旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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第五層終われば二十分の一だぞ!!
馬鹿げてやがる・・・・・・


閉ざされた世界の聖なる夜

 

第五層はキリトからも聞いた通り「遺跡」がテーマの層だった。曰く、この層にある町中や地下墓地、地下ダンジョンからは「遺物」が取れるそうで、遺物を売ると結構なコルになることから遺物拾い専門家の《ヒロワー》が誕生したとかなんとか。

 

俺達は今日、そんな第五層の主街区である「カルルイン」で少し遺物拾いを楽しんだり、地下一階のダンジョン攻略をした。遺物は落ちてるっちゃ落ちていたがどれも銅金貨とか銀金貨ばかりで、秋津茜のリアルラックを持ってしても変な宝石が一つしか取れなかった。・・・・・・その宝石、3000コルの値段になったんですけどね。

 

現在の時刻は16:00。一時間前に今日の攻略は終了し、仲間達はそれぞれ五層での宿に帰ったり買い物に行ったりしたのだが、俺は約束があるので一回宿に戻ってから準備してカルルインの転移門前にいる。

 

その約束というのが──

 

「あ、楽郎君!お待たせしました!!」

 

「大丈夫だよ玲さん、俺もさっき来たところだし」

 

そう、玲さんへの色々な謝罪を含めた買い物である。

 

───さて、何から切り出すべきか

 

「えぇっと玲さん、その姿、似合ってるよ」

 

「ほへぇあ!?あ、ありがとうございましゅ!?」

 

基本的にSAOは戦闘がメインのゲームなのでおしゃれ用の装備というものはほとんどない。だが玲さんはクエストの報酬で貰ったのかそれとも自分で作ったのかは分からないが、玲さんは赤色のブラウスに白のカーディガンを着込んでおり、今の少し冷える時期にも合う実用性も兼ね備えた格好をしていた。

 

俺は普通に店で売っていた黒のコートとベルト付きの白のズボンである。まぁ無難だろう。

 

 

「最初はアクセサリーの所から見る?」

 

「ひゃい!そうしましょう!」

 

今日は貯めに貯めた十万ものコルを全て犠牲にするつもりでここに臨んでいるからな・・・・・・玲さんに誠意を見せて何とか今までの失態を取り返すのだ!!

 

 

「へぇ、色々あるなぁ」

 

ふむ、つけるだけでVITとSTRに少し補正がかかってレベル1ダメージ毒と麻痺毒に耐性・・・・・・あれ、この指輪結構どころかめっちゃ強くない?値段は・・・・・・oh、3000・・・・・・。いやまぁ、効果を考えれば妥当である。というかバリバリ前線で戦う俺のプレイスタイル上、HPも毒耐性にあって損は無い・・・・・・これ、買いです。

 

「ここ意外と良い店かもな・・・・・・」

 

「あの、楽郎君、これなんてどうでしょう・・・・・・?」

 

玲さんがそう言って差し出して来たのはそれぞれ青と赤の宝石のネックレスだ。やはり遺跡のフロアだけあって遺物、アクセサリー系統が充実しているらしい。

 

「すごい・・・・・・綺麗だ」

 

「ラピスラズリとルビー、らしいです。」

 

なるほどなぁ、すっげぇキラキラしてる。現実で本物のラピスラズリとルビーなんて見たことないけど実際こんな感じなんかな。どれどれ性能は・・・・・・いや、野暮だな。多分玲さんは見た目で選んだんだろうし性能重視で見るのは多分良くないことは俺でも分かる。

 

「じゃあこれ買って来ちゃうから玲さんは少し待ってて」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

ふむ、お値段ちょうど一万コル・・・・・・宝石ネックレス指輪より高いじゃん!!やっぱアクセサリー専門の店だけあって質も値段も馬鹿に出来ないな。

 

「はい、玲さん」

 

「あ、このラピスラズリの方は楽郎君のです」

 

「あ、そうだったの?」

 

「はい、楽郎君になら似合うと思って」

 

「じゃあ色違いのお揃いか、ありがとう玲さん」

 

「はい!・・・・・・あ、おそ、おそろ・・・・・・」

 

折角だしこのネックレスと指輪を着けてみるか。ふむ、銀の指輪とラピスラズリのネックレスなんてリアルじゃ絶対着けないが案外良いものだな。

 

「よっし、このままじゃんじゃん行こうぜ玲さん!」

 

「はひ」

 

この後も武器屋だったり防具屋だったりに行った。新しい発見というかただ俺が気づいていなかっただけだが、手袋やグローブなどもSAOだと装備アイテム扱いになるらしい。

 

 

「そろそろお腹空いてこない玲さん、良いお店教えて貰ったから行かない?」

 

「是非・・・・!行きたい、です」

 

「よし決まり」

 

 

昨日メールでキリトに第五層で良さげな料理屋を聞いといて良かったわマジで。流石元βテスターだけあって情報の質が高すぎる。教えて貰った場所に行くとそこには「Tavern Inn BLINK & BRINK」という看板がある店に着いた。

 

「ブリンク・アンド・ブリンク・・・・・・瞬きとふち 、でしょうか?」

 

「俺も良くは知らないんだけど中に入れば分かる、ってことらしい」

 

『注意!お店に駆け込んで入らないで下さい』なる注意書きも書いてあり、益々どんな店なのか分からなくなってきたがとりあえず俺達は扉を開ける。

 

「わ」

 

「冷て」

 

扉を開けてすぐ、俺達は奥の方からの冷たい風が吹いてきているのを感じた。どうやら奥のテラス席側から吹いてきているらしい。店内には誰の姿もいなかったので、俺達はテーブル席を抜けてテラス席へと向かった。

 

「・・・・・・楽郎君、これって」

 

「空、だなぁ」

 

視界一面に広がる夜空に無数の星たち。今、俺達は第五層の端っこにいるのだ。だからこそ、外周、つまりは空が広がっている。

 

「BRINKの意味は、ふち、ではなく崖っぷち、っていう意味もだったんですね」

 

「こりゃ確かに瞬きするほどの景色だ」

 

まぁ外周ギリギリってことだし目の前に空広がってるし多分これ落ちたら即ゲームオーバーだな。気をつけとこ。

 

「じゃあ座ろうか」

 

こんなに畏まる必要も無かったとは思うが、手前の椅子を引いて俺は奥側の椅子に移動。これがレディーファーストと言うものだろう、多分。

 

「どんなメニューがあるのかなーと」

 

俺達はテーブルにあるメニュー表を一つずつ見る。ローストチキン、ビーフシチュー、グラタン、ドリア、サラダなどなど、洋食系のメインどころは大体あるらしい。む、なんだこの《フィックルワイン》て、未成年だけどワインて頼めんのか?フィックルは確か「変わりやすい」とか「気まぐれ」とかの意味なので注文する毎に味が変わるのだろうか。ちょっと頼んでみるか。

 

「玲さんはもう決まった?」

 

「はい、決まりました」

 

「オッケー、すいませーん」

 

俺はリアルと同じように店員さんを呼んでみる。伝わるか不安だが──良かった、ちゃんと意味は伝わったらしい。黒のエプロンを来たウェイトレスがコップを二つ持ってやってきた。

 

「いらっしゃいませ、こちらお冷になります。ご注文はお決まりでしょうか?」

 

「えーとこの《ゴロゴロビーフシチュー》と、《シュブル・リーフと十種チーズのサラダ》、《ポロポロ肉のロースト》、あと《フィックルワイン》を一つ」

 

「私は、サラダとローストが同じもので、《たっぷりチーズドリア》をお願いします」

 

「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

 

「あ、あとこの《ブルーブルーベリータルト》とコーヒーを食後に二つずつお願いします」

 

ウェイトレスはかしこまりました、と言い今までのメニューを復唱し去っていった。

 

 

「ありがとうございます楽郎君、デザートのこと完全に忘れてました・・・・・・」

 

「大丈夫大丈夫、それにこのタルトがこの店の本命らしいから期待してて」

 

キリトからは「あの爽やかな甘さとコーヒーが抜群の相性だった」と実感のこもったコメントを頂いているのでまず間違いないだろう。

 

 

「お待たせ致しました」

 

「わぁ・・・・・・」

 

「おぉ・・・・・・」

 

ズラリと並べられた料理達は色とりどりでとても美味しそうな見た目をしている。食の再現度が高いのは茅場に感謝すべきだな。この世界で飯まずかったら大勢の人が鬱とかになってリタイアしていたんじゃないだろうか。

 

「さて、まずはワインから。・・・・・・はい玲さん。どうぞ。」

 

「わぁ、ありがとうございます」

 

赤色の液体が注がれたグラスを玲さんに手渡す。普通の赤ワインっぽいな。味は知らんけど。

 

「・・・・・・あれ?」

 

「白色・・・・・・?」

 

続いて俺のグラスにも液体を注いだのだが・・・・・・玲さんのは赤色なのに対して俺のは白色である。どんなトリックだよこれは。

 

「なるほど・・・・・・このフィックルワインは、ワイン毎に変わるのではなく、グラスに注ぐ毎に違うものが出てくるようですね」

 

「なるほどなぁ、それじゃあ飲んでみるか」

 

カチン、とお互い乾杯をしてから液体を口に含む。うーんこうスッキリとした感じ。なんとなくワインの特徴で分かるぞ、これは「辛口」だな。全然甘くない。

 

「あ、甘い味がします。・・・・・・美味しいですね」

 

「こっちはスッキリしてるから辛口かなぁ」

 

ワインも嗜み、いよいよ俺達はメイン料理を食べ始めた。マヨネーズっぽい葉とチーズが合わさったサラダは普通に美味しいし、チキンは少しつつくだけでポロポロ落ちるくらい柔らかいし、ビーフシチューはその名の通り肉や野菜が具だくさんだった。俺のビーフシチューとの交換で玲さんのチーズドリアも食べさせて貰ったがこれがめちゃくちゃ美味かった。最初からこっち頼んどきゃよかったと思うくらいには絶品だった。

 

 

メイン料理を全部食べた俺達はウェイトレスに食後のデザートを持ってくるように頼んだ。その間に俺達はまたワインを飲み、今度はロゼの色をしたスパーリングワインを引き当てた。そしてそのワインを飲み干すくらいのタイミングでウェイトレスはタルトとコーヒーを持ってきた。

 

「美味しそうですね」

 

「そうだね、って・・・・・・ん?」

 

ぽつり、と何か俺の頬に何か落ちた。・・・・・・て冷た!?なんだこれ!!

 

「楽郎君!それ、雪です!雪!!」

 

「雪ィ!?」

 

なんで今!?───ってあそっか、今日って

 

「クリスマス、か」

 

「あ、本当ですね」

 

12月24日。そう、クリスマス・イブ当日である。別にクリスマス自体を忘れてたわけではない──と言えば嘘になるが、まぁクリスマスって気が全然しなかったのは事実である。

 

でも、確かにクリスマスならこの一言は必要だ。

 

 

「メリークリスマス、玲さん」

 

「・・・・・・ふふっ。メリークリスマスです、楽郎君」

 




あれ、書いてて思ったんですけどもしかしてJGE前だと二人共名前呼びになってない??

・・・・・・細かいことは気にするな!!(原作改変)(何を今更)


ちなみに

ラピスラズリの石言葉:幸運
ルビーの石言葉:純愛・情熱的な愛


ヒロインちゃんゲージ
興奮度:200%
好感度:200%
幸福度:200%  テンション高い時程冷静になるアレ
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