、奇怪な力を持っていて、水に浮くためのまじないが必要だと伝えられています。」
えそれ絶対フロア水没するやつじゃん。
「ですが、先の大きな戦いを超えたあなた達なら、必ず突破出来ると信じています。」
先を急がなければならないので、城主様とはそこで一旦のお別れ。レムザード・ガリウス・ルイド・ミーアの四人も追加され総勢十二人を乗せた「八芒星号」は隠し地下水路を通り、提示された五分よりも二分早い三分で迷宮区目の前の桟橋に到着した。
〜第四層・ボス部屋前〜
「おらぁ到着!!」
「道中ほとんど敵いなくて助かりましたね」
「こン中でサンラク達の知り合いが戦ってんのか・・・・・・」
現在時刻は12:15。あいつらが戦闘開始したのが12:00前後だと思われるので時差はちょうど十五分くらい。遅れを取り戻すべく早くボス部屋に突入する───はずだった。
「皆あれ見ろ!扉閉まってるし水が少しずつ出てきてる!!」
普段なら閉まらないハズの扉が閉まっていてかつ二枚の扉の隙間から少しずつ水が漏れ出している。つまりこれが城主様の言っていた「奇怪な力」とやらだろう。ボス部屋が水没するギミックがあったようでほぼ確定だ。
「早くこじあけないとヤバいかもっす!!」
「まぁまぁルイド。ここは私が開けましょう」
そう言うとレムザードはスタスタと歩き扉の目の前で停止。扉に手をかけ、少し力を入れたかと思いきや───
ドドドドドド・・・・・・・・・・・・
「おや、想像した通りでした!!」
「勢い強すぎじゃない!?」
「これが守護獣の力・・・・・・」
扉は内側からの水圧にギリギリ耐えていたようで、レムザードが少し扉を引いただけで勢い良く扉が開き、大量の水が流れて来たのだ。
「おあああああ!!??」
「きゃぁぁああああ!!!!」
そんな中こちらに流されてくる人物が二名。
「うわキリトとアスナじゃん」
「サンラク君、それに他の皆も・・・・・・良かった、これたのね。」
「あ、サンラク!って今まで何してたんだよ!!ってかどちら様!?」
「ちょっとこっちの事情で協力して貰うことになった的な」
「お初にお目にかかります私はレムザードと言うもので・・・・・・」
「先生、普通に仲間ですで良くねぇ?・・・・・・ガリウスだ」
「ルイドっす」
「ミーアです、よろしくお願いしますね」
「あどうもキリトです・・・・・・じゃなくて!大変なんだサンラク!水が・・・・・・ってもう無くなってる・・・・・・」
「騒がしいヤツだな」
「・・・・・・お前達が扉開けたことが水が放出されたんだな、助かった」
「まぁ間に合ったようで何よりだ。現状は?」
「まだHPバー一段削った所だ。一段削ったらボスが特殊行動してきてこうなったんだ」
「なるほどね・・・・・・」
部屋の真ん中にいるボスを見る。言われた通り前半分が馬で後ろが魚の形になっている・・・・・・。前足の蹄が水かきになってたり、たてがみが触手となり動いている。それが第四層フロアボス「ウィスゲー・ザ・ヒッポカンプ」の特徴である。
「まぁこっちには頼もしい助っ人達がいるんで負ける気がしないがな!」
「同感!じゃあてことで旅狼と愉快な仲間たち!張り切ってボス討伐と行くよー!!」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
「「「「(愉快な仲間達・・・・・・?)」」」」
こうして、俺達にとっては第一ラウンド、先に戦ってた人達にとっては第二ラウンドが幕開けた。
〜第四層・フロアボス部屋〜
「なんやジブンらやっと来よったか!」
「サンラク!間に合ったのか!」
「キバオウにディアベル!まぁ色々あったんだよ。でもめっちゃ強い助っ人達連れてきたからもう大丈夫だぞ!」
「「助っ人?」」
「ほらあれ見ろって」
「「ん?」」
俺はヒッポカンプに突撃していく四人の人影を指さした。
「ンじゃあまぁ小手調べと行くか!!【スネーク・バイト】!」
「見た所あんまり強くはなさそうっすけど・・・・・・【バーチカル・スクエア】!」
「二人共油断はしないでね?・・・・・・【ヘリカル・トワイス】!!」
「ミーアもですよ?・・・・・・さて、私の中でもとっておきを披露しましょう・・・・・・【フラッシング・ペネトレイター】」
「「「はああああああ!!!???」」」
「なんでサンラクも!?」「ジブンは知っとったんやないんかい!?」
「いやだって・・・・・・」
もちろんガリウス・ルイド・ミーアも凄い。ガリウスとルイドは俺の知らない片手剣ソードスキルを使ってるし、ミーアもあの小柄ながら長い槍を使って攻撃している。だが・・・・・・
レムザードだけ別格すぎるのだ。
あの【フラッシング・ペネトレイター】という技は一体なんだったのだろう。走りながらヒッポカンプに向かってジャンプし、そのまま空中で何連もの突きを繰り出す。その一際どころか二・三際派手なエフェクト達は飾りではなく、三人の攻撃により二段目のHPバーが半分になったところを、レムザードは一人で半分削り切り、ヒッポカンプのHPバーは三段目に突入した。
「レムザードがエグすぎるから・・・・・・」
「これは・・・・・・」
「もうチートやないかい・・・・・・」
キバオウの言葉に俺は少し同意である。多分大幅なレベル・ステータス差があそこまでの火力を実現しているのだろうが現時点だとオーバースペックすぎる、というのが素直な感想だ。
「まぁここで見守ってるつもりは毛頭ないけどな!」
さっきまで装備していた短剣の「ウーデン・ダガー」から、片手剣「グレイスソード」に変更。レムザードは確かにオーバースペックだが、この武器も少しはオーバースペックだろう。
俺は現時点で片手剣で出せる最高火力の【シャープネイル】を発動しながらヒッポカンプに突撃していった。
その後、ヒッポカンプは水没行動をしようとしてきたのだが、それを発動する前にレイ氏がソードスキルでヒッポカンプの弱点である馬と魚の境界線部分を攻撃。それによってダウン状態となったヒッポカンプをタコ殴りにして第四層フロアボス戦は終了となった。
今回は
レムザード連れてきちゃった時点でダイジェスト確定演出。コイツ封印確定だ。
五層はちゃんと描写いたしまする。