旅する狼達よ、鋼鉄の城にて吠えろ(シャングリラ・フロンティア×ソードアート・オンライン)   作:しらすの番人

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読書感想文とかいう時間かかる課題筆頭


遺物収集隊?それつまりヒロワー

 

「じゃあ食べようか」

 

「はい・・・・・・!いただきます」

 

「いただきます」

 

「・・・・・・美味っ!!」

 

「・・・・・・!カスタードとブルーベリーが上手く混ざってて、すごく美味しいです・・・・・・!」

 

雪が降る広大な空を眺めながら食べるブルーベリータルト。なんて美味しいんだろうか。

キリトからこれが本命だと言われた正式名称《ブルーブルーベリータルト》、爽やかですっきりとした甘酸っぱいブルーベリーに濃厚なカスタードクリームとサクサクしたタルト、苦みのあるコーヒーとも相性が良くいくらでも食べれそうだ。

 

だがこれは一日三十個の限定品かつ一人一個までらしい。キリト曰く夜残ってたら幸運、だそうなので俺達は運が良かったのだろう。

 

 

「・・・・・・ごちそうさまでした」

 

「ごちそうさまでした」

 

玲さんはとても満足そうな顔をしている。少しは楽しんで貰えた、ということだろうか。

 

「楽郎君・・・今日は本当にありがとうございました・・・・・・!とっても楽しかったです」

 

「それなら良かった」

 

ふぅー、これで俺の罪滅ぼし的なやつは終了でいいだろうか。いや玲さんなら許してくれるとは分かっていたんだがどうにも良心がねぇ・・・・・・

 

「ん?」

 

「・・・・・・どうしたんですか?楽郎君」

 

「ねぇ玲さん、HPバーの左下に変なマークない?」

 

「・・・・・・あ、あります。何でしょうかこれ?」

 

今俺の視界に写っているHPバーの左下には見たことのない枠の中に目が書かれたアイコンが光っている。そこにはいつもバフやデバフを示すアイコンが光る場所であり、色が明るいので何らかの視覚に関係するバフなのは予想出来るがそれがなんなのかは俺と玲さんのどちらも分からない。

 

「うーん・・・・・・」

 

ただアイコンが光っただけで特に何も変わってないなよな?視界に異常はないし遥か遠くまで見れる程視力が上昇したわけでもないし。

 

「お?・・・・・・あ、分かったかも。」

 

「?」

 

「玲さん。あっちの法の床見て。何かぼんやりと光ってない?」

 

「あ、あれって・・・・・・」

 

「そう、「遺物」だこれ完全に」

 

俺はぼんやりと光っている物に近づき拾い上げる。この銅色で円形状は──

 

「昼間見た銅貨だな」

 

「あ、こっちにもありました」

 

玲さんが持ち上げた落ちていた光る物体は、俺のと同じ見た目をしている銅貨だった。

 

「やっぱりか、これ《遺物発見》のバフだな。あのブルーベリータルトにバフが付いてたんじゃないかな」

 

「なるほど、それなら数量限定なのも納得です。バフ付きなんて珍しいですもんね」

 

美味しいし実用性もあるってすげぇなタルト。というよりキリトの知識量が本当に有用すぎる。あいつ元βテスターの中でも上位の方だろ。こんな場所にある店なんて普通見つけられないだろ。

 

「バフに制限時間はあるんでしょうか・・・・・・?」

 

「うーん、流石に時間無制限なんてことはないだろうから制限時間はあるんじゃないかな?」

 

「っ・・・じゃ、じゃあ!今から少し遺物拾いに行きませんか!?ほら、あの、えっと・・・・・・効果が切れても勿体ないですし!!」

 

「え?あ、うん。そうだね」

 

成る程、流石は玲さんだ。このバフを利用して遺物をたくさん集め懐を潤沢にするつもりだな・・・・・・?それは願ったり叶ったりだ!金はいくらでもあればある程いいからな。それに二人でやれば集まる量と良いものを引ける確率も二倍、良さげなアクセサリーとか落ちてればそれこそガッポガッポだ。幸いまだ19:00だし一時間くらい収集して帰っても仲間達からは特段何か言われないだろう。俄然やる気が湧いてきたぞ!!特にレア物を出せればあいつら(外道共)を煽る良い種になるじゃないか!もちろんこのタルトの場所は教えないけどな!!

 

「よし玲さん!善は急げだ!一緒に遺物拾いまくって待ってるあいつらに自慢してやろうぜ!!」

 

「へ・・・・・・は、はい!」

 

 

〜二十分後〜

 

「ふぅ、ここら辺にあるものは取り尽くしたか・・・・・・?」

 

「そうですね・・・・・・でもあまり珍しそうな物はありませんでしたが・・・・・・」

 

俺達はあの洋食屋「ブリンク・アンド・ブリンク」長いのでブリブリ・・・・・・は気持ち悪いな。ブリンクでの支払いを俺の奢りということで速攻で終わらせ、近くのある地下ダンジョンが側にある神殿周りで遺物収集に勤しんでいたのだが・・・・・・結果として見るとあまり芳しくはない。銅貨や銀貨は普通に見つかり、さっきは小さいが金貨も見つけることが出来たのだが、秋津茜が見つけたようなレア物っぽいアクセサリーが中々見つけられないのだ。

 

確かに昼全員係で探していた時よりかは見つかるペースも早くはなってはいるのだが、どうやらこのバフは「発見率」は上がるが、そこから「レア物が出るかどうか」の確率には何の影響も無いらしい。

 

「どうするかなぁ」

 

折角探しているのだし、玲さんに満足して帰って貰うためにも、ここは男として一発デカいものを当てたいのだが、生憎俺はそういう運ゲーっぽいモノとは相性が悪いんだよなぁ。くたばれ乱数の女神。

 

「・・・・・・楽郎君。一つ提案があります。」

 

「ん?」

 

「・・・・・・場所を、ダンジョンに変えませんか?」

 

 

 

 

「玲さん!これ絶対価値高いよ!おめでとう!!」

 

「・・・・・・えへへ、やりました」

 

玲さんが収集の場所を近くの地下ダンジョンに移してから二十分、タルトのバフはピッタリ一時間だったようで、ちょうど切れる寸前くらいの時に玲さんが宝石の付いたアクセサリーを発見したのだ。

 

そもそもダンジョンと地上だと遺物の量の違いの差が多すぎる。やはりモンスターが出るだけあって、安全な地上とは設定されている遺物の数が全然違うのだ。少しヒロワーなるものが出てくる理由が分かった気がする。ダンジョンの地下一階ならあまり強いモンスターも出ないし比較的地上に出やすいしでコル稼ぎとしてとても効率が良いのだ。

 

「じゃあ玲さん、そろそろ帰ろうか?」

 

「そうですね・・・・・・はぁ、楽しい時間はあっという間ですね・・・・・・」

 

「まさかそんなに楽しんでくれるとは思って無かったよ。今度で良いならまた出かける?」

 

「良いんですか!?是非!!」

 

なんかめっちゃ食い気味だが俺なんかと遊んで楽しいのだろうか・・・・・・?まぁ玲さんはそれで良いって言ってくれてるのだから良いか。・・・・・・てこれ今考えたら男女二人で出かけるなんてデー「あれ、ここはなんでしょう・・・・・・?」

 

玲さんその部屋には何もない───

 

「ん・・・・・・!?玲さん!待って!止まって!!ストォォォッッッップ!!!!」

 

カチッ

 

「あ──」

 

「玲さあああん!!!!!」

 

 

俺があの時変な思考をしていなかったら、俺が少し浮かれ気味になっていた玲さんから目を離していなかったら、

 

玲さんにあんな怖い思いをさせないで済んだはずだった。




バイバイラブコメ、ようこそシリアス。
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